映画『七瀬ふたたび』の概要:2010年に公開された、芦屋星主演、小中和哉監督のSFサスペンス映画。筒井康隆のベストセラーSF小説を原作とし、「筒井康隆作家生活50周年記念映画」と題された作品。
映画『七瀬ふたたび』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:105分
- ジャンル:SF、サスペンス
- 監督:小中和哉
- キャスト:芦名星、佐藤江梨子、田中圭、前田愛 etc
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映画『七瀬ふたたび』 評価
- 点数:55点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『七瀬ふたたび』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『七瀬ふたたび』のあらすじを紹介します。
西尾という男性が謎の死を遂げた。
腕を骨折した状態での拳銃自殺、部屋に入った記録しか残っていない女性の存在、同時期に黒人バーテンダーも姿を消しており、彼女が最有力容疑者とされた。
その女性、火田七瀬はマカオで知り合ったばかりの真弓瑠璃と東京のホテルに滞在していた。
彼女は人の心を読むことができる超能力者で、同じテレパスの身寄りの無い少年ノリオと、サイコキネシスを使う黒人のヘンリーを北海道に残し生活費を稼いでいたのだ。
しかし自分たちを狙う存在に気がつき、とっさに瑠璃と行動を共にしていた。
かつて知り合った予知能力者の岩淵了から連絡が入り注意を促され、仲間でもあるタイムトラベラーの漁藤子に会いに行く。
その帰り、七瀬を狙う存在に殺害されてしまった瑠璃。
七瀬は藤子に助けを求め、時間を移動して瑠璃の死を無かったことにする。
そして七瀬は北海道に向かう。
刑事の山木は、七瀬たちを追っている巨大な組織の存在を知り、その窓口となっている狩谷を追って北海道へ。
そして藤子と了も北海道へ向かっていた。
再会した藤子から、超能力者が一般人に取って代わろうとしているという不穏な噂を聞いてしまう七瀬。
藤子は、自分の時間を飛ぶ力はパラレルワールドを生み出しているだけではないかと悩んでいた。
翌日、予知した北海道の森の中にいた了だったが、組織の手にかかってしまう。
そしてノリオが七瀬のフリをした心の声によっておびき出されてしまった。
ついに謎の組織と、七瀬たち超能力者の戦いが始まろうとしていた。
映画『七瀬ふたたび』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『七瀬ふたたび』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
原作に忠実とはいえ面白味に欠けるストーリー
原作を読んでいなければ納得できない展開が多いが、原作を読んでいると納得できない部分が多いという、不安定な作品。
西尾が殺害された理由やヘンリーが仲間に加わった経緯、誘拐じみた事までして幼いノリオをつれているのか、岩淵了はどうして七瀬と会いたがらないのかという謎が多い。
何度も回想シーンを使い、それぞれの間にどんな過去があったのかを小出しにしているものの、それが多すぎてストーリーがややこしくなってしまっている。
真弓瑠璃という女性がどうして七瀬のようなテレパスと間違えられたのかに関しては触れられておらず、感情の流れが複雑だから間違われて命を落としたのでは、納得できない。
“巨大な組織”が狙ってくるという風呂敷を広げたにもかかわらず、心に傷を負った能力者である狩谷を倒しただけで組織が壊滅したような見せ方はツッコミどころ。
過去へ飛んだ藤子と出会った七瀬たちが、知ってしまった未来へ立ち向かうというエンディングは、救いの無い印象が強い原作と違って希望がある。
原作の筒井康隆も認めた七瀬役
他人の心を読むことができるというテレパスの能力を、上手く映像化できている。
大きさの違うたくさんの文字が震えながら見えたり、喋っている声とは別に違う声が聞こえるという、「もしもテレパシーが使えたらこういった感じ」という映像を、原作に忠実に作っている。
だがヘンリーが念力で物を動かしたものの、VFXや合成技術が低く、追ってきた敵の頭を潰せという七瀬の命令に従った結果が、作り物という印象しか残らない映像になってしまっている。
湖を飛ばなければ敵地に入れない七瀬がヘンリーの力で宙を飛ぶシーンは、臨場感が全く無くひどいものになっている。
これまでの映像化作品の中で一番ピッタリの配役だと原作の筒井康隆が発言した七瀬役の芦屋星は、不思議な魅力を持つクールビューティー。
時間を行き来できる能力で逃げる事に慣れてしまった、危うさを併せ持つ藤子役の佐藤江梨子、七瀬を崇める黒人のヘンリー役にはCMで売れたダンテ・カーヴァー、脇を固める平泉成や大杉漣といったベテランなど、キャスティングは飛びぬけている。
映画『七瀬ふたたび』 まとめ
1979年から本作を含めて5回映像化された有名な超能力サスペンス小説、通称“七瀬三部作”の第二作目「七瀬ふたたび」の、初の映画化作品。
他人の心が読める火田七瀬が、超能力者たちと出会い、やがて自分たち超能力者を排除しようとする謎の組織に命を狙われていくという小説を、原作に忠実に描こうとした作品でもある。
ラストだけは原作とは違う形になっているが、トラウマを抱えた超能力者が黒幕だったという真実が、全体的にありがちで安っぽい印象を与えてしまっている。
劇場では上映前に「七瀬ふたたび」のファンだという、タレントの中川翔子の初監督短編映画が流れ、最初にテレビドラマで七瀬役を演じた多岐川裕美が七瀬の母親役で、芦屋星も七瀬役で出演したという。
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