この記事では、映画『ワールドエンド』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ワールドエンド』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ワールドエンド』の作品情報

出典:https://video.unext.jp/title/SID0050805
| 製作年 | 2019年 |
|---|---|
| 上映時間 | 151分 |
| ジャンル | SF アクション |
| 監督 | イゴール・バラノフ |
| キャスト | ピョートル・フョードロフ アレクセイ・チャドフ スヴェトラーナ・イワノーワ コンスタンチン・ラヴロネンコ |
| 製作国 | ロシア |
映画『ワールドエンド』の登場人物(キャスト)
- オレグ(アレクセイ・チャドフ)
- 第45独立親衛特殊任務旅団。父は15年間軍人だったが、退役後に起業しサマラの工場主になった。兄は特殊部隊としてシリアに派遣され、亡くなった。優しい性格。
- ユーラ(ピョートル・フョードロフ)
- 普段はタクシーの運転手をしている。認知症の母と2人暮らし。第7班の兵士。有能な兵士だが性格面に問題あり。
- オーリャ(スヴェトラーナ・イワノーワ)
- 女性。従軍記者。報道者として市民に少しでも状況を伝えるため、第7偵察班に同行する。
- アリョーナ(ルケリヤ・イリヤシェンコ)
- 衛生兵。病気の妹がいる。オレグと親しい。
- オスモロフスカヤ中佐(クセニヤ・クテポヴァ)
- 参謀本部情報総局の中佐。ショートヘアの女性。
- ドロマトフ少佐(コンスタンチン・ラヴロネンコ)
- 第7偵察班の少佐。誠実な人柄。部下からも信頼されている。
- ジェーニャ(フィリップ・アヴデーエフ)
- 若くて軟弱そうな民間人の男だが、危険な任務を背負っている。
- イド(アルチョム・トカチェンコ)
- 謎の男。特殊な力を持っている宇宙人。口がない。
- マキシム(ユーリー・ボリソフ)
- 若い男。第7偵察班の中尉。勇敢に部隊を率いる。
映画『ワールドエンド』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ワールドエンド』のあらすじ【起】
世界中で停電が起こり、ニュースで取り上げられている。ドロマトフ少佐の率いる第7偵察班は、通信が途絶えた都市キーロフの偵察に入った。メディア班のオーリャも同行する。
それから1か月が経過した。孤立地区は連絡が取れないままだ。タクシー運転手ユーラの元に、ロシア連邦軍への徴兵報告命令が送られる。ユーラはその晩、ジェーニャやアリョーナをタクシーに乗せた。
第8前哨基地キーロフ地区に、偵察班が入る。死亡した民間人は、内因性神経毒に汚染されていた。中佐の話では、先に孤立地区に入った偵察班の内5つは、消息を絶ったままである。新たに集められた兵士の中には、ユーラやオレグ、オーリャもいた。そこへ衛生兵アリョーナもやって来る。
警報が鳴り兵士らは銃を構えた。暗闇から無数の敵が襲ってくる。朝になり救助されたオレグは、昨晩の敵が熊だったと知る。ベッドの傍らには友人のユーラがいた。ユーラは包帯を取り替えに来たアリョーナに「衛生兵なのか」と声を掛ける。アリョーナは休養が必要なユーラに、小包を預けた。
その後オレグは、モスクワのホテルで休んだ。部屋にはジェーニャが来て、例の包みを奪うように持っていく。
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映画『ワールドエンド』のあらすじ【承】
ジェーニャは小包をイドという謎の男に届けた。袋の中には前哨基地で手に入れ、孤立地区で冷凍した遺体の手が入っている。イドが手の成分を調べると、生物兵器だと分かった。
何らかの敵による戦争が起こっているが、敵の正体が分からない。市民は、政府が何か隠していると疑い暴動を起こした。そこで司令部は記者会見を開き、特殊作戦の決行を公表する。まず少人数の精鋭部隊を孤立地区へ派遣し、敵との接触があれば追加で部隊を送る計画だ。
第1班、第2班と次々孤立地区へ派遣された。ユーラやオーリャの属する第7班は、キーロフに到着する。衛生兵のアリョーナも第7班に合流した。
モスクワの軍病院に入院中のサーシャにイドが接近するところを、中佐が目撃し銃を向けた。サーシャは、センサーという特殊な能力を持っている。イドには口が無かった。イドの話では、自分の仲間が人類を破滅させるべく、大勢押し寄せて来るらしい。また1億6千万人の人々は、イドたちエイリアンの操り人形になってしまった。月の陰に隠れ、生存サークルが生まれたせいである。今後エイリアンは地球の占領を始めるが、イドは自分が人類の味方になると言う。
映画『ワールドエンド』のあらすじ【転】
第7班は店から一般市民の少年を見つけ、助けようとする、だが彼はもはやエイリアンに操られており、中尉を殺した。
イドは「人間には生殖本能や感情があるが、慈悲の心がない。だから生物兵器として優秀だ」と言った。
第7班を人間たちが攻撃しはじめ、兵士は苦戦を強いられる。
イドの話からラーという者が敵のトップで、人間を操っていると分かる。ラーを消したいと考えるイドは、ラーの居場所を探り当てることができるサーシャに歩み寄った。イドと対面で話していた中佐は、偵察班が一斉に攻撃を受けたとの連絡を得る。
オーリャはユーラからの指示で、援護を求める信号弾を発射した。敵は一先ず撤退したが、事態は深刻だ。オーリャたちはこの場から脱出し、他の班との合流を目指す。だが移動中、多数の仲間を失った。オーリャとユーラはガレージを見つけ、その中でキスをする。その後ユーラはオーリャの合意なしに、強引に彼女を抱いた。
軍からは援軍の兵士が送られる。中佐はイドに協力するという決断をした。サーシャは、ラーがキーロフの高層ビルにいると透視する。サーシャは基地に残された。
映画『ワールドエンド』の結末・ラスト(ネタバレ)
イドや中佐、ジェーニャ、少佐が戦車で移動していると、ラーがサーシャを探知し基地が爆撃された。
一方犯されたオーリャは、移動中ユーラを責め続ける。ユーラは「俺を殺せ」と言ったが、オーリャは彼を殺さなかった。2人はオレグの率いる班と合流する。そこへ、イドたちの戦車が到着した。
戦車が高層ビルに着くと、イドはユーラを連れ屋上に上がった。残りの者は大量に襲ってくる人々を、銃撃する。少佐は、中佐や民間人を逃がし自らの命を犠牲にした。イドはユーラの協力を得てラーを殺害する。ラーに操られていた人々は、一気に倒れた。
屋上へ中佐たちが駆けつける。ラーは「移住船の者たちを皆殺しにすればよい」と言った。皆はイドの命に対する考え方に腹を立て、イドの殺害を図る。この騒動で中佐やユーラが死亡した。ジェーニャがイドと一緒にビルから飛び降り、イドは死んだ。
黒くて巨大な移住船が降りてきた。生き残ったオレグとオーリャ、アリョーナは中へ入る。中には大勢のエイリアンが眠っていたが、3人は酸素を送るパイプを壊し殺害した。だが子供のエイリアンだけは殺すことができず、オレグは武器を投げ捨てた。
映画『ワールドエンド』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
人類滅亡の危機を描くロシア発のSF映画として、予想以上にスケールが大きくて驚いた。冒頭の「ブラックアウト」シーンの緊迫感は圧巻。地球のほとんどが沈黙し、生き残った人類が軍事施設で抗う姿に引き込まれた。後半の異星生命体との対話は哲学的で、単なる戦争映画では終わらない深みがある。絶望の中での希望の描き方が美しい。(30代 男性)
最初はよくあるディザスター映画かと思ったけれど、観ていくうちに「人間とは何か」というテーマが浮かび上がってきた。敵だと思っていた異星人の目的が“共存”にあったという展開にはハッとさせられる。派手な爆破シーンよりも、兵士たちの葛藤や愛の描写に心を動かされた。ロシア映画らしい重厚感と悲壮感がたまらない。(40代 女性)
映像の迫力がすごい!ハリウッドに引けを取らないクオリティで、特に戦闘シーンのリアリティが抜群。だが、ただのSFアクションではなく、敵と味方の境界が曖昧になる展開が深い。人類が支配者ではなく、地球の一部でしかないというラストのメッセージが印象的だった。SF好きなら一見の価値あり。(20代 男性)
物語のテンポはやや遅いが、その分キャラクターの心情が丁寧に描かれている。特に主人公が恋人を失いながらも、最後まで戦う姿に涙した。終盤で判明する“ブラックアウトの真実”が衝撃的で、単なる終末映画とは違う深みを感じる。人間の傲慢さと脆さを描いた、静かな警鐘のような作品。(50代 女性)
ロシア映画特有の緊張感と重苦しさがありつつも、物語後半での希望の光が印象的。敵として描かれていた異星人が、実は人類の進化を見守る存在だったという展開には感動した。映像も音楽も質が高く、終盤の空から降り注ぐ光のシーンは鳥肌もの。人間と宇宙の関係を壮大に描いた良作。(30代 男性)
前半はホラーのような緊張感、後半は哲学的なSFドラマに変化していく構成が見事。突然の停電、崩壊する都市、そして沈黙する地球。そんな中で生き残った人々の“信頼”と“裏切り”が描かれる。特にラストで主人公が敵と心を通わせるシーンは美しく、涙を誘った。思考型のSFが好きな人におすすめ。(40代 男性)
人類滅亡というテーマなのに、どこか神話的な美しさを感じた。戦争や破壊の映像の中に、愛や祈りが静かに息づいている。主人公が“敵”の心に触れ、人間がいかに小さな存在かを悟る瞬間が胸を打つ。派手さではなく、世界の静寂と絶望の美を描く作品として印象に残った。(50代 女性)
アクションやSF要素もあるが、結局は“人間ドラマ”が中心にある作品。極限状態での人間の選択が丁寧に描かれていて、単なる娯楽では終わらない。主人公の「生きる理由」を取り戻す瞬間には思わず涙した。ロシア映画らしい重厚な語り口が好きな人にはたまらない一作。(20代 女性)
ラストの展開には賛否あると思うが、私は感動した。敵を倒すのではなく、理解しようとする結末が良い。地球が再生するラストシーンは、破壊の後に訪れる“再生”の象徴のようで美しい。人類の愚かさと希望を同時に描くスケールの大きい映画。観終わった後、静かな余韻が残る。(60代 男性)
ストーリーの重厚さと映像の迫力、そして哲学的な結末。『ワールドエンド』はタイトル通り、世界の終わりを描きながらも、“新しい始まり”を提示してくれる。人間が信じていた価値観が崩壊し、そこから何を掴むのか──この問いが心に刺さる。ロシア映画の底力を感じる一本だった。(30代 女性)
映画『ワールドエンド』を見た人におすすめの映画5選
第9地区(2009)
この映画を一言で表すと?
「“異星人”と“人間”の立場を逆転させた、衝撃の社会派SF」
どんな話?
南アフリカの上空に突如現れた宇宙船。その中にいた異星人たちは「難民」として地球に収容されるが、人間社会から差別を受ける存在に。ある日、政府職員が異星人の体液を浴び、彼らに変異していく。人間性と暴力の本質を描いたリアルSFドラマ。
ここがおすすめ!
『ワールドエンド』と同じく“人類の傲慢さ”と“異星との共存”をテーマにした傑作。ドキュメンタリー風の演出がリアルで、次第に主人公が「敵」へと変わっていく過程が痛烈。社会問題をSFで描く、異色の人間ドラマとして圧倒的完成度を誇る。
オブリビオン(2013)
この映画を一言で表すと?
「記憶を失った兵士が知る、“人類の真実”と“愛の記憶”の物語」
どんな話?
地球が崩壊し、廃墟となった未来。ドローン整備士のジャックは、ある日墜落した宇宙船の中から謎の女性を救出する。そこから始まるのは、自らの記憶、そして地球の真実に迫る壮大なドラマ。美しい映像と音楽が印象的なSFアクション。
ここがおすすめ!
『ワールドエンド』同様、荒廃した地球での“記憶と人間性”を描く壮大なSF。トム・クルーズの孤独な演技が秀逸で、映像美と哲学的テーマが融合している。ラストで明かされる真実は胸を打つ。静寂と絶望の中に“希望”を見出す一作。
エリジウム(2013)
この映画を一言で表すと?
「地上と宇宙、格差社会を描いた近未来SFアクション」
どんな話?
地球は貧困と汚染に覆われ、富裕層だけが宇宙コロニー“エリジウム”で暮らす未来。地上で生きる男マックスは、事故で余命わずかとなり、エリジウムへの侵入を決意する。彼の行動が世界の運命を変える、壮絶なサバイバルが始まる。
ここがおすすめ!
『ワールドエンド』のように“文明の崩壊と再構築”を描いた作品。アクション性と社会風刺を兼ね備えた完成度の高いSF映画。マット・デイモンの泥臭い演技と、荒廃した地球のビジュアルが見事。人間の欲望と正義を問う衝撃作。
アイ・アム・レジェンド(2007)
この映画を一言で表すと?
「滅びた世界で、ただ一人生きる男の“孤独な闘い”」
どんな話?
ウイルスにより人類が滅亡したニューヨークで、科学者ロバート・ネビルだけが生き残る。人類を救うためにワクチンを研究し続ける彼だが、夜になると街には感染者が現れる。孤独と恐怖、そして希望を描いた終末サバイバルSF。
ここがおすすめ!
『ワールドエンド』と同じく、世界崩壊後の“人間の精神”を深く掘り下げる。ウィル・スミスの圧倒的な演技力が孤独の痛みをリアルに伝える。アクションと静寂、そして感情の緊張感が完璧なバランスで描かれている。終盤の自己犠牲が胸を打つ。
アライバル/到着(2016)
この映画を一言で表すと?
「“言葉”で異星人と対話する、静かで深いSFドラマ」
どんな話?
突如現れた巨大な宇宙船。言語学者ルイーズは、未知の言語を解析しようと試みる。異星人との対話を重ねるうちに、彼女は時間と記憶を超える“真実”に気づいていく。派手な戦闘ではなく、“理解する”ことの意味を描く知的SF。
ここがおすすめ!
『ワールドエンド』の“異星との邂逅”をより静謐に、哲学的に描いた作品。エイミー・アダムスの繊細な演技と、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の詩的な映像が圧巻。戦うのではなく“通じ合う”ことの尊さを教えてくれる、深く考えさせられる傑作。






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