映画『RED CAPSULE レッドカプセル』の概要:妻を亡くし配管工を辞めて非合法の安楽死薬レッドカプセルの売人となった主人公。彼は日夜、依頼により高額の薬を売り歩き様々な人の死を見つめてきた。そんな時、彼の元に服役しているはずの凶悪犯から連絡が入る。
映画『RED CAPSULE レッドカプセル』の作品情報
上映時間:74分
ジャンル:サスペンス
監督:石原貴洋
キャスト:海道力也、石原理衣、大瀬誠、田中しげこ etc
映画『RED CAPSULE レッドカプセル』の登場人物(キャスト)
- 金城(海道力也)
- 配管工として真面目に働いていたが、妻を亡くして絶望しアウトローに変貌。非合法の安楽死薬レッドカプセルの売人として働き、多くの人の死を見てきた。妻の死を乗り越えられず、幻覚剤のホワイトカプセルを常用している。
- 妻(石原理衣)
- 児童養護施設にて働いていた。水道管修理で訪れた金城と恋仲になり結婚。何らかの理由で子供が産めない。可愛らしく優しい。氷河の毒牙にかかり惨殺される。
- 氷河(大瀬誠)
- 金城の妻を強姦し殺害。他にも傷害などの罪を重ねており、狂気に陥っている。金城によって睾丸を踏み潰され、深い恨みを抱え執拗に追いかける。
映画『RED CAPSULE レッドカプセル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『RED CAPSULE レッドカプセル』のあらすじ【起】
配管工として働いていた金城は妻を亡くした後、仕事を辞め非合法の安楽死薬レッドカプセルの売人になっていた。レッドカプセルは死ぬ間際に人生最高の記憶を蘇らせ安楽死させる薬で、欲しがる人々は大概、暴力を振るわれ辛い経験をしている者ばかり。
薬を渡して金を受け取る。難しい仕事ではない。金城は亡き最愛の妻を忘れられず、幻覚剤のホワイトカプセルを服用しては妻との思い出を反復している。彼女が子供を産めない身体でも、多くを望まず共に生きられるだけで満足だった。
薬はレッドカプセルとホワイトカプセル、ブルーカプセルがある。赤は安楽死する薬で1つ50万円もする。白は幻覚剤、青は瞬発的に驚異的な力を発生させるが、寿命を縮める薬だった。その日の夜、仕事場でのいじめを苦にする男がレッドカプセルを購入。金城は彼の死を看取った。
映画『RED CAPSULE レッドカプセル』のあらすじ【承】
次に依頼があった顧客の元へ。しかし、依頼主は修羅場の最中で相手の男を刺し殺してしまう。死んだ男が興奮する前にレッドカプセルを飲ませる予定だったらしいが、間に合わなかった様子。それは、金城が来るのが少し遅れたせいかもしれない。彼は死体の処理を手伝うことにした。
金城は次の依頼者の元へ。その家は金持ちの家だったが、末期がんで苦しむ母親に安楽死を与えたいと言う。誓約書を書かせ薬を飲ませる。依頼者はどこか常軌を逸した様子で、母親が息を引き取ると金城を引き止めようとする。彼は狂っていると怒鳴りその家から去った。
次の依頼者も女で、金城に色目を使う。女は海外でレイプされたらしいが、その時の記憶が忘れられないと言う。金城は女に襲われそうになりながらも、カプセルを与えた。
荷物を手に家を去ろうとした金城だったが、そこへ家族が帰って来てしまう。どうにかやり過ごして逃げた。
映画『RED CAPSULE レッドカプセル』のあらすじ【転】
馴染みの薬剤師から薬を高値で買い取った金城。薬剤師は医師である父を狂気の果てに殺害していた。そこへ、ある男が現れ金城の情報を寄越せと言う。狂っていた薬剤師は男によって正気に戻りカルテを全て渡したが、男に殺されてしまうのだった。
薬局から帰宅した金城はまた幻覚剤を服用し、現れた妻と会話を繰り返す。彼はもう仕事を辞めたいと泣き言を零す。引導を渡す売人となった金城は、闇に生きる人々を数多く目にして疲れ果てていた。
製紙工場の工場員からの依頼で、工場を訪れた金城。だが、待ち合わせ場所へ来るとなぜか2人の依頼人がすでに殺されていた。愕然としているところへ、図ったかのように警察がやって来る。金城は刑事を殴り倒してどうにか逃げ出した。誰かに図られた。それだけは確かである。
映画『RED CAPSULE レッドカプセル』の結末・ラスト(ネタバレ)
車で移動したものの、ごろつきの若者が金城の前に現れる。混乱する金城の携帯に氷河という男から連絡が入った。殺人、強盗、強姦、傷害の罪で服役していたはずの凶悪犯の氷河は、金城に陰嚢を踏み潰され深い恨みを抱えていた。車を変えて更に移動した金城だったが、氷河の声が鳴り止まない。車を止めて外で叫んだが、誰もいなかった。
その場でホワイトカプセルを服用し、妻との会話にのめり込む。妻が星空を眺めようと言うため、車から降りて空を眺めた。幻覚作用が消え妻も消える。金城は肩を落として車へ戻ろうとする。しかし、そこを狙って背後から氷河が金城に襲い掛かった。後ろから刺され、殴り倒される。氷河は最悪なことに通りかかった女性へと性的暴行を加える。女性が妻に見えて我慢ならず、金城は青い薬を服用し氷河をぶちのめした。
火事場のくそ力を捻り出す薬は効力が強く、寿命を縮める。金城は氷河を拘束し海へ。奴こそが妻を殺した張本人だ。金城は浜辺にて氷河の息の根を止め車へ戻った。そうして、とうとうレッドカプセルを服用。復讐を遂げたことで、もう人生に悔いは無かった。
記憶が鮮やかに蘇る。妻が働いていた児童養護施設へと水道管修理に行った金城。それが、彼女と初めて会った時だった。
映画『RED CAPSULE レッドカプセル』の感想・評価・レビュー
全編がほぼモノクロで、ラストシーンの記憶が蘇るシーンのみが鮮やかなカラーという作風。恐らく妻の死で絶望していた主人公の心情を表現したかったのだろうと思う。加えて、バイオレンスシーンが多いこともあり、モノクロなら多少は衝撃も抑えられる。主人公は折に触れて幻覚剤を服用し、妻との思い出を反復する。それだけ、愛情が深かったのだろう。哀愁漂う雰囲気と妻を思う主人公の愛情深さ、人の闇を描いた作品。(MIHOシネマ編集部)
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