映画『GANTZ:O』の概要:奥浩哉によるコミックが原作のフル3DCGアニメ。謎の黒い球体GANTZ(ガンツ)によって、死から甦らされた人たちが、妖怪たちと大阪を舞台に、壮絶なバトルを繰り広げる。原作で人気だった「大阪編」を映画化。
映画『GANTZ:O』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:SF、アクション、アニメ
監督:川村泰
キャスト:小野大輔、M・A・O、郭智博、早見沙織 etc
映画『GANTZ:O』の登場人物(キャスト)
- 加藤勝(小野大輔)
- 地下鉄駅構内で通り魔に刺され、ガンツ東京チームに加わることになった高校生。事情があって弟の歩と二人暮らし。正義感が強く、東京チームを引っ張っていく存在。
- 山咲杏(M・A・O)
- ガンツ大阪チームの一員。幼い息子と二人暮らしのシングルマザー。大阪でのミッション中に加藤と出会い、その正義感の強さに驚くが、次第に好意を寄せるようになる。
- 西丈一郎(郭智博)
- ガンツ東京チームの一員。中学生ながら、冷静沈着、頭脳明晰、そしてミッション中は集団行動を好まず、一人でラスボスを横取りすることで点数を稼いでいる。
- レイカ(早見沙織)
- ガンツ東京チームの一員。スタイルも良く、CMにも起用される人気グラビアアイドル。渋谷でのミッション中に、慕っていた玄野を失う。その悲しみに耐えながらミッションに参加している。
- 鈴木良一(池田秀一)
- ガンツ東京チームの一員。見た目どおりの冴えないおじさんである。今回初めてミッションに参加することになった加藤に色々教えてあげる優しさを持っている。
- 室谷信雄(レイザーラモンRG)
- ガンツ大阪チームのリーダー。100点クリアを4回達成している。くわえ煙草が印象的。冷静にミッションをこなしていくが、底に秘めた残虐性が垣間見える。
- 島木譲二(レイザーラモンHG)
- ガンツ大阪チームのナンバー2的な存在。100点クリアは3回。スキンヘッドが印象的。室屋とは対照的に好戦的にミッションをこなしていく。
- 岡八郎(ケンドーコバヤシ)
- ガンツ大阪チームの一員。100点クリアを7回も達成している。それゆえ、巨大ロボットを手に入れている。ミッション後半、大物が出てきてから行動をおこす策士。
映画『GANTZ:O』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『GANTZ:O』のあらすじ【起】
東京渋谷、サイレンが鳴り響き、あちこちで炎が上がっている。そんな騒乱の中で、黒スーツを身にまとった男女が、鬼のような異形のモノと激しいバトルを繰り返していた。死闘の末、異形のモノを倒すことはできたのだが、クロノの呼ばれていた男が命を落としてしまう。そのクロノの死を嘆く女性、レイカ。しかし、無情にもレイカの身体は転送されてしまう。
数日なのか、数週間なのか時の経ったある日、弟のバースデーケーキを持って帰宅の途についていた加藤は、通り魔に襲われ刺し殺されてしまう。次の瞬間、加藤は謎の部屋にいた。部屋の中には黒い大きな玉、渋谷で戦っていたレイカ、頭の薄いおじさんがいる。おじさんは鈴木と名乗り、他にも西という中学生もいる。そして、加藤と同じようにわけもわからずこの部屋にいるヤクザ風の男もいた。
黒い玉はガンツというらしく、この部屋に集められた人間は一度死んでいて、サバイバルゲームのようなミッションに参加されられていることを、加藤は聞く。やがてガンツが起動し、今回のミッションは「ぬらりひょん」を倒すことだという指令が下る。ヤクザの風の男は騒ぎ出すが、西が黒い銃で、ためらいもなく殺してしまう。残った4人は、ガンツによってミッションの場へと転送される。
映画『GANTZ:O』のあらすじ【承】
4人は惨たらしい死体がそこかしこに転がっている、どこかのアーケード街に転送される。そこは大阪だった。加藤には自分がどういう状況に立たされているのか、全く理解できていなかった。鈴木は加藤に、なぜこんなことをしなくてはならいのか?相手が何者なのか?自分たちも知らないまま、ただ制限時間内に全ての敵を倒さなければならないことの説明を受ける。それがガンツのルールだと。そんな中、再びセンサーが反応し、大量の敵、妖怪たちが加藤たちに襲い掛かってくる。戦闘の最中、4人は大阪チームのメンバーたちと遭遇する。加藤たちに比べると大阪チームは圧倒的な強さを誇っていた。
鈴木はさらに加藤に説明をする。ミッションが終わるとガンツから点数をもらえる。その点数が100点になれば、3つのメニューから一つを叶えてもらえると。その3つとは、「強い武器をもらえる」「ミッションで死んだ人を生き返られる」「記憶を消されて元の生活に戻れる」というものだった。
鈴木やレイカは、今回のミッションは大阪チームに任せることにし、戦いから距離を置き、保身を図ることを提案する。正義感の強い加藤はその提案に反発する。一人で一般人を救出するべく、戦う。その姿を見ていた大阪チームの杏は、その行為に驚く。しかし、加藤は武器の使い方もままならず、苦戦を強いられていた。ただ見ていた杏だったが、加藤に手を貸し、二人で何とか窮地を脱する。生き延びた二人はお互いの境遇が似ていることを語り合い、意気投合する。
映画『GANTZ:O』のあらすじ【転】
一方、道頓堀の川では巨大な妖怪が現れ暴れていた。その妖怪にステルス機能を備えて巨大ロボットが戦いを挑んでいた。このロボットを操っているのは100点クリアを7回達成の岡だった。
時を同じくして加藤は鈴木とレイカと合流するが、天狗の襲撃を受ける。再び窮地に追い込まれる加藤たちの前に現れたのは、大阪チームの島木と室谷だった。一発で天狗を倒したように思われたが、再び立ち上がってくる天狗。室谷は連射を試みるが、それも効かず捕らえられてします。島木はそれを笑って見ていたが、結果相討ちとなり大阪チームのリーダーであった室谷は天狗とともに絶命してしまう。
さらにぬらりひょんが現れ、島木と対峙する。島木の攻撃をのらりくらりと躱す、ぬらりひょん。島木はガンツスーツのパワーを上げ捕まえるが、ぬらりひょんは裸の女の集合体に姿を変え、あっさりと島木を殺してしまう。
それを見ていた加藤は杏が止めるのも聞かず、「誰かがやらないと」とぬらりひょんに戦いを挑む。レイカと杏も応戦するが歯が立たない。そこへ西がステルス機能で不意打ちを仕掛け、ぬらりひょんは血の海と化す。勝ったと思った瞬間、血の海の中からぬらりひょんが更に姿を変え、立ち上がる。加藤たちは道頓堀に飛び込み、ひとまず逃げるのだった。
巨大妖怪との戦いに勝った岡は、もう一段階姿を変えたぬらりひょんと対峙する。岡は不意打ちを仕掛け、ぬらりひょんの動きを止めるが、それも一時的なものと判断し姿を消す。トドメを刺そうと加藤は倒れているぬらりひょんに刀を振りかざすが、トラップ攻撃を受ける。その加藤を庇い、鈴木が倒れてしまう。鈴木はまだ息絶えてはいなかった。加藤は鈴木のためにも、このミッションを終わらせるためにも最終形態に変化したぬらりひょんに戦いを挑む。しかし、一発で伸されてしまう。そんな加藤を相手にはせず、ぬらりひょんは岡を探しに飛び去る。
映画『GANTZ:O』の結末・ラスト(ネタバレ)
杏はこのまま逃げよう、岡に任せようと言うが、加藤は「やるしかない」と再度ぬらりひょんに戦いを挑むことを決意する。レイカはその姿にかつてのクロノの姿を重ねる。3人は加藤を囮にして長距離レンジからの狙撃でぬらりひょんを倒す計画を立てる。橋の上で加藤は一人、ぬらりひょんの襲来を待っていた。そこへ杏がやってくる。生き残って、加藤の弟と自分の息子を含めて4人で一緒に暮らそうと、告白をしにやってくる。「君を死なせはしない」と、一方的に言い、杏は自分の持ち場へ戻っていった。
大きな爆発音がして、加藤が振り返るとそこには、岡の首を持ったぬらりひょんが立っていた。ぬらりひょんと対峙した加藤は問う、「なぜ俺たちは殺し合っているのか」と。ぬらりひょんは答える。「神の存在を感じるか?神は絶対の力を持つ存在で、この世はそのような物が作り出したものだからあきらめるしかない」と言い放つ。そのとき、加藤の額に尖った爪を当てていたぬらりひょんの腕が吹き飛ぶ。杏とレイカの波状攻撃が始まり、ぬらりひょんは身体のあちこちを吹き飛ばされ、弱まっていく。それでも、目から光線を放ち、反撃をするぬらりひょん。加藤はその光線に両足を切断され橋の上に倒れてしまう。その加藤を援護するため杏は連写をしながら、ぬらりひょんに向かっていく。しかし、次の瞬間、ぬらりひょんの光線は杏の身体を真っ二つに切り裂いてしまう。
絶体絶命の加藤だったが、ステルス機能を使って西が再び現れ、ぬらりひょんの身体を切り裂く。加藤も銃を連射し、ようやくぬらりひょんを倒すことができたのだった。そして、ガンツの採点が始まった。加藤の点数は100点だった。鈴木とレイカはこの繰り返されるミッションからの解放を勧めるが加藤の心は決まっていた。
大阪チームのガンツ部屋で、杏は目を覚ました。死んだと思っていた彼女の目の前には「かとうちゃ(笑)100てん」と表示された黒いガンツ玉があった。加藤は杏を蘇らせたのだった。ミッションが終わり、ガンツ部屋から出て家路に急ぐ加藤を見送り、鈴木とレイカは話していた。加藤は、かつて一緒に戦った仲間であり、クロノの親友だった。100点メニューで一度は記憶を消され、日常生活に戻っていたはずなのに、まさか戻ってきてしまうことに驚いていた。そして、レイカはクロノをいつか蘇らせることを決意するのだった。
映画『GANTZ:O』の感想・評価・レビュー
実写化もされた人気漫画GANTZの大阪編を切り取った内容。個性的で強い大阪チームもさる事ながら、ぬらりひょんの圧倒的な力は漫画で読んでいてもかなりの絶望感を味わったが、映像化するとさらに表現が生生しく、見応えがある。個人的には、大阪編あたりまでがGANTZの面白さのピークというイメージがある。こういった作風は慣れもあり、後半は余程突拍子も無い限り、驚きは少なくなっていくので、いわゆるGANTZらしさを味わうにはもってこいの作品である。(男性 30代)
フル3DCGアニメということもあり、とてもリアルに描かれている。かなり生々しくグロテスクな映像も多いが、それこそがGANTZの魅力でもあると思う。
最強の敵であるぬらりひょんは、観ている側も勝てる気がしないほど強いのだが、主人公の何事にも屈しない心が最終的には勝利に導く。脇役の背景や設定がしっかりしているため感情移入しやすく、思わず応援してしまうようなストーリーになっている。
リアル感が苦手な人もいるかもしれないが、アニメであるにも関わらず実写版を観ているかのような、満足度の高い映画だった。(男性 20代)
フル3DCGアニメーションということもあり、ゲームを見ているかのような躍動感溢れる動きが素晴らしい。近未来的な武器と妖怪と戦う物語に3DCGが合っていた。アクションも魅力の作品ではあるが、戦いを巡って起きる人間ドラマもやはりおもしろい。同じような状況になった際、加藤勝のように正義感を持ち続けることはなかなか難しいだろうなと思った。西丈一郎は卑怯な性格だが、もし現実の世界で起きたら実際にこういう人がいそうだなと思った。(女性 30代)
大人気マンガの映像化。フルCGだが、ストレスなく観られる映像だ。
死んだらいきなり訳のわからない世界に転送されて、強制的にバケモノと戦わなければならないという舞台設定が素晴らしく、この作品の人気を決定づけるものになっている。
ストーリーが進むごとに強くなっていく敵に、観ているこちらも絶望感が募っていく。そして、それを乗り越えていく主人公たちに共感し、ワクワクさせられるのだ。
ただ、自分は死んでもGANTZの世界に行きたいとは思わない。(男性 40代)
フルCGアニメーションで作られた今作は原作でも人気の「大阪編」を映像化しています。CGでありながらとてもリアルな描写で、アニメ作品が苦手な私も違和感無く見ることが出来ました。
『GANTZ』と言うと二宮和也主演の実写版をイメージします。私はこのCG作品があることすら知らなかったので、クオリティの高さに驚きました。
『GANTZ』らしさが全面に押し出された今作は死後の世界がこうだったら…と考えてしまうほどドキドキワクワクさせてくれる作品でした。(女性 30代)
フルCGアニメーションであり、人物や街の風景がなめらかで、戦闘シーンの迫力もありました。
死後に敵を倒してポイントを集める世界というシステム自体がおもしろいことに加え、登場人物の生前の人物像や家族との話が描かれることで、感情移入がしやすかったです。
アニメ作品は普段あまり見ないのですが、人物の設定がしっかりしていて、戦闘も応援してしまうような見せ方になっているので、楽しんで観られました。(女性 20代)
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