この記事では、映画『シンクロナイズドモンスター』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『シンクロナイズドモンスター』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『シンクロナイズドモンスター』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:SF、コメディ
監督:ナチョ・ビガロンド
キャスト:アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス、オースティン・ストウェル etc
映画『シンクロナイズドモンスター』の登場人物(キャスト)
- グロリア(アン・ハサウェイ)
- 失業し、酒に溺れ、恋人のティムからも愛想を尽かされ、地元の田舎町に帰ってくるダメウーマン。とある公園での彼女の動きが韓国ソウルに出現した怪獣とシンクロする。
- オスカー(ジェイソン・サダイキス)
- グロリアの幼少時代からの知人。バーを営んでおり、仕事のないグロリアを雇う。実は支配欲の高い男で、グロリアを自分の意のままに操ろうとしたがっている。
- ティム(ダン・スティーヴンス)
- グロリアの元カレ。グロリアをニューヨークの部屋から追い出したが、未練があり、グロリアに会うために彼女の地元にやってくる。
- ジョエル(オースティン・ストウェル)
- オスカーの店の常連客。バーで働き始めたグロリアたちと朝まで飲み明かす。グロリアと一夜を共にするが、それがオスカーの怒りを買うことになる。
映画『シンクロナイズドモンスター』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『シンクロナイズドモンスター』のあらすじ【起】
グロリアは恋人のティムを放ったらかしにして毎日のように朝帰りをしていた。ティムは愛想を尽かし、グロリアは追い出されてしまう。仕方ないのでグロリアは、子どもの頃住んでいた田舎町に越してくる。車もなく引っ越しの荷物を持ち、道を歩いていると中学時代の同級生のオスカーと出会う。
オスカーはバーを経営していた。オスカーに誘われ、グロリアは彼のバーで一晩呑み明かす。その日の朝、ソウルでは怪獣が現れ、街を破壊しているのだった。
グロリアは、次の日もオスカーのバー呑み、公園で朝を迎えていた。家に帰ると、オスカーがテレビを持って訪ねてくる。グロリアは、酔っ払ってテレビをもらうことを覚えていない。更に、恋人と別れたことも全て話してしまっていた。
仕事のないグロリアは、オスカーのバーで働くことになる。やはり朝帰りになり、その日もソウルには怪獣が現れていた。テレビに映る怪獣の映像を見たグロリアは、怪獣が頭をかく仕草が、自分のそれと似ていることに気がつく。気になるグロリアは色々調べ始め、バーからの帰り道にある公園での行動が、そのままソウルの怪獣の行動にシンクロしていることを知るのだった。

映画『シンクロナイズドモンスター』のあらすじ【承】
その事実をオスカーとバーの常連に見せるグロリア。公園で動くグロリアと、スマホに映るソウルの中継画像の怪獣の動きはシンクロしているのだった。グロリアが大きく手を振ると、ソウルの怪獣も大きく手を振る。しかし、怪獣の手は取材中のヘリに当たってしまい、ヘリが爆発してしまう。二日酔いのグロリアが公園で倒れこむと、ソウルの街並みは怪獣によって破壊されてしまうのだった。
グロリアは、自分が何をしてしまっているかに気がつく。そして、自分がソウル市民を殺してしまったと後悔するのだった。憔悴したグロリアは家に帰り、ベッドに倒れこむ。目がさめるとオスカーが朝食を買って来てくれていた。オスカーが手に持っていた新聞をみると、もう一匹いたとの新聞報道がされているのだった。実はオスカーがあの公園に入ると、ソウルには巨大ロボットが出現するのだった。
反省したグロリアは、翌朝もう一度公園に入り、地面にハングル語で「もうしません」と書き、ソウルの人々に謝るのだった。
映画『シンクロナイズドモンスター』のあらすじ【転】
二度とあの公園には行かないことを誓ったグロリアは、バーの常連のジョエルと一夜を共にする。その日の朝、ジェルの部屋でテレビをつけると、ロボットがソウルで暴れている映像が流れているのだった。グロリアは慌てて公園に向かう。そこには酔ったオスカーがいて、暴れているのだった。グロリアは公園の中に入り、オスカーの頬をぶつ。ソウルでは、怪獣がロボットの頬をぶつのだった。
オスカーはグロリアがジョエルと寝たことに腹を立てていた。翌朝も酔ったオスカーは、公園へ向かう。グロリアは、バーはやめると言うが、オスカーはそれを許さないのだった。
ティムから連絡が入り、グロリアは会いにいく。ティムはよりを戻したいと思っているのだった。バーの仕事があるので行くと言うグロリアを送り、一緒にオスカーの店に入るティム。オスカーはティムに嫉妬し、ティムを追い払うために店の中で巨大花火に火を点ける。店を出たティムはグロリアに、明日一緒に帰ろうと言うのだった。
映画『シンクロナイズドモンスター』の結末・ラスト(ネタバレ)
グロリアがバーの仕事を終え家に帰ると、オスカーが部屋にいてビールを飲んでいるのだった。グロリアの記憶が蘇る。オスカーは小さい頃から、グロリアを支配しようとしていたのだった。
本性を表したオスカーは、あの公園へ向かう。そこで、殴り合う二人。グロリアを張り倒し、公園の土を踏みつけるオスカー。ソウルでは惨劇が起きているのだった。
グロリアは、ティムとの約束を無視してソウルへ飛ぶ。そしていつも時間、オスカーは公園に立つ。ソウルでは巨大ロボットが現れ街を破壊する。そのソウルにグロリアはいた。暴れるロボットに向かって歩くグロリア。すると公園で暴れるオスカーの前に、怪獣が現れ、オスカーを捕らえるのだった。ソウルのグロリアは、手にしたオスカーを遠くに投げ飛ばす。ソウルの中継を見るジョエルは、その映像にグロリアの姿を見つけるのだった。
グロリアはソウルのバーに入り、「ここだけの秘密を知りたい?」とバーテンに話す。バーテンは答える「その前に何を飲まれます?」と。グロリアは、大きくため息をつくのだった。
映画『シンクロナイズドモンスター』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
設定は独創的で興味がそそられるが内実は内向的な閉じたストーリーで、結果としてアン・ハサウェイが可愛いという印象しか残らない映画。面白みは十分にあるが、その面白さに根っこがないというか土台がなく、アイデアの存在感しか残らない。で、どうするの。で、どうなったの。の部分が弱すぎるのだ。なぜ。について語らないのはこうしたファンタジーでは当然だが、その省いた分をどこかでもう少し語る必要はあるのではないだろうか。(男性 30代)
アン・ハサウェイが大好きな私にとっては、文句の付けようがない大満足の作品でしたがストーリー的にはなんだこれ…と苦笑いしてしまうかも知れません。
アン・ハサウェイ演じるグロリアが想像以上にダメダメなので、こんなキャラクターも演じてくれるの!?と驚くのですがそこからの展開もめちゃくちゃなんです。自分とモンスターがシンクロしているってどういうこと?と思うのですが、見ていて面白いので何故?とかそういう余計なことは気にならなくなります。
後半はとにかくイライラするのであまり集中しすぎずに、サラッと見るべき作品でしょう。(女性 30代)
最初は怪獣が登場するSFかと思ったら、途中から人間ドラマに変わっていく展開に驚きました。特にグロリアとオスカーの関係性がどんどん歪んでいくのが怖くて、モンスター以上に人間の闇が際立ちます。最後にグロリアが自分の力で立ち上がり、オスカーを倒すシーンにはスカッとしました。(20代 女性)
予告を観てコメディかと思っていたら、まさかここまで深い心理描写があるとは…。グロリアの成長物語として観るとすごくよくできていて、自堕落な生活から自立していくまでのプロセスに共感できました。特に、オスカーの狂気が露わになってからの展開は、リアルすぎてぞっとします。(30代 男性)
アン・ハサウェイが演じるグロリアのキャラに惹かれて観ましたが、期待以上の作品でした。怪獣とリンクしているというユニークな設定を通して、自己肯定感や他者との力関係といったテーマが描かれていて、単なるSF映画とは全く違いました。ラストの静かな決断にも重みがありました。(40代 女性)
一風変わった怪獣映画として話題だったけど、まさにその通りでした。モンスターを使ってDVやコントロールの問題を表現するという発想が新鮮で、オスカーがどんどん本性を現す様は、ホラーのようでした。最後にグロリアが怪獣の力で決着をつけるところは、逆転劇として痛快でした。(30代 男性)
正直、序盤はコメディだと思って気楽に観ていたけど、途中から急にシリアスになってびっくり。オスカーの豹変ぶりが本当に怖くて、あれはリアルにいる「優しい顔をした支配者」だと思います。グロリアが自分の価値を取り戻す物語として観ると、すごく力強い作品でした。(20代 女性)
グロリアと怪獣がリンクするという設定は荒唐無稽だけど、それがむしろ物語の深みを増していて驚かされました。物理的な破壊が、精神的な支配のメタファーとして描かれているのがうまい。オスカーのモンスターぶりが人間味あって、なおさら怖い。最後の復讐劇はある種のカタルシスでした。(50代 男性)
最初から最後まで、想像を裏切り続けてくれる映画でした。グロリアが怪獣としてソウルの街を破壊してしまう罪悪感、オスカーとの関係が崩れていく緊張感、そして最終的に自分の意思で決着をつける展開。これまでのどのジャンルにも属さない、不思議な魅力を持った作品です。(30代 女性)
自分の無力さに打ちひしがれていたグロリアが、自分の行動で世界を変えられることを知り、立ち上がるストーリーが素晴らしかったです。怪獣というSF的な要素が、人間関係の比喩としてここまで機能するとは…。アン・ハサウェイの演技も見応えがありました。(40代 男性)
映画『シンクロナイズドモンスター』を見た人におすすめの映画5選
マザー!(mother!)
この映画を一言で表すと?
狂気と不安が加速する、寓話的サスペンスの極致。
どんな話?
静かな田舎に暮らす夫妻のもとに、見知らぬ客が現れたことから、家の中に不穏な空気が流れ始める。次第に現実が崩壊していく中で、妻が直面する混沌と狂気を描く衝撃作。深読みを誘う象徴に満ちた物語です。
ここがおすすめ!
『シンクロナイズドモンスター』と同様、女性主人公の精神的な闘いを中心に据え、観客の心を不安定に揺さぶる構成が魅力です。一見不可解な展開が、ラストで怒涛のように意味を持つ快感をぜひ体感してください。
アンダー・ザ・スキン 種の捕食
この映画を一言で表すと?
美しくも不気味、異質な視点で描かれる人間観察劇。
どんな話?
地球にやってきた“何か”が人間に擬態し、スコットランドの街を徘徊しながら人間を観察し、捕食していく。無機質な視点と詩的な映像で綴られる、哲学的なSFスリラーです。
ここがおすすめ!
シュールな展開と異常性を静かに積み上げていく演出が、『シンクロナイズドモンスター』と共鳴。映像美と音楽がもたらす没入感も圧巻で、深層心理に訴えかける映画体験を求める方にぴったりです。
エンジェル・ウォーズ(Sucker Punch)
この映画を一言で表すと?
現実逃避が現実を超える、圧倒的ビジュアルの幻想世界。
どんな話?
精神病院に閉じ込められた少女が、自由を得るために空想世界で仲間たちと戦う物語。現実・幻想・象徴が複雑に交差する、スタイリッシュでエモーショナルなアクションファンタジーです。
ここがおすすめ!
『シンクロナイズドモンスター』と同じく、主人公の心の戦いが視覚的に表現されている点がポイント。アクションの裏に隠されたテーマやメタファーを考察する楽しみもあり、感性に響く作品です。
ラースと、その彼女(Lars and the Real Girl)
この映画を一言で表すと?
優しくて切ない“空想恋愛”がもたらす心の癒やし。
どんな話?
孤独な青年ラースが、リアルドールの“彼女”ビアンカを家族や街の人々に紹介し、本気で愛そうとする姿を描く。彼の妄想を否定せず、受け入れる周囲の優しさが温かいヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
奇抜な設定ながら、内面の傷や孤独がテーマとなっている点で『シンクロナイズドモンスター』と通じます。一風変わった愛の形を通じて、人間の再生や他者とのつながりの力強さを優しく描いています。
ビースト・オブ・ノー・ネーション
この映画を一言で表すと?
少年兵の地獄を通して描く、純粋さと狂気の境界。
どんな話?
内戦が続く西アフリカを舞台に、家族を失い、少年兵として戦うことを強いられる少年の目を通して描かれる戦争の現実。無垢さと暴力が交錯する、壮絶なヒューマンドラマです。
ここがおすすめ!
外的な怪物ではなく、内にある恐怖や暴力がテーマになっている点で『シンクロナイズドモンスター』に近い精神性があります。壮絶な体験を通して、どこか人間の本質に迫るような感動があります。
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