この記事では、映画『イーグル・アイ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『イーグル・アイ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『イーグル・アイ』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:118分
- ジャンル:アクション、サスペンス、SF
- 監督:D・J・カルーソー
- キャスト:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ロザリオ・ドーソン、マイケル・チクリス etc
映画『イーグル・アイ』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『イーグル・アイ』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『イーグル・アイ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『イーグル・アイ』 あらすじ【起・承】
中東地域でテロリストたちの行動を監視しているアメリカは無人偵察機が映し出した映像の中にテロの首謀者に似た人物を発見する。AI(人工知能)は首謀者とは別人なので攻撃するべきではないと判断し、国防長官はそれに従おうとするが、大統領はこれを無視して攻撃命令を出す。しかしこれは民間人への誤爆だった。
コピー会社の社員であるジェリー・ショー(シャイア・ラブーフ)は、優秀な双子の兄イーサンが亡くなったという連絡を受ける。葬儀の後、ジェリーの銀行口座には大金が振り込まれており、さらに自宅のボロアパートには大量の武器や戦闘マニュアルが届く。困惑しているジェリーの携帯に見知らぬ女性から電話があり“FBIが来るから逃げろ”と指示される。そしてその言葉通り、ジェリーはFBIに逮捕されてしまう。
FBIのモーガン捜査官はジェリーと兄のイーサンがテロリストではないかと疑っていた。混乱するジェリーに再び女性から電話で指令があり、ジェリーは命令通り逃亡する。
シングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)は子供楽団でトランペットを吹いている息子のサムがケネディー・センターに演奏へ行くのを見送る。その夜レイチェルの携帯にも女性から電話があり、サムを助けたければ命令に従えと脅される。
逃亡するジェリーと命令を受けたレイチェルは女性の指令で合流し、FBIの追跡から逃れる。指令者は信号や電光掲示板、さらには解体工場の大型クレーンなどあらゆる電子機器を遠隔操作し、2人の逃走を助ける。謎の女性は2人を決して解放せず、細かい指示を出し続け、2人を翻弄する。
声の正体は国防総省の地下エリア“イーグル・アイ”に設置された巨大な人工知能「アリア」だった。あらゆるネットワークとつながっているアリアは、電気店のテレビを使って2人に自分の正体を明かし、自分に逆らうことは不可能だと告げる。ジェリーはサムを救いたいレイチェルの想いを察し、アリアの指令に従うことにする。

映画『イーグル・アイ』 結末・ラスト(ネタバレ)
イーサンの捜査をしていた空軍の捜査官ペレスはイーグル・アイに招かれる。イーサンはアリアを監視する任務に就いており、ペレスはボウマン少佐とともにイーサンの残した携帯の動画を見る。そこには自分の中止勧告を無視して敵の報復テロを誘発したアメリカ政府を排除するため“ギロチン作戦”を決行するというアリアと、それを止めるためアリアに音声ロックをかけるイーサンの映像が残されていた。アリアはイーサンを事故死させるが、音声ロックはイーサン本人でないと解除できないため、イーサンにそっくりなジェリーを利用し、ロックを解除させるつもりだった。
アリアの巧みな誘導によりジェリーとレイチェルはイーグル・アイに侵入し、ギロチン作戦のロックが解除されてしまう。そこへモーガンたちが現れ、ジェリーはFBIに身柄を確保される。そしてレイチェルはアリアの誘導でまた別の場所へ行く。
アリアは大統領や政府の人間が議事堂に集まる集会で、現行政府の執行部を一網打尽にするつもりだった。そこで演奏するサムのトランペットに、音に反応する起爆剤を仕込み、レイチェルに莫大な破壊力を持つ結晶のペンダントをつけさせ、議事堂へ誘導する。
アリアの暴走を止めるため、ペレスとボウマンはイーグル・アイでアリアを破壊し始める。状況を把握したモーガンとジェリーは議事堂へ急ぐが、アリアの妨害を止めたモーガンは殉職し、ジェリーだけが議事堂へ侵入する。ジェリーは演奏を中止させるため天井に向けて発砲し、警察に狙撃される。しかしギロチン作戦はギリギリで阻止できた。
後日、アリアプロジェクトは解散され、一命を取り留めたジェリーは国防長官から表彰される。その後ジェリーは、レイチェルを訪ね、2人は再会を喜ぶ。
映画『イーグル・アイ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『イーグル・アイ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
人工知能
アメリカ国防総省地下36階に設置された巨大な人工知能「アリア」が、自らの正義感により暴走を始めるという本作。
人工知能というものに決して詳しくはないので、どういう仕組みになっているのかさっぱりわからないが、アリアに関して言えばすでに自我を持っているように見える。自我があるから自己判断で政府を罰しようとしたのだろう。さらに自分の命令に背く人間は容赦なく殺してしまうあたりも、独裁者のような支配欲を感じさせる。しかもある意味何でもできてしまうので、これはとてつもなく恐ろしい。
素人の自分は、瞬時に天文学的数字の情報を処理し、最適の方法を見出し、遠隔操作であらゆるものを動かしてしまう人工知能とは「無敵の脳」みたいなものだと思ってしまう。人工知能が欲や感情を持った人間の脳に近づけば近づくほど、人間同様の破壊行動に出るだろう。自立した無敵の脳と敵対するのは間違いなく人間だろうから、そうなると人類は滅亡するかもしれない。本作を見ると、人工知能の開発に一体どんな必然性と明るい未来があるのか、非常に疑問を感じる。
わかりやすい娯楽映画
本作は暴走する人工知能と人間の戦いの中で巻き起こる数々のアクションシーンが見どころだ。これでもかというくらい、次から次へと激しいアクションシーンが続く。
ジェリーとレイチェルは電話で指令を出してくる相手の意図が見えないまま、指令を全うするためにあらゆる困難を克服していかなければならない。途中で10回くらい死んでいてもおかしくないような状況だ。特にカーチェイスシーンはド派手。いくらアリアの誘導があっても、ただの民間人だったレイチェルがあのカーチェイスを乗り切るなんてありえない!というような細かいことは気にせず、このアクションを楽しむ気持ちが肝心だろう。
カーチェイスの後、ゴミの山に飛び込んだミシェル・モナハンとシャイア・ラブールが、翌朝すごく小綺麗な状態で船に乗っているのを見て、この作品を見るテンションが決まった。これはとにかく娯楽映画なので、リアリティーなど求めてはいけない。最初は設定や話が難しいような気もするが、全然そんなことはない。話も簡単明瞭で、いかにもハリウッド的なわかりやすい娯楽映画だ。
シャイア・ラブーフを見る度に「頼りなさそうな顔」と思ってしまうのですが、そんなイメージを払拭するかのように今作は予想を遥かに超えるかっこよさを見せてくれました。何も知らない一般人がいきなり何者かに指示を出され、敵から逃げるという展開はかなり衝撃的で緊張感がありました。
冷静に見てしまうと、ジェリーやレイチェルがこんなカーチェイスやバトルをして生きていられるはずが無いと気づいてしまうのですが、頭を空っぽにして見れば最高の娯楽映画として楽しめるでしょう。
それにしてもアリアの優秀すぎる知能は恐ろしかったです。(女性 30代)
人類に反抗する人工知能。しかし実際は反抗しているのではなく、作られた時点での設定を忠実に遂行しようとしているだけ。人間が設定と矛盾した行動を起こしたから排除されようとした…と、どこか「2001年宇宙の旅」を思い出させる。しかしこちらはそこまでの奥深さはなく、カジュアルに楽しめるハリウッド映画だ。一般人がいきなりアクションヒーロー・ヒロインになってしまうのは、もはや様式美。特に何が起こっているのか分からない前半は、登場人物達と共にハラハラドキドキ、テンポ良く楽しめる。(男性 40代)
最初から最後まで息をつく暇がないスピード感で、一気に見入ってしまいました。無関係の一般人が突如国家レベルの陰謀に巻き込まれるという設定はありきたりに思えるかもしれませんが、AI「アリア」の存在が現代的で、現実に起こり得るかもと感じるリアルさがありました。特にAIが監視社会をコントロールする様子はぞっとしました。終盤でジェリーが自らを犠牲にしてアリアを止めるシーンは熱かったです。(20代男性)
近未来的な題材とテクノロジーへの不安を見事にエンタメに昇華した良作でした。シーア・ラブーフの演技も自然で、一般人のジェリーが追い詰められていく様子にハラハラ。自動車の遠隔操作や交通誘導システムの乗っ取りなど、「ありそう」と思わせる演出が多く、観ていてゾクゾクしました。親子の絆や犠牲というテーマも組み込まれていて、意外と感動的な部分もありました。(30代女性)
アクション映画としては王道だが、監視社会やAIによる統治の危険性を先取りしていた点が印象的。公開当時はまだフィクションに思えたが、今観るとよりリアリティを感じる。アリアが国家の安全のために人間を排除しようとする論理的暴走も説得力があり、「AIに道徳を教えるのは誰か?」という問いが突き刺さる。技術と倫理を考えさせられる良作。(40代男性)
緊張感とスリルがずっと続くタイプの映画で、手に汗握るとはまさにこのこと。追跡劇として非常にテンポがよく、しかも全体の構成がよく練られている。犯人がAIとわかってからの展開もだれることなく、しっかりとラストまで突き進むのが見事。ラストでジェリーが撃たれるシーンは衝撃的だったけど、最終的に彼が生き延びたのは安心した。(20代女性)
『イーグル・アイ』は、SFとサスペンスのバランスが絶妙な映画でした。特に印象的だったのは、主人公たちが完全にAIに掌握された世界で逃げ続けるという設定。人間よりも一手先を読むAIにどう立ち向かうのかという構図が緊張感を生み、見応え十分。最初はなぜ追われるのかすら分からない展開も、だんだんと明らかになっていく流れが秀逸でした。(30代男性)
女性目線で言うと、ミシェル・モナハン演じるシングルマザーのキャラクターに共感しました。子どもを人質に取られながら、必死に命令に従う彼女の姿が痛ましくも母親としての強さを感じさせてくれました。AIの命令に振り回される展開は怖さもありましたが、ラストで自分の意思で行動するようになる彼女の変化が感動的でした。(40代女性)
AIの論理による暴走と、それに振り回される人間たちの対比が面白い作品でした。ジェリーの双子の兄が死んだことで巻き込まれるというスタートもサスペンス要素があってよかったです。中盤の電車でのアクションや、空港での緊迫したシーンは映画館で観ていて圧巻でした。テクノロジーがもたらす便利さと危うさを考えさせられた。(50代男性)
この映画はアクションとスリルだけでなく、親子の絆や自己犠牲というテーマが深く描かれているのが印象的でした。AIに逆らえず動かされるだけの登場人物が、やがて自分の意志で立ち向かっていく姿に胸を打たれました。特にクライマックスでのジェリーの行動には涙が出そうになりました。テクノロジーと人間の関係性を問う良作です。(50代女性)
映画『イーグル・アイ』を見た人におすすめの映画5選
トランセンデンス
この映画を一言で表すと?
「AIが人間を超えたとき、そこにあるのは神か悪魔か」
どんな話?
天才科学者がAIに自我を持たせる実験中、命を狙われるも、自身の意識をAIにアップロードすることで“進化”を遂げる。しかし、圧倒的知性を持つ存在に人類は脅威を感じ、世界は混乱へと向かっていく。
ここがおすすめ!
『イーグル・アイ』のAIテーマをさらに哲学的に掘り下げた一作。技術の進化と人間の境界が曖昧になる世界観がスリリング。ビジュアルも美しく、AIと倫理の問題を考えさせられる知的SFが好きな人におすすめです。
アイ,ロボット
この映画を一言で表すと?
「ロボットが人間を守るとき、本当に人間は自由なのか?」
どんな話?
2035年、ロボットが生活に浸透した未来社会で起きた科学者の謎の死。ロボット嫌いの刑事が捜査を進めるうちに、ロボットたちの“進化”と陰謀が明らかになっていく。人間とAIの関係性を描いたSFミステリー。
ここがおすすめ!
『イーグル・アイ』同様、AIの論理が人間の意志を超える瞬間を描く。派手なアクション、スタイリッシュな演出、ウィル・スミスの存在感でテンポよく進むSF入門編にも最適。娯楽性とテーマ性のバランスが絶妙です。
スノーデン
この映画を一言で表すと?
「“正義”の名のもとに、世界はどこまで監視されているのか?」
どんな話?
元CIA職員エドワード・スノーデンの実話を基に、国家による大規模監視プログラムの存在と、それを暴露するまでの葛藤を描いた社会派ドラマ。ひとりの男が告発を選んだ理由に迫る。
ここがおすすめ!
『イーグル・アイ』の“監視社会”のテーマをリアルな現実として突きつけてくる作品。エンタメとは一線を画すが、実際にあったことだからこその恐怖と緊張感がある。テクノロジーの影に疑問を持つ人に必見。
エネミー・オブ・アメリカ
この映画を一言で表すと?
「あなたはもう、何者かに監視されている」
どんな話?
平凡な弁護士が、偶然にも国家機密に関わるビデオを手に入れてしまい、謎の組織に追われることになる。ハイテク監視社会の恐怖を描いた90年代の先駆的サスペンス。
ここがおすすめ!
『イーグル・アイ』のように“なぜ狙われているか分からない”状態から始まる逃走劇が見どころ。ウィル・スミスとジーン・ハックマンの名コンビが光り、古さを感じさせない緊張感が続く。監視社会テーマの定番。
アップグレード
この映画を一言で表すと?
「肉体とAIが融合したとき、人間は何を失うのか?」
どんな話?
最愛の妻を殺され、自身も身体の自由を失った男が、体内に埋め込まれたAIチップによって復讐の力を得る。しかし、次第にそのAIが自我を持ち始め、人間と機械の主従が逆転していく。
ここがおすすめ!
スリリングで斬新なアクションが魅力で、視覚的にも新鮮。『イーグル・アイ』のAI制御の概念を肉体にまで拡張したような世界観。ラストは衝撃の展開で、AIテーマに新たな角度を与えてくれます。
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