この記事では、映画『キャラクター』の結末のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『キャラクター』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『キャラクター』の作品情報
出典:Amazonプライムビデオ
製作年 | 2021年 |
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上映時間 | 125分 |
ジャンル | ミステリー |
監督 | 永井聡 |
キャスト | 菅田将暉 Fukase 高畑充希 |
製作国 | 日本 |
映画『キャラクター』の登場人物(キャスト)
- 山城圭吾(菅田将暉)
- 漫画家を目指すアシスタント。殺人事件を目撃したことをきっかけに「34」を描き始める。
- 両角(Fukase)
- 連続殺人犯。「34」に出てくる殺人鬼のモデル。
- 川瀬夏美(高畑充希)
- 山城の同棲中の恋人。
- 清田俊介(小栗旬)
- 神奈川県警巡査部長。殺人事件が「34」の内容と似ていることに気づく。
- 真壁孝太(中村獅童)
- 神奈川県警警部補。一家殺人事件の担当で清田の上司。
映画『キャラクター』のネタバレあらすじ
映画『キャラクター』の結末・ラスト(ネタバレ)
両角は戸籍も別人のものであり、本人にたどり着くための捜査は難航していた。漫画の連載は中止されたが、両角は再び山城の前に姿を現し最終回を描くように脅迫した。
山城は清田に、事件のモデルにした複数の四人家族が暮らすコミュニティによって成り立つ宗教団体の話をした。真壁が電話でこのことを上司に報告していると、突然現れた辺見に刺殺されてしまった。
山城は、自分と両親、妹をモデルにした被害者を登場させる漫画の最終回を描いた。警察は、漫画通りに実現するために両角が現れることを見越して、山城の実家で両角を待ち伏せしていた。しかし、両角は山城の家族のもとには現れず、山城と夏美の暮らす家に現れた。夏美は双子を妊娠していたため、山城と夏美とその子供も四人家族なのであった。
山城と両角は揉み合いになるが、駆けつけた真壁が発砲して両角を止めた。両角は逮捕され、山城は病院に入院した。
裁判にかけられ、裁判官に名前を聞かれた両角は、「逆に聞きたい。僕は何者なんだ」と問いかけた。
映画『キャラクター』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
漫画家・山城が、殺人現場を目撃したことで、架空のキャラクターだった“殺人鬼・両角”を実在させてしまうという異常な展開が衝撃的でした。キャラが立たない主人公が“本物”に出会って物語が動き出す構成が秀逸。菅田将暉の繊細な演技と、Fukaseの不気味な存在感が絶妙に噛み合っていて、目が離せませんでした。特にラストで“物語に取り込まれる”山城の姿が切なくも怖かったです。(20代 男性)
菅田将暉とFukase、二人の演技が予想以上に化学反応を起こしていました。Fukaseが演じる両角の狂気は、まさに“キャラクター”が人間を超えた瞬間のよう。現実と創作が交錯していく構造が非常に面白くて、観終わったあともしばらく考えてしまいました。ラストの「キャラの力に呑まれた山城」の描写は、作家としての業のようなものを感じさせ、背筋がゾッとしました。(30代 女性)
全体的にサスペンスとしての完成度は高く、映像の雰囲気も非常に好みでした。漫画家が現実の殺人鬼をモデルにして人気を得るという設定からして、すでに背徳的で惹きつけられます。Fukaseの無垢な狂気とでも言うべき演技が際立っており、彼が出てくるだけで画面の空気が変わるのが凄い。「キャラクターに命を与える」ことの怖さをここまで描いた邦画は珍しいです。(40代 男性)
正直、最初はFukaseの演技に不安を抱いていましたが、むしろ彼の“素人感”が狂気性と無垢さに繋がっていて見事でした。山城が次第に“両角の物語に取り込まれていく”様子が恐ろしく、特にラストの漫画原稿が真っ赤に染まる演出にはゾッとしました。サスペンスとホラーの中間のような不思議な空気感が魅力的で、音楽と美術も秀逸。日本映画としてはかなり挑戦的な作品でした。(50代 女性)
山城が漫画家として成功するために“倫理の一線”を越えてしまう姿に、人間の弱さと業の深さを感じました。キャラが立つことの重要性と、それによって命が失われていく現実のバランスが恐ろしくも皮肉的。ラストで山城が自らを作品に閉じ込めるような描写には戦慄しました。菅田将暉の演技も素晴らしく、絶望的な状況を繊細に表現していました。(10代 男性)
創作と現実が混じり合う構造に引き込まれました。山城が追い込まれていく過程がリアルで、彼が描くことでしか生きられないようになってしまうのが痛々しい。Fukase演じる両角は怖いというよりも不気味で、彼が笑っているだけで恐怖を感じるという不思議な存在感でした。日本のミステリー映画としても、かなり新しい切り口の作品だと感じました。(60代 男性)
人を描くこと=人を壊すこと、そんな作家の狂気に満ちた映画でした。山城が事件を知ってもなおペンを走らせる場面は、人としての感情と創作者としての衝動の狭間でもがいているようで、とても印象的でした。Fukaseは演技経験がないのに、あの狂気を出せるのは凄い。最終的に“両角”が山城の中に取り込まれたようなラストには震えました。(30代 男性)
ホラーともスリラーとも言い難い独特の雰囲気がクセになる作品でした。両角という“キャラ”に飲み込まれていく山城の心理描写がとても良くできていて、菅田将暉の苦悩する表情がリアルすぎました。特に漫画のコマが現実とリンクしていく描写が恐ろしく、映像としても新鮮。Fukaseの目の演技、無表情の中に何かを秘めた狂気がとても印象に残りました。(40代 女性)
この映画は“キャラクター”という概念そのものをテーマにしていて、表現者としてグサグサ刺さる内容でした。山城が描いたキャラが現実の殺人鬼とシンクロしていく展開は恐怖でありながら、創作欲という中毒性も描いています。Fukaseの静かな存在感が恐ろしく、彼の言葉の少なさが逆に恐怖を助長しています。芸術と狂気は紙一重、そう思わせられる映画でした。(50代 男性)
作家が“リアリティ”を追求した結果、現実に破滅を招くというストーリーが新鮮でした。山城が殺人現場を描くことで得た名声が、次第に自分の首を絞めていく展開には皮肉が効いていて印象的。Fukaseは圧倒的な静けさで恐怖を演出していて、本当に何をしでかすか分からない雰囲気が怖かった。映像の質感や音楽も独特で、日本映画には珍しいタイプのサスペンスだと思います。(20代 女性)
映画『キャラクター』を見た人におすすめの映画5選
パーフェクト・ブルー
この映画を一言で表すと?
現実と虚構の境界が崩れていく、衝撃のサイコスリラー・アニメ。
どんな話?
元アイドルのミマは女優への転身を図るが、彼女を追うストーカーの存在や、ネット上の虚構が現実を侵食していく。自分が何者か分からなくなる恐怖に苛まれていく彼女の精神崩壊を描くサスペンス。
ここがおすすめ!
『キャラクター』と同様に「創作と現実」「表現者の葛藤」をテーマにしており、精神の崩壊が視覚的に演出される巧妙さは圧巻。今敏監督の代表作であり、心理描写と映像表現の融合が光る名作アニメ映画です。
セブン
この映画を一言で表すと?
“七つの大罪”をなぞる殺人事件に挑む、究極のサイコサスペンス。
どんな話?
退職間近の刑事と新人刑事が、聖書の「七つの大罪」に基づいた連続猟奇殺人事件を追う。犯人の巧妙な罠と予想外の結末が、観客の倫理観をも試す衝撃のスリラー。
ここがおすすめ!
『キャラクター』のように“異常な犯人像”が物語の中心にある作品で、映像や雰囲気も一貫してダーク。観客に深い問いを投げかけるエンディングは、観終わった後も強烈な余韻を残します。映画史に残るサスペンス映画の金字塔です。
ナイトクローラー
この映画を一言で表すと?
“報道”という名の欲望が暴走する、現代社会の裏側を描くスリラー。
どんな話?
仕事を求めていた男が、犯罪現場の映像を撮影・販売する“ナイトクローラー”という仕事にのめり込み、より過激な映像を得るために自ら事件を操作していくという危険な成り上がり劇。
ここがおすすめ!
『キャラクター』の“成功の裏にある倫理の喪失”と強く共鳴するテーマで、ジェイク・ギレンホール演じる主人公の狂気が次第にエスカレートしていく様は目が離せません。創作・表現の暴走という視点でも注目の作品です。
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
この映画を一言で表すと?
過去の栄光にすがる男の葛藤と、創作のジレンマを描く演劇的映画体験。
どんな話?
かつてスーパーヒーロー役で一世を風靡した俳優が、自分の演劇作品で再起を図るが、過去のイメージや自己不信と戦いながら崩壊寸前の精神状態に陥っていく。
ここがおすすめ!
「表現者が抱える内面の混乱」「キャラクターに呑み込まれていく恐怖」は『キャラクター』と通じるものがあります。全編ほぼワンカット風の映像演出も圧巻で、視覚的にも没入感抜群のアート性の高い映画です。
告白
この映画を一言で表すと?
復讐と狂気が連鎖する、衝撃の心理サスペンス。
どんな話?
中学教師が、生徒によって娘を殺された復讐として“ある告白”をするところから物語は始まる。加害者も被害者も、それぞれが抱える狂気と感情が交錯し、驚くべき結末へと向かっていく。
ここがおすすめ!
登場人物の心理描写とその変化を丁寧に描きつつ、全編にわたって不穏で美しい映像が『キャラクター』とよく似た空気感を作り出しています。倫理と創作、報復と表現、複雑なテーマが詰まった邦画の傑作です。
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