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『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』ネタバレ感想レビュー|地獄の会食が暴く本音

『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』は、ユダヤ教の葬儀後の会食という閉鎖空間で、ひとりの女子大生が追い詰められていく物語です。結論から言えば、ホラーよりも息苦しい、心理的サスペンスの傑作でした。2026年2月11日、Blu-rayで鑑賞。累計10,000本以上の映画を観てきたMIHOシネマ編集部の映画専門ライターとして、ネタバレを含む感想レビューをお届けします。

結論:『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』は“気まずさ”を武器にした異色作

本作は2020年公開、監督はエマ・セリグマン。主演はレイチェル・セノット。上映時間は約77分。ジャンルはコメディとドラマですが、体感はスリラーに近い。

舞台はほぼ一軒家の中だけ。ユダヤ教のシヴァと呼ばれる弔問の場で、主人公ダニエルは両親とともに参列します。そこに現れるのが、彼女のシュガーダディであるマックス、さらに元恋人のマヤ。

設定だけで嫌な予感しかしません。その予感は、容赦なく現実になります。
次はネタバレ込みで物語を整理します。

ネタバレ解説:ダニエルを追い詰める三重苦

シュガーダディとの再会が地獄の始まり

ダニエルは学費や生活費のため、既婚男性マックスと関係を持っています。軽い割り切りのつもりだったはずの関係。しかし、シヴァの場で偶然再会。

しかもマックスは妻と赤ん坊を連れている。
その瞬間から、空気は変わります。

狭い空間で何度も顔を合わせるふたり。目線が交差するたび、ダニエルの動揺が画面越しに伝わってきます。

元恋人マヤとの微妙な距離

さらに追い打ちをかけるのが元恋人マヤの存在。ダニエルは自分のセクシュアリティや将来についても揺れています。

マヤは率直で、自立している。対してダニエルはどこか曖昧で、流されやすい。
この対比が、彼女の未熟さを浮き彫りにします。

本作の恐怖は幽霊ではなく、自分の嘘と向き合わされることにあります。

ラストが示す小さな解放

物語の終盤、嘘と誤魔化しはほころび始めます。マックスとの関係は終わりを迎え、ダニエルは自分の立場を見つめ直します。

劇的なカタルシスはありません。それでも、マヤと車に乗り込むラストシーンには、かすかな前進が感じられます。

それは勝利ではない。けれど、逃げ続けるだけの自分からの脱却です。

次は実際に観た感想レビューを掘り下げます。

感想レビュー:笑えないのに笑ってしまう緊張感

音楽とカメラが生む圧迫感

本作の特筆すべき点は演出です。弦楽器の不穏な音楽、顔のアップ、狭いフレーム。

私はホラー作品を数多く観てきましたが、ここまで日常空間を恐怖に変えた作品は多くありません。

泣き止まない赤ん坊の声。親戚の無遠慮な質問。
そのすべてがダニエルの神経を削っていきます。

レイチェル・セノットの存在感

ほぼ出ずっぱりのレイチェル・セノットは圧巻です。虚勢と不安が入り混じる表情。作り笑いの裏にある焦燥。

77分という短さなのに、観終わった後はどっと疲れました。それだけ没入させる力があります。

若さの曖昧さを肯定する物語

ダニエルは決して立派な主人公ではありません。嘘をつき、見栄を張り、他人に依存する。

けれど、その不安定さこそがリアルです。
10,000本以上の映画を観てきた中でも、ここまで“気まずさ”を真正面から描いた作品は稀だと感じました。

次は、この映画が向いている人を整理します。

『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』はこんな人におすすめ

  • 気まずい空気を描く会話劇が好きな人
  • 若者のアイデンティティの揺らぎに共感できる人
  • 短時間で濃密な体験をしたい人

正直に言うと、こんな人にはおすすめしない

  • 派手な展開やアクションを求める人
  • 分かりやすいハッピーエンドが好きな人
  • 終始落ち着いた空気の映画を観たい人

『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』が好きな人におすすめの映画3選

アンカット・ダイヤモンド

この映画を一言で表すと?

息苦しさが止まらない緊張の連続。

どんな話?

借金と欲望に追われる宝石商が、次々と危険な選択を重ねていく物語。

ここがおすすめ!

観客の神経を削る演出は本作と共通。ストレスが快感に変わる体験ができます。

フランシス・ハ

この映画を一言で表すと?

不器用な若者の等身大の肖像。

どんな話?

将来に迷う女性が、友人や仕事との関係に揺れながら成長していく物語。

ここがおすすめ!

未完成な主人公の魅力という点で響き合います。

レディ・バード

この映画を一言で表すと?

若さの衝動と後悔の物語。

どんな話?

母との関係や将来への不安に揺れる高校生の一年を描く青春ドラマ。

ここがおすすめ!

未熟さを肯定する視点が共通。観終わった後に静かな余韻が残ります。

あなたはこの“気まずさ”に耐えられるか

『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』は、派手さはありません。それでも、観る者の心拍数を確実に上げます。

このネタバレ感想レビューを読んで、あなたはダニエルに共感しましたか。それとも苛立ちを覚えましたか。
コメント欄で、あなた自身のレビューをぜひ聞かせてください。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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