映画『コララインとボタンの魔女』の概要:2009年のアメリカ映画で、原作はヒューゴ賞も受賞した、ニール・ゲイマンによる児童文学。引っ越してきた家でもう1つの世界の入口を見つけてしまいボタンの世界を知るココラインの物語。
映画『コララインとボタンの魔女』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:100分
- ジャンル:ファンタジー
- 監督:ヘンリー・セリック
- キャスト:ダコタ・ファニング、テリー・ハッチャー、ジョン・ホッジマン、イアン・マクシェーン etc
映画『コララインとボタンの魔女』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
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映画『コララインとボタンの魔女』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『コララインとボタンの魔女』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『コララインとボタンの魔女』 あらすじ【起・承】
コララインは園芸雑誌のライターをする両親と、ピンクパレスアパートに引っ越してきた。
築50年のボロアパートで、そこの大家の孫の意地悪な感じのワイビーには自分とそっくりの目がボタンで出来ている人形をもらう。
ある日引越しの片付けや、家を見ている時に小さな隠された扉を見つける。
無理やり母に開けてもらうが、塞がれており何も無かった。父親の美味しくない食事と「忙しい」を連発する両親に嫌気がさしベッドに入るコラライン。
しかしベッドに入ると、例の扉から尾っぽの長いネズミが出てきてコララインを誘導する。昼間と違い、長いトンネルに続いていた扉を通ると自宅に着いてしまった。
しかし何かが違う、料理をしている母親や弾けないはずのピアノを弾く父親が居た。
ママやパパ目はボタンで出来ていて、不審に思いつつも美味しい料理を振舞われて喜ぶコラライン。遊ぼうと誘われるコララインだが、恐怖で別のママ達の元に帰ると言い、再びベッドに入ると元の世界に戻っていた。
夢かと思ったが、塗ってもらった泥のおかげで漆のかぶれが治癒していた。
外でワイビーと会い、この家は子供には良くない、祖母も双子の妹が昔いたが居なくなったと言う話を聞いて不安になったコララインだが、寝るとまたネズミが現れ、扉をくぐりボタンの世界に行ってしまう。
映画『コララインとボタンの魔女』 結末・ラスト(ネタバレ)
充実した親子関係と食事、自分の思い通りの性格のワイビー、楽しいネズミのサーカスで大喜びのコララインだがまた目覚めると元の世界。
相変わらずの放置気味の両親に嫌気がさし、ボタンの世界に行くとショーを見て興奮しこの世界が大好きになったと喜ぶ。この世界にいたいならボタンの目に付け替えれば良いだけと言われ、慌てて元の世界に戻ろうとするが戻れない。
母の姿をした魔女に閉じ込められた先で、3人のボタン目の子供に会い、あの魔女は人形を通して寂しい子供を狙っている、自分達は命を食べられてしまったと教えてもらう。
もしも魔女から逃げられたら、天国に行く為にも私達の隠された目を探してと頼まれる。
ワイビーのおかげでまた扉に入れたこらラインだが、元の世界では両親が居なくなっていた。
魔女の仕業と怒りに燃えるコララインは、ワイビーの猫と共に罠だと知りつつも再び扉の中へ。自分の目と、幽霊になってしまった子供達、両親を賭けて魔女とゲームをする事に。
元女優で同じアパートの地下に住むエイプリルとミリアムからもらった石を覗くと、目の在り処が見え、コララインはコツを掴み探して行く。
見つけた物を追いかける内にどんどん魔女の世界の時間は減り、しかも頼みの網の石も魔女に奪われてしまい追い詰められてしまう。しかし「魔女の罠に騙されないで」と言う言葉を思いだし、スノードームに隠された両親を見付ける。もう駄目だと思った際に猫を投げつけ魔女のボタン目を剥ぎ取る。
逃げながら元の世界への扉をくぐると無事に両親も帰宅、行方不明になってしまった子供達の魂も開放する。しかし1つしかない扉の鍵をまだ手だけの姿になった魔女は狙っていた。
鍵を隠そうと外に出たが、不意に魔女の手に襲われてしまい、ワイビーに救われる。
皆を呼んでガーデンパーティーをする中、人との付き合いを楽しむ笑顔の前向きなコララインが居た。
映画『コララインとボタンの魔女』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『コララインとボタンの魔女』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ファンタジーよりホラー寄り
児童文学が原作なのでふんわりしたファンタジーかと思いきや、教訓もあるなかなかのホラーとも言えるような作品。
ゴシックな雰囲気のホラーなので、アニメだけど子供が観たら泣いてしまうそうな危険もある。
ムードや世界観が凄く独立している映画なので、雰囲気が合う人には凄く好かれるはず、好き嫌いは分かれるかもしれない。
ユニークな雑貨や小物も多く、飽きがこない分、人間や魔女の顔つきもリアルなので不気味な感じもする。
ただ、ココアゴキブリや、虫を素手で潰すシーンなど思わず目を背けたくなるシーンもあるので、要注意である。
コララインもあまり子供過ぎず、おてんばと言う設定ではあるが、あまり大人と変わらないのでどちらかと言うと大人が見る方がしっくり来る内容や演出で楽しめると思う。
自分の居る世界を楽しむ
子供だけでなく、大人でもコララインの様な少し腐った気持ちになり、日常に不満を抱く人は少なくないと思う。
その不満と満たされてはいるかに見えるがリスクもある世界のどちらを選ぶか、なかなか老若問わず考えさせられる内容だ。
満たされた退屈しない世界は魅力的かもしれないが、それを受け入れるだけの心も必要だし、本来自分が居るべき場所で考えて人と関わっていく大切さもちゃんと描かれている。
世界観や人物から子供まで雰囲気が独特な為に、まるで紙芝居や人形劇を観ている様な不思議な感覚になる。
感情移入はしやすい性格を持っている主人公のコララインだが、あえてその質感の違いから1歩離れて作品を見てあげるとさらに応援したい気持ちや、自分の思いにも気が付けるであろう。
想像以上にダークな作品で子供向けのストーリーだと思って油断していたので、かなり驚きました。
今自分が暮らしている世界やその状況に不満を持っている人は、ものすごく共感できると同時に、今の暮らしも幸せなのだと気づけるのではないでしょうか。
そもそもコララインは暮らしの不満を誰かのせいにしていました。しかし、別の世界で経験したことにより幸せは自分の手で掴み取るのだと学んだ彼女。ハッピーエンドで安心しました。(女性 30代)
映画『コララインとボタンの魔女』 まとめ
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の監督による物だけあって、OPやED、世界観が少し似ている。
ゴシックで少しだけ不気味な雰囲気があるので、可愛いより少し捻った感じが好きな人にはたまらないはず。
ファンタジーだが、少しゴシックホラーとも言える部分もあるので、小さい子は気をつけながら観ると良い。
置物や小物、植物や土の質感、動物や人の人形の様な質感が細かく作られているので、セリフ無しで映像のみ観ても飽きがこないはずである。
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