映画『青の祓魔師 劇場版』の概要:任務失敗の被害により、1000年前に封印された記憶を食べる悪魔が解き放たれてしまう。幼い悪魔の面倒を見ていく上で内面に孤独を見た燐は、その悪魔を救おうとするが、そのせいで、街全体が脅威に晒されてしまうのだった。アニメ版の番外編。
映画『青の祓魔師 劇場版』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:アクション、ファンタジー、アニメ
監督:高橋敦史
キャスト:岡本信彦、福山潤、花澤香菜、中井和哉 etc
映画『青の祓魔師 劇場版』の登場人物(キャスト)
- 奥村燐(岡本信彦)
- 悪魔サタンと人間の間に産まれた少年。雪男とは双子で兄。サタンのみが使うとされる、青い炎の使い手。悪魔の尻尾を持っている。直情型で頭脳はさほど良くないが、人情に厚い。頭で考えるより心で行動するタイプ。祓魔師を目指しており、現在は祓魔師見習い。
- 奥村雪男(福山潤)
- 悪魔サタンと人間の間に産まれた少年。燐とは双子で弟だが、悪魔能力の発現は未だ見られていない。保有はしている。冷静沈着、頭脳明晰。すでに祓魔師としての資格を持っている。直情型の兄を疎ましく思いつつ、守りたいとも思っており相反する気持ちに揺らいでいる。
- 霧隠シュラ(佐藤利奈)
- 蛇の力を封じた妖刀を使う祓魔師。奥村兄弟の父親代わりである藤本獅郎の弟子だった。現在は燐の師匠。何事もだらしないが、祓魔師としての能力は逸品。
- メフィスト・フェレス(神谷浩史)
- 正十字学園の学園長で悪魔。正十字教会、日本支部の支部長でもある。悪魔でありながらサタンに対抗し、人間の味方をする得体の知れない存在。
- うさ麻呂(釘宮理恵)
- 記憶を食べる悪魔。時の眷属。1000年前、祓魔師に封印された。推定年齢は、およそ4歳から5歳程度と思われる。ウサギの耳と尻尾を持ち、思考も幼い。
- リュウ・セイリュウ(木内秀信)
- 1000年前に、記憶を食べる悪魔を封印した祓魔師の子孫。台湾支部の上位一級祓魔師。
映画『青の祓魔師 劇場版』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『青の祓魔師 劇場版』のあらすじ【起】
昔々、ある村の外れに弱った悪魔が現れた。発見した少年が悪魔を助けると、悪魔はその村に居着いてしまう。村人たちは悪魔のせいで仕事も忘れ、遊び続けるようになった。だが、そこへ祓魔師がやって来て、悪魔を封印。悪魔はいなくなったが、村人たちは村のことも忘れてしまっていたため、村は荒れ果て無くなってしまった。やがて、人々は消えてしまった村の存在を忘れないよう、悪魔を祀って11年に1度、祭りをするようになった。
その祭りは1000年経った現在も、11年毎に開催されている。
奥村燐と雪男は双子の兄弟だが、2人は悪魔サタンと人間の間に産まれた子供達だった。しかし、双子とは言え唯一、青い炎を使うサタンの能力を発現させたのは燐のみで、雪男には一切の片鱗も現れなかった。
2人は祓魔師の中で、最強と言われた藤本獅郎によって育てられる。しかし、奥村兄弟が15歳を迎えた頃、サタンに狙われた燐を庇った獅郎が死亡。燐は父親代わりの獅郎の敵討ちをするため、祓魔師になることを決意。すでに、祓魔師として活躍していた弟雪男の支えと教育を受けつつ、祓魔師見習いとして任務もこなすようになった。
その夜も、雪男の補助として任務に就いた燐。雪男が立案した計画を大幅に乱した上、任務は失敗。被害も相当数に上り、そのせいで小さな祠をも破壊。燐はどうにか海に落下し助かった。暴走した悪魔の片付けにシュラが駆けつけるも、悪魔には逃げられてしまう。
管理責任者として、任務失敗の責を負わされた雪男は戒告処分となり、見習いの燐も5日間の謹慎となった。
任務の折、燐が助けた子供が悪魔だと判明し、檻に入れられた幼い容貌の悪魔を処分すると言われた燐は、学園長のメフィストに責任を持って面倒を見ろと言われてしまう。
映画『青の祓魔師 劇場版』のあらすじ【承】
風呂に入れ夕食を食べさせ、まめに幼児悪魔の面倒を見る燐。幼児悪魔も燐の所作を真似て、少しずつ物事を覚えていく。燐は幼児悪魔にうさ麻呂と名付けた。
奇しくもこの年は、11年毎に行われる祭りの年。雪男と燐の任務失敗から以降、悪魔の出現が増え、見習いの仲間達も忙しくしていた。そんな中、燐は雪男が立てた謹慎中の勉強スケジュールに則り、勉強に励む。時間も遅くなった頃、うさ麻呂に寝るよう促した燐。彼はうっかり、軽い調子で宿題がなくなればいいと口にしてしまう。
すると、はっとした燐は宿題のことを忘れ、うさ麻呂と一緒に布団へ潜り込んでしまうのだった。
正十字教会、台湾支部から派遣されて来たリュウ・セイリュウは、上位一級祓魔師でシュラと同等の能力を有していた。彼は誠実で真面目、察しの良い雪男に一目を置き、調査の助手として起用していた。そして、祓魔師は悪魔を払うのが仕事だと豪語する。それは雪男と同じ考えだったが、兄である燐の考えは違う。燐は人を救うのが祓魔師だと言うのだ。燐は半分が悪魔であるため、悪魔でさえも救おうとする。だが、そんな兄のせいで、雪男の負担や心配事が増えているのも事実だった。
いよいよ祭りが開催。燐と仲間達はうさ麻呂を交え、生活を共に過ごしていく。
任務失敗の折に破壊された祠の調査もされていたが、何が封印されていたのか不明だった。シュラは街の結界張り替えで、休みなく各地を回っている。
映画『青の祓魔師 劇場版』のあらすじ【転】
そんなある日、燐の仲間達がうさ麻呂に向かって、仕事がなくなったらいいと笑う。すると、うさ麻呂は街のみんなが、仕事がなくなれば幸せになると理解してしまうのだった。
街では連日連夜、巨大な山車によるパレードが行われていた。燐と仲間達は仕事のことを忘れて祭りのパレードへ参加。
おかしいと思った雪男は、任務はどうしたのかと叫ぶも、祓魔師たちでさえ言うことがおかしい。まるで任務を忘れているかのようだ。祓魔師が悪魔を祓わないせいで、悪魔が続出。祭りのパレードにも被害が出る。
祭りの騒ぎで、街中に人が溢れ騒然となっていた。うさ麻呂と燐は2人で祭りを回る。幼い頃の思い出を語りつつ、神社へやって来た燐。うさ麻呂に問われ、過去にあった辛いことや悲しいことを思い出してしまう。
彼は獅郎との大切な思い出をも忘れてしまいそうになり、強い意志で忘れまいと努めた。そこで、うさ麻呂の能力を知る。うさ麻呂は記憶を食べてしまう悪魔だったのだ。そのせいで、1000年前に封印されたのである。
燐の辛い記憶を食べようと、うさ麻呂が能力を使ったため、黒い渦が燐を襲う。
そこへ登場したのはリュウである。彼は1000年前にうさ麻呂を封印した祓魔師の一族の末裔だった。リュウはうさ麻呂を再び封印しようとするも、それを燐が阻止。うさ麻呂の黒い渦に飲まれたリュウを雪男が救助。うさ麻呂は追い込まれて逃亡した。
街には悪魔が溢れ始めている。すべては、うさ麻呂が記憶を食べてしまったからだ。雪男と燐はうさ麻呂を捜すも見つけられなかった。ふと、地下鉄に目を留めた燐。雪男が電話している間に1人で行動してしまう。
映画『青の祓魔師 劇場版』の結末・ラスト(ネタバレ)
その頃、うさ麻呂はなぜ追われてしまうのかと自身に問うていた。なぜ、嫌なことを消してやったのに、仲良くなれないのか。うさ麻呂は1人で涙を流す。そこへ燐が追いつくも、逃がしてしまった悪魔が襲来。衝撃で地面が崩れ、うさ麻呂と燐は地下遺跡へ落下。後を追って来たリュウが、暴走した悪魔の退治へと向かう。
燐はうさ麻呂を説得しようとするも、そこへ雪男が乱入し、うさ麻呂を退治しようとする。老朽化した遺跡が、衝撃で崩れ始める。その拍子にうさ麻呂も飛ばされてしまう。うさ麻呂はみんなを幸せにしたくて能力を使ったと言う。燐はそれを理解し、うさ麻呂を説得。その後、悪魔の能力を解放した燐は、暴走悪魔を一網打尽にした。
外へ出た一行。だが、街は結界の張り替え中でもあり、抑えきれない悪魔で埋もれ始める。
シュラは1人で必死に結界の張り替えを行っていた。まるで嵐のように悪魔が流れ、黒い影となって街を覆う。
雪男と燐は、取り残された子供達の救出へ向かった。高い塔の上へと避難するも、足場が崩れ雪男と燐が宙吊りになってしまう。そんな中、高い塔の上にうさ麻呂の姿を発見した燐。うさ麻呂は燐に礼を言い、そこで能力を発揮。みんなを助けるために、時空の全てを食い尽くそうとしたのだった。
今しがた目覚めたかのように、はっとした燐。寮の自室だった。そこへ雪男が入室して来る。うさ麻呂のことを訪ねるも、雪男は何も覚えていない様子。外には雪が降り始めていた。
燐は急いで、最後にいた塔へ走る。祭りも終わり、いつもの平穏さを取り戻した街のどこにも、うさ麻呂はいなかった。祠へ向かった燐はリュウと出会う。彼は記憶を失っていないようで、面白いものを見せてもらったと、うっすら笑って去って行った。
祠はその場所にひっそりと建っている。燐は祠に向かって生涯、うさ麻呂を忘れないと誓うのであった。
映画『青の祓魔師 劇場版』の感想・評価・レビュー
加藤和恵原作のアニメ作品の劇場版。悪魔の王サタンと人間の間に生まれた少年、奥村燐の活躍を描く劇場オリジナルストーリー。
作中で「人を守るのが祓魔師だ」という燐の台詞があるが、騒動の原因となった悪魔、うさ麻呂であるが、うさ麻呂との交流を通し悪魔ながらに人と同じように心を持つうさ麻呂を悪魔ではあるが人のように感じている点が琴線に触れた。燐自身が悪魔と人との混血と言うこともあるがそれ以上に燐の心意気に感服した。(男性 20代)
この映画は映像がとても綺麗なので、映画館の大画面で観たらもっと感動したのだろうと、観れなかったことを残念に思った。
ストーリーもいろいろ考えさせる内容で素晴らしく、キャラクターにそれぞれスポットを当てながら進んでいく展開も好きだった。
結末は切なすぎて主人公のセリフと表情を観ながら涙が止まらなくなってしまった。
主題歌のUVERwoldの曲がとてもかっこよく、映画と合っていてよかった。(女性 20代)
まず、ものすごく画が綺麗で驚きます。作品の世界観がしっかりと表現されていて、様々な年代の国の街並みをミックスさせたかのようなビジュアルが本当に綺麗。異国情緒を感じられたのもとても良かったです。キャラクター一人一人の魅力もしっかり描かれていて、見ていて本当に面白かったです。
アニメの劇場版は、総集編に少しのオリジナルを加えた作品が多いですが、完全オリジナルでここまで楽しめるのは本当に素晴らしいです。(女性 30代)
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