この記事では、映画『恐怖のメロディ』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『恐怖のメロディ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『恐怖のメロディ』 作品情報
- 製作年:1971年
- 上映時間:108分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:クリント・イーストウッド
- キャスト:クリント・イーストウッド、ジェシカ・ウォルター、ドナ・ミルズ、ジョン・ラーチ etc
映画『恐怖のメロディ』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
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映画『恐怖のメロディ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『恐怖のメロディ』のあらすじを紹介します。
DJデイヴ(クリント・イーストウッド)の番組はとても人気があった。
彼の雑学やおしゃべりとリスナーからの電話リクエストの番組である。
彼には恋人がいたが突然音信不通になってしまった。
この頃からデイヴにおかしな出来事が起こり始める。
番組には同じ時間に必ずリクエストをしてくる女がいた。
「ミスティ」をかけてくれという。
その日ももちろんかかってきた。
放送が終わり、顔なじみのバーに行くとそこにイヴリンという魅力的な女性がいた。
彼はイヴリンと一夜を共にする。
その日から彼女は断りもなしにデイヴを訪ねてくるようになった。
ミスティをリクエストしていたのは彼女だったのだ。
ある日音信不通だった恋人のトビーが街に戻ってきた。
久しぶりの再会でお互い愛の再確認をし、イヴリンに別れを告げる。
しかし彼女は半狂乱に陥り、精神的におかしくなり始めていた。
別の日デイヴがトビーと会ったあと帰宅すると、そこに掃除夫のバーディーがイヴリンに襲われて大怪我をしていた。
このことで病院に連れて行かれたイヴリン。
しかし病院を出たイヴリンに次に狙われたのはトビーだった。
シェアルームの部屋が空くため、そこに新しい女性が入ってくるという。
それと同時にその日の放送にもミスティをリクエストしてきたイヴリン。
このことでデイヴはまさかと気が付く。
急いでトビーの家に行くとそこにはトビーを守るように依頼していた警察官の死体があった。
幸いトビーは無事。
イヴリンと揉み合いになり、彼女はベランダから落ちたのだった。

映画『恐怖のメロディ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『恐怖のメロディ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
中盤の中だるみの残念さ
この映画は前半がかなりの見所だ。
偶然バーに居合わせた好みの女とデイヴが成り行きで一夜を共にしたと思ったら、何とその女こそがデイヴのラジオに毎回リクエストしてきていたあの女だった!という恐怖がある。
そこからの彼女の気持ち悪さは天下逸品。
ガツガツとデイヴに迫ってくる。
勝手に恋人面したり、突然ヒステリーになったりとかなりきちゃってるのである。
この時代にストーカーなんてものは知られていなく、ただの異常者扱いであったのだろうがそれにしても身の毛がよだつほどの恐さなのだ。
この演じている俳優の演技力は絶品で。
しかし物語が中盤に差し掛かると突然面白さが半減する。
どいうわけか中盤から、冒頭で音信不通になった恋人のトビーが町に戻り再会するのだ。
そして暫くこの二人の恋愛モードが続き、ストーカー問題一端中止。
さらにデイヴの掃除夫が瀕死の重体にさせられ、ストーカーが病院に収容される。
この辺りから最初の勢いはどこへやら。
普通の淡々と進む映画に成り下がってしまっている。
前半の盛り上がりがグイグイ惹き付けられただけに、残念感は半端ない。
このまま面白い映画の一つに記憶されるのかと思いきやだ。
後半はさらに酷い。
あっという間に警官が殺されストーカー女に恋人が狙われてもみ合いになるのだが、あまりにもあっさり相手がベランダから落ちて死んでしまう。
びっくりすぎる。
ドラマ性やサスペンス性が次第に薄れていったが、トータルとしてはそれなにり楽しめた映画である。
イーストウッドの悲壮感は味があって楽しめる。
若かりし日のクリント・イーストウッドが本当にかっこよくて、見た目はもちろん、声にも色気があります。こんなDJだったらときめいてしまうのは分かる気もしますが、イヴリンの行動は完全に常軌を逸していて、周りが見えなくなってしまうストーカーの怖さを感じました。
勝手に彼女ヅラをしてくるイヴリンも悪いのですが、彼女が感情的な行動に出てしまったのはデイヴにも少々非がある気がします。
物語が進むにつれてどんどんペースダウンしてしまうので、前半のグイグイ来るイヴリンに注目して見て欲しいです。(女性 30代)
クリント・イーストウッドの初監督作ということもあり興味深く観ましたが、まさかここまで緊張感に満ちた心理スリラーだとは思いませんでした。ラジオDJデイヴとエヴリンの一夜の関係から始まる恐怖が、徐々に現実を侵食していく展開にゾッとしました。最後、エヴリンが窓から落ちるシーンは衝撃。美しさと狂気のバランスが絶妙です。(30代 男性)
物静かな始まりから、じわじわと狂気が膨らんでいく演出がとても上手かったです。女性ストーカーというテーマは今ではありがちですが、当時としてはかなり先進的だったのでは?エヴリンの演技が本当に怖くて、特に家に無断で侵入していたと判明するあたりから一気にホラー色が強くなってきます。音楽の使い方も秀逸でした。(40代 女性)
「メロディが恐怖を誘う」というタイトルの通り、音楽の使い方が印象的な作品でした。冒頭のラジオ放送からラストまで、緊張と余韻を演出する音楽の効果が素晴らしい。イーストウッド演じるデイヴの軽率な行動が招いた結果という点でも、男の無責任さに対する警鐘としても機能していて、社会的なテーマも感じられました。(20代 男性)
サイコスリラーとしては古典ですが、いまだに通用する怖さがありました。恋愛のもつれから殺意へと変貌していくエヴリンの姿は非常にリアルで、ラストにかけての展開には息を飲みました。窓越しに落ちていくあの一瞬の無音演出が本当に印象的で、映画全体に漂う静かな狂気が心に残ります。名作だと思います。(50代 女性)
イーストウッドが俳優と監督を同時にこなしていることに驚きました。ストーリー自体は比較的シンプルですが、だからこそ心理描写に集中でき、エヴリンの狂気がより一層際立ちます。最後に正当防衛的に突き落とされる展開は衝撃的でした。女性の執念の怖さがリアルで、誰もが他人事ではないテーマだと思います。(40代 男性)
劇中に繰り返される「ミスティ」が、ただのリクエスト曲から恐怖の象徴へと変わっていくのがとても面白かったです。エヴリンのキャラクターは一見脆くて可哀想に見えるけど、実は非常に計算高く、破滅へと突き進んでいく様がスリリングでした。終盤の「裏切られた女の復讐」の激しさに、女性としてゾッとしました。(30代 女性)
ラジオのDJという設定がとても洒落ていて、そこから日常に侵食してくる狂気がよく描かれていました。エヴリンがどんどん常軌を逸していく一方で、デイヴはどこか他人事のような態度だったのが逆にリアル。ラストでその代償を払わされる展開には納得感がありました。サスペンス好きにはぜひ観てほしい1本です。(20代 女性)
作品のテンポが非常によく、90分ほどでしっかりとしたスリラー体験ができる点が良かったです。ストーキングや依存というテーマは、現代にも通じる普遍的な恐怖。エヴリン役の女優の表情がとにかく怖くて、特にナイフを持ち出すシーンは息を呑みました。イーストウッドの監督デビュー作にしては完成度が高いと思います。(50代 男性)
何気なく観始めたら、あまりの怖さに最後まで惹きつけられてしまいました。女性の一方的な執着が暴力と狂気に変わっていく流れがとてもリアル。特に、エヴリンがデイヴの恋人を襲う場面は本当に怖くて、サイコスリラーというよりホラーに近い感覚でした。余韻が長く残るタイプの作品です。(20代 男性)
映画『恐怖のメロディ』を見た人におすすめの映画5選
危険な情事(Fatal Attraction)
この映画を一言で表すと?
一夜の過ちが人生を狂わせる、衝撃のサイコスリラー!
どんな話?
既婚者の弁護士ダンが、気まぐれで関係を持った女性アレックスに執着され、日常が徐々に崩壊していく。嫉妬と執念、そして狂気に翻弄されるダンの恐怖を描いた物語。
ここがおすすめ!
『恐怖のメロディ』と同様、男女関係が発端となる心理的恐怖が主軸。グレン・クローズの演技が圧巻で、ストーカーの恐ろしさがリアルに描かれます。結末の衝撃も強烈な一作です。
ミザリー(Misery)
この映画を一言で表すと?
ファンの愛が狂気へと変わる、究極の監禁サスペンス。
どんな話?
人気作家が交通事故に遭い、たまたま助けてくれた女性が実は狂信的ファンだった…というところから始まる監禁地獄。逃げ場のない恐怖と心理戦が展開されます。
ここがおすすめ!
『恐怖のメロディ』の“女性の異常な執着”というテーマを、さらに過激かつ密室で描いた作品。キャシー・ベイツの怪演が光り、息もつけない緊張感が続きます。観終わった後も尾を引く衝撃作です。
ザ・ギフト(The Gift / 2015)
この映画を一言で表すと?
過去の因縁が静かに忍び寄る、不穏な心理スリラー。
どんな話?
新居に越してきた夫婦の前に、かつての知人が現れる。最初は好意的だった訪問者が、徐々に不気味な存在に変わっていき、夫婦の平穏な日常が壊されていく。
ここがおすすめ!
サイコスリラーながら、暴力的ではなく“じわじわとした恐怖”を堪能できる。静かな演出が逆に怖く、観る者の神経を逆撫でします。『恐怖のメロディ』と同様、心理的圧迫感が主軸の作品。
スイミング・プール(Swimming Pool)
この映画を一言で表すと?
幻想と現実が交錯する、官能と謎に満ちた心理劇。
どんな話?
作家のサラが休暇を過ごすため南仏の別荘を訪れるが、突然現れた出版社社長の娘ジュリーの存在が、次第に彼女の世界を揺るがしていく。真実と妄想の境界が曖昧になる展開。
ここがおすすめ!
『恐怖のメロディ』と同じく、女性の存在が物語の鍵を握る。ミステリアスな雰囲気と終盤のどんでん返しが秀逸で、観た人によって解釈が分かれるタイプの作品。映像も美しい。
ナイト・ハウス(The Night House)
この映画を一言で表すと?
亡き夫の秘密が導く、静かで不気味なホラーサスペンス。
どんな話?
夫を亡くした女性が湖畔の家でひとり暮らしを始めるが、次第に家の中で不可解な現象が起こり始める。夫の遺した秘密に迫るにつれて、彼女の心も蝕まれていく。
ここがおすすめ!
静かながら緊張感のある演出と、不穏な空気が『恐怖のメロディ』の持つ心理的な怖さと通じるものがあります。音や空間を活かした恐怖演出が見事で、サスペンス+ホラー好きにおすすめです。
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