この記事では、映画『ブラック・フォン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。
映画『ブラック・フォン』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2021年 |
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上映時間 | 103分 |
ジャンル | ホラー |
監督 | スコット・デリクソン |
キャスト | メイソン・テムズ マデリーン・マックグロウ ジェレミー・デイヴィス イーサン・ホーク |
製作国 | アメリカ |
映画『ブラック・フォン』の登場人物(キャスト)
- フィニー・ブレイク(メイソン・テムズ)
- 少年野球のピッチャー。自作ロケットの打ち上げが趣味。
- グウェンドリン・ブレイク(マデリーン・マックグロウ)
- フィニーの妹。愛称はグウェン。予知夢を見ることができる。
- テレンス・ブレイク(ジェレミー・デイヴィス)
- フィニーの父。
- グラバー(イーサン・ホーク)
- 少年ばかりを狙う凶悪な誘拐犯で殺人鬼。
- マックス(ジェームズ・ランソン)
- 趣味で熱心に誘拐事件を調査している。
- ロビン・アレラーノ(ミゲル・カサレス・モーラ)
- フィニーの親友。喧嘩に滅法強い。
映画『ブラック・フォン』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
映画『ブラック・フォン』のあらすじ【起】
1978年、コロラド州デンバー北部。リトルリーグでピッチャーを務める少年フィニーは、野球の試合でブルースにホームランを打たれ、試合に負けてしまう。
町でも人気者のブルース。そんな彼がある日、行方知れずとなってしまう。フィニーが住む町では最近、子供の誘拐事件が頻発していた。いつしか誘拐犯は「グラバー」と呼ばれ町で恐れられていた。
フィニーは父と妹のグウェンと三人暮らし。彼の父は酒浸りで子どもたちに手を上げることもしばしばあった。
フィニーは学校で三人組の少年に目を付けられていた。ある日、彼らから逃げようとトイレに駆け込んだフィニー。そこへ不良少年のロビンが現れる。三人組はロビンを恐れてその場を立ち去る。フィニーとロビンは性格は正反対ながらなぜか気の合う仲だった。
グウェンが校長室に呼び出される。そこには二人の刑事がいた。グウェンは誘拐事件について警察しか知り得ない情報を友達に話していた。それを聞きつけた刑事が彼女に話を聞きに来たのだった。グウェンは時折、予知夢のようなものを見ると刑事たちに話す。
映画『ブラック・フォン』のあらすじ【承】
次なる誘拐事件の被害者はロビンだった。
そしてついにはフィニーもグラバーの手によって誘拐されてしまう。薬で気絶させられたフィニーが目を覚ますとそこは薄暗い地下室で、不気味な仮面を付けた男がいた。男は部屋を出ると扉の鍵を閉めて上階へと去っていった。
フィニーが一人になると、壁に掛けられた線の繋がっていない電話が突然鳴り出す。電話の相手はブルースだった。ブルースはフィニーに「床のタイルを剥がすと土が現れ、穴を掘って外に出ることができる」と告げる。言われたとおりにするフィニーだったが、外に脱出できるほどの穴を掘ることはできず、その日は眠りについた。
その頃、グウェンは夢でフィニーが助けを求めて叫ぶ夢を見ていた。
翌日、食事を持って現れたグラバー。彼は扉を閉めるだけで、鍵を掛けずに上階へと去っていった。それを見て扉へと駆け寄るフィニー。そこで再び電話の音が鳴った。
映画『ブラック・フォン』のあらすじ【転】
電話の主は、ビリーという新聞配達の途中で行方不明になった少年ビリーだった。ビリーは鍵の開いた扉は罠で、決して外へ出てはいけないと忠告する。そして、部屋に隠した長い電線の在処をフィニーに教える。フィニーはその電線を使って窓に付いた格子を外すことに成功する。しかし、窓自体を外すことはできず脱出には至らなかった。
その頃、グウェンに事情を聞きに来た二人の刑事はマックスという男に目を付け事情聴取を行うが、男は事件とは無関係と二人は判断する。
フィニーがいる地下室でまたもや電話が鳴り響く。三人目の電話の主は、グリフィンという少年だった。彼はグラバーがたった今、眠りについたことと、この家から外へ出られる扉に掛けられた鍵の番号を告げる。
恐る恐る上階へと向かうフィニー。眠るグラバーの横を通り抜けると、鍵を開けて外へと出る。しかし、犬が吠えたためグラバーが目を覚まし、フィニーはあえなく地下室へと連れ戻されてしまう。
映画『ブラック・フォン』の結末・ラスト(ネタバレ)
四人目の電話の主は、不良少年ヴァンスだった。彼は壁を壊すと物置に通じるとアドバイスする。しかし、冷蔵庫の背面を剥がすことができずまたもや脱出することはできなかった。
その頃、グウェンはヴァンスの記憶の夢を見ていた。彼女はそこで7741という住所の家を突き止める。
何度も脱出に失敗し絶望するフィニー。そんな時に掛かってきた電話の主は、友人のロビンだった。ロビンは電話に土を詰めることでそれを武器とすること、そしてそれを使った戦い方をフィニーに教える。
フィニーのいる地下室に刑事が事情聴取をしたマックスが現れる。彼はグラバーの弟だった。そこへ背後からグラバーがやって来てマックスの頭部を斧で叩き割る。
さらにフィニーを痛めつけようとグラバーが近づいてくる。しかし、グラバーはフィニーの作った穴に落下。フィニーは身動きの取れないグラバーを電話で何度も殴りつけたうえ、電話線で絞め殺してしまう。
間もなく、グウェンの通報で警察が駆けつける。脱出に成功したフィニーはグウェンと抱き合う。身を寄せ合う二人の前に現れた父は泣きながら許しを請う。
事件後、初めて登校するフィニー。彼の顔にはどこかしら自信がみなぎっていた。
映画『ブラック・フォン』の考察・解説(ネタバレ)
映画『ブラック・フォン』で行方不明になったロビンは死亡したのか?
映画『ブラック・フォン』において、主人公フィニーの親友であるロビンは、連続誘拐犯のグラバーによって誘拐され、彼の地下室に監禁されてしまいます。そして、tragicallyにも、ロビンは他の被害者たちと同じ運命をたどり、グラバーの手によって殺害されてしまうのです。物語が進むにつれ、フィニーは亡くなった友人ロビンや他の犠牲者たちの霊魂と、不思議な形で交信することになります。彼らの霊は、フィニーに生き延びるための助言や指導を与えてくれるのです。
ロビンは命を落としてしまいますが、フィニーが古い電話機を通して彼と会話するシーンでは、ロビンの霊が現れ、フィニーに勇気を与える重要な役割を果たします。二人の間には深い絆があり、親友を失ったことはフィニーにとって大きな衝撃でした。しかし、ロビンの霊からの助けを借りて、フィニーは最終的にグラバーの魔の手から逃れることに成功するのです。ロビンは物語のカギとなる存在であり、彼の死を乗り越えたことでフィニーは成長し、困難に立ち向かう強さを手に入れたのです。
ロビンの最期は残酷で悲しいものでしたが、彼の助言がフィニーを救い、最後には正義が勝利する形で物語は締めくくられます。親友の死は主人公の心に深い傷を残しましたが、それと同時に、彼を突き動かす原動力ともなったのです。
映画『ブラック・フォン』は実話を基にした作品?
『ブラック・フォン』は、実在の事件をベースにした作品ではありませんが、ホラー作家として知られるジョー・ヒルの短編小説を原作としています。ジョー・ヒルは、ホラー界の巨匠スティーヴン・キングを父に持ち、その影響を受けつつも独自のホラー作品を多数発表している作家です。この映画で描かれる物語は、完全にフィクションの世界で展開されており、現実に起きた事件を直接的に扱ったものではありません。
ただし、作中で描かれる誘拐事件や連続殺人犯といったテーマは、現実に存在する凶悪犯罪から何らかの影響を受けている可能性があります。特に、犯人グラバーのキャラクター造形には、実在の連続殺人犯の特徴が投影されているように感じられます。また、少年を狙った誘拐や監禁といった設定は、ホラー映画や犯罪サスペンスでよく用いられる定番のモチーフでもあります。
『ブラック・フォン』が描き出す恐怖は、現実に起こりうる最悪の事態を想起させるリアリティを持っていますが、あくまでもフィクションの物語として構築されています。だからこそ、観客はこの作品を現実から一歩距離を置いて、娯楽作品として楽しむことができるのです。
映画『ブラック・フォン』の犯人グラバーの動機は何だったのか?
映画『ブラック・フォン』の中で、犯人グラバーの具体的な動機は明示されていません。しかし、彼の異常な行動パターンや性格からは、彼が精神的に不安定で、サディスティックな欲望を抱えていることがうかがえます。グラバーは少年を狙って誘拐し、自宅の地下室に監禁した上で、彼らを心身ともに虐げ、最後には殺害するという残虐な行為を繰り返しているのです。こうした一連の行動からは、彼の深層心理に潜む歪んだ欲求が浮かび上がってきます。
グラバーの最大の目的は、少年たちを自分の支配下に置き、恐怖のどん底に突き落とすことにあるようです。被害者を精神的にも肉体的にも追い詰め、その命を自らの手にかけることで、グラバーは強烈な支配感や満足感を得ているのでしょう。彼が被害者たちを「ゲーム」の道具のように扱い、その恐怖心を愉しんでいる様子からは、グラバーの価値観や倫理観が著しく歪んでいることがわかります。
また、グラバーが常に顔を覆い隠すマスクを着用していることにも、彼の心理が反映されているように思われます。マスクで素顔を隠すことは、彼の内なる闇や本当の自分を覆い隠したいという欲求の表れなのかもしれません。自身の内面と向き合うことを避け、代わりに無力な少年たちに暴力を振るうことで、グラバーは自己を保っているのかもしれません。犯人の真の動機は謎に包まれていますが、その異常性格の裏には、複雑な心の闇が潜んでいるようです。
映画『ブラック・フォン』のマックスの謎な行動の考察は?
マックスはグラバーの弟という設定で、映画の中ではやや風変わりな存在として描かれています。彼は自宅に引きこもりながらも、連続誘拐事件に異常なほどの関心を示し、独自に事件の真相を追っているようです。しかし、マックスは自宅の地下室で少年たちが監禁されている事実にまったく気づかず、兄の犯行にも無関心を装っています。一見すると無邪気な振る舞いの裏に、何かしら不可解な部分を感じさせるキャラクターです。
マックスのこうした行動の背景には、彼自身の鈍感さや兄との関係性が影を落としているのかもしれません。グラバーが犯人だと知らないふりをしているようにも見えますが、自分の住む家の地下室で凄惨な犯罪が行われていることに気づかないというのは、不自然としか言いようがありません。これは、マックスが兄を盲目的に信頼しているあまり、疑念を抱く余地がないのか、あるいは兄が犯罪者だという現実から目を背けているのかもしれません。
物語の終盤で、マックスはようやく真相に気づきますが、時すでに遅く、グラバーに殺害されてしまいます。彼の不可解な行動と悲惨な最期は、兄弟の複雑な関係性や、一見平穏な日常の裏に潜む危険の影を象徴しているようです。マックスの存在は、私たちに身近な人物でさえ、時として予想外の一面を持ち合わせていることを示唆しているのかもしれません。
映画『ブラック・フォン』の誘拐犯グラバーの目的は何だったのか?
グラバーが少年たちを誘拐する目的は、彼らの心を支配し、恐怖心を植え付けることにありました。被害者を地下室に監禁し、脱出しようとする彼らの必死の抵抗を面白がりながら、グラバーは計算づくで心理的な罠を仕掛けていきます。こうした「ゲーム」を通して、グラバーはサディスティックな欲望を満たし、絶対的な支配者としての快感を得ているのです。
グラバーの犯行には、単なる衝動的な暴力とは異なる、周到な計画性が感じられます。彼にとって少年たちを誘拐することは、目的を達成するための手段に過ぎません。そして、その最終目標は、被害者の心を完全に支配し、恐怖のどん底に突き落とすことなのです。地下室の中で、グラバーは少年たちを絶望的な状況に追い込み、彼らの恐怖心を愉しんでいるのです。
グラバーが標的を少年に定めているのは、彼らが大人に比べて無力で、支配しやすい存在だと考えているからでしょう。肉体的な苦痛よりも、精神的な圧迫や無力感を与えることで、グラバーは被害者を思うがままに操ることができるのです。彼の異常な欲望は、弱い立場の少年たちを食い物にすることで満たされていくのです。
映画『ブラック・フォン』の伏線はどうやって回収されたのか?
『ブラック・フォン』には、物語の核心に迫る重要な伏線がいくつか散りばめられており、ラストに向けて見事に回収されていきます。中でも、地下室に設置された一台の黒電話は、物語全体を通して重要な意味を持つモチーフとして機能しています。当初は故障して使い物にならないと思われていたこの電話が、実はフィニーと亡くなった犠牲者たちを繋ぐ、唯一のコミュニケーション手段だったのです。電話を通して、過去のグラバーの犠牲者たちがフィニーに助言を送り、彼を助ける鍵となっていたのです。
また、フィニーが地下室から脱出するために試みたさまざまな行動やアイデアも、最終的に大きな意味を持つことになります。床を掘り起こしたり、壁を壊そうとしたりしたフィニーの行動は、一見すると無駄に思えましたが、物語のクライマックスでは、これらのアイデアがすべて組み合わさって、グラバーを倒すための巧妙な罠として機能するのです。フィニーの小さな試みの数々が、最後には彼を救う鍵となって回収されるのです。
さらに、フィニーの妹グウェンが見る不思議な夢も、重要な伏線の一つとなっています。彼女は何度か予知夢のようなものを見ており、その夢が事件解決の手がかりになることが暗示されていました。そして最終的に、グウェンの夢は警察にとって重要な情報となり、フィニーの居場所を特定する決め手になったのです。このように、『ブラック・フォン』では、物語の随所に張り巡らされた伏線が見事に回収され、フィニーがグラバーを倒して脱出するための鍵となっているのです。
本作では、一見些細に見える描写や設定のすべてが、ラストで大きな意味を持つように巧妙に構成されています。こうした緻密な伏線の回収によって、観客は物語の結末に強い満足感を覚えるのです。
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