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映画『ファンシー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ファンシー』の概要:元彫師で郵便局の配達員である男と自分をペンギンだと宣う詩人、彼を信奉する熱烈な女性ファンの三角関係を描いた作品。ヤクザの抗争が勃発する傍らで、複雑な関係を続ける3人の心の機微を描いている。

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映画『ファンシー』の作品情報

ファンシー

製作年:2019年
上映時間:102分
ジャンル:コメディ
監督:廣田正興
キャスト:永瀬正敏、窪田正孝、宇崎竜童、田口トモロヲ etc

映画『ファンシー』の登場人物(キャスト)

鷹巣明(永瀬正敏)
二代目彫鷹。元彫師で現在は郵便局の配達員。ヤクザとも深い関係を持っているが、一般人でもある。元嫁との間に一人娘がいる。寡黙で常にサングラスをしており俗物的。浮世離れしたペンギンと親友で、彼の頼みを断らない。
南十字星ペンギン(窪田正孝)
自分を本物のペンギンだと言う詩人。風変わりな青年で暑さに弱い。極寒の部屋の中で冷たい物や魚を好んで食する。浮世離れしているが、深い洞察力を持ちおしゃべりではなく、とても純粋。性的不能者。鷹巣と友人関係を築いている。
月夜の星(小西桜子)
ペンギンの熱狂的なファン。清楚で夢見がちな眼鏡の女性。ペンギンの家に押しかけ若妻のように世話をするが、肉欲には勝てない。実はお嬢様で自分勝手。
新田(深水元基)
はぐれのチンピラヤクザ。実は別のヤクザのナンバー2を殺し逃走中。鉄砲玉として使い捨てられたが、自分の立場を良く知っている。鷹巣に頼み込み背中に弁天を彫ってもらっている。
国広(長谷川朝晴)
ホテル経営をするインテリヤクザの二代目。経験もなく組長の息子であったことから跡目を継いだ。抗争に巻き込まれ苦汁を飲まされる。明の後輩。
竜男(宇崎竜童)
初代彫鷹で明の父。地元を愛し息子を愛する深い人物。泥船に乗った息子がどのように旅をするのか楽しみにしていた。行方不明となっている。
田中(田口トモロヲ)
郵便局局長で夜はデリヘルを営んでいる。ヤクザとの関係も深く、遺体処理の件にも関わっている。

映画『ファンシー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ファンシー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ファンシー』のあらすじ【起】

元彫師の鷹巣明は現在、郵便局の配達員として働いている。彼は常にサングラスをかけており大抵は無口。同僚からも得体が知れないとして不気味がられていたが、そんな彼にも気を許す唯一の相手がいた。それが、丘の上の一軒家に住む詩人の南十字星ペンギンだ。南十字星ペンギンは女子高生などに人気が高い詩人だったが、当人は浮世離れした青年で熱狂的なファンの月夜の星との文通を楽しみにしている。鷹巣はペンギンが書く詩には全く興味がなかったが、なぜか彼とは馬が合い交流を続けているのだった。

月夜の星からペンギン宛てに届いたファンレターに「妻になりに行きます」と書かれていた日、仕事を終えインテリヤクザの組長、国広と会った鷹巣。そこで、ある組のナンバー2がヒットマンに殺され、インテリヤクザの縄張りに逃げ込んだため、板挟みになって困っていると聞かされる。

翌日、ペンギンの元へ月夜の星が押し掛けて来る。月夜の星は眼鏡をかけた若く可憐な女性だったが、両親には黙って来たらしく困ったペンギンは彼女に連絡を入れるよう説得。すぐさま駆け付けた両親と鷹巣が代理人として会うことになった。ペンギンは引き籠りで、夏の暑さに弱く外出ができないからだった。

ペンギンは自分が本物のペンギンなのだと豪語して憚らない。部屋は常に凍えるほど寒いし、そんな中でもかき氷や冷たい飲み物を飲む。鷹巣はペンギンが言う通り、月夜の星の両親に性的不能者なので大丈夫だと言ってどうにか説得した。

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映画『ファンシー』のあらすじ【承】

巷ではヤクザ間で抗争が勃発する勢いである。国広も上層部にしごかれ苦汁を飲まされていた。そんなところへ荷物を届けた鷹巣だったが、小包の中には銃が何丁も入っていたため、いよいよ危うい雰囲気である。

鷹巣の元には、ヤクザの構成員らしき新田が背中に入れ墨を入れるためにやって来る。筋彫りも終わり色入れも大詰めに差し掛かっていた。二代目彫鷹として跡目を継いだ鷹巣だったが、彫師としての仕事には時間がかかる。新田はどこの組の構成員なのか素性が知れず、図々しくも鷹巣の家にしばらく厄介になりたいと言い出すのだった。

翌日、局長の田中がケガをした理由を聞いたが、同僚は誰も応えてくれない。鷹巣は深く関わらずいつも通りに配達へ出発。道中、月夜の星と遭遇したので喫茶店へ入った。そこで、彼女からペンギンとの進展状況を聞いたが、月夜の星は夢見がちな女性で現実を頑なに受け止めようとしない。鷹巣はペンギンを傷つけるなと忠告した。

そんなある日、寺の住職から田中のデリヘルを利用した際、背中に彫鷹と入れ墨が入った嬢がいたという話を聞いた鷹巣。現在、行方不明である初代彫鷹で父親の竜男が昔、懇意にしていた女ではないかと思い出す。

その日の夜、郵便局の同僚から飲みに誘われ仕方なく付き合う羽目に。同僚の妻がデリヘル嬢として働いており、鷹巣の相手をしたことも知っていた。実際はその嬢と関係は持っていないのだが、同僚は鷹巣も田中も嫌いだと言う。鷹巣は個人的な嫉妬に巻き込むなと忠告し、その場を去った。

映画『ファンシー』のあらすじ【転】

ペンギンが毎月投稿している月刊誌の懇親パーティーに招待された。ペンギンは外出できないので月夜の星に代わりに行ってくれないかと頼む。だが、月夜の星は人付き合いが苦手だから無理だと言う。一緒に鷹巣に行って欲しいと頼むものの、月夜の星はむっとして部屋に引き籠ってしまう。月夜の星とペンギンは互いに目を塞いでどうにか夫婦のような関係を続けていたが、現実的にも関係を続けることが難しいと気付き始めている。そこで、鷹巣はペンギンを半ば無理矢理外へと連れ出すことに。

行き先は嬢が服を脱いで客を楽しませるストリップ店である。そこで、暗く沈んだ国広を見つけた鷹巣。だが、国広は何も語らず店を去ってしまう。ペンギンは可愛らしいストリップ嬢に心を奪われた様子だった。

結局、月刊誌の懇親パーティーには月夜の星と鷹巣が行くことになった。ところが、鷹巣は会場に入らずとあるタトゥー屋へ。そこには別れた妻と娘が別の彫師の男と新たな生活を送っていた。鷹巣は2人に会った後、月夜の星と懇親パーティーへ。しかし、月夜の星は酒を飲み過ぎて鷹巣に絡み始め、流れから深い関係に。

同じ頃、ナンバー2を殺したとして追い詰められた新田がヤクザに追われていた。彼は国広の兄貴分に殺されてしまったが、兄貴分は国広が依頼した殺し屋に殺されてしまう。ヤクザの抗争はこれで一先ずの終結を迎えた。

映画『ファンシー』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌日、郵便局へ出勤した鷹巣は田中と住職の噂話を耳にする。昨夜、ヤクザ間で何事かあった様子で、更に同僚も行方不明らしい。そこで、鷹巣は国広を訪ねて話を聞くことに。国広は経験値も少なくただ、跡目を継いで組長になっただけのインテリヤクザだ。彼は自分の境遇を嘆いていたが、鷹巣は自分の人生は全てにおいて自分の時間だと言って去って行く。

彼はその足で立ち入り禁止の札がかかっている裏山へ向かった。そこは町の眺望が一望できる場所だ。そして、盛り土が一つ。山の天辺には竜男が愛用していた入れ墨の針が刺さっていた。鷹巣は裏山にて密かに父の墓を作っていたのだ。竜男はこの町が好きで決して町から出て行こうとはしなかった。父から多大なる影響を受けた鷹巣は一度、町を出たものの結局は戻って来たのだった。

同じ頃、嬢の夫であった郵便局員を拘束した田中は、ヤクザの依頼で3体の遺体と共に局員を山に埋めてしまう。
その頃、ペンギンは意を決して月夜の星に一緒に風呂に入らないかと誘った。しかし、入るのは水風呂である。鷹巣はペンギンから2人の関係について聞いたが、性的不能者であるペンギンでは結局のところ、彼女を満足させることはできない。鷹巣はペンギンにお前ではどうしようもできないと言って帰って行った。

そこで、ペンギンは自らの意思で外へ。そうとは知らず帰宅した鷹巣は、家に月夜の星が来ていることに驚く。彼女は自ら服を脱ぎ鷹巣を誘惑。鷹巣は月夜の星の背中が稀に見る美しさであることに囚われていた。彼はとうとうサングラスを外して彼女との淫行に耽った。

汗だくになりふらふらと道を進んだペンギンは高原へと向かい巨大な月の幻影を目にして倒れてしまう。そんな彼を救ったのもまた鷹巣だった。ペンギンは溢れ出る言葉に溺れそうだったから本気で泳いでみたと言う。
月夜の星はその後、ペンギンの元を去った。彼女は両親から結婚を迫られ、働きたくもなかったのでペンギンの元へ逃げて来たらしい。そんな勝手な言い分が書かれた置き手紙が残されていた。

郵便局には新たな局員が雇われ、国広は酒に溺れている。そして、鷹巣もペンギンの家でいつものようにサボっている。復活したペンギンはいつもの様子を取り戻し、再びファンレターをくれるファンと会ってみようかなどと考えている。鷹巣はそんな彼の言動に溜息を吐き、極寒の部屋でくしゃみをするのだった。

映画『ファンシー』の感想・評価・レビュー

過激で大胆な性描写と共に性愛に溺れる人間達の悲哀や狡猾さを描くことで鬼才と呼ばれる人気漫画家、山本直樹の同名作品を実写映画化した作品。

元彫師で現在は郵便局の配達員として働く主人公の存在感は、さすが永瀬正敏だと思う。浮世離れした詩人役に窪田正孝が演じているが、彼の神経質そうな演技もはまり役である。作中でははっきりしたことは言わないのだが、詩人は自身の状態も人としての自分も自覚しており、月夜の星が何を望んでいるかもよく理解しているように思う。だが、そこを指摘しないのは彼が世俗を自ら切り離しているからだろう。世俗塗れの主人公がなぜ詩人と仲良しなのかが判然としないのだが、ラストシーンまで観ると何となく分かってくる。狡猾なのは月夜の星だったのだと後で分かるように描いているのが憎い演出。掘り下げて観るととても深い作品だと思う。(MIHOシネマ編集部)

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