映画『ヒッチャー(2007)』の概要:グレースは恋人のジムと共にドライブ旅行に出かけていた。その道中、ヒッチハイクをしている人を轢き殺しそうになってしまう。その人物の雰囲気がなんだか怪しかったため、ジム達はそのまま通り過ぎることにした。
映画『ヒッチャー』の作品情報
上映時間:84分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:デイヴ・マイヤーズ
キャスト:ショーン・ビーン、ソフィア・ブッシュ、ザカリー・ナイトン、ニール・マクドノー etc
映画『ヒッチャー』の登場人物(キャスト)
- ジョン・ライダー(ショーン・ビーン)
- 本当の名前や経歴は不明。殺人を楽しんでいる節がある。ヒッチハイクを行っていた際、自分を乗せてくれなかったジム達を逆恨みし、執拗に追いかける。
- グレース・アンドリュース(ソフィア・ブッシュ)
- 大学生。自分の友達や家族に会いに行くため、恋人のジムと共にドライブ旅行に出かける。
- ジム・ハルジー(ザカリー・ナイトン)
- グレースの恋人。ジョンの策略により、一家殺害事件と保安官事務所の惨殺事件の犯人にされ、グレースと共に警察に追われてしまう。
- エストリッジ警部(ニール・マクドノー)
- 保安官事務所の惨殺事件を担当する。正義感が強く、優しい人物。グレースとジム以外に保安官事務所に第三者がいたことに気づくが、グレース達のことを信じ切ることができず、ジョンの犯行を食い止めることができなかった。
映画『ヒッチャー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ヒッチャー』のあらすじ【起】
グレースとジムはニューメキシコ州に向けてドライブ旅行に出かけていた。すると、雨が降りしきる夜、道路の真ん中でヒッチハイクを求める人物が立っていた。ジムはグレースとの会話に夢中で、その人物を危うく轢き殺しそうになってしまう。何とか避けたため無事だったが、ジムはその人物が怪我をしていないか念のため確認しに行くことにした。しかし、グレースに止められる。車を避けもせずに立ち続けていたため、その人物が不気味に感じたのだ。グレースに説得されたジムは、仕方なく車を発進させた。
ジムは立ち寄ったガソリンスタンドで、先程ヒッチハイクを求めていた人物(ジョン・ライダー)と再会する。ジョンからモーテルまで連れて行って欲しいと頼まれ、先程置いて行った罪悪感からジムは承諾した。
ジムが運転席に、ジョンが助手席に、グレースが後部座席にそれぞれ座り、移動していた。グレースはジョンに対しての不信感が拭えず、車内はどこか緊張感に満ちていた。途中までジムがジョンと会話し何事もなく進んでいたのだが、突然ジョンがジムの携帯を真っ二つに折ったことで状況が一変する。怒ったジムがジョンを下ろそうとしたのだが、車を止めないようナイフで脅される。グレースは密かに携帯を取り出し警察に連絡を入れようとするが、ジョンに見つかり、顔にナイフを突きつけられる。ジョンはグレースを人質に取ったまま、ジムに“死にたい”と言えと命令した。だが、ジムは“死にたくない”と叫び、車を急停車させた。そして、グレースと協力してジョンを車外に突き落とした。ジム達はグレースの携帯で警察に助けを求めようとするが、グレースの携帯はジョンと一緒に落ちていた。
映画『ヒッチャー』のあらすじ【承】
ジムはジョンに襲われる悪夢に魘されながら目を覚ました。起きるとグレースの姿が見えなかったため、慌てて外を探しに行った。グレースは朝日を見ていた。グレースはジョンに襲われた恐怖感が拭えず、帰りたがっていた。ジムもジョンを恐れていたが、自分が怖がっていることは打ち明けず、次の町に行って警察に相談しようと言った。そして、明るい話をして、グレースの心を和ませた。
ジム達は移動している途中で、子供を乗せた家族の車を見つける。子供は可愛らしく、ぬいぐるみを使って挨拶をしてきた。だが、その子供の傍にはジョンの姿があった。ジム達は車を横付けにして家族に危機を知らせようとするが、風が強く会話がままならなかった。しかも、対向車を避けようとして、木にぶつかってしまう。
車が故障したため、ジム達は徒歩で町を目指すことにした。ヒッチハイクを行うが、誰も乗せてはくれなかった。家族の安否を心配しながら歩いていると、その家族が乗っていた車が道路に停車しているのが見えた。ジムが中を確認すると、子供を含めた全員が刺されていた。しかし、父親がまだ生きていたため、グレース達はその家族の車を使い、急いで町に向かうことにした。
グレースが運転し、ジムが後部座席で父親の止血を行っていた。すると、車に乗ったジョンが後ろから体当たりをしてきた。グレースは殺される恐怖に怯えながら、必死に車を走らせた。すると、突然ジョンが体当たりするのを止め、横道に逸れて行った。グレース達は疑問に思いながらも町のレストランに辿り着き、警察に連絡をして欲しいと頼んだ。
映画『ヒッチャー』のあらすじ【転】
父親は息を引き取り、グレースとジムは家族を刺殺した犯人として保安官に捕まってしまう。必死に無実を訴えるが、誰も信じてはくれなかった。しばらくすると、取り調べ室のドアが開いていた。グレースが外に出ると、保安官達が殺されていた。グレースは驚きながらも銃を奪い、牢屋に入れられていたジョンを救った。
グレースがジョンを乗せたジムを責めたため、2人は口論になった。だが、突然車が近くの崖から落ちてきたため、2人は口論を止めて慌てて逃げることにした。その頃、エストリッジ警部が保安事務所を訪れ、現場の状況を確認していた。まだ20代の保安官も殺されており、あまりの悲惨な現場の状況に思わず顔を歪めた。詳しく調べてみると、グレースとジムの他に第三者の人物がいることが分かった。グレースが取調室に、ジムが牢屋に入れられていたにも関わらず、取調室がマジックミラー越しに見える部屋に、血で人の顔が描かれていた。エストリッジ警部はヘリコプターを使って容疑者を探すよう部下に指示を出した。
ジョンがライフルを持ち、ジム達を追って来ていた。ジム達が古びた小屋に入り隠れていると、保安官の姿が見えた。ジム達は保安官に助けを求めようとするが、再び捕まってしまう。グレースはジムを解放するよう銃で保安官を脅した。そして、保安官を乗せてパトカーで逃げようとするが、保安官がジョンに狙撃されてしまう。グレースが保安官に向けて銃を構えていたため、応援に駆けつけた別の保安官が、グレースが撃ったと誤解してしまう。ジム達はそのままパトカーに乗り、逃走した。
映画『ヒッチャー』の結末・ラスト(ネタバレ)
エストリッジ警部は無線を通じてジム達に投降を呼びかけた。追って来たパトカーから狙撃された2人は車を止めようとするが、パトカーの背後からジョンが追ってくるのが見えたため、そのまま逃げることにした。ジョンはジム達を追っていたパトカーやヘリコプターを狙撃して大破させた。ジム達は必死に逃げようとするが、ガソリンがなく、車が止まってしまう。だが、ジョンはジム達を撃つことはせず、そのまま通り過ぎて行った。エストリッジ警部は現場で何が起きたのか分からず、苛立った。
ジム達はモーテルに侵入した。グレースの家族に連絡を入れようとするが、部屋の電話はフロントを通さなければならなかった。ジムはグレースを部屋に残し、公衆電話から連絡を入れることにした。
グレースが部屋で眠っていると、ジョンが現れ襲われそうになる。必死に抵抗し、浴室に逃げ込んだ。浴室に置いてあった銃を使い撃つと脅すと、ジョンはなぜか襲うのを止めていなくなった。グレースは恐る恐る部屋を出ると、涙ながらにジムを探した。すると、ジムはトラックの本体とタイヤ部分に両腕と両足を鎖で繋がれていた。グレースは運転席に座っていたジョンにエンジンを止めるよう銃を突きつけて脅すが、ジョンは逆に撃てとグレースに迫った。グレースが撃つことができなかったため、ジョンはエンジンを掛けた。ジムの体は半分に引き裂かれた。現場には通報を受けた警官達が掛けつけており、一部始終を見ていた。
グレースは保護され、ジョンは逮捕された。本物のジョン・ライダーは行方が分かっておらず、ジョンが何者か警察も突き止めることができなかった。エストリッジ警部はジョンを尋問した。ジョンは殺人を悪いとは思っておらず、ニューメキシコ州では死刑があると言われても平気そうだった。
エストリッジ警部はグレースを療養所まで送るため、車を走らせた。その前には、ジョンを乗せた護送車が走っていた。ジョンは自らの腕が傷ついて血だらけになるのも構わず、手錠を外して見張りの警官を襲った。そして、運転手を射殺した。エストリッジ警部は横転してきた護送車を避けきれず、ぶつかってしまう。エストリッジ警部はフロント部分に足が挟まれ、身動きが取れなくなる。その隙にグレースはエストリッジ警部の銃を奪うと、制止を無視してジョンを殺すために外に飛び出していった。しかし、ジョンに反撃され、護送車に閉じ込められてしまう。ジョンは護送車に火を点け、エストリッジ警部を射殺した。グレースは護送車から出ると、護送車の運転席にあったショットガンを使い、ジョンを射殺した。
映画『ヒッチャー』の感想・評価・レビュー
ヒッチハイクで乗せた男が実は連続殺人鬼だったという設定に魅かれて一気に物語に入り込むことができたのでよかった。ストーリーとしては単純に楽しめるものになっているので、あまり考えず気楽に観ることができるが、ミステリーとしては物足りないという人もいると思った。カーチェースがあったり、爆発シーンも迫力があるので、映像としてはその派手さが面白かった。
この作品はリメイクなので、オリジナル版を観て違いを比べようと思った。(女性 20代)
ルトガー・ハウアーの名演が映画ファンの一部には非常に印象深い作品のリメイク。この当時はこんなB級ホラーのリメイクが多かった。そしてリメイク元が好きな映画ファンの一部の層に属する自分からすると、この映画の価値はあまり感じられない。そもそもルトガー・ハウアーしか観る所がない映画をルトガー・ハウアー以外の役者で作れば、彼が多少良かったところで差があるように感じられるのは人間の性だろう。映画自体にはそつがないが、逆に魅力が薄い。(男性 30代)
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