映画『逆謀 反乱の時代』の概要:李氏王朝時代、英祖が王に即位し4年が経過。稀代の反逆者イ・インジャとの最後の戦いにスポットを当て、一夜の激闘を下級役人の捕卒がたった1人で止める様を描く。激しい戦いとアクションは必見。
映画『逆謀 反乱の時代』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:アクション
監督:キム・ホンソン
キャスト:チョン・ヘイン、キム・ジフン、チョ・ジェユン、イ・ウォンジョン etc
映画『逆謀 反乱の時代』の登場人物(キャスト)
- キム・ホ(チョン・ヘイン)
- 王の親衛隊、内禁衛の司正だったが、とある失態から降格される。洞察力に優れ非常に腕の良い剣士。曲がったことが嫌いで、まっすぐな気質。
- イ・インジャ(キム・ジフン)
- 元大元帥で反乱軍を率いている。策謀を巡らせる稀代の反逆者。屈指の剣士でもあり、大勢をも相手にしながら、屈しない強い精神を持つ。
- ト・マンチョル(チョ・ジェユン)
- 御営庁5人衆の中でも最強を誇る剣士で中軍将。人を殺すことに感覚すらも失い、情を失ってしまう
映画『逆謀 反乱の時代』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『逆謀 反乱の時代』のあらすじ【起】
1728年李氏王朝時代、英祖が即位して4年。大元帥イ・インジャが反乱軍を組織し朝廷に抵抗。2万を超える反乱軍は清洲を占領し都へと北進を続けるが、安城と竹山で官軍に大敗を期してしまう。これにより反乱は鎮圧され、首謀者のイ・インジャは義禁府(ウィグムブ)へと投獄される。しかし、朝鮮最高の武士集団“御営庁(オヨンチョン)5人衆”は、諦めることなくイ・インジャの救出を企てるのであった。
王の親衛隊、内禁衛(ネグミ)の司正であったキム・ホは、半年前のとある大失態のせいで官職を剥奪され、その日の食べ物にも困るほどの極貧生活を送っていた。現在は亡くなった元恋人の家に居候しているが、未だに無職であることを叱られてばかり。
そんなある日、彼の元に任命書が届く。それは大罪人の取り調べを行う官庁、義禁府の捕卒になれというものだった。捕卒とは、一番下級の役職である。
キム・ホの父親はすでに亡くなっていたが、宮中でも名の知れた武官であった。そして、叔父も大護軍という上位の官職に就いている。故に類稀なる剣の才能を持ったキム・ホも内禁衛へと抜擢され、それなりのプライドもあった。それなのに下級役人とは納得がいかない。彼は叔父に不満を訴えたが、聞き入れてくれるはずもなく。
それもこれも、不満ばかりを訴え真面目に仕事をせずにきた、キム・ホの自業自得としか言いようがない。半年の間に降格を繰り返し、最終的には義禁府の牢番である。
愛剣は取り上げられ、こん棒を手渡されるキム・ホ。仕方ないので、仕事をすることにした。
18時、宮中の門が閉まる。都近くの邸に潜伏していた御営庁5人衆が、イ・インジャ救出にとうとう動き出す。その日は死刑執行の前日であった。
義禁府、獄舎。キム・ホは捕卒であることを馬鹿にされつつ牢屋の巡回へ。
映画『逆謀 反乱の時代』のあらすじ【承】
20時、獄舎の最奥ではイ・インジャが厳しい取り調べを受けていたが、近寄って来た兵士から剣を奪い拘束から逃れていた。彼もまた、屈指の剣士として名を連ねている。数人程度の兵士など、敵の内にも入らないのであった。
獄舎に投獄された山賊から、今すぐ逃げるか必死に戦うか決めろとキム・ホが進言されている頃、義禁府に御営庁5人衆が襲来。彼らは大勢の兵士を連れ静かに且つ、機敏に門を突破。
獄舎の山賊は死んだ方がマシだと言って、壁に自ら頭を打ち付け自殺。その壁には“敵が宮を破る”と血文字が書かれていた。
すると、途端に外が騒がしくなる。何者かが兵を連れて義禁府に押し入って来たらしい。キム・ホは咄嗟に身を隠し様子を窺う。こんな時に武器はこん棒しかない。それでもやるしかないと、彼はこん棒を使って十数人の敵を倒した。その後も遭遇する敵を次々に排除していくキム・ホ。
獄舎の前に御営庁5人衆が到着。そこへ、キム・ホも現れ敵を屠っていくが、彼の前に5人衆の1人が立ちはだかり、勝負に負けて意識を奪われてしまう。
しばらく後、意識を取り戻したキム・ホは、相手が御営庁5人衆であることを思い出す。急いで中へ戻った彼は、再び奴らと対峙。地の利を生かし2人の達人と戦う。
5人衆を率いるのは、最強の剣士と謳われる中軍将ト・マンチョル。奴は獄舎で待っていたイ・インジャと合流を果たした。
映画『逆謀 反乱の時代』のあらすじ【転】
大勢の兵を屠り、2人の達人と対決するキム・ホは、すでに満身創痍である。それでも戦い続ける彼の前にイ・インジャが姿を現した。
以前、キム・ホは御営庁5人衆に手合わせを願い出たことがあり、顔が知られている。イ・インジャは内禁衛であった彼の腕を見込み、生きたければ逃げろと言う。だが、キム・ホは王に誓いを立てた身であるため、大罪人を見逃すことができなかった。彼は傷を負いながらも、愛剣を手に宮中へと向かうイ・インジャを追跡。
だが、キム・ホの前に再び達人2人が立ちはだかる。激しい攻防を展開した後、どうにか敵を倒した。その後一旦、帰宅し身なりを整え気持ちを新たに持ち直したキム・ホ。
0時、彼は再び宮中へ向けて走り出すのだった。
脱獄を果たしたイ・インジャはその後、大妃の元を訪れる。大妃こそが英祖を王として認めず、密かに彼を手引きした裏の黒幕であった。イ・インジャの目的は、英祖の暗殺である。暗殺を無事に果たした後は、大妃が栄華を極めることになっていた。
宮中へ入り込んだキム・ホは、内持府へ危険を知らせに向かったが、すでに大妃の手回しが済んでおり、逆に襲われてしまう。彼は内持府の長である尚膳に詰め寄るも、王が変われば次の王に仕えるまでと至極もっともなことを言われ、歯噛みするのである。
キム・ホは先王に仕えた司正であったが、王を守ることができず降格を余儀なくされた。後悔してもすでに遅く、守るべきものを守れなかった悔しさを二度も味わいたくはないのが、当然の心理だ。故に、キム・ホは懸命に抗うのである。
次にキム・ホは王に仕える女官から話を聞いた。すると、この夜に宮中で騒動が起こるので、皆は息を潜めていろとお達しが出ていると言う。宮中を明け渡すような触れを出した英祖の気が知れないと首を捻るキム・ホ。
書物殿へやって来たキム・ホは、そこで弓の達人2人に待ち伏せされる。だが、彼はイ・インジャに刺された左肩に痛みを覚え、長期戦を挑むには体力が足りない。本を囮に使い抵抗を試みるも、板挟みでは倒すことができない。そこで彼は耳を頼りに奴らの相打ちを狙った。企みは無事に成功し、達人2人を撃破。
映画『逆謀 反乱の時代』の結末・ラスト(ネタバレ)
その頃、イ・インジャは間者として潜入させていた子飼いの女官とマンチョルの3人で、英祖の寝所へ。だが、部屋の前には選りすぐりの兵士が立ちはだかる。マンチョルが引き受け、イ・インジャと女官で中へ入るも、寝所には王の姿が無かった。
どういうことか女官に問い質そうとしたが、裏切られたと察したイ・インジャは、抵抗する女官を刺し、身を隠した王の捜索へと向かう。
3時、王の寝所へとやって来たキム・ホは、そこで死にかけている女官を発見。詳細を聞くことができた。イ・インジャの甘言にて大妃を始め、王の側近のほとんどが寝返り内禁衛も半分があちら側についたと言う。そのせいで、宮中には英祖の味方がほとんどいなくなる。
そこで、女官はキム・ホを義禁府に送った。英祖が内禁衛で信じられるのはキム・ホだけだと言ったからだ。
半年前、王の護衛をしていたキム・ホは山道で山賊に奇襲される。そのせいで兵の全軍を失い王の身も危険に晒してしまった。このことにより、大臣たちはキム・ホに責任を負わせ官職を剥奪し死刑を求めた。英祖はキム・ホのこれまでの功績を考慮し、官職の剥奪のみにしたが、大臣たちの言動から謀反はまだ続いていると感じ、準備を始めていたと言う。女官はキム・ホに逃げるよう促すが、彼はたった1人でも守るという強い意志を貫くつもりだった。
5時、寝所の近くでマンチョルと出会ったキム・ホは、念願の手合わせを行う。マンチョルは噂に違わぬ強者で、キム・ホごときが勝てる相手ではなかった。激しい戦いを繰り広げ、追い詰められてしまうキム・ホだったが、最後の一太刀を受ける瞬間、仲間達の登場により助かるのであった。
その頃、イ・インジャは玉座に座る英祖の元へ到達。譲位について激しい口論をするが、王の周囲に大妃や内待府が現れ、裏切り返されてしまう。そこへ、這う這うの体でキム・ホが到着。激情に迸るイ・インジャを止めた。そうして、最後は英祖自らがイ・インジャの息の根を止めるのだった。
しばらくの後、傷が癒えたキム・ホは、のどかな田舎で隠遁生活を送っていた。そこへ、例の女官が訪れ、王が内禁衛の衛将の座を授けると言っていると伝える。だが、キム・ホにはもう二度と宮中へ戻る気はなく、彼は女官へと朗らかな笑みを見せ、自分はただの捕卒だからと都へと帰すのであった。
映画『逆謀 反乱の時代』の感想・評価・レビュー
とにかく戦いまくる今作。韓国の時代劇はイケメンを起用するのが本当に上手いです。
今作で朝鮮一の剣士、キム・ホを演じたチョン・ヘインは『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』で年下の可愛らしい男子を演じていましたが、今作で見せた姿はまるで別人です。髭を生やしてワイルドな雰囲気を出し、引き締まった身体は「男」を感じさせる色気がありました。
チョン・ヘインの新たな魅力を発見できた作品です。(女性 30代)
1728年に実際に起きた「イ・インジャの乱」を描いた作品。
とにかくずっと苦しい戦いが続くという印象が強い。逆賊イ・インジャを止めるために一兵士が奔走するわけだが、その一夜を詳細に描いている。この逆賊イ・インジャはとにかくしつこくて挫けない。今作では最後の足掻きを描いているが、実際はこの謀の前にも様々な謀をしており、今作に至る前に実は朝廷からはじき出されて隠棲させられている。それなのに、再び反乱を起こすのだからもう、妄執としか言いようがないしつこさ。よほど英祖が気に入らなかったのだろうと思うが、結局イ・インジャは王自らの剣によって斃れるので何となくすっきりした感じ。怒涛の勢いで進むので飽きるということもなくアクションや戦いのシーンも素晴らしい。(女性 40代)
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