映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の概要:かつて海賊王ゴール・D・ロジャーと覇権争いをした伝説的海賊、金獅子のシキが動き出す。シキに仲間であるナミを連れ去られたルフィは、遥か格上の相手に迷う事なく戦いを挑んでいく。
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:アニメ、アクション、アドベンチャー、ファンタジー
監督:境宗久
キャスト:田中真弓、岡村明美、中井和哉、山口勝平 etc
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の登場人物(キャスト)
- ルフィ(田中真弓)
- 麦わらの一味の船長であり、億単位の懸賞首。誰よりも仲間を大切にする人物で、以前憧れの海賊、シャンクスにもらった麦わら帽子を大切にしている。
- ナミ(岡村明美)
- 麦わらの一味の航海士。何故か金獅子のシキに執拗に狙われる。
- ロロノア・ゾロ(中井和哉)
- 麦わらの一味に最も早く入った戦闘員で、剣の使い手。クールだが方向音痴が玉にキズ。
- サンジ(平田広明)
- 麦わら海賊団のコック券戦闘員。女性を何より大切にする紳士。
- 金獅子のシキ(竹中直人)
- かつて海賊王ゴール・D・ロジャーと渡り合った実力者。世界を滅亡に追い込むとある計画を練っている。
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』のあらすじ【起】
ゴール・D・ロジャー、海賊であれば、たとえ海賊でなかったとしても知らない者はいないであろう海賊王の名前です。そのロジャーがまだ海賊王になる前、長年ロジャーと覇権争いをしていた海賊がいました。その男の名前は金獅子のシキ、全てのものを浮かすというフワフワの実の能力者です。そして何と、グランドラインを進んでいたモンキー・D・ルフィ率いる麦わら海賊団の前に、そのシキの海賊団が姿を見せたのでした。
金獅子のシキは、何故かルフィの仲間の1人である航海士、ナミを拉致するとそのまま姿を消してしまいます。当然取り返そうとする一味でしたが、シキの能力で、メルヴィユという島に飛ばされてしまいました。そのメルヴィユの通称は弱肉強食の島、絶えず争いを繰り返す事で独自の進化を遂げた生物が跋扈している不思議な島です。島でバラバラに飛ばされてしまった一味は、再びナミを取り返すためにもまずは仲間を見つけようと島内を走り出しました。
一方、シキに囚われているナミも脱出の計画を立てていました。こちらも独自の進化を遂げた鳥、ビリーと知り合ったナミは、ビリーに乗り脱出に成功します。
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』のあらすじ【承】
ビリーの背中に乗りシキのもとから逃げ出したナミは、メルヴィユの森で迷子になっていたルフィの姿を見つけました。他の仲間を探すべく森の中を歩き続ける2人は、森の中に一つの集落を見つけます。その集落の住人達に話を聞くと、の集落がこの島に存在する唯一人間達の住む場所であると言います。
そこの住人達は、この島の動物達と同様独自の形態をしており、腕から羽のようなものが生えていました。住人達と話をしていると、他の仲間達のうち、ゾロ、サンジ、チョッパー、ウソップもその集落へと辿り着きます。しかし、その集落にたどり着いたのは彼らだけではありませんでした。突如いなくなったナミを探して、金獅子のシキ本人がやってきたのです。
いくら加齢で全盛期ほどの力はないとはいえ、かつて海賊王と渡り合ってきた実力者に全く歯が立ちません。そしてシキの能力でその場にいた自分以外の仲間を土の中に埋められてしまったナミは、自分の仲間になればルフィ達を助けてやるというシキの交換条件を飲み、自らシキの元へと戻るのでした。
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』のあらすじ【転】
実は、シキには密かな野望がありました。それはメルヴィユの島で強力になった生物達を各地へと放ち、全国で大暴動を起こそうと考えていたのです。その計画の第一歩は、メルヴィユにある唯一人が住む集落、先程までルフィ達がいたあの集落を襲う事でした。その計画に加担するべく、シキの構える巨大な屋敷には多くの海賊達が集まっています。
そして、偶然その場に辿り着いたのが麦わらの一味であるフランキー、ブルック、ロビンでした。シキの計画をしった3人は、急いで村へと向かいます。しかし時は既に遅く、彼らが辿り着いた時には村は既に襲われた後で、ほぼ壊滅状態に陥っていました。そして、3人は村の隅っこで倒れているルフィ達を発見するのでした。
困惑する3人に、事の一部始終を見ていた村の少女が、ルフィ達が金獅子のシキに敗北した事、彼等を助けるためにナミがシキのもとについた事を説明します。そして、少女はルフィ達にトーンダイヤルを手渡します。トーンダイヤルとは、音声を録音しておける特殊な機械で、ナミのルフィ達に向けた最後の言葉が録音されていました。
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の結末・ラスト(ネタバレ)
そのナミの言葉を聞いたルフィ達は、自らを鼓舞し再び立ち上がります。一方、計画の第一弾であった村の襲撃に成功したシキ達は、次にルフィの故郷であるイーストブルーに狙いを定めていました。そして島の生物達と多くの海賊達を連れてシキが出発しようとしたその時、空から一隻の船が降ってきました。ルフィ達の乗る、サウザンドサニー号です。
彼等はナミを救出するため、船ごとシキのアジトに乗り込んできたのです。多勢に無勢、圧倒的に不利な状況であるルフィ達ですが、有象無象では怒れる一味の相手にはなりません。次々とその場にいた海賊達を倒していくルフィ達は、再び金獅子のシキと合間見えます。強力なシキの力にやはり苦戦を強いられるルフィでしたが、仲間を守る為に覚醒したルフィ、そしてナミとすっかり友情を結んでいたビリーの助けもあり、何とかシキを下すことに成功します。
その島はシキの能力の元に作られた場所だったので、シキが倒された今、島は形を留める事が出来ず崩壊していきます。一行は船で大海原へと逃げ出し、あの集落に住んでいた住人達は自らの羽で天高く舞い上がるのでした。
映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の感想・評価・レビュー
話自体は「拉致されたナミを助けに行くルフィたち」なので、ストーリーが面白い映画ではありませんでしたが、キャラクターそれぞれの個性が楽しめる映画でした。本編のカルーが好きだったので、ビリーの登場にも大満足でした。注目はナミの最後のメッセージ「絶対助けに来て」ココヤシ村の話とその頃のナミを思い出しました。
原作者が指揮をとると当然本編との違和感もなく、懐かしい場面が思い出せたことも最高でした。(女性 40代)
金色のシキが登場するワンピースの劇場版作品である。かつての海賊王ロジャーと争っていたシキがルフィ達に猛威を振るう。当然ながら実力はかなり高く、一味全員を翻弄する所はさすがといった所だろう。大筋としては、シキにナミが捕らえられ、連れ戻しにルフィ達がシキの元へ行くという流れなのだが、シキに仲間になればルフィ達を見逃すといった条件を飲み、自分でシキの元に戻るといった一連の流れは、アーロンとの闘いの事を思い出してしまうような展開で、胸が熱くなる想いであった。(男性 30代)
ワンピースの映画の中で1番好きな映画です。今の麦わらの一味が全員登場してきます。ナミの航海術を買って敵がナミを攫ってしまいます。ナミを助ける為にバラバラになった仲間たちが集まるんですが、仲間想いのナミが一度は助けにきた仲間たちを拒絶しますが、本当の想いを知ったみんながナミを助けにサニー号ごと乗り込んでいきます。
その際の、みんなの黒い戦闘服姿や1人ずつの得意な分野を活かして敵と闘うシーンはワンピースファンとしてはたまりません。自分の身を犠牲にしてまで、村を救おうとしたナミはかっこいいです。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
原作者、尾田栄一郎が手掛けたからこそ、原作と乖離していない、原作通りの魅力が詰まった作品になっている、特に、ナミが今回メインのキャラクターとして描かれているが、彼女の元々持っている性格やトラウマが、うまく描き直されていて新しいファンも、昔からのファンも引き込まれる内容になっていた。
余談だが、ミスターチルドレンが歌うエンディングテーマが本当によく似合っており、エンディングのスタッフロールまで楽しんでみることができた。
尾田栄一郎の描く世界観の特徴は、どの独特の色彩と、キャラクターのデザインに現れていると言っていい。今回それが強く押し出されていたのは、キャラクターたちの服装である。アニメでは着ていない、新しい衣装で始まるのももちろん、シキの王宮に突入する一味の服装のデザインは文句なしにかっこいいのである。やはり、尾田栄一郎がデザインしたこの作品ならではの魅力の一つだ。
原作からアニメ、アニメから映画と、媒体が変わると原作とはかい離してしまう現象は否めない。人気漫画ならそのかい離も抑えられる場合があるが、多少の改変は否めない。また、ワンピースは非常に息の長い作品でもあり、近年は初期の頃の映画化ほど、映画そのものに盛り上がりがなかった。アラバスタや冬島などのエピソードを焼き直して2時間にまとめ、放映するといったパターンを何年かやっていた。しかし、恐らくそれでは廃れると思ったのか、一念発起と思ったのか、尾田栄一郎を総合プロデューサーにするという快挙をやってのけたのがこの作品。やはり、原作者が手掛けたということで、キャラクターがもつ本来の魅力が損なわれることなく、またツボもおさえられた作品になっていた。例えば、ナミはやはり「仲間のために自らを犠牲にする」というパーソナリティのキャラクターであることが、原作のずいぶん初めの頃に描かれるが、それがもう一度描き直されることで、新しいファンにも印象づけることができ、昔からのファンにもある種懐かしさを感じてもらえたのではないだろうか。このように、本来のキャラクターが持つ良さを存分に引き出せるのは、原作者ならではだろう。