映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』の概要:2010年のアメリカの映画で、原作はイタリアの人気グラフィックノベルから来ている。不死の者達の闇の世界を知る探偵ディラン・ドッグが、依頼を受けた女性の父を殺した犯人を追っていく姿を描いている。
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:108分
- ジャンル:アクション
- 監督:ケヴィン・マンロー
- キャスト:ブランドン・ラウス、サム・ハンティントン、アニタ・ブリエム、テイ・ディグス etc
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』 あらすじ【起・承】
私立探偵のディラン(ブランドン・ラウス)は、実は不死の者達の闇の世界も知っている人間である。
ある過去をもつが今は人間界で静かに暮らしていた。
ディランに浮気調査の件で殴られ出て行く客を見送った親友のマーカス。
探偵の仕事は意外と危険だし、仕事自体は嫌ではないが補佐でなくきちんと相棒としてやって行きたいと話してくれた。
難しい顔をしたディランはつらそうに相棒はいらないと断る。
そんな中、1人の女性から依頼があった。
彼女はエリザベス(アニータ・プリエム)、父を殺した犯人を捜して欲しいと言う依頼である。彼女の父は貿易商の仕事をしていた関係で変わった品を所持していたようだ。
その中でも、どうやらベリアルノハートと言う物を盗まれたらしい。
人間による殺人事件ではないであろうと読んだディランは、今回の仕事は難色を示し、断ってしまう。
しかし帰りにマーカスがアンデッドによって殺されてしまった。
さすがに無視出来ないと感じたディランは、エリザベスの元へ行くと、家の木には狼男の一族らしき毛の証拠が残っていた。
その毛髪を探偵道具で分析し、目星を付けたディランは狼一族経営する食肉工場へ向かい、そこのリーダーである者から話を聞く事に。
だが時は遅く、怪しいと思っていた娘は既に殺されてしまっていた上に、どうやら犯人の犯行状況はマーカスが殺された時と似ているようだった。
エリザベスに、このままでは戦争になってしまう、娘が拷問されて殺されていた異常さと危険を話すが、エリザベスは話が通じない状態だった。
その矢先、屋敷にヴァンパイアが忍び込み襲って来た。
「ハートは?と問うヴァンパイアにディランは照明弾で応戦し、隙を突いて逃げ出す。
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』 結末・ラスト(ネタバレ)
ディランはマーカスの死体を管理していた場所に確認しに行くと、そこはゾンビの管理する場所であった。
ゾンビと共に見守る中、軽いパニック状態で覚醒し、マーカスはゾンビとして復活してしまう。
状況がわからないマーカスに、死んだ事とメンテナンス次第で大丈夫と告げる。
ゾンビの解説曰く、マーカスは肉食のゾンビに噛まれた事でゾンビ化してしまったのだ。
エリザベスの屋敷の襲撃の事もあり、ヴェンパイアを調べる事にしたディラン。
一緒にスーパーに買い物に行ったマーカスは、人間の様な普通の食事が摂れず、ゾンビとして生きていく作法をディランに習う。
しかし、虫を食べる事も、付け替えられた代用の腕にも不満だらけ。
ディランは血を常用しているかの様に成りすまし、潜入して調べていくが怪しいと思っていたヴァンパイアも凶暴なゾンビの被害にあっていた。
狼男に詳しく聞こうと向かうが、狼男も凶暴なゾンビによって殺されてしまっていた。
ディランは「ベリアルノハート」がどこに行ったかを聞き、ヴァンパイアの元へと訪れる。
そこで取り返せた「ベリアルノハート」だが、再びヴァンパイアによって奪われてしまう。
その際に、実はこれを手にしようとしていたのが、依頼をして来たエリザベスであったと言う事実を知る。
エリザベスは実はモンスターハンターで、この世のアンデッドの全滅を願っていた。
凶暴なゾンビを利用し、何名もアンデッドを殺害したのも、ベリアルノハートを使って悪魔の復活を目論んでいたからなのであった。
凶悪な悪魔であるベリアルを復活させる事に成功したエリザベスだが、自分の考えるアンデッドを全滅させる事は不可能だった。
ディランは飛びながら俊敏な動きをするベリアルと戦うも苦戦を強いられる。
ベリアルを始末するには、復活させた本人の死をもってでないと収まらない。
苦戦しながらこのままでは危ない状況だったディランだが、森の方にと逃げていたエリザベスは計画に怒ったアンデッド達により囲まれる。
そこで多くのアンデッドに八つ裂き状態にされた事で、分身でもあるベリアルも力が弱り身体が裂け始め苦しみ出す、その最後の止めをディランが刺すのだった。
無事、事は収まりゾンビとなり以前とは少し生活が変わったマーカスと、また日々を過ごして行く事になるのだった。
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
モンスターと人間の共存
全体的に「惜しい」感じに感じてしまう映画ではあるが、設定の面白さに目が惹かれる人は少なくないかもしれない。
面白いのはゾンビ化してからのマーカスの生活である。
笑ってはいけないのだが、あまりにかわいそうなのと笑いが共存している。
せっかく無くしたはずの腕を代用で継ぎ足してもらったかと思いきや、肌の色も違う上にタトゥー入り、おまけに結婚指輪もしている既婚者の手だと嘆く。
ひょいと取って食べ始めたスーパーの試食にはレジスタッフの前で吐き戻してしまう始末。
それまで、真面目で少し地味なマーカスがゾンビ化する事でまた違った魅力が出てしまうのが皮肉ながらも面白い。
ナレーションのみで想像する
ナレーションが時たま入るのだが、その内容がディランの過去に関するものが多い。
しかし、短いナレーションなので、内容が把握しきれない。原作を読んでいてこそ想像出来る内容と言える為、もしこのナレーション部分が全部理解できたら楽しさは倍増だっただろうと思われる。
食肉工場に狼男を訪ねて行っても、「過去の事があるから多めにみる」など発言からも過去が詳しく知りたくなる部分が多い。
色々な種類のアンデッドとの絡みがあるこの作品では、内容的にボリュームがあってこの時間内ではうまく収まらなかったのかなとも思えてしまう。
また、エリザベスが冒頭から笑顔が皆無で、既に怪しさを出している為、最初の方から彼女についての不信感でオチの予想が出来てしまう部分もあり惜しいと感じた。
イタリアン・コミックを原作としている作品って珍しいなと思って興味を惹かれた作品。闇の世界を知っている私立探偵が主人公という設定もおもしろい。
狼男やヴァンパイアだけでなく、ゾンビや悪魔まで登場してくるのには驚いた。しかも、相棒のマーカスがゾンビ化してしまう。たくさん要素を詰め込み過ぎて、映画としては纏まりがなかったように感じた。怖さも物足りないし、期待していただけにちょっと残念に感じた作品だった。(女性 30代)
原作がイタリアン・コミックということで初めてのジャンルにドキドキしながら鑑賞しました。個人的にはアメコミ原作の作品よりも好きです。アメコミ作品のような派手でやりすぎな演出が少ないのでチープさはありますが、キャラクターを目立たせることよりも人間的な部分が丁寧に描かれていたのがすごく良かったです。
死者の世界やゾンビ、モンスターなどたくさんの要素が詰め込まれているため、見応えがすごいです。ごちゃごちゃしている感じも否めませんが、コミック原作ということであれば許せるのではないでしょうか。(女性 30代)
映画『ディラン・ドッグ デッド・オブ・ナイト』 まとめ
原作を読んでいるほうが楽しめる作品と言えるので、設定自体の面白さをリサーチする位の気持ちで見ると良いかもしれない。
各キャラクター自体の役割自体は面白い設定だが、あまり原作慣れしておらず、この映画から見た人には理解しにくい部分も少なくない。
ダークファンタジー的な世界が舞台の中、そこか煮え切らない映画と鳴ってしまったのは主人公の雰囲気もあるかもしれない。
主人公である私立探偵ディラン・ドッグを演じるブランドン・ラウスが、「スーパーマン リターンズ」の時のスーパーマンらしい清清しさを秘めたままなので、その爽やかさに目がいってしまうのもあるかもしれないと感じた。
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