映画『幸せの1ページ』の概要:海洋生物学者の父親と無人島で暮らす11歳のニムは、島でひとりぼっちになってしまい、憧れの冒険家アレックス・ローバーに助けを求める。しかしアレックスの正体は、外出恐怖症の女性作家だった。島の動物たちも大活躍する、楽しい冒険ファンタジー。
映画『幸せの1ページ』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:アドベンチャー、ファンタジー、コメディ
監督:マーク・レヴィン、ジェニファー・フラケット
キャスト:アビゲイル・ブレスリン、ジョディ・フォスター、ジェラルド・バトラー、アンソニー・シムコー etc
映画『幸せの1ページ』の登場人物(キャスト)
- ニム・ルソー(アビゲイル・ブレスリン)
- 幼い頃から、海洋生物学者の父親と、南太平洋の無人島で暮らしている11歳の少女。海洋学者だった母親は、ニムを産んですぐに海で亡くなった。島の動物が友達。アレックス・ローバーという勇敢な主人公が活躍する冒険小説が大好き。
- アレクサンドラ・ローバー(ジョディ・フォスター)
- 「アレックス・ローバー」シリーズを書いている女性作家。サンフランシスコ在住。病的な潔癖症のせいで外出恐怖症となり、ずっと家に引きこもって小説を書いている。自ら作り出したアレックスの幻覚と常に対話している。
- ジャック・ルソー / アレックス・ローバー(ジェラルド・バトラー)
- ジャックはニムの父親。ナノプランクトンの研究をしている海洋生物学者。心から自然を愛する科学者で、サバイバル能力も高い。世界中の科学者とネットで繋がっている。
アレックスは、アレクサンドラの小説の主人公。世界各国を冒険する勇敢な男。アレクサンドラの心の友であり、ニムにとっては憧れの英雄。
映画『幸せの1ページ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『幸せの1ページ』のあらすじ【起】
11歳になるニムは、南太平洋に浮かぶ小さな無人島で、海洋生物学者の父親ジャックと暮らしている。海洋学者だったニムの母親は、ニムがまだ赤ちゃんの時に、海で行方不明になってしまった。しかしジャックは、“ママを飲み込んだ巨大鯨を見つければ、ママは必ず戻ってくる”と、ニムに話していた。
ニムの友達は、アシカのセルキー、ペリカンのガリレオ、トカゲのフレッドといった島の動物たちで、島はニムにとって最高の学校でもあった。自然から学べること以外は、ジャックが買ってくれた本から学んでいた。
ジャックはナノプランクトン研究の第一人者で、ネットのメールを通じて、世界中の科学者から質問を受けていた。もし新種を発見したら“プロトゾア・ニム”と名付ける約束だった。
本や紙などの必需品は、数ヶ月に一度、船で運んでもらう。ジャックは島の自然を守るため、沖に停泊する船まで、ボートで物資を取りに行く。そのためこの島には、2人以外の人は入ったことがない。
ニムが最近夢中になっているのは、アレックス・ローバーという主人公が活躍する冒険小説だった。“アレックスは生まれつき勇敢なのか”というニムの問いに、ジャックは“勇敢さは日々の生き方から得るものだ”と答える。
この小説の作者は、アレックス・ローバーという男性名になっていたが、実はアレクサンドラ・ローバーという女性だった。アレクサンドラは病的な潔癖症のため外出恐怖症となり、ずっと家に引きこもっている。そんな彼女は、最近スランプに陥っていた。
映画『幸せの1ページ』のあらすじ【承】
次の小説を書くため、ネットで火山について調べていたアレクサンドラは、火山の麓で暮らしているジャックの存在を知る。ニムの暮らす島の中央には、小さな活火山があった。
ジャックは沖で大繁殖している藻を観察するため、2晩の予定で海へ出ることにする。当然ニムも一緒に連れて行くつもりだったが、ウミガメの卵が孵化する日だからと、ニムはその誘いを断る。ジャックは仕方なく、2日で戻ると約束して、ひとりで出発する。
メールのチェックを頼まれていたニムは、アレックス・ローバーからのメールを発見する。“新しい冒険に力を貸して欲しい”と書かれたメールに、ニムは“ジャックは喜んでお手伝いします あなたの大ファンです ニムより”と返信する。アレクサンドラは、ニムをジャックの助手と勘違いし、ニムはアレクサンドラを冒険家のアレックスだと勘違いしていた。
ニムとジャックは衛星電波を使って話し、順調に過ごしていることを報告し合う。ところが、その夜モンスーンが発生し、海は大荒れとなる。船は波に呑まれ、ジャックは海に投げ出されてしまう。
島も嵐となり、ニムの家の中もめちゃくちゃになる。ニムは必死でパソコンを守り、セルキーと不安な夜を過ごす。
翌朝、ニムはジャックへ連絡する。しかしジャックからの応答はない。ジャックの船は大海原に流され、エンジンも故障していた。自力で船に這い上がっていたジャックは、ニムの心配をしながら、船の修理を急ぐ。ペリカンのガリレオは、ジャックの遭難を知り、彼の力になる。
アレクサンドラから噴火口の様子を聞かれたニムは、危険な山肌を登り、噴火口を調べに行く。しかし帰りに崖下へ転落し、足にひどい怪我を負ってしまう。
ニムはアレクサンドラに怪我の手当の方法を教えてもらう。そのメールに“パパが戻ったら”と書かれていたことで、アレクサンドラはニムがまだ子供なのだと知る。
悪いことは重なるもので、金持ち相手のツアーを運営する男たちに、島の存在を知られてしまう。男たちは「海賊気分で楽園暮らし」というツアーを組み、2日後にこの島へ戻ってくるらしい。ニムはその男たちを海賊だと思い込み、不安に怯える。
映画『幸せの1ページ』のあらすじ【転】
ジャックとは全く連絡が取れず、さすがのニムも心細さに泣き出してしまう。その時、アレクサンドラから“君は誰だい?年齢は?ひとりぼっちなのかい?”というメールが届く。ニムは自分が11歳で、パパは海に出たきり帰らず、ひとりぼっちなのだと返信する。海賊のこともあり、ニムは“助けに来て”とアレクサンドラに訴える。
ニムが自分のことを勇敢なアレックスだと勘違いしていることを知り、アレクサンドラは焦る。ニムの窮状を救ってやりたいが、アレクサンドラは一歩も外へ出られない外出恐怖症だ。あちこちへ電話しても、解決策は見つからず、アレクサンドラは頭を抱える。ずっとアレクサンドラのそばにいるアレックスの幻覚は、“行け!”と彼女の背中を押す。
アレクサンドラはニムに正確な島の位置を聞き、出発を決意する。“行く”というメールをもらい、ニムも元気を取り戻す。
行くとは言ったものの、その道のりは困難を極める。アレクサンドラは、決死の覚悟で玄関を出て、飛行機を何度も乗り換え、フラフラになりながらニムのいる無人島を目指す。その間、ニムは独自で海賊の撃退法を考え、着々と準備を進めていた。
一方、海上のジャックも、ひとりで格闘を続けていた。巨大鯨を目撃したジャックは、“必ずニムのところへ戻る”と、亡き妻に誓う。
翌日、ツアー客を乗せた船が島に近づいてくる。両親とツアーに参加していたエドモンドは、セルキーと一緒に泳ぐニムを目撃する。客は小型ボートに分乗し、島へ上陸してくる。ニムは木の上に身を隠し、彼らを追い出す作戦を決行する。
ニムは、フレッドとその仲間たちに協力してもらい、砂浜にトカゲを飛ばす。次々と飛んでくるトカゲを見て、客たちはパニックになる。エドモンドはニムの存在に気づき、ひとりでジャングルの中へ入っていく。
ニムは火山の頂上で火を炊き、岩を崖下に落下させ、噴火を偽装する。ところが、岩が噴火口に落ちてしまい、本物の噴火を誘発してしまう。急いで崖下へ降りたニムは、そこでエドモンドと遭遇する。エドモンドは“一緒に行こう”とニムを誘うが、ニムは姿を消してしまう。ツアー客は大慌てで島から脱出していく。
映画『幸せの1ページ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ヘリコプターで島を目指していたアレクサンドラは、モンスーンに巻き込まれる。ヘリはエドモンドたちを乗せた船に不時着し、アレクサンドラは船長にニムのことを説明する。しかし誰も彼女の話を信じてくれない。ただ、エドモンドだけは“その子に会った”と教えてくれる。
身柄を拘束されそうになったアレクサンドラは、小型ボートで船から脱出する。荒れ狂う海の中、アレクサンドラは必死でボートを漕ぐ。一方、船の修理を終えたジャックも、島へ向かっていた。しかし再び嵐で船が破壊され、ジャックは海へ投げ出される。
家に避難していたニムは、ジャックの声が聞こえたような気がして、砂浜へ走る。そこでボートの影を発見し、セルキーに乗って海へ出る。ボートが壊れ、海に投げ出されたアレクサンドラは、ニムに救出される。
嵐が去り、ニムとアレクサンドラは、砂浜で目を覚ます。アレックスの正体がアレクサンドラだと知り、ニムはショックを受ける。ニムにとってアレックスは、パパのように勇敢な英雄でなければならなかった。
ニムに拒絶され、アレクサンドラはどうすべきか悩む。いつも一緒だったアレックスの幻覚は、“あの子のところへ行け”と言い残して、姿を消してしまう。
アレクサンドラが自分を捜している声を聞き、ニムは彼女を受け入れることにする。アレクサンドラはニムの家に招かれ、その暮らしぶりにカルチャーショックを受ける。
翌朝、ニムは泣きながら海を見つめていた。ジャックが海へ出て5日目の朝を迎え、ニムは絶望的な気持ちになっていた。海を知りつくしているジャックが、まだ帰らないということは、彼の身に何かあったのだと考えるのが自然だ。アレクサンドラは“あなたをひとりにしない”と言って、ニムを抱きしめてやる。
その時、ガリレオが飛んできて騒ぎ出す。海の向こうには、手製のヨットで帰ってきたジャックの姿があった。
ニムは砂浜へ走り、ジャックと固く抱き合う。ニムはジャックにアレクサンドラを紹介し、2人は握手を交わす。アレクサンドラとジャックは一目で恋に落ち、幸せの1ページが開かれるのだった。
映画『幸せの1ページ』の感想・評価・レビュー
父親と2人、無人島で暮らす11歳の女の子ニム。父親が海で遭難してしまい、お気に入りの小説家に助けを求め、小説家のアレックスは少女を助けに行こうとするが極度の対人恐怖症の引きこもりだった。ニムがとても頑張り屋さんでキュート、動物たちもめちゃくちゃ可愛いです。引きこもり気味のアレックス役のショディー・フォスターも珍しい役どころで新鮮でした。派手な大冒険では無いけど、見た後は心がほっこりする勇気を貰える素敵な作品でした。まさに「幸せの1ページ」でした。家族で見て頂きたい作品です。(女性 30代)
南の島で一人になってしまったニムの恐怖が伝わってくる。大人でも怖いと思うのに、11歳という年齢でよく頑張ったなと思った。買い物にすら行けなかった潔癖症のアレクサンドラが、ニムのことを見捨てずに頑張って行動を起こす姿には感動した。潔癖症ではない人でも、南の島に行くのには躊躇しそう。アレクサンドラは冒険小説の主人公のように、勇敢な女性だと思う。三人で一緒に南の島に暮らすことになるのか、恋に落ちたアレクサンドラとジャックのその後が気になった。(女性 30代)
冒険家のアレクサンドラは、自分が書く小説とは真逆のような生活を送っている。潔癖症で引きこもりの彼女にとって、小説の中の冒険は憧れの世界なのかもしれない。ニムという少女からのメールで、冒険に出ることを決意するアレクサンドラ。こんな自分を変えたいという一心で旅に出た彼女に、どんな冒険が待ち受けているのか。高揚感を思う存分感じることができる映画になっているのではないだろうか。彼女の成長していく姿を、きっと応援したくなるだろう。(女性 30代)
ジェラルド・バトラーとジョディ・フォスターが言ってしまえば子供向けの今作に登場するのは驚きましたが、ひとりぼっちになっても諦めないニムの我慢強さに勇気を貰える作品でした。
父親と一緒に無人島で暮らすニム。彼らの暮らしは物がありふれた便利な社会で暮らす私たちには想像もできないものばかりでした。そんな中でも海の仲間たちと協力しながら困難に立ち向かって行くニムと、自分の殻を破りニムを助けに向かうアレクサンドラ、そしてなんとしてでも息子の元へ帰ろうとするジャック。3つのストーリーが上手く重なり合い、子どもも大人も楽しめる展開になっていたと思います。(女性 30代)
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