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映画『狂い咲きサンダーロード』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『狂い咲きサンダーロード』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『狂い咲きサンダーロード』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『狂い咲きサンダーロード』の結末までのストーリー
  • 『狂い咲きサンダーロード』を見た感想・レビュー
  • 『狂い咲きサンダーロード』を見た人におすすめの映画5選

映画『狂い咲きサンダーロード』の作品情報

狂い咲きサンダーロード

製作年:1980年
上映時間:98分
ジャンル:アクション
監督:石井聰亙
キャスト:山田辰夫、戒谷広、大池雅光、中島陽典 etc

映画『狂い咲きサンダーロード』の登場人物(キャスト)

仁(山田辰夫)
暴走族マボロシの特攻隊長。暴走族として暴れることに生きがいを感じている。
健(南条弘二)
元マボロシのリーダー。恋人のために堅気になることを決意。グループを抜ける。
剛(小林稔侍)
マボロシの創設者。今は右翼グループのリーダーを務めている。かつての後輩の健や仁のことを気にかけている。

映画『狂い咲きサンダーロード』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『狂い咲きサンダーロード』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『狂い咲きサンダーロード』のあらすじ【起】

近未来の都市サンダーロード。そこでは複数の暴走族が日々抗争を繰り広げていたが、度重なる暴力事件により業を煮やした警察が介入、新しい法律を制定し勢力の鎮静化を図る。

暴走族グループ、マボロシを率いる健は、この法律の制定を機に休戦協定を結ぶ。それもすべて、恋人のために堅気になることが目的だった。

しかし、そんな健の姿を見て特攻隊長の仁が反発する。彼は暴走することこそが自分の生き様だと思っていた。すっかり牙の抜けた健を尻目に、今後は自分がマボロシを率いていくと仁は決意する。

ある時、暴走族たちが休戦協定を結ぶため集っていたところを仁たちマボロシのメンバーが襲撃、大乱闘を起こす。その一件で、仁はあらゆる暴走族からの恨みを買ってしまう。

健は暴走する仁を心配し、マボロシの創設者で現在は右翼グループのリーダーを務めている剛に協力を求める。剛は二つ返事で引き受け、話し合いで解決するために仁のもとを訪れるが、まるで聞く耳を持たれぬまま戻ってくる。

映画『狂い咲きサンダーロード』のあらすじ【承】

ある時、仁の側近であるユキオが仁を敵対視する暴走族たちに拉致されてしまう。ユキオを人質にケンカを売られた仁は、仲間と共にユキオを救出しに行くことを決意。しかしそこには、仁を痛めつけようと何十人もの暴走族が集っていた。

その情報を聞きつけ、仁の仲間のほとんどが恐れをなして逃げ出してしまう。仕方なく側近の二人と共に殴り込みに行く仁だったが、数的に不利な彼らに勝ち目は無かった。

そこへ騒ぎを聞きつけた健と剛が止めに入る。騒ぎは何とか鎮静化したが、散々に痛めつけられたユキオは命を落としてしまっていた。

ユキオを助けられなかった後悔と、自責の念で塞ぎこむ仁。そんな彼に剛が手を差し伸べる。剛に誘われるまま右翼グループへと入る仁。しかし抑えきれぬ反抗心と破壊衝動から、仁はすぐにメンバーと衝突し、グループを抜けてしまう。

一方で仁の暴走に我慢のできなくなった暴走族たちは、彼を抹殺するためヒットマンを雇い彼を狙っていた。

映画『狂い咲きサンダーロード』のあらすじ【転】

いつものように仲間とバイクで暴走する仁。仁にはこの瞬間だけが、生きていることを実感できるものだった。仲間とそれぞれに別れたところで、仁はヒットマンの襲撃に遭う。必死に抵抗する仁だったが、体を抑えつけられ、チェーンソーで腕を切断されてしまう。

すぐさま病院に運ばれる仁。彼は二度とバイクに乗れない体になってしまい、自暴自棄からすべての気力を失ってしまう。さらに側近の一人は、同様にヒットマンたちから暴行を受け、脳死状態に陥ってしまった。

健たちは仁を励まそうと病室へ向かうが、虚ろな目の仁に何もかける言葉が無かった。

仲間の死や自身の怪我によって、身も心もボロボロになった仁は、四六時中酒と薬に溺れながら街を徘徊する生活を続けるようになる。彼はもはや、自分が生きているのか死んでいるのかも分からずにいた。

そんなある日、路地裏で一人の小学生と知り合った仁。「すごい薬がある」と言う小学生に連れられ、仁はさらに街の奥へと進んでいく。

映画『狂い咲きサンダーロード』の結末・ラスト(ネタバレ)

小学生に連れられるまま後ろを歩いていた仁だったが、そんな彼の前に一人の老人が姿を現す。どうやらその老人は、あらゆる武器を秘密裏に売買する武器商人であるらしかった。仲間の無念と復讐を果たすため、武器を欲する仁に老人は微笑んだ。

かくして仁は、バズーカ砲やダイナマイトなどの強力な武器を携え、サンダーロードへ舞い戻る。彼の目的はただ一つ「サンダーロードの奴らを皆殺しにすること」だった。

仁の起こした騒ぎに剛が率いる右翼グループと、彼を殺そうと動き出す暴走族による三つ巴の戦いが始まる。あらゆるところで銃弾と火薬と血が散り合い、多くの死者が出る。

仁はかつての部下で、現在は剛の側近として右翼側に寝返った茂と一騎打ちになるが、そんな二人を遠くで狙っていた剛が放った銃弾により茂は死亡。仁も虫の息となる。

とどめを刺しにやってきた剛だったが、そんな彼を小学生が背後から射殺する。

小学生にバイクを持ってくるよう頼む仁。彼は傷だらけの体でバイクに跨り、サンダーロードの街中を走り続けた。

映画『狂い咲きサンダーロード』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

低予算感は感じるものの、強引に勢いで作りきったカルト作品。君が代を歌いながらアジトに登場する小林稔侍さんや、怒号ツッコミをかます山田辰夫さんらの掛け合いが凄かったです。長いものに巻かれず反発していくスタンスも面白いです。”常識なんかぶっ壊してやる!”というコンセプトが激しく伝わってきました。注射器のシーン何かもなんとも挑戦的で良いです。泉谷しげるさんが携わった音楽もこの作品の世界観と合っていて、場面場面での流し方も絶妙です。(男性 20代)


世界観や少しイメージと違う「暴走族」の表現に思わず「おぉ…」と圧倒されてしまった今作。かなり過激な内容ではありますが、なんだか癖になる依存性があり、見終わって少し経つとまた見たくなるような作品でした。
若さやそれに比例する熱量を真っ向から感じる熱い作品なので、ただのヤンキー映画を想像していると度肝を抜かれることでしょう。
万人受けはしないかも知れませんが、個人的にはかなり好きな作品です。(女性 30代)


この映画は、暴走族の総長・仁が自らの信念と生き様に殉じる様が、泥臭く、痛々しく、でもどこか美しく描かれた青春の墓標のような作品です。暴力と反骨、時代に取り残された若者の叫びが全編にわたって爆発しており、特に終盤の壮絶な特攻シーンには胸が熱くなりました。己の「筋」を通し続けた仁の最期に、男の生き様を見た気がします。(20代 男性)


不器用で、感情のままにしか生きられない仁の姿が、とても人間らしくて胸を打ちました。昭和の終わりの空気感と、どこか終焉を感じさせる暴走族文化の描写がリアルで、懐かしさすら覚えました。暴走行為や抗争の中に見える、時代に取り残された若者たちの孤独と怒りが心に残ります。ラストの炎に包まれる仁の姿は、神話的ですらありました。(40代 女性)


全編を通して「これぞインディーズ魂!」と唸らされる作品でした。低予算ながら熱量とパンク精神が凄まじく、荒削りな演出や演技も全て作品の魅力になっているのがすごい。仁の暴走は決して正義ではないけれど、社会や大人に押しつぶされないための叫びであり、彼なりの自己表現だったのだと思います。音楽の使い方も最高にエモかった。(30代 男性)


初めて観たときは衝撃を受けました。暴力、絶叫、爆走…とにかく全てがむき出し。だけどその中に、仁という一人の青年の寂しさや純粋さが感じられて、ただの不良映画ではないことが伝わってきました。家族との関係や仲間との衝突など、決してドラマチックではないけど妙にリアルで、観終わった後しばらく心がざわざわしました。(20代 女性)


この映画はある種の“青春の供養”だと思います。仁という男の破滅的な生き様は、美談ではなく悲劇だけれど、だからこそ痛烈に記憶に残ります。社会や大人の都合に対してノーを突きつけ、たった一人で立ち向かう姿には、失われつつある“時代の熱”を感じました。あの爆発とともに、彼の時代も終わったのだと思うと切ないです。(50代 男性)


暴走族や不良文化にまったく馴染みのなかった私でも、心を揺さぶられる作品でした。仁のまっすぐすぎる性格、不器用で暴力的だけど、実は仲間想いなところが印象に残っています。どこにも居場所がない彼が、最後まで自分のスタイルで生ききる姿に、共感とは別の「尊敬」に近い感情が湧きました。感情を揺さぶられる傑作です。(30代 女性)


中学生の頃に観て衝撃を受けて以来、何度も観返している作品。あの頃感じていた漠然とした怒りや閉塞感を、仁が代弁してくれていたような気がします。暴走族をテーマにしながらも、その枠に収まらない“反逆の物語”であり、あの時代を象徴する一本。爆音のバイクとともに、仁の魂の叫びが今も耳に焼き付いて離れません。(40代 男性)


仁の存在自体が、まるで時代からはみ出した幽霊のように見えました。常に怒りに満ちていて、でもそれは本当は愛情を求めていた証なんじゃないかと思います。母親とのシーンや、仲間とのすれ違いの描写がリアルで、観ていて苦しくなりました。最後に彼が全てを壊して炎に消える姿は、破壊と再生のような儀式にも感じられました。(50代 女性)

映画『狂い咲きサンダーロード』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『狂い咲きサンダーロード』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

爆裂都市 BURST CITY

この映画を一言で表すと?

パンクが暴れ、都市が壊れる、全編エネルギー爆発の反逆映画!

どんな話?

近未来の荒廃した東京で、パンクバンドや不良グループ、労働者たちが原発建設を巡って企業と衝突するカオスな物語。ストーリーというより「怒り」や「ノイズ」を視覚化したような、破壊的エネルギーが全編を貫きます。

ここがおすすめ!

『狂い咲きサンダーロード』同様、セリフより感情、整合性より爆発力を重視した作品。石井聰亙監督の代表作としても知られ、映像・音楽・演技すべてが暴走気味。混沌の中に宿る時代の叫びを体感したい人におすすめ。

青春デンデケデケデケ

この映画を一言で表すと?

ロックと共に駆け抜けた、少年たちのひと夏の純情音楽青春譚。

どんな話?

1960年代の四国を舞台に、ロックに魅せられた高校生たちがバンドを結成し、夢と現実に揺れながらも青春を謳歌する姿を描いた作品。友情、恋、音楽、家族が絡む、どこか懐かしく、眩しい青春映画です。

ここがおすすめ!

『狂い咲き〜』の“爆発的”な青春とは対照的に、温かくて切ない青春が描かれますが、「自分の信じた道を突き進む」というテーマは共通。音楽への情熱が画面からあふれ出るような、心洗われる傑作です。

逆噴射家族

この映画を一言で表すと?

常識を破壊する“家庭の崩壊”が、ブラックユーモアで炸裂する問題作。

どんな話?

ごく普通の中流家庭の父親が、ある日突然社会に対してキレて暴走。妻や子どもたちも次第に常識から逸脱していき、家族という形そのものが崩れていく様子を、風刺と狂気を込めて描いたブラックコメディ。

ここがおすすめ!

社会に適応できない怒りや違和感を抱える人に強烈に刺さる一本。『狂い咲きサンダーロード』の仁が社会にぶつけた感情と、通底するテーマがあります。笑いながら、気づいたら背筋が凍る…そんな異色の傑作。

鉄男 TETSUO

この映画を一言で表すと?

肉体が金属と融合する、狂気と工業ノイズのカルトSF。

どんな話?

謎の男に呪われ、体が鉄に変化していく男の恐怖と暴走を描くサイバーパンクホラー。低予算ながら圧倒的な映像と音の暴力で観る者の感覚を麻痺させる、塚本晋也監督の伝説的デビュー作です。

ここがおすすめ!

狂気・肉体・社会との断絶…『狂い咲きサンダーロード』と同じく、“現実から逸脱した存在”としての主人公の苦しみと怒りを描いています。スチームパンク的映像美に痺れたい人は必見のカルトムービー。

仁義なき戦い

この映画を一言で表すと?

血と仁義に生きた昭和ヤクザたちのリアルな戦争記。

どんな話?

戦後の広島を舞台に、実在の事件を基に描かれた暴力団抗争の群像劇。美化や浪花節を廃し、リアルでドライな男たちの裏社会の生き様を徹底的に描いた、深作欣二監督による伝説のシリーズです。

ここがおすすめ!

暴力、裏切り、血と誇りにまみれた生き方に魅せられるなら、この作品は外せません。『狂い咲きサンダーロード』の仁と同じく、自分の「筋」を通して破滅に向かっていく男たちの姿に、胸がざわつくはずです。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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