映画『暴走特急』の概要:「暴走特急」(原題:Under Siege 2: Dark Territory)は、1995年のアメリカ映画。監督はジェフ・マーフィー。主演は「沈黙の要塞」、「沈黙の戦艦」のスティーヴン・セガール。共演にはエリック・ボゴシアン、キャサリン・ハイグル、モリス・チェストナット、エヴェレット・マッギルなど。
映画『暴走特急』 作品情報
- 製作年:1995年
- 上映時間:99分
- ジャンル:アクション、サスペンス
- 監督:ジョフ・マーフィ
- キャスト:スティーヴン・セガール、エリック・ボゴシアン、エヴェレット・マッギル、キャサリン・ハイグル etc
映画『暴走特急』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『暴走特急』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『暴走特急』のあらすじを紹介します。
ロッキー山脈を走り抜ける米国有数の豪華列車”グランド・コンチネンタル”がテロリスト集団にジャックされる。一味の首謀者デイン(エリック・ボゴジアン)はかつてCIAの衛星兵器開発計画に携わっていた危険人物であり、列車内にコンピュータを持ち込み、1車両を司令室に改造する。そしてデインは冷酷非情なペン(エヴェレット・マッギル)をリーダーとする傭兵グループを伴い、地球の衛星軌道を回るレーザー砲搭載の超高性能兵器、グレイザー1号の支配権を掌握してしまう。デインは手始めに中国の秘密ガス製造工場を爆破する。彼は中東との取り引きにより、巨額な報酬で米国防総省ペンタゴンの地下原子炉を破壊しようと目論んでいた。一方、その列車には元アメリカ海兵隊員で対テロリストの専門家、ケイシー(スティーヴン・セガール)が、亡くなった兄の娘セーラ(キャサリン・ハイグル)と乗り込んでいた。ケイシーはポーターのボビー(モーリス・チェスナット)の協力を得て次々に敵を片づけていくが、彼の存在に気づいた一味と、衛星とコンタクトを司るデータを巡って争奪戦が展開される。やがてケイシーは人質の乗った車両を切り離し解放するが、残る列車は山奥に入って行く。車内のケイシーから連絡を受けた政府は、ステルス戦闘機で列車を爆撃しようとするが、デインによって阻止される。部下たちをケイシーによって殺されたペンはセーラを盾に一騎討ちで対決するが、あえなく倒された。そして政府はようやく衛星兵器の位置を突き止めてこれを爆破し世界の危機は回避された。そんな中で列車が走り続ける支線の向こうから石油を満載した貨物列車が迫っていた。2台が正面衝突した瞬間にケイシーはセーラを救出して列車から脱出した。
映画『暴走特急』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『暴走特急』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
初期セガール映画の最高作
本作はセガールの映画としては最も充実している作品だろう。「沈黙の戦艦」と同じ主人公ではあるが、初期のものであるから設定も新鮮であり、アクションシーンにも淀みがない。占拠された列車に運よく隠れる事ができた主人公が敵テロリストを1人ずつ倒し、最終的に皆を救うという王道的なシナリオではあるが、アクション映画なので、その設定はシンプルな方が見応えがあるのだ。どこをどう勘違いしたのかその後のセガール作品はシナリオをこねくり回し、肝心なアクションがおざなりになってしまった。前作では列車の設定が戦艦だったのであるが、前作同様そのシチュエーションを上手く使っており、列車の上を歩き、列車に飛び乗り、列車が爆発し、列車を使ってできることは大方やられており、その狭い設定の中で良く練られた作りである。セガールのアクションもそのシチュエーションに便乗しテロリストとの格闘や銃撃戦も見応えがある。工夫を凝らして食堂車にある材料で爆弾を作り、格闘技の見せ方も細かな動きでよく計算されているシーンが多く、ガンアクションと格闘アクションのバランスも良い。展開などもクライマックスシーンまでに持ってゆく流れに淀みがない。
セガールの絶頂期
セガールアクションのひとつの方向性が決定づけられ、本作の後に続く作品も期待されたと思うのだが、ここが頂点だったのだろう。どんな俳優にも絶頂期というものがあり、年齢的や肉体的なところにより出来る出来ないの判断によりアクションシーンも変わってくるのだと思うが、セガールの絶頂期がこの辺りの時期だったのだろう。そして本作では地味ながら、キャスティングも他の映画で結構顔を知っている役者が出演しているのも功を奏している部分ではないだろうか。日本語で沈黙シリーズのタイトルは付けられていないものの、間違いなくこれは沈黙シリーズ一連作品である。
映画『暴走特急』 まとめ
スティーヴン・セガールがゴールデンラズベリー賞の常連になって久しいが、これはアクション映画俳優の宿命というべきものなのだろうか。ある意味それで知名度が高まっているという事もあるのだろうが、本人は不本意なのかどうかが知りたいところではある。まぁアル・パチーノみたいな俳優ですら受賞しているものであるから、作品的な部分では役者のせいばかりとは言えないのだろうが、これだけ映画を撮り続けている部分では、どこかで日の目を見るようなところもあってしかるべきだと思うので、偶然でもいいから再びこのような作品を作っていただきたいものである。
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