映画『ラストミッション』の概要:余命宣告を受けたCIAの凄腕工作員は、最後の時を娘や元妻と穏やかに過ごしたいと願う。ところが疎遠になっていた娘との関係修復は、CIAのミッションよりも難しかった。ケビン・コスナーが仕事はできるが娘には不器用な父親を演じた。
映画『ラストミッション』の作品情報
上映時間:117分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:マックG
キャスト:ケヴィン・コスナー、アンバー・ハード、ヘイリー・スタインフェルド、コニー・ニールセン etc
映画『ラストミッション』の登場人物(キャスト)
- イーサン・レナー(ケビン・コスナー)
- CIAの生え抜きの工作員。32年間仕事一筋で生きてきた。悪性の脳腫瘍を患い余命宣告を受ける。残りの時間は家族で過ごしたいと考え、離婚した妻と娘を訪ねる。
- ゾーイ・レナー(ヘイリー・スタインフェルド)
- イーサンの16歳になる娘。父の仕事を知らないため、自分は見捨てられたと思っている。5年ぶりに会った父に対して素直になれない。ヒューという彼氏がいる。
- ヴィヴィアン・ディレイ(アンバー・ハード)
- 通称ヴィヴィ。CIAのエリート工作員。ウルフを始末する指令を受け、イーサンと組むことになる。若くて美人の凄腕。イーサンに惚れている。
- クリスティン・レナー(コニー・ニールセン)
- イーサンの元妻。パリ在住。家庭を顧みないイーサンに愛想を尽かして別れたが、嫌いになったわけではない。
- ウルフガング・ブラウン(リチャード・サメル)
- 通称ウルフ。ドイツ生まれで、世界中のテロ組織に核兵器を売っている武器商人の親玉。CIAが10年間行方を追っている。アルビノという冷酷非道な部下を持つ。
映画『ラストミッション』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ラストミッション』のあらすじ【起】
CIAのエリート工作員であるヴィヴィは、世界中のテロ組織に核兵器を売っているウルフの始末を指令される。近々ウルフの部下のアルビノが、ベオグラードでシリアと取引することになっており、ヴィヴィはセルビアへ向かう。ヴィヴィの相棒には、経験豊富なイーサンが選ばれる。
イーサンは取引場所のホテルで買い手一味を一網打尽にし、CIAの仲間とともにアルビノ一味がホテルへ入ったのを確認する。イーサンは次の作戦までのわずかな時間を使い、公衆電話から娘のゾーイへ電話をかける。ゾーイは今日が16歳の誕生日だった。
アルビノは清掃婦が工作員であることを見抜き、彼女を殺害する。アルビノ一味は、外にいた工作員たちを銃撃して車で逃亡するが、イーサンにそれを阻まれる。アルビノはホテルを爆破し、徒歩で逃げる。イーサンはアルビノを追いつめて足を撃ち、そのまま意識を失ってしまう。ヴィヴィはその一部始終を見ていたが、イーサンと接触はしない。
病院で目覚めたイーサンは、医者から余命宣告を受ける。悪性の脳腫瘍が肺にも転移しており、余命は3〜5ヶ月だった。イーサンは5年も会っていない娘に会うため、元妻のクリスティンとゾーイが暮らすパリへ向かう。
映画『ラストミッション』のあらすじ【承】
5年ぶりに帰ったパリの自宅アパートには、黒人のジュール一家が勝手に住み着いていた。一家は妊娠中の娘を抱える大家族だった。イーサンは仕方なく、娘が出産するまでという約束で、一家の居住を許す。
イーサンはクリスティンに病気のことを話し、遺言書作成に立ち会ってもらう。クリスティンは仕事を辞めていることを条件に、娘に会いたいというイーサンの願いを聞き入れる。しかしゾーイは、5年ぶりに姿を見せた父親に冷たい態度をとる。イーサンが贈った自転車にも乗ろうとしない。成長したゾーイには、ヒューという彼氏までいた。
夕食を作る約束をしたイーサンは、買い物中にヴィヴィから声をかけられる。ヴィヴィは自分がウルフ担当の工作員であることを告げ、イーサンに仕事を依頼する。報酬は大金と病気の新薬だと言われ、イーサンはその仕事を引き受けてしまう。早速仕事をしたイーサンにヴィヴィは新薬を注射してくれるが、その新薬には心拍数が上がると幻覚症状の発作を起こすという、強い副作用があった。
翌日からクリスティンは3日間の出張で、イーサンはゾーイと2人で留守番をすることになる。ヴィヴィからはアルビノの帳簿を粉飾しているグイドというイタリア人を探せという指令を受ける。イーサンはグイドとつながるハイヤー会社社長を拉致して、グイドの居場所を聞き出す。
映画『ラストミッション』のあらすじ【転】
イーサンは仕事よりもゾーイを優先し、娘との距離を縮めようと努力する。しかしゾーイはずっと不機嫌で、イーサンの手に負えない。
ところがゾーイは急に素直になって、思い出の遊園地でイーサンと穏やかな時間を過ごす。嬉しくなったイーサンは、友達の家に泊まって宿題をするというゾーイを信じる。
その帰り、イーサンはアルビノの雇った殺し屋に襲われる。何とか殺し屋は始末したが、その男がゾーイの写真を持っていたことに焦る。不安になったイーサンはゾーイを探す。夜遊びしていたゾーイは不良たちに襲われていた。イーサンはゾーイを救い出し、彼女に事情を聞く。ゾーイは父親に愛されていないと思い込んでいた。イーサンは自転車に乗れないというゾーイの練習に付き合い、誤解を解く。そしてゾーイもようやくイーサンに心を開く。
イーサンはグイドから帳簿を手に入れ、ヴィヴィにそれを渡す。この帳簿があればアルビノは破産し、ウルフと接触するはずだというのがヴィヴィの読みだった。
イーサンの自宅アパートにいたジュールの娘は無事に女の子を出産する。ジュールはイーサンに感謝し、孫を“イーサン”と名付ける。イーサンは家族を大切にするジュールの姿に感動していた。
ゾーイはイーサンにダンスを教えてもらう。出張から帰ったクリスティンは、2人の変化に驚く。その夜、イーサンとクリスティンは以前のように愛し合う。
映画『ラストミッション』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌日、イーサンはアルビノとウルフの乗った車を追跡し、激しいカーチェイスの末、2人を地下鉄のホームまで追いつめる。しかし副作用の発作を起こし、アルビノに殺されそうになる。間一髪で反撃してアルビノは始末するが、ウルフには逃げられてしまう。
ヒューの父親が主催するパーティーに招待されたイーサン一家は、ヒューの両親に挨拶をする。そして父親から仕事のパートナーとして紹介された男は、何とウルフだった。ウルフはヒューの父親を頼り、国外逃亡を企てていた。
イーサンが仕事を続けていると知ったクリスティンはショックを受けるが、今はそれどころではなかった。会場はすぐに激しい銃撃戦となり、イーサンはウルフを追いつめる。しかしまた発作を起こして倒れてしまう。そこへヴィヴィが現れ、イーサンに銃を渡す。しかしイーサンはゾーイやクリスティンのことを思い出し、ウルフを撃てない。ヴィヴィはイーサンをあきらめ、ウルフの頭を撃ち抜く。
クリスマス近く。イーサン一家は海辺の別荘にいた。新薬のおかげで寿命が延びたイーサンは、クリスティンにこれからもずっと一緒にいたいとプロポーズする。クリスティンはそれを拒めなかった。密かにイーサンを愛していたヴィヴィは、新薬と“愛する人へ”というカードを残して姿を消す。
みんなの感想・レビュー
批評家気取りのエセが湧き過ぎてるwww
上記のようなコメントがまかり通るなら、ミッションインポッシブルや007も、そもそも成り立たない。
アクションシーン、微笑ましくなるシーン、泣かせるシーン、最後の含み等、映画に引き込まれるポイントが随所に散りばめられていて良かったと思う。
まだ、観てない人は他人の意見云々は関係なしに観てほしい。
ヴィヴィが殺すように依頼されたウルフは、CIAが10年も追い続けてきたのに人相さえわかっていないということだった。しかも世界中のテロ組織に核兵器を売っているなんて、危険すぎる。これはよほど大きな組織のボスで、捜し出すのは困難を極めるだろうと予想したが、わりと普通にいた。しかも警備は超手薄だ。部下のアルビノの風貌も目立ちすぎ。
セルビアのホテルでの銃撃戦と大爆発はすごかったので、これからどんな激しい展開になるのかと期待したが、それ以降は非常にゆるい戦いが続く。
イーサンにウルフ暗殺の協力を依頼してきたヴィヴィは、その生活ぶりを見てもかなりの大物くさいのだが、イーサンに指示を出すばかりで自分は基本的に何もしない。しかしイーサンの行動は常に監視しており、イーサンのピンチは彼女が救っている。見ていたくせに、なぜさっさとアルビノやウルフを殺してしまわないのか非常に不思議だったのだが、どうやらイーサンに本気で惚れていたらしい。つまり仕事を通してイーサンと繋がっていたかったわけだ。
何となくは感じていたが、まさか本気だったとは。ヴィヴィの愛情表現もこの脚本も分かりにくい上に間抜けすぎる。ヴィヴィ役はジョニー・デップとの離婚騒動で世間を賑わしたアンバー・ハードだった。だから何と言うわけでもないのだけれど。
全体にとにかく中途半端な印象になってしまったのは、凄腕のエージェントが活躍するアクションなのか、父と娘が絆を取り戻していくドラマなのかがはっきりしなかったことに尽きる。イーサンにとってかなり娘の比重が重そうだったので、娘がウルフ一味に狙われイーサンが最大のピンチを迎えるのかと思いきや、そういうことではなかったらしい。
クライマックスでも彼氏と個室でチューしていた娘は、外の騒動と無関係のまま終わる。殺し屋が持っていた家族の写真は何だったのか。そして結局これは何の話だったのか。よくわからないままハッピーエンドを迎え、“何じゃそりゃ”と思わず一人ツッコミを入れてしまった。
ケビン・コスナーがかっこよかったことと、アクションシーンはそれなりによくできていたこと以外何もない映画だ。イーサンが敵にとどめを刺そうとするたびに激しい目眩を起こして意識を失うという展開も、3回続くとコントにしか見えない。そういえば、コメディちっくな演出が多かったので、本当にコメディなのかも…と思い直し、一応ジャンルにコメディも入れておいた。そう思って気楽に鑑賞した方が、本作は楽しめるはずだ。特におすすめはしないけれども。