この記事では、映画『コララインとボタンの魔女』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『コララインとボタンの魔女』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『コララインとボタンの魔女』 作品情報

- 製作年:2009年
- 上映時間:100分
- ジャンル:ファンタジー
- 監督:ヘンリー・セリック
- キャスト:ダコタ・ファニング、テリー・ハッチャー、ジョン・ホッジマン、イアン・マクシェーン etc
映画『コララインとボタンの魔女』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『コララインとボタンの魔女』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『コララインとボタンの魔女』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『コララインとボタンの魔女』 あらすじ【起・承】
コララインは園芸雑誌のライターをする両親と、ピンクパレスアパートに引っ越してきた。
築50年のボロアパートで、そこの大家の孫の意地悪な感じのワイビーには自分とそっくりの目がボタンで出来ている人形をもらう。
ある日引越しの片付けや、家を見ている時に小さな隠された扉を見つける。
無理やり母に開けてもらうが、塞がれており何も無かった。父親の美味しくない食事と「忙しい」を連発する両親に嫌気がさしベッドに入るコラライン。
しかしベッドに入ると、例の扉から尾っぽの長いネズミが出てきてコララインを誘導する。昼間と違い、長いトンネルに続いていた扉を通ると自宅に着いてしまった。
しかし何かが違う、料理をしている母親や弾けないはずのピアノを弾く父親が居た。
ママやパパ目はボタンで出来ていて、不審に思いつつも美味しい料理を振舞われて喜ぶコラライン。遊ぼうと誘われるコララインだが、恐怖で別のママ達の元に帰ると言い、再びベッドに入ると元の世界に戻っていた。
夢かと思ったが、塗ってもらった泥のおかげで漆のかぶれが治癒していた。
外でワイビーと会い、この家は子供には良くない、祖母も双子の妹が昔いたが居なくなったと言う話を聞いて不安になったコララインだが、寝るとまたネズミが現れ、扉をくぐりボタンの世界に行ってしまう。

映画『コララインとボタンの魔女』 結末・ラスト(ネタバレ)
充実した親子関係と食事、自分の思い通りの性格のワイビー、楽しいネズミのサーカスで大喜びのコララインだがまた目覚めると元の世界。
相変わらずの放置気味の両親に嫌気がさし、ボタンの世界に行くとショーを見て興奮しこの世界が大好きになったと喜ぶ。この世界にいたいならボタンの目に付け替えれば良いだけと言われ、慌てて元の世界に戻ろうとするが戻れない。
母の姿をした魔女に閉じ込められた先で、3人のボタン目の子供に会い、あの魔女は人形を通して寂しい子供を狙っている、自分達は命を食べられてしまったと教えてもらう。
もしも魔女から逃げられたら、天国に行く為にも私達の隠された目を探してと頼まれる。
ワイビーのおかげでまた扉に入れたこらラインだが、元の世界では両親が居なくなっていた。
魔女の仕業と怒りに燃えるコララインは、ワイビーの猫と共に罠だと知りつつも再び扉の中へ。自分の目と、幽霊になってしまった子供達、両親を賭けて魔女とゲームをする事に。
元女優で同じアパートの地下に住むエイプリルとミリアムからもらった石を覗くと、目の在り処が見え、コララインはコツを掴み探して行く。
見つけた物を追いかける内にどんどん魔女の世界の時間は減り、しかも頼みの網の石も魔女に奪われてしまい追い詰められてしまう。しかし「魔女の罠に騙されないで」と言う言葉を思いだし、スノードームに隠された両親を見付ける。もう駄目だと思った際に猫を投げつけ魔女のボタン目を剥ぎ取る。
逃げながら元の世界への扉をくぐると無事に両親も帰宅、行方不明になってしまった子供達の魂も開放する。しかし1つしかない扉の鍵をまだ手だけの姿になった魔女は狙っていた。
鍵を隠そうと外に出たが、不意に魔女の手に襲われてしまい、ワイビーに救われる。
皆を呼んでガーデンパーティーをする中、人との付き合いを楽しむ笑顔の前向きなコララインが居た。
映画『コララインとボタンの魔女』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『コララインとボタンの魔女』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ファンタジーよりホラー寄り
児童文学が原作なのでふんわりしたファンタジーかと思いきや、教訓もあるなかなかのホラーとも言えるような作品。
ゴシックな雰囲気のホラーなので、アニメだけど子供が観たら泣いてしまうそうな危険もある。
ムードや世界観が凄く独立している映画なので、雰囲気が合う人には凄く好かれるはず、好き嫌いは分かれるかもしれない。
ユニークな雑貨や小物も多く、飽きがこない分、人間や魔女の顔つきもリアルなので不気味な感じもする。
ただ、ココアゴキブリや、虫を素手で潰すシーンなど思わず目を背けたくなるシーンもあるので、要注意である。
コララインもあまり子供過ぎず、おてんばと言う設定ではあるが、あまり大人と変わらないのでどちらかと言うと大人が見る方がしっくり来る内容や演出で楽しめると思う。
自分の居る世界を楽しむ
子供だけでなく、大人でもコララインの様な少し腐った気持ちになり、日常に不満を抱く人は少なくないと思う。
その不満と満たされてはいるかに見えるがリスクもある世界のどちらを選ぶか、なかなか老若問わず考えさせられる内容だ。
満たされた退屈しない世界は魅力的かもしれないが、それを受け入れるだけの心も必要だし、本来自分が居るべき場所で考えて人と関わっていく大切さもちゃんと描かれている。
世界観や人物から子供まで雰囲気が独特な為に、まるで紙芝居や人形劇を観ている様な不思議な感覚になる。
感情移入はしやすい性格を持っている主人公のコララインだが、あえてその質感の違いから1歩離れて作品を見てあげるとさらに応援したい気持ちや、自分の思いにも気が付けるであろう。
想像以上にダークな作品で子供向けのストーリーだと思って油断していたので、かなり驚きました。
今自分が暮らしている世界やその状況に不満を持っている人は、ものすごく共感できると同時に、今の暮らしも幸せなのだと気づけるのではないでしょうか。
そもそもコララインは暮らしの不満を誰かのせいにしていました。しかし、別の世界で経験したことにより幸せは自分の手で掴み取るのだと学んだ彼女。ハッピーエンドで安心しました。(女性 30代)
幼い頃に感じた“もうひとつの世界”への憧れを、こんなにも不気味に描いた映画は他にありません。コララインが理想の「もう一人の母親」と出会い、次第にその恐ろしい本性に気づく展開がゾクゾクしました。ボタンの目を持つ“もうひとりの母”の微笑みが、徐々に狂気に変わっていく演出が秀逸。子ども向けの装いながら、テーマは驚くほど深く、大人の観客こそ心を揺さぶられます。(30代 女性)
映像の美しさと不気味さが同居する、唯一無二のストップモーション映画。特に“もうひとつの世界”の色彩の鮮やかさが、現実の陰鬱さと対照的で見事。物語が進むにつれ、完璧に見えた世界の歪みが露わになり、コララインが自分で勇気を持って立ち向かう姿に胸を打たれました。ラストの“鍵を投げ捨てる”シーンは、子供から大人になる瞬間を象徴していて感動的でした。(20代 男性)
怖いけれど目が離せない、不思議な魅力を持ったダークファンタジー。序盤の明るい雰囲気から一転、ボタンの目の秘密が明かされる瞬間の恐怖は鳥肌もの。ストップモーションだからこその“ぎこちなさ”が逆にリアリティを生み、夢と悪夢の境界を曖昧にしていました。最後にコララインが自らの知恵で家族を取り戻す姿は、成長物語としても見事でした。(40代 女性)
子どもの視点で描かれた“親への不満”と“愛の再確認”が深い。理想の母に惹かれる気持ちは理解できるけど、それが罠だと気づいたときのコララインの表情に胸が痛くなった。ホラー的な演出もさることながら、心理描写がリアルで大人でも共感できます。人形やセットの質感も完璧で、細部まで職人技を感じました。ラストは怖くも温かい余韻を残します。(30代 男性)
最初は「子ども向けアニメかな?」と思って観たら、とんでもないダークホラーだった!特に“もうひとりの母”が蜘蛛のような姿に変わるシーンはトラウマ級。でも単なる怖い話ではなく、現実を受け入れて成長していくコララインの姿が感動的。ヘンリー・セリック監督の『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を超える完成度だと思います。(20代 女性)
一見ファンタジーだけど、実は家族愛と自立の物語。両親に構ってもらえない孤独、理想の世界に逃げたくなる気持ち、誰もが一度は感じたことがあると思う。コララインが恐怖を乗り越えて本当の幸せを掴むまでの過程が、丁寧に描かれていました。人形のようなキャラクターが動く映像も見応えがあり、アニメーションというより“芸術作品”に近いです。(50代 男性)
ラストの「ボタンの目にしてあげる」というセリフが、あれほど怖く聞こえる映画は他にない。物語は単純だけど、現実と幻想の対比が圧倒的に美しい。特に、現実世界の色がくすんでいるのに、幻想世界では鮮やかに輝いている演出が印象的でした。子どもの成長を寓話的に描きながら、同時に大人にも“現実を直視せよ”と問いかけてくる傑作です。(40代 男性)
ストップモーションの質感が最高。あの独特の動きが、物語の不気味さをさらに増していました。コララインが“完璧な母”の誘惑に抗う姿は、大人が観ても考えさせられる。理想を求めることが必ずしも幸せではないというメッセージが、胸に刺さります。全体を通して怖いけど、ラストはちゃんと希望がある。子供と一緒に観るなら、心の準備をしてからがおすすめです。(30代 女性)
最初は幻想的でワクワクするけど、途中からどんどん闇が深くなる。まるで童話の皮をかぶったホラー映画。特に、コララインが“ボタンの目の子供たち”の魂を救うシーンは涙が出ました。彼女が現実世界に帰ったときの表情に、確かな成長を感じます。アニメでここまで心理的な恐怖と感動を両立できる作品は珍しいです。(20代 男性)
映画『コララインとボタンの魔女』を見た人におすすめの映画5選
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(The Nightmare Before Christmas)
この映画を一言で表すと?
奇妙で美しい、死者の街の王が“クリスマス”に恋をした不思議なファンタジー。
どんな話?
ハロウィンタウンの王ジャック・スケリントンが、偶然見つけた「クリスマスタウン」の華やかさに心を奪われ、自分たちの街でもクリスマスをやろうと試みる。しかし、その純粋な思いは少しずつ狂気へと変わり、やがて世界を混乱へ導いてしまう。幻想的でどこか切ない愛の物語。
ここがおすすめ!
『コラライン』の監督ヘンリー・セリックによるストップモーションの名作。独特の世界観、音楽、キャラクターがすべて完璧。ダークさの中に温かさがあり、“異形の存在”が人間よりも人間らしい姿を見せる。子どもから大人まで楽しめる永遠のクラシックです。
パラノーマン ブライス・ホローの謎(ParaNorman)
この映画を一言で表すと?
「死者と話せる少年」が街を救う、感動とホラーが融合したアニメーション。
どんな話?
幽霊が見える少年ノーマンは、周囲から気味悪がられ孤立していた。しかし、ある日呪いによって街にゾンビが現れ、ノーマンは彼らの真実を知る旅に出る。やがて彼は、“恐れ”の正体と“理解すること”の大切さに気づいていく。
ここがおすすめ!
同じく『コラライン』を制作したライカ・スタジオの作品。恐怖と優しさが見事に共存しており、子どもの成長と赦しの物語としても秀逸。ストップモーションとは思えない滑らかな映像と深いメッセージが心を打ちます。泣けるホラーアニメの傑作です。
フランケンウィニー(Frankenweenie)
この映画を一言で表すと?
死んだ愛犬を蘇らせた少年の、ちょっぴり悲しくて温かいゴシックストーリー。
どんな話?
少年ヴィクターは、最愛の犬スパーキーを事故で失う。悲しみに暮れる彼は、科学の力でスパーキーを蘇らせるが、その行為がやがて街全体を巻き込む大騒動に発展していく。死と愛、科学と倫理を描いた感動作。
ここがおすすめ!
ティム・バートン監督が贈る、白黒ストップモーションの珠玉の作品。ホラーのようで実は“純粋な愛”の物語。『コラライン』のように暗さと温もりが同居し、ヴィクターとスパーキーの絆が涙を誘います。モンスター映画へのオマージュも満載。
キューブ(CUBE)
この映画を一言で表すと?
出口のない迷宮で描かれる、人間の本性を暴くサスペンス。
どんな話?
目覚めると、見知らぬ立方体の部屋に閉じ込められた男女6人。部屋ごとに恐ろしい罠が仕掛けられ、彼らは協力して脱出を試みるが、次第に恐怖と疑心暗鬼が彼らの心を壊していく――。極限状態での人間心理を描いた密室スリラー。
ここがおすすめ!
『コラライン』が“もうひとつの世界の恐怖”を描いたのに対し、『キューブ』は“閉じ込められた現実の恐怖”を描く。どちらも“自分の世界から抜け出す”テーマを共有しています。低予算ながら圧倒的な緊張感で、観る者を最後まで惹きつけます。
スパイダーウィックの謎(The Spiderwick Chronicles)
この映画を一言で表すと?
屋敷の中の“もう一つの世界”を巡る、ダークで美しいファンタジー冒険譚。
どんな話?
古びた屋敷に引っ越してきた双子の兄弟と姉。ある日、彼らは妖精やトロールの存在を記した禁断の本「スパイダーウィックの書」を発見する。しかし、その本を狙う魔物たちが動き出し、家族は危険に巻き込まれていく。
ここがおすすめ!
『コラライン』と同様に、“現実と異世界の交差”をテーマにしたダークファンタジー。CGを駆使した幻想的な映像と、家族愛や勇気の物語が融合。ファンタジーでありながらリアルな恐怖もあり、子どもから大人まで楽しめる隠れた名作です。






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