この記事では、映画『クルーエル・インテンションズ』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『クルーエル・インテンションズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『クルーエル・インテンションズ』 作品情報

- 製作年:1999年
- 上映時間:97分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:ロジャー・カンブル
- キャスト:サラ・ミシェル・ゲラー、ライアン・フィリップ、リース・ウィザースプーン、セルマ・ブレア etc…
映画『クルーエル・インテンションズ』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『クルーエル・インテンションズ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『クルーエル・インテンションズ』のあらすじを紹介します。
両親の再婚で義理の姉と弟になったキャサリン(サラ・ミシェル・ゲラー)とセバスチャン(ライアン・フィリップ)。
キャスリンはゲーム感覚で男女の関係を楽しむ小悪魔、セバスチャンもまたそんな姉に翻弄されながらプレイボーイとして名をはせていた。
プライドが高いキャスリンは振られた男性への腹いせのため、現在の彼女との仲を引き裂いたりと何かと姑息な手を使う女性だった。
そんなあるとき、新学期から赴任してくる校長の娘であるアネット(リース・ウィザー・スプーン)にセバスチャンが近づく。
最初はアネットを落とせるかという姉との賭け事だったが、次第にアネットの純粋さに心を惹かれたセバスチャンは本気で恋に落ちてしまう。
アネットもまた真摯なセバスチャンの熱意に心を奪われ恋に落ちていく。
幸せなはずの二人だったが嫉妬ともゲームともいえる姉は、今までプレイボーイだった人間がそんなに簡単に変わるわけがないとセバスチャンに忠告する。
それを聞いた彼はアネットに別れを告げるが、やはり彼女なしでは生きることができないと気づく。
そこで今まで認めていた女性や姉との関係が書かれた真実の日記をアネットに渡す。
そこには卑劣な姉に頼まれて関係を持った女性たちとの出来事が。
それを読んだアネットはセバスチャンに会いにいくが、姉に仕組まれ用意された男性と口論になる。
そこに仲裁に入るアネットは車にはねられそうになり、セバスチャンは身が変わりとなり死んでしまう。
全ての元凶が姉にあると怒りに満ちたアネットは、セバスチャンの追悼式で彼の日記をコピーし生徒たちにばらすのだった。
映画『クルーエル・インテンションズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『クルーエル・インテンションズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
キャストや風景が美しく目を奪われる
この映画の魅力は美しい俳優陣と景色である。
見ていて飽きることは全くない。
特に女性陣が美しくもあり可愛らしくもありで惹かれてしまう。
そして乗馬のシーンやガーデンや町並みなど、細部にこだわった映像が美しくそれだけで映画としては満足である。
このまま恋愛映画として終わって欲しかった
冒頭からラスト10分前までちょっと度の超えた青春恋愛ドラマという雰囲気で、恋愛映画としても非常に楽しむことができる。
まるで少女漫画を読んでいるようなテンポ感で進むので、映画の中にはいって恋愛しているかのような錯覚に陥ってしまうのである。
しかしラストで心を入れ替え、愛する女性と本気でぶつかるがことができたセバスチャンがあっけなく事故死。
原作を知らないで見ると突然の彼の死に衝撃を受けてしまう。
どんな映画なのかと調べてから鑑賞したのだが「サスぺンス」と書いてありどこがサスペンスなのかと思っていたら始まった復讐。
しかし復讐というより仕返しという感じで殺人事件などではない。
ぜひ映画のジャンルをサスペンス一言で片付けるのをやめて頂きたい映画である。
前知識なしで見るには意外と面白い映画
なんの予備知識を入れずにみてもらいたい。
パッケージとキャストから想像するといかにもつまらない恋愛3角関係が生む悲劇のサスペンスが繰り広げられるかのように思いがちだが、実際にはそうではない。
性格や育ちこそねじ曲がっているものの、誰もが経験するような淡い青春ラブストーリーであり描かれているとおり見てもらえればそこそこ楽しめることは間違いない。
ラストのセバスチャンの死があっけなさすぎて酷い
交通事故死は良しとしても、あまりに突然死んでしまう。
これからアネットとよりを戻し、お互いを理解し始めてから姉の嫌がらせがはじまる展開を期待していたのだからなおさらである。
病院で手術を待つでもなくいきなり葬儀というのもびっくりで、全くついていけない状況が残念すぎた。
リース・ウィザースプーンとサラ・ミシェル・ゲラー。大好きな二人が出ている作品とあれば見るしかありません。
好きな女優さんはどんな役を演じていても好きなのですが、今作の二人は特に役にピッタリで、キャサリンの小悪魔的な男を魅了する雰囲気と、アネットの純粋で知的な雰囲気の対比が物凄くよかったです。
キャサリンはかなりクセが強いですが、容姿が本当に可愛いので憧れてしまう女の子も少なくないでしょう。(女性 30代)
美しくも残酷な恋愛ゲーム。セバスチャンとキャスリンの歪んだ駆け引きは、90年代青春映画の中でも異彩を放っている。最初は遊びで始めた賭けが、セバスチャンにとって本物の恋になる展開が切なく、最後の交通事故で彼が死んでしまうラストは胸を締めつけられた。恋と欲望、純粋さと堕落のコントラストが鮮烈。音楽の使い方も秀逸で、ラストの「Bittersweet Symphony」が完璧な余韻を残す。(30代 女性)
青春映画にして、心理戦のような緊張感。セバスチャンとキャスリンの冷徹な駆け引きが知的で美しく、同時に人間の醜さを暴く。だがアン(リース・ウィザースプーン)の登場で、セバスチャンが“人を愛すること”を知っていく過程が丁寧に描かれている。彼の死後、キャスリンの偽善が暴かれるラストは痛快だが、どこか虚しさも残る。愛と復讐が絡み合う耽美なドラマ。(40代 男性)
セクシーさと冷たさが同居する不思議な作品。10代の若者たちが繰り広げる恋愛ゲームは、倫理的には危ういが、心理描写のリアリティが圧倒的。リース・ウィザースプーン演じるアンの純粋さが、セバスチャンの心を救う唯一の光となる構図が見事だった。終盤の事故シーンは突然で衝撃的だが、彼が遺した手帳にすべてが詰まっている。愛の残酷さを美しく描いた作品。(20代 女性)
この映画は、恋愛という名の“権力闘争”を描いた傑作だと思う。キャスリンの悪女ぶりとセバスチャンの堕落が、上流社会の偽善と退廃を象徴している。特にサラ・ミシェル・ゲラーの冷たい微笑みが印象的。彼女の中の虚無が伝わってくる。ラスト、彼女の化けの皮が剥がれる瞬間はカタルシスだが、同時に人間の虚しさを感じさせた。(50代 男性)
リメイク元である『危険な関係』の現代版として非常に完成度が高い。設定を高校に置き換えながら、原作の持つ“誘惑と破滅”の構図をしっかり継承している。セバスチャンがアンを本気で愛してしまう皮肉さが美しく、悲劇的な結末に説得力がある。人間の欲望の危うさをエレガントに描いた90年代青春映画の金字塔。(30代 男性)
美形俳優たちによる心理戦が、まるで社交ダンスのように華麗。キャスリンの策謀もセバスチャンの愛も、すべてが演出された舞台劇のようで、映像のトーンがとにかく美しい。だがその美しさの裏に、欲望と孤独が見え隠れする。人を弄んだ罰としての結末が切ないが、最後まで退屈させない脚本の構成力に感服。(20代 男性)
若き日のリース・ウィザースプーンとライアン・フィリップの化学反応が素晴らしい。二人の恋の芽生えが、純粋であるほど痛々しい。愛によって救われ、同時に破滅していくセバスチャンの姿が悲劇的だ。キャスリンの冷笑的な台詞が、作品全体の毒を際立たせている。愛が最も美しく、最も残酷に描かれた名作だと思う。(40代 女性)
この作品を初めて観たとき、ティーン映画だと思って油断していた。だが実際は、愛・嘘・支配・贖罪を描いた心理ドラマ。登場人物すべてが“嘘を演じている”のに、最終的に真実の愛だけが残る構成が見事。セバスチャンが犠牲になるラストは悲しいが、彼の心が救われたことが唯一の救いだった。(30代 男性)
全編に漂う退廃的な空気が魅力。登場人物は皆、欲望に溺れながらも孤独で、どこか満たされていない。キャスリンの冷酷な策略と、セバスチャンの内面的変化の対比が見事。最後の「葬儀のシーン」で流れる音楽が、彼の贖罪と純愛を象徴していて泣けた。美と罪を同時に描く90年代らしい美学が堪能できる。(50代 女性)
映画『クルーエル・インテンションズ』を見た人におすすめの映画5選
危険な関係(1988)
この映画を一言で表すと?
愛をもてあそぶ貴族たちの策略が生み出す、最も美しく最も残酷な恋愛劇。
どんな話?
18世紀フランス。退屈な貴族社会に生きる男女が、恋愛をゲームのように弄び、復讐と誘惑の駆け引きを繰り広げる。だがその中で一人の男が本当の愛に気づいたとき、全てが悲劇へと転じていく。華やかな衣装と陰湿な心理戦が見事に融合した名作。
ここがおすすめ!
『クルーエル・インテンションズ』の原作ともいえる作品。グレン・クローズ、ジョン・マルコヴィッチ、ミシェル・ファイファーら名優の演技が圧巻で、欲望と道徳の狭間でもがく人間の滑稽さを描く。気品と毒気を併せ持つ傑作。
ゴシップ(1999)
この映画を一言で表すと?
「ひとつの噂」が人の人生を破壊していく、青春サスペンスの衝撃作。
どんな話?
大学生3人が退屈しのぎに仕掛けた“噂”の実験。それは無邪気な遊びのはずが、やがて当事者たちの人生を狂わせ、取り返しのつかない事態へと発展する。軽薄な言葉が人の心を蝕んでいく様がリアルに描かれる。
ここがおすすめ!
美しく知的な若者たちの“心理戦”が、『クルーエル・インテンションズ』の世界観と共鳴する。見た目は洗練されているのに中身は冷酷という構造が秀逸。人間関係の脆さと残酷さを描いたスリリングな人間ドラマ。
エターナル・サンシャイン(2004)
この映画を一言で表すと?
「愛の記憶」を消そうとする男女が、失って初めて愛の意味を知る物語。
どんな話?
別れた恋人の記憶を消す手術を受けたジョエル。しかし消されていく記憶の中で、彼は愛していた時間の美しさに気づき始める。現実と記憶が交錯する中で、“本当の愛”とは何かを問いかける。
ここがおすすめ!
『クルーエル・インテンションズ』のように愛の残酷さと美しさを描きながら、より幻想的かつ哲学的なアプローチをとる。ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットの演技が心に刺さる。切なくも温かいラブストーリーの傑作。
ブラック・スワン(2010)
この映画を一言で表すと?
完璧を追い求めるバレリーナが狂気に飲み込まれていく、美と恐怖の心理ドラマ。
どんな話?
新作「白鳥の湖」で主役に抜擢されたニナ。だが彼女は次第に“黒鳥”の役に溺れ、現実と幻想の境界が崩壊していく。芸術と自己破壊の狭間でもがく姿が痛々しくも美しい。
ここがおすすめ!
『クルーエル・インテンションズ』のように、美しさと欲望の裏側を描く心理サスペンス。ナタリー・ポートマンの鬼気迫る演技が圧倒的で、完璧さを求める人間の狂気を体感できる。芸術と精神の崩壊を描く傑作。
愛の嵐(1974)
この映画を一言で表すと?
愛と支配、快楽と屈辱――愛の極限を描いた衝撃的な人間ドラマ。
どんな話?
第二次大戦後、ウィーンで偶然再会した男女。かつて彼はナチス将校、彼女は収容所の囚人だった。再会をきっかけに、二人の間には歪んだ情念が再燃する。愛と罪、過去と現在が交錯する禁断の愛の物語。
ここがおすすめ!
『クルーエル・インテンションズ』が描く“愛の支配構造”を極限まで突き詰めた問題作。感情と欲望の暴走がリアルで、観る者を不安にさせるほどの緊張感がある。人間の愛と狂気の境界を見つめたい人におすすめ。






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