映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の概要:スパイダーマンの後継となった高校生のマイルス・モラレスを主人公に、多次元から来た様々なスパイダーマンたちが入り乱れて活躍するアニメ映画。第91回アカデミー賞で長編アニメ賞を受賞した話題作。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の作品情報
上映時間:117分
ジャンル:アニメ、アクション、アドベンチャー
監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
キャスト:シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、リーヴ・シュレイバー、マハーシャラ・アリ etc
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の登場人物(キャスト)
- マイルス・モラレス / スパイダーマン(シャメイク・ムーア)
- グラフィティを描くのが得意な高校生。変異クモに噛まれて電気ショックを引き起こしたり、透明になったりする能力を身に付ける。スパイダーマンを救えなかったことに責任を感じており、その後継を目指す。
- グウェン・ステイシー / スパイダーグウェン(ヘイリー・スタインフェルド)
- 女性のスパイダーマンで、白いコスチュームに身を包む。親友を救えなかった悲しみを抱えている。マイルスとは別の次元から来ており、高校生に紛れ込んでマイルスに接近する。
- ピーター・B・パーカー / スパイダーマン(ジェイク・ジョンソン)
- 別次元から来た中年のスパイダーマン。離婚して投資にも失敗するなど落ちこぼれている。下腹が出ていて冴えない風貌をしているが、能力は本物でマイルスを指導していく。
- キングピン(リーヴ・シュレイバー)
- 巨体をした悪玉のボスで、スパイダーマンの宿敵。妻と息子を失ったことを嘆いており、加速器を使って異次元から2人を呼び戻したいと画策している。
- アーロン・デイヴィス / プロウラー(マハーシャラ・アリ)
- マイルスが敬愛する叔父。しかし、実は紫色のスーツを身にまとい、鈎爪を武器とするプロウラーでもあり、キングピンに仕えている。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のあらすじ【起】
ニューヨークの街は、スパイダーマンによって10年間に渡り守られてきた。そのニューヨークの下町に暮らすマイルスは最近、進学校に転校したばかりだ。ある日、警官である父のパトカーで学校に送ってもらったマイルスは、遅刻して出席した授業でグウェンと出会う。
その夜、寮を抜け出したマイルスはアーロンを訪ねる。2人は地下トンネルに侵入し、壁面にグラフィティを描く。そこには放射能を浴びた変異クモがおり、マイルスは手を噛まれてしまう。
翌朝、マイルスは服が小さくなっていることに気付き、思春期の変化だと思い込む。グウェンに挨拶をしようとすると、手が彼女の髪にくっついてしまう、また、警備員に追いかけられたマイルスは、自分でもどうなっているのか理解できぬままに窓や壁を伝って逃げる。寮に戻ってスパイダーマンのマンガを手にしたマイルスは、全く同じことが自分の身に起きていることに気付く。
マイルスは地下トンネルに戻り、死んでいるクモを確認する。すると突然、スパイダーマンと緑色の怪物グリーンゴブリンが戦っている場面に遭遇する。マイルスは逃げようとしてキングピンの巨大な実験室にたどり着く。そこには時空を歪める加速器が設置されていた。加速器が稼働するが、安定せずに巨大な衝撃波が起こる。スパイダーマンは負傷してしまい、自分に代わって加速器を壊すようにマイルスに頼む。キングピンが現れ、スパイダーマンに止めを刺す。マイルスはプロウラーに追われるが、かろうじて逃げ切る。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のあらすじ【承】
ニューヨーク中がスパイダーマンの死を悼む。マイルスはスパイダーマンの衣装をまとって追悼式典に参加する。そこで鼓舞されたマイルスはスパイダーマンの意志を継ごうと決意する。マイルスはスパイダーマンを倣って建物からジャンプしようとするが、落下してしまう。
マイルスはスパイダーマンの墓に行って弱音を吐く。そこで突然、中年の男が声を掛けてきた。その男は別次元から来たピーター・B・パーカーことスパイダーマンだった。昨夜の加速器の実験でマイルスが住む次元に吸い込まれて来てしまったのだ。マイルスは加速器を壊すために協力を求める。
2人は、加速器の製造に関わった企業に侵入する。キングピンと科学者が話している隙に科学者のパソコンからデータを盗もうとするが、科学者が戻ってきてしまう。科学者の正体は、たこ足のようなロボットアームを装着したドック・オクだった。ドック・オクに捕まりそうになった2人は、スパイダーグウェンに助けられる。グウェンもまた異次元から来たスパイダーマンだったのだ。
3人はスパイダーマンのおばさんの家にやって来る。そこで更に別次元からやって来た白黒のスパイダーマン、日本の萌えキャラのようなスパイダーマンの少女、豚の姿のスパイダーハムと遭遇する。全員はそれぞれの次元に戻るために一致団結するが、誰かが加速器を壊すために残らなければならないことが判明する。マイルスは自分が加速器を壊すと訴えるが、能力を自在に操れないために頼りにしてもらえない。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のあらすじ【転】
落胆したマイルスは一人でアーロンの元に向かう。しかし、アパートは空っぽで、そこにプロウラーがやって来る。マイルスは透明になって身を隠すが、マスクを取ったプロウラーの正体がアーロンであることを見てしまう。ショックを受けたマイルスは、スパイダーマンたちの元に戻る。そこにキングピンの一味がやって来て、全員が入り乱れての格闘となる。
プロウラーも現れ、スパイダーマンに扮したマイルスを執拗に追い掛ける。追いつめられたマイルスはスパイダーマンのマスクを外して、素顔をさらす。プロウラーは驚いてうろたえてしまう。その様子を見ていたキングピンはプロウラーのことを銃で撃ち殺してしまう。死に際でアーロンはプロウラーであることを認め、マイルスに謝る。
寮で悲しみに暮れていたマイルスの元にスパイダーマンが慰めにやって来る。まだマイルスが能力を発揮できずにいるのを見たスパイダーマンは、自分が加速器を壊すために残ることになったと言い残して去る。次に父がマイルスを訪ねて来る。父はドア越しにアーロンが亡くなったことを告げ、マイルスへの愛情を表現する。その言葉に勇気付けられたマイルスはヒーローとしての自覚に目覚める。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の結末・ラスト(ネタバレ)
マイルスは黒塗りにしたスパイダースーツに身を包む。一方、スパイダーマンたちはキングピンのペントハウスに侵入する。スパイダーマンはこっそりと加速器に近づいて壊そうとするが、ドック・オクに阻まれる。スパイダーマンたちとドック・オクらキングピンの一味は加速器により異次元が突出する中で格闘を繰り広げる。
そこにマイルスが登場し、スパイダーマンたちに加勢する。何とかキングピンの一味を蹴散らすと、マイルスは加速器を制御してスパイダーマンたちをそれぞれの次元に送り返す。遂にスパイダーマンの前にキングピンが現れ、2人は死闘を繰り広げる。その現場にマイルスの父も到着する。キングピンに打ちのめされそうになっているマイルスを見た父は、マイルスが正体とは知らぬままスパイダーマンに応援の言葉を掛ける。力付けられたマイルスは電気を放出してキングピンをしびれさせ、加速器も壊す。
父が現場の後処理をしていると、マイルスがスパイダーマンの姿で現れる。愛情を込めて父とハグするが、父は状況が分からずにうろたえてしまう。マイルスは最後にキングピンを引き渡して、飛び去っていく。新たなスパイダーマンとして街のヒーローとなったマイルスは今日もニューヨークの街を舞う。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の感想・評価・レビュー
細部にまでビジュアルにこだわっており、まさにアメコミの世界に飛び込んだような感覚にさせてくれる満足度の高い作品。独立したアニメ映画にも関わらず、スパイダーマンに対する前提知識が必要となるのがやや難点か。ただ、過去のスパイダーマン作品を見ておくと、色々な場面で笑うことができ、楽しみも倍増する。アニメだからと言って侮らずにぜひヒーローたちの痛快な活躍を見てもらいたい。子供から大人まで楽しめること請け合いだ。(MIHOシネマ編集部)
多次元のスパイダーマンが集うにぎやかな作品でした。それぞれのスパイダーマンの強すぎる個性、ビジュアルに思わず突っ込みを入れたくなります。衝撃だったのはメイおばさんのキャラクターです。ものすごくハイテクな女性で、良い意味で予想を裏切られました。
独特のCGアニメーションで、まさにアメコミといった絵のタッチです。コメディ要素が強いですが、親子の絆や友情もしっかり描かれていて物語も面白い作品です。(男性 20代)
スパイダーマン映画で初めてCG映画になったこの作品は、CGだけあってとても繊細だ。激しいアクションや、実写ではなかなかできそうもない異次元の表現もとても魅力的に見える。異次元からきたピーター・パーカーなど複数のスパイダーマンたちがお互いを助け合い、協力しあっていく姿はとても興味深い。激しい乱闘も、CGならではのアクションだろう。技術的にも素晴らしい作品で、詳細までゆっくりと時間をかけて、何度も観たくなるのではないだろうか。(女性 30代)
アニメーションならではのグラフィック、キャラクター演出、そしてアメコミらしいポップな音楽。全てが素晴らしくそれだけでも見る価値があるのだが、加えて物語も胸を打つ。スパイダーマン映画では避けては通れない大切な人の死、そこから自分が手にした力とその代償を受け入れる覚悟をしっかり描きながら、主人公の成長と「決して一人じゃないんだ」ということに勇気づけられるラスト。アカデミー賞を受賞するのも納得の作品だ。
吹き替えの声優も豪華なので、映像に没入したい人はむしろ吹替の方が楽しめるかもしれない。(女性 20代)
『スパイダーバース』の原作については勉強不足で知らないままの視聴だったが、アニメでしか描けない新しい映像表現に、心底驚かされた。BGMとの完全なマッチはアニメだからこそできること。
最初の10秒をつくるのに1年間の製作期間があったというから、そのこだわりは並々ならぬものがある。日本のアニメとは違う、ディズニーの3Dアニメとも違う独自の進化を目撃する事ができた。
ただ一つ後悔があるとするならば、なぜこの作品を映画館で見なかったのかということだ。(男性 30代)
CGアニメーション作品の新しい『スパイダーマン』。個人的には実写作品が大好きなので、正直あまり期待していませんでしたが、ものすごく高いクオリティとメッセージ性の強いストーリーに一気に好きになってしまいました。
今作で注目して欲しいのは「リープ・オブ・フェイス」と言う言葉。信じて飛べという意味の1つのテーマになっています。自分に勇気を持つこと、困難な道にあえて挑戦してみることなど、見ている観客にも勇気や希望を与えてくれるようなテーマになっていて、すごく良かったと思います。
覚醒していく主人公になりきって、気持ちをスカッとさせて欲しい作品です。(女性 30代)
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