この記事では、映画『ジュマンジ』の感想やレビューを紹介しています。数多くの映画を見てきた映画専門ライターによって、様々な視点で感想・レビューを執筆しておりますので、ぜひご覧ください。
映画『ジュマンジ』の作品情報
© 1995 TriStar Pictures, Inc. All Rights Reserved.
製作年 | 1995年 |
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上映時間 | 104分 |
ジャンル | ファンタジー アドベンチャー ファミリー |
監督 | ジョー・ジョンストン |
キャスト | ロビン・ウィリアムズ ジョナサン・ハイド キルステン・ダンスト ブラッドリー・ピアース |
製作国 | アメリカ |
映画『ジュマンジ』のあらすじ
1869年。2人の少年が森で大きな木箱を地中に埋める。まるで忌まわしいものに封印をするかのように…。そして100年後の1969年。気の弱い少年アランは、土の中から奇妙なゲーム盤を発見。彼はガールフレンドのサラと一緒にゲームを始めるが、書かれていることが実現してしまうそのゲームに囚われの身となり、ジャングルの世界に吸い込まれてしまう。26年後。売りに出されたアランの屋敷に幼い姉弟が引っ越してくる…。(出典:スターチャンネル)
映画『ジュマンジ』の感想・レビュー
一度見たら忘れられない、動物大進撃
なんといっても印象に残るのが、ジャングルにいたであろうサイや象などの動物の群れが一斉に暴走を始める、「動物大進撃」のシーンです。しかもこの怒涛の暴走が始まるのが「家の中」というのがまた最高ですね。
最初は何が起きたのかと、映画の登場人物と同じく映画を見ている観客側も仰天しますが、次第に「わっはっは!」と大声で笑いだしたくなる馬鹿馬鹿しさ。馬鹿馬鹿しいけれど、絶大なインパクトを残す圧倒的な迫力は本当に、一度見たら忘れられません。
普通ならこれをやりたい!と思っても、実際に映像化できるのか、映像化する予算はあるのかなど、なかなか実現には至らないのではないでしょうか。このアイデアを思いついて映像として仕上げた、スタッフたちの熱量に乾杯です。
「この時代」だからこそ生まれた傑作
本作が製作されたのは1995年。映画におけるCGの表現を塗り替えたと言われる画期的な作品、『ジュラシック・パーク』が発表されたのはその2年前です。『ジュラシック・パーク』の成功があったからこそ、本作での現実離れした様々なCG表現が実現できたと言えるでしょう。
また、主演のロビン・ウィリアムズは、1993年に出演した『ミセス・ダウト』の演技を高く評価され、脂の乗り切っている時期。理不尽なゲームに巻き込まれる少女を演じたキルスティン・ダンストも、1994年に出演した『インタビュー・ウイズ・ヴァンパイア』で注目されたばかりで、まさに「旬の俳優」が集った作品でもありました。そういった1995年当時における映画界の熱量が、この作品を成功に導いたのではないかと思います。
期待以上に「ぶっ飛んだ映画」に感動
本作は初公開当時、謎のゲームを元にした「子供向けファンタジーアドベンチャー」と宣伝されました。こういった作品は1985年に製作された『グーニーズ』が成功作として有名ですが、果たして『グーニーズ』のようなわくわく感を感じさせてくれるのかどうかというのが、観賞前の心境でした。
そしていざ観賞してみると、「動物大進撃」を始めとするこちらで予想していた以上の「ぶっ飛んだ映像」が次々とスクリーンに展開され、「これは凄い映画だ!」と思わず感動させられました。
また、ぶっ飛んだ映像だけでなく、主人公を追い回すハンター役に主人公の父親を演じた役者を起用し、「父と子の絆」もしっかりと描き出す巧みさ。ラストで過去に戻った主人公と恋人が、ゲームによる災難を共にした姉弟に再会するシーンの上手さなど、特撮だけでなく物語としても秀逸な作品だと思います。
理不尽なゲームのルールで一度は別れ別れになった主人公と恋人が、共に試練を乗り越えることで再び思いを通わすようになれるという展開は、胸を熱くさせてくれます。本作を見たのはまだ平成になって10年も経過していない時代、ちょうど大学生だった頃で、親元を離れアパートで一人暮らしをしていた時でした。当時付き合っていた恋人と上手くいかなくなり、一人で悶々と過ごす日々の中、本作で描かれたように「再び心を通わす」ことが出来るよう、諦めずに頑張ろうという気持ちになったことを覚えています。
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