
結論から言うと、「殺し屋のプロット」はスタイリッシュな殺し屋映画ではなく、衰えていく頭脳と向き合う男の“静かな終活”を描いた作品でした。
2025年12月5日、日本の劇場で本作を鑑賞したMIHOシネマ編集部の映画専門ライターとして、観終わったあとに残ったのはスリルよりも切なさです。
殺し屋なのに、段取りを忘れる。
プロなのに、自分の計画を信じられない。
この記事ではネタバレありで、「殺し屋のプロット」の感想・レビューを深掘りしていきます。
まず結論|「殺し屋のプロット」は老いと罪を描いた異色の犯罪映画
「殺し屋のプロット」を観てまず感じたのは、
これは“引退間際の殺し屋”ではなく、“人生の終わりを準備する男”の物語だという点です。
銃撃戦や派手なアクションは控えめ。
その代わりに描かれるのは、記憶が抜け落ちていく恐怖と、取り返しのつかない過去です。
次は、物語の軸となる主人公について整理します。
記憶障害を抱える殺し屋という設定の残酷さ
プロフェッショナルでいられなくなる恐怖
主人公は長年裏社会で生きてきた殺し屋。
しかし、進行性の記憶障害により、
- 計画を立てたことを忘れる
- 人の名前や場所が曖昧になる
- 自分の判断に確信が持てなくなる
殺し屋にとって、これは致命的です。
それでも仕事を続けてしまう理由
引退すればいい。
逃げればいい。
そう思う場面は何度もあります。
それでも彼が動き続けるのは、
過去の罪と向き合うための“最後の役割”を自分に課しているからです。
【ネタバレ】物語の核心|息子を救うための歪んだ計画
仕事が“家族の問題”に変わる瞬間
物語は、疎遠だった息子が事件に巻き込まれたことで大きく動きます。
この瞬間から、主人公の仕事は金のためではなく、贖罪のための行動へと変わります。
殺し屋として培った知識と技術を、
「息子を守るため」に使うという皮肉。
計画が崩れていくサスペンス
記憶障害の影響で、
- 自分で仕掛けた罠に気づかない
- 証拠を隠したことを忘れる
- 時間軸が曖昧になる
観客は常に、
「今、彼の判断は正しいのか?」
という不安と共に物語を追うことになります。
マイケル・キートンの演技が生む説得力
強さと脆さが同居する主人公像
主人公を演じるマイケル・キートンは、
冷酷な殺し屋と、弱っていく老人の両面を見事に表現しています。
強気な態度の直後に見せる戸惑い。
そのギャップが、物語に深みを与えています。
派手さより“沈黙”が効く演出
本作では、多くを語らないシーンが印象的です。
言葉よりも、表情や間が感情を伝えてきます。
MIHOシネマ編集部としても、
年齢を重ねた俳優だからこそ成立する映画だと感じました。
賛否が分かれる理由|静かすぎる犯罪映画
期待する“殺し屋映画”とは違う
スピード感のあるアクションや、爽快な展開を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。
物語は終始、抑制的です。
それでも評価したいポイント
しかし、この静けさこそが本作の核です。
記憶が壊れていく過程を、観客にも体感させるための演出と言えるでしょう。
この映画が向いている人・向いていない人
おすすめできる人
- 大人向けの犯罪ドラマが好きな人
- 派手さより人物描写を重視する人
- 老いと贖罪というテーマに興味がある人
おすすめできない人
- 爽快なアクション映画を求めている人
- 分かりやすい勧善懲悪が好きな人
「殺し屋のプロット」が刺さった人におすすめの映画3選
アイリッシュマン
この映画を一言で表すと?
老いた殺し屋が過去と向き合う重厚な犯罪ドラマ。
どんな話?
裏社会で生きた男の人生を静かに振り返る。
ここがおすすめ!
老いと後悔を描く点が共通しています。
ノーカントリー
この映画を一言で表すと?
暴力の虚しさを突きつける犯罪映画。
どんな話?
偶然から始まる暴力の連鎖を描く。
ここがおすすめ!
派手さより不穏さを重視する点が似ています。
レオン
この映画を一言で表すと?
殺し屋と家族性を描いた名作。
どんな話?
孤独な殺し屋が少女と出会い変化していく。
ここがおすすめ!
職業と人間性の葛藤が重なります。
まとめ|「殺し屋のプロット」は静かに心を削る映画
「殺し屋のプロット」は、
記憶を失いながらも、父としての責任だけは手放さない男の物語でした。
派手ではありません。
でも、観終わったあとに確実に何かが残ります。
ぜひ、あなた自身の感想もコメント欄で教えてください。






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