
『MALUM 悪しき神』は、父の死の真相を追う新人女性警官が、廃止予定の警察署で一夜を過ごす物語です。結論から言えば、閉ざされた空間で狂信と血の記憶が暴走する濃密ホラーでした。2026年2月10日、Blu-rayで鑑賞。10,000本以上の映画を観てきたMIHOシネマ編集部の映画専門ライターとして、本作のネタバレを含む感想レビューをお届けします。
結論:『MALUM 悪しき神』はカルトの呪縛を描く再構築ホラー
本作は2023年公開、監督はアンソニー・ディブラシ。主演はジェシカ・スーラ。ジャンルはホラー、ミステリー、ドラマ。上映時間は1時間32分です。
物語の軸は明快です。新人警官ジェシカが、閉鎖される警察署で最後の夜勤を志願する。その理由は、かつて同じ署で起きたカルト事件と、父の死に隠された真実を確かめるため。
この設定だけで、ホラー好きの心を掴みます。密室、過去の惨劇、カルト教団。恐怖の条件はすべて揃っている。次章ではネタバレを含めて物語を整理します。
ネタバレ解説:父の死とカルト教団の正体
父は英雄か、それとも加害者か
ジェシカの父は、かつてカルト教団の大量殺人事件に関与し、その末に死亡した警官として知られています。しかし、その評価は一枚岩ではありません。
物語が進むにつれ、父が単なる殉職者ではなく、事件の深部に関わっていた可能性が浮上します。娘として信じたい気持ちと、警官として真実を追う責任。その葛藤が物語を前に進めます。
閉鎖された警察署で起こる異変
夜が深まるにつれ、署内では不可解な現象が起き始めます。電話が鳴る、誰もいないはずの留置場から物音がする、過去の事件関係者の影が現れる。
これらは単なる幽霊現象ではありません。カルト教団の儀式と結びついた悪意が、空間そのものを侵食していきます。
血と幻覚が入り混じり、ジェシカは現実と妄想の境界を見失っていきます。
ラストが示す“継承される呪い”
物語の終盤、父の死の真相と教団の目的が交差します。ジェシカは父と同じ運命をなぞるのか、それとも断ち切るのか。
結末は救済というよりも、因縁の連鎖の継続を感じさせるものです。観客に明確な安心を与えない終わり方が、本作の後味を強烈にしています。
次は実際に観た感想レビューを掘り下げます。
感想レビュー:恐怖の質は向上、だが物語は好みが分かれる
ビジュアルとゴア表現は強化されている
前作に比べ、映像の質感やゴア描写は明らかに強化されています。血の色、照明、カメラワーク。閉鎖空間の圧迫感がより濃くなっています。
ホラー演出としての完成度は高い。私は何度も画面に引き込まれました。
説明の多さが恐怖を弱める瞬間も
一方で、カルト教団の背景や設定を掘り下げたことで、想像の余白はやや減っています。
恐怖は未知に宿る。本作はその未知を説明しようとする場面が増えた印象があります。“わからなさ”が持つ力が薄れたと感じる人もいるでしょう。
それでも、主演ジェシカ・スーラの存在感は強烈です。孤独と恐怖に揺れる表情が、物語の緊張感を最後まで支えます。
次は、この映画が向いている人を整理します。
『MALUM 悪しき神』はこんな人におすすめ
- 閉鎖空間ホラーが好きな人
- カルト教団を題材にした物語に惹かれる人
- 強めのゴア表現も受け入れられる人
正直に言うと、こんな人にはおすすめしない
- 残酷描写が苦手な人
- 明快なハッピーエンドを求める人
- 心理描写中心の静かなホラーを期待する人
『MALUM 悪しき神』が好きな人におすすめの映画3選
ヘレディタリー/継承
この映画を一言で表すと?
家族とカルトが交差する悪夢。
どんな話?
祖母の死後、家族に不可解な出来事が起き、やがて恐るべき儀式の真相が明らかになる物語。
ここがおすすめ!
カルトと血縁の因縁を描く構図が共通。精神的な圧迫感は随一です。
アサルト13 要塞警察
この映画を一言で表すと?
孤立した警察署での極限サバイバル。
どんな話?
封鎖された警察署に押し寄せる脅威に立ち向かう人々を描くサスペンス。
ここがおすすめ!
閉鎖空間での緊張感という点で通じるものがあります。
ラスト・シフト
この映画を一言で表すと?
夜勤の警察署に潜む狂気。
どんな話?
新人女性警官が、閉鎖予定の署で最後の勤務に就く中、怪異に巻き込まれる物語。
ここがおすすめ!
設定の共通点を比較することで、『MALUM 悪しき神』の再構築の意図が見えてきます。
あなたはこの恐怖をどう受け止めたか
『MALUM 悪しき神』は、血と信仰、父と娘の物語が絡み合う濃密なホラーです。
このネタバレ感想レビューを読んで、あなたは結末をどう解釈しましたか。
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