映画『Mr.レディ Mr.マダム』の概要:「Mr.レディMr.マダム」(原題:La Cage aux Folles)は、1978年のフランス・イタリア合作映画。監督は「ひと夏の情事」、「プレステージ」などのエドゥアール・モリナロ。主演は「女王蜂」、「最後の晩餐」などのウーゴ・トニャッツィ。共演は「まぼろしの市街戦」、「ハンカチのご用意を」などのミシェル・セロー。他にはクレール・モーリエ、レミ・ローラン、カルメン・スカルピッタ、ベニー・リュケ、ニー・ルークなど。音楽は映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ。
映画『Mr.レディ Mr.マダム』 作品情報
- 製作年:1978年
- 上映時間:91分
- ジャンル:コメディ
- 監督:エドゥアール・モリナロ
- キャスト:ウーゴ・トニャッツィ、ミシェル・セロー、ミシェル・ガラブリュ、レミ・ローラン etc
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映画『Mr.レディ Mr.マダム』 評価
- 点数:95点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『Mr.レディ Mr.マダム』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『Mr.レディ Mr.マダム』のあらすじを紹介します。
フランス南部のサントロぺにある人気クラブ「クレイジー・ケージ」はオカマの殿堂である。そのオーナーは初老の紳士レナト(ウーゴ・トニャッティ)であり、店の看板スター“ザザ”ことアルバン(ミシェル・セロー)はレナトの愛人である。そして二人のメイドとして使える黒人のオカマ、ジャコブ(ニー・ルーク)。アルバンはレナトの素っ気ない態度に業を煮やし、頻繁にヒステリーを起こして我が儘放題でレナトを悩ませた。彼には20年前にただ一度の過ちから授かった息子のローラン(レミー・ローラン)がおり、久々に訪ねてきたローランは結婚をしたい相手がいるとレナトに告げる。その相手はアンドレア(ルイーザ・マネリ)と言い、彼女の父はモラリストであるシャリエ(ミシェル・ガラブリュ)という政治家であり、レナトにとっては厄介な相手だった。レナトからその話を聞いたアルバンは、自分が母親代わりに育てたローランが結婚するのを頑なに反対した。そんな中、シャリエが書記長を務める「秩序と道徳党」の党首が、未成年である黒人娼婦のべッドで腹上死するという事件が起こる。マスコミから逃げ回るシャリエの妻は娘の結婚を利用し、派手な祝宴のドサクサでマスコミの目をごまかそうというアイデアを思いつく。意外な展開でローランとアンドレアの結婚が進展したが、アンドレアはローランの家族をイタリア大使館の外交官だと両親に嘘をついていた。そしてアンドレアの両親がレナトの家へと挨拶に来たいという連絡を受け、レナトは息子の結婚が上手く進むよう一般家庭を装う計画を練る。趣味の悪い室内装飾は一掃され、生みの母である昔の妻シモーヌ(クレール・モーリエ)に連絡をつけ彼女の出席も承諾されたのだが、シャリエ一家が訪ねたその席に女装したアルバンが母を名乗り入ってくる。しかしその席に本物の産みの親であるシモーヌが現われる。さらに拍車を掛けるように、店のオカマたちまでがレナトとアルバンの結婚記念日を祝って部屋へと乱入し、シャリエ夫妻が怒って外へ出ようとしたところ、ドアの外にはマスコミが押し寄せ身動きが取れなくなる。そこでアルバンが機転を利かしシャリエに女装をさせて外へ出す事に成功する。かくして結婚式は無事に行われるも、式場でアルバンのレナトに対する小言が鳴り止むことがなかった。
映画『Mr.レディ Mr.マダム』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『Mr.レディ Mr.マダム』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ほのぼのとしたオカマコメディの名作
現在でこそオカマの世界は広く認知されるようになったが、当時では世間一般には秘密クラブ的な扱いで、本作が登場するまでそれがメインとして扱われた映画はなかっただろう。何よりもここに登場するオカマたちは体つきが全て男のままであり、現在みたいな手術をして完全な女性を目指す部分のないところがユニークである。そしてオーナーの息子が結婚をする相手が、秩序と道徳をモットーとする政党の書記長で、その党首が娼館で未成年相手に腹上死というシナリオも、スキャンダラスな内容で政治を皮肉った風刺的表現に笑えてしまう。近年の日本でもSMクラブに出入りしていた官僚が話題になったが、人の社会的立場などというものはあまりアテにはできないという見本のような話である。毒気に当てられるような事もないほのぼのとしたコメディであり、好感の持てるオカマ映画の草分け的存在である。
ミステリアスなオカマの日常
どういった訳かオカマが出てくる物語には、その個性を作者がどう描いても魅力的に映し出す魔力が潜んでいる。キャラクターが勝手に想像の中で一人歩きをするという特徴があり表現もしやすいのだろう。日本の漫画でも過去に「ストップ!ひばりくん」という江口寿史の漫画が話題になったが、それはヤクザの家に生まれたオカマの長男の話だったが、そこら辺の女子より遙かに美人であり、学問、スポーツ、喧嘩までだれも敵う者がいないというスーパーオカマ女子高生の話だったが、家がヤクザという事で話の広がりも強烈だった。やはりオカマの日常はどことなくミステリアスで、興味をそそられる部分が多いのである。
映画『Mr.レディ Mr.マダム』 まとめ
本作はジャン・ポワレ原作の舞台劇「ラ・カージュ・オ・フォール」を映画化したものであり、ポワレ自身が脚色に加わっている。元々舞台では女が男役を演ずる宝塚歌劇団や、江戸時代から伝わる舞台役者の女形など、男が女を女が男を演ずるものは少なくなかった。昨今のイケメンブームもどことなく中性的な男子がもてはやされるように、宝塚的な美貌の男子というのは多くの女性を魅了するのだろうが、本作のごつごつしたオカマはまた違った部分で、男の内なる世界を奇異に描くネタとしては持って来いと言えるだろう。オカマ映画に外れ無し。
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