映画『ピンク・キャデラック』の概要:「ピンク・キャデラック」(原題:Singin’ in the Rain)は、1989年のアメリカ映画。監督はバディ・バン・ホーン。主演は「ダーティハリー」のクリント・イーストウッド。共演のルーを演じる女優に「アニー」などの舞台で有名なバーナデット・ピーターズ。
映画『ピンク・キャデラック』 作品情報
- 製作年:1989年
- 上映時間:92分
- ジャンル:アクション、サスペンス、コメディ
- 監督:バディ・ヴァン・ホーン
- キャスト:クリント・イーストウッド、バーナデット・ピータース、マイケル・デ・バレス、ジェフリー・ルイス etc
映画『ピンク・キャデラック』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『ピンク・キャデラック』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ピンク・キャデラック』のあらすじを紹介します。
トム・ノワック(クリント・イーストウッド)は、独特の方法で犯罪者を検挙するプロの賞金稼ぎだった。そんな中、偽札の所持で逮捕され、仮釈放の身にも拘わらず、生後間もない赤ん坊を連れ行方をくらませた人妻のルーをトムは追うことになった。彼女の持っていた偽札というのは、ルーの夫である前科者のロイの所属する狂信的な白人至上主義組織“純血団”の資金源として密造されたもので、ルーは当局から組織のメンバーとみなされ、紙幣偽造の汚名を被せられたことに腹を立て、ロイの愛車ピンク・キャデラックでネバダ州リノに一人で逃げて来た。しかしその車のトランクの中には、純血団が用意した本物の4万ドルが隠されていた。警察は半ばテロリストのような集団を相手にすることを厄介に思い、トムにその事件を解決するよう強引に依頼をする。そしてロイは純血団のアジトで、金を持ち逃げした妻のルーを始末するように純血団のリーダー、アレックスから脅しを掛けられていた。
一方、トランクの金を偽札と思い込んでいるルーは、リノのカジノで大儲けを企むが、金を使う前にトムに捕まってしまう。そんな二人を追う純血団のアレックスとその補佐役のウェイクロスは、彼女の赤ん坊を誘拐し金を返すように脅迫する。いつの間にか互いに好意を抱くようになっていたトムとルーは、純血団のアジトに乗り込み、激しい銃撃戦の末に組織を壊滅、赤ん坊を奪回することにも成功を収め、そして二人は愛を実らせるのだった。
映画『ピンク・キャデラック』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ピンク・キャデラック』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
チープさに溢れたくだらなさ満載のアメリカらしい映画
いかにも1980年代のアメリカ映画といった爽快な作りである。アメリカにありがちなロードムービー的な作りであり、イーストウッドの役柄としては「ダーティ・ファイター」のようなその日暮らしの主人公を演じている。ハードボイルドな展開かと思いきや、イーストウッドがコメディアンのような金ピカの衣装を身に纏った、いかがわしいカジノの取締役を演じ、全編に渡って随所に小技を利かせるギャグも見ものである。そしてイーストウッドの共演女優としては珍しいタイプのバーナデット・ピーターズが、いかにもおバカな女を演じて、ストーリーの中に良いアクセントを付けている。リノのカジノのステージに、コメディアン役で数秒だけ登場するジム・キャリーの危ない演技も爆笑ものだ。そして”純血団”という白人至上主義の集団も間抜けな感じを上手く演じ、出演する警察官もへらへらしっぱなしで、アメリカ映画らしいチープさに溢れくだらなさが満点である。
日本語吹き替えで観ると面白さが倍増する
イーストウッド=山田康夫というところは崩せないが、この映画はそれが見事に当てはまっている。「ダーティ・ファイター」も日本語吹き替えが面白く感じたのは、山田康夫のイントネーションが、イーストウッドに定着してしまったという先入観からだろう。ルパン三世などでも同じであるが、こういったコメディタッチの映画においては、山田康夫という声優の希有なキャラクターが作品をより一層魅力的に引き立てるのだ。しかしながらストーリーの安っぽさでも、クリント・イーストウッドが出演しているという点に於いては「くだらないと」いう面白さが、役者によって強調されるという良い見本である。
映画『ピンク・キャデラック』 まとめ
アホな出演者に、アホなストーリーという、なかなかB旧映画でも観られないアホさ加減が楽しいのである。出演者もアホな映画でお馴染みのどこかで見たことあるなぁというような役者が出演しているのも、アホさを強調するよいスパイスになっている。重い大作を連続して観たあとに、こういった映画をビール片手にヘラヘラ笑いながら観るというのは、ある意味無上の喜びであるとも言えよう。この映画に影響されてかどうかは知らないが、昨今、日本でもピンクの某高級車が発売され話題を呼んだが、それとこの映画に出てくるキャデラックとは全く意味合いが違う。この映画に出てくるピンクキャデラックはアメリカという風景の中でひたすら「カッコいい」のである。
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