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映画『乱れ雲』あらすじ&ネタバレ感想

巨匠・成瀬巳喜男監督の遺作にあたるメロドロマ。不幸な交通事故の加害者と被害者の男女が憎しみと愛情に揺れる様を情緒たっぷりに描く。東宝の看板スター加山雄三と司葉子が共演。

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映画『乱れ雲』 作品情報

  • 製作年:1967年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:成瀬巳喜男
  • キャスト:加山雄三、司葉子、土屋嘉男、森光子、加東大介 etc…

映画『乱れ雲』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

映画『乱れ雲』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『乱れ雲』のあらすじを紹介します。

妊娠中の由美子(司葉子)は通産省に務める夫のワシントン派遣が決定し、まさに幸せの絶頂にいた。ところがその直後夫は交通事故で帰らぬ人となってしまう。夫を轢いたのは三島史郎(加山雄三)という商社に務める男だった。裁判では三島の過失は認められず無罪となったが、由美子に月々の慰謝料の支払いを申し出る。三島に憎悪を抱く由美子は一度はこれを断るのだが、姉の文子(草笛光子)の勧めもあってこれを受け取ることにする。しかし夫をなくした由美子に世間の風当たりは厳しい。夫の両親から籍を抜かれ、胎内の赤ちゃんも諦めなければならなかった。行き場をなくした由美子は、義姉の勝子(森光子)がとりしきる十和田湖の実家の旅館に戻ることになる。

一方で加害者の三島も通産省の役人を轢いたということで社内では煙たがられ、同じく青森に飛ばされていた。東京から遠く離れた十和田湖で由美子と三島は幾度となく顔を合わせることになる。そしていつしか憎しみや罪の意識は愛情へと変わっていった。そして三島の西パキスタンへの転勤が決まり十和田湖を発つその日、ついに2人は互いの愛を確認する。しかし道中2人は悲惨な交通事故を目撃する。それはかつての悲劇を思い起こさせるには十分だった。由美子は決して三島と結ばれないことを悟り、三島はそんな彼女に別れの歌を送るのだった

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映画『乱れ雲』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『乱れ雲』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

成瀬映画の女性像

成瀬の映画はしばしば女性映画と評される。彼の映画で描かれる女性は男性優位社会の中で風あたりを感じながらも、経済的精神的自立を目指そうとする。印象的なのが、本作の主人公の由美子が夫の家族から籍を外されるシーンだ。夫の家族は由美子に対して女としての幸せを求めるように諭す。ここで言う所の女としての幸せとは、新しい男を探してその庇護にもと暮らすことを指すのだろう。ところが由美子はその逆を求める。三島からの支援を自ら断り、自分の力で生きて行こうとする。

三島と由美子の対比

そして加山雄三演じる三島との雨のシーンでそれはさらに明確になる。三島は旅先で体調を崩して寝込んでしまうのだ。そして由美子は急遽宿を確保し、弱った三島の額に氷嚢をのせてやるのだ。ここは普通の映画なら逆の立ち位置で描かれるべきシーンだろう。見るからに屈強で身体の丈夫そうな男の方が倒れてしまうのには、やはりどこか違和感が残る。だがあえて男女の役割を逆転させることによって彼女の逞しさ、生命力の強さが強調されるのだ。

或いは生き方についても2人の間に明確な違いがある。三島は会社の命によって勤務先や恋人など、自分の生き方を左右される。一方で夫を亡くしてからの由美子は自分の意志で行動し十和田湖までやってきている。由美子という女性が徹底して自立した存在として描かれていることが分かる。

映画『乱れ雲』 まとめ

成瀬巳喜男監督の遺作となった今作は、女性を描き続けてきた監督のまさに集大成と呼べるメロドラマに仕上がっている。被害者と加害者という決して結ばれることのない2人の間で交わされる、微妙な感情のやりとりを見事に映像にすくいとっている。中でも終盤むせ返るような緑の中で抱擁するシーンは、十分にひきしろを持った落ち着いたアングルと、それに反して激しく渦巻く感情の対比が素晴らしい。ラストの旅館での2人の表情も凄い色気をはらんでおり、行為が行われずとも十分に官能的だ。

また主演の2人以外の脇役にも豪華な配役がなされている。由美子に親切にしながらも、どこかで損得の計算を欠かさない姉を草笛光子が好演。旅館を1人で切り盛りするたくましい義姉を森光子が演じている。

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