映画『電人ザボーガー』の概要:監督は井口昇。主演・板尾創路の特撮ヒーロー物。1974年4月から1975年6月まで放送されていたテレビ番組のリメイク映画。旧作にない恋愛・笑い。パロディあり、当時の特撮の雰囲気を守りつつ、従来の特撮物には無い新しさや、斬新なアイデアが見られる作品。
映画『電人ザボーガー』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:114分
- ジャンル:アクション
- 監督:井口昇
- キャスト:板尾創路、古原靖久、山崎真実、宮下雄也 etc
映画『電人ザボーガー』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★☆☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『電人ザボーガー』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『電人ザボーガー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『電人ザボーガー』 あらすじ【起・承】
大門豊(古原靖久)は、変形型ロボットのザボーガーと共に、悪のサイボーグ組織Σ(シグマ)を壊滅するため奮闘している秘密警察である。
シグマの狙いは、優秀な人間の細胞である。なぜなら優秀な権力者の細胞から優秀なサイボーグを作るためである。
謎のテロ組織から犯行声明があった。場所は国会議事堂。警察は厳重な警備で国会を固めていた。
そこに備品の一部と化していたΣの幹部ミスボーグが現れた、テロの予告はΣの仕業だったのだ。
ミスボーグはサイボーグの「ヨロイデス」を召喚し、機動隊や議員や刑事を襲い始めた。目的は議員の細胞を採取するためである。
ヨロイデスは腹部から口が出てきて顔に吸い付き、細胞を吸い取る能力を持つ。
捕まった議員が吸われる寸前で、バイク形態のザボーグに乗った大門が現れ、敵をバタバタと倒していく、ヨロイデスを倒されたミスボーグは、一人分の議員の細胞をもってシグマの研究所へと逃げて行った。
大声で悔しがる大門、その大門の異常なΣへの執着心に、刑事は何か怪しさを感じていた。
実は、大門はΣに父を殺された過去の恨みがあった。
父は何でもロボットに変えるダイモ二ウムの研究で、ノーベル賞受賞という輝かしい経歴を持つ科学者だったが、Σがダイモ二ウムを手に入れるため父は誘拐され、殺されたのだ。
大門には双子の兄弟がいて、早くに亡くなった。ザボーガーは、父がダイモ二ウムを使い、弟の遺伝子とロボットを合成したサイボーグだった。
映画『電人ザボーガー』 結末・ラスト(ネタバレ)
若杉議員が愛人と密会中にミスボーグ率いるΣから襲われた、アリタイガー、ブルガンダーと、サイボーグを次々召喚するミスボーグ、大門も駆け付けてΣを倒しにかかるが、ミスボーグは卑怯が嫌いで、仲間の行動や若杉議員が愛人を売って助かろうとする姿に嫌気がさし、反逆をおこしていた。だが、ブルガンダーに襲われ、捕まってしまう。それをみた大門は敵のミスボーグを助ける、大門にとって正義を信じるミスボーグは敵でも放っておけなかった。それが二人の恋路のスタートだった。
二人は会うほどに惹かれ合い、海岸の洞くつで求め合った。結果、ミスボーグは身ごもってしまう。
大門は若杉議員が汚い金に手を付けるのを探っているところを警察に報告するが、逮捕されてしまう。警察も自分たちの身を守るため、若杉に逆らえないのだ。
大門はその場から逃げ、議員たちが襲われている場へ向かう、そこでミスボーグが戦っていたのだが、大門はミスボーグの加勢をし、機動隊を襲い始めた。ザボーガーにも襲うよう命じるが、ザボーガーは応じず、大門を殴り、ミスボーグとともに、爆発してしまった。
ミスボーグのお腹の子はΣの元へ昇って行った。
25年後の大門(板尾創路)は国家警察を辞職し、若杉総理の運転手になっていた。
Σには、アキコ、秋月なる新たな若者が参入していた。それは大門とミスボーグの子達だ。
アキコはΣの長年の計画である巨大サイボーグの完成に適任の素材だった。
だがアキコは逃げ出し、大門のもとに、秋月も大門のもとへ、秋月が大門を襲っている最中にアキコが大門を助けにくる。
その場から離れ、大門はアキコからすべてを聞く。
アキコは、自分の理性を保てなくなるのに、時間がないことを知っていて、自分を破壊してもらうために、ザボーガーを作っていた。
だが、アキコは巨大なサイボーグになってしまい、東京を破壊しはじめた。
秋月と大門がアキコの体の上で勝負し、秋月は負けを認めた。大門は、アキコの内部にいる悪ノ宮博士のもとへ、大門は博士を倒し、アキコを破壊した。
生身の人間になったアキコと秋月は、旅へ、大門はザボーガーと共に戦う。神がタイムオーバーを告げるまで。
映画『電人ザボーガー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『電人ザボーガー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
昔懐かしい雰囲気
まず観てもらいたいのは、2011年の映画なのだが、映画全体で昔の特撮の演出や演技(いわゆるクサイ演技)が味わえる。
いまではなかなか無い感じの雰囲気である。だがそんな古き良きという概念を邪魔に思う方にはおススメできない。特に女性には難しいかもしれない。
今の仮面ライダーなどをイメージして観ると、痛い目に合う。
シュールである
板尾創路主演ということで、コントとまではいかないが、笑える箇所がチラチラ出てくる。
というか、ツッコミどころ満載なので、ツッコミを入れながら友達と観るという楽しみ方もある。
みな真面目に演技しているが、シュールな設定と変に熱のこもった演技が妙な笑いになっている。
明らかなボケにツッコミをいれず話を進める感じ、というとイメージしやすいだろうか。
さらに、実際に放送されていた特撮の忠実な再現を基盤にした笑いなのでさらにセンスが感じられる。
この監督は、なかなかの笑いのセンスだと思う。
だが、高度な笑いでもある(逆か?)ので、理解できないとバカバカしく最後まで観る気がしないと思う。
二部構成、青年期と中年期の主人公
前半は22歳の主人公、後半は25年後の47歳になった主人公という二部構成の内容になっている。これもなかなか斬新だ。
そもそもこの映画の監督を務めた井口昇が原作のファンであったことから企画したものだが、放送当時の少年達(現在おじ様方)が立ち上がるような映画をつくるというような意図もあったようだ。
ちなみにキャッチコピーは「あきらめるな!立ち上がれ!」だそうだ。
正義の主人公と悪の組織の幹部との間に子供ができる
もうぶっ飛びすぎだろう、やりたいことやりすぎ。
だが、やってほしいことでもあるのは確かだ。いろんな意味でワクワクした。
大門とミスボーグが交わるシーン(ミスボーグはサイボーグなので、口からエイリアンみたいなのが出てきてビンタ、胸から触手のようなものが出てきて、主人公を痛めつける、それによって感じるという不思議な儀式)は必見、ほんとコントみたいだった。
さらに双子が生まれて、25年後に大門と戦う、しかも娘は巨大化して国会を破壊するというすばらしい混沌具合である。
とにかく「こんな特撮観たくない」という大喜利のお題があると、この映画の内容がぴったりだ。
映画『電人ザボーガー』 まとめ
板尾創路主演ということで、やはり笑いのエッセンスはぬぐい切れない。
だがなかなかのハイセンスなB級映画で、好きな人は好き。ちなみにDVDは買わないけど、個人的には好きだ。
まるで壮大なコントを観ているような感覚だった。そう、まさにごっつええ感じのような。
さらに古い特撮特有のセリフの言い回しがいい味を出している。あれで笑いが誘われるし、熱が感じられる。それに、雪崩のようにどんどんヒーローらしからぬ展開があるので、飽きないのもよかった。だがいかんせんチープなのはしょうがないが、(あえてでもあるだろうが)それに寛容な人と、耐えられない人がハッキリする作品だろう。当時の少年達にはどう映るのか、それも興味深し。
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