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映画『キリクと魔女』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『キリクと魔女』の概要:アフリカの小さな村。生まれてすぐに言葉を話し、自我が芽生えた男児キリク。村には女子供だけが残り、大多数の男達は魔女カラバに食われてしまっていた。キリクは小さな身体で、果敢に魔女カラバに立ち向かう。アフリカ版一寸法師とも言えるべきアニメ作品。

映画『キリクと魔女』の作品情報

キリクと魔女

製作年:1998年
上映時間:71分
ジャンル:ファンタジー、アニメ
監督:ミッシェル・オスロ
キャスト:ドドゥ・ゲイエチャ、アウ・セヌザー、マイモナウ・エヌジャイエ、ロベール・リンソル etc

映画『キリクと魔女』の登場人物(キャスト)

キリク(ドドゥ・ゲイエチャ)
主人公。胎児の頃から話し、誕生後すぐに意思を持って歩く。通常の幼児よりは小動物並に小さいが、内面は勇気と知恵に溢れている。様々なことに純粋な疑問を持つ。
カラバ(アウ・セヌザー)
悪名高き魔女。村外れに縄張りを構え、何かと村人を困難な目に遭わせる。男達はカラバに挑んで命を落とした、と噂されている。小さなキリクに振り回されていく。
母(マイモナウ・エヌジャイエ)
キリクの若き母。夫はカラバと戦って食われた。我が子は、生まれて間もなく大人のように振る舞うが、それに動揺することもなく受け入れる。男家族を失った悲しみからか、物寂し気で常に冷静である。
お山の賢者(ロベール・リンソル)
山の向こう側に暮らす、キリクの父方の祖父。賢明で高潔な老人。魔女カラバに立ち向かうキリクに、様々な助言や勇気を与える。

映画『キリクと魔女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『キリクと魔女』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『キリクと魔女』のあらすじ【起】

とある家では、若い妊婦から赤子が独力で生まれてくる。赤子はキリクと名乗り、若い母に男家族の有無を尋ねた。キリクの親戚は、母の弟―叔父以外は全員魔女に食べられてしまったという。キリクは、生まれたてにも関わらず、自慢の俊足で叔父の元へ向かった。

キリクの叔父は、カラバとの戦いに向かう途中だった。甥が彼の後を追ってくるが、叔父はキリクの頭身が足よりも小さくて気付かない。二人でカラバの家へ行くと、邪悪な魔女が叔父を脅した。魔女カラバは、これ以上村に関わってほしくなければ、村全体の宝物を自分に寄越せと言う。カラバは、キリクが盗んできた帽子を特別な物だと思い込み、それを交換条件の品として望んだ。叔父は恐れながらも、帽子をカラバに渡して村に戻る。

しかし、カラバは帽子が単なる帽子であることを見抜き、怒り心頭で金を要求する。村の女たちは、仕方なく各々の財宝を魔女に捧げた。その直後、魔女の使い魔である呪い鬼たちが村に押し入り、民家から次々と本物の金を略奪する。

村の問題点は男手だけでなく、泉が枯れていることもあった。唯一の川は歩いて遠い場所にあり、キリクがそこへ行くと、子どもたちが戯れていた。不思議な模様の丸木舟が現れ、子どもたちは嬉々としてそれに乗り込む。キリクは、それが魔女の差し金であることを見抜いて、早く降りろと警告した。しかし、子どもたちはまだ乳児のキリクを見下して、言うことを聞かない。

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映画『キリクと魔女』のあらすじ【承】

キリクは、俊足で子どもたちが攫われるのを阻止した。救われた子どもたちは、一旦はキリクを「身体は小さいが勇敢」と褒め称える。しかし、またも魔女の罠にかかったとき、子どもたちは内心ではキリクを馬鹿にしていたことが判った。それでも、キリクは彼らを救う。

キリクは、村近くの「呪われた泉」に出向く。キリクは原因を調べるために、小さな身体で水源地に繋がっているパイプに進み入る。水源地に到着すると、不気味かつ巨大な怪物が水を吸収し続けていた。キリクは、村のおばさんから刀を拝借して、化け物を突き刺す。

たちまち水が溢れ出て、カラカラだった泉に再び水が流れるようになった。それを見た村人は大喜びするが、キリクは気絶した状態でパイプから出てきた。母や村人がキリクの歌を歌ってやると、キリクは息を吹き返す。キリクは、今度こそ勇者として村人に大評判になった。

水の問題が解決し、キリクはカラバの邪悪さに疑問が沸いた。その理由を知っているのは、山の向こう側に暮らすキリクの祖父。母に協力してもらい、キリクは障害となるだろう魔女の家を避けて、地面下の生き物の抜け道を通って行く。

映画『キリクと魔女』のあらすじ【転】

道中、小動物に妨害されながらも、キリクは何とか地上に出る。魔女の家の屋根には、小鬼という監視カメラのような使い魔がいて、常に四方を監視していた。キリクは、小鬼に見つけられないよう鳥に変装し、山へ向かう。

凶暴なイノシシに道を邪魔されかけたが、キリクは、知恵を働かせて獣を移動の足にしてしまう。簡単には開かないとされる、大アリ塚にたどり着いた。キリクが一人で塚の前に立つと、扉は開く。

塚に入ると、不思議な空間が広がっていた。その奥の玉座に、お山の賢者―祖父が座していた。キリクは、水飲みの怪物について尋ねる。怪物は元々小さな生き物だったが、パイプに侵入し水をたらふく飲んで巨大化したのだという。

そして、魔女カラバは男達を食っていないことが判った。カラバは他人を苦しめるのを好むが、同時に本人も日夜苦しんでいるという。彼女の背中には毒の棘が打ち込んであって、カラバに常時の苦痛を与えていた。カラバは、過去に男達から酷い仕打ちを受けたため、人を嫌い孤立していた。加えて、カラバの魔力の源は毒の棘で、元から魔女ではなかった。真実を知り、キリクは自らが毒の棘を抜くことを決意する。

映画『キリクと魔女』の結末・ラスト(ネタバレ)

キリクは、再び生き物の抜け道を通ってカラバの家に侵入する。宝物を奪い返すと、カラバの使い魔のヘビがキリクを追いかけてきた。カラバは、宝物が奪われたのはキリクの仕業だと認識し、魔女自身でキリクを始末しようといきり立った。そして、魔女は呪いの剣を手にしてキリクの元へ出向く。

キリクは木に登っていた。魔女カラバが戦いを挑んだのと同時に、キリクはカラバの背中に降り立って毒の棘を引き抜く。カラバは、突然の事態に悲鳴を上げた。その瞬間、魔女の邪気で枯れていた草花たちが、鮮やかな色を取り戻して息吹く。カラバは、魔力を失い正気を取り戻した。長年の苦痛から解放されたことに安堵して、キリクに感謝するのだった。

キリクは、お礼に結婚してくれと予想外の要求をする。しかし、カラバは過去の凄惨な体験から結婚を嫌悪しており、キリクの申し出を断った。キリクが代わりにキスをねだると、カラバは優しい口付けを与える。すると、たちまちキリクの身体は成長し、紅顔の美青年が現れた。キリクはカラバに恋をし、二人の間には愛が芽生えた。

村では、帰還しないキリクは死んだものと思われていた。しかし、着飾った青年とカラバが現れると、事態は一転する。村人は、カラバに怯え、青年をキリクと信じず警戒心を露にした。キリクの母だけは、青年をキリクと認めた。村人がカラバに襲いかかったところ、賢者と男達が止める。男達はカラバに食われておらず、使い魔の姿に変えられて使役されていた。愛する者たちは再会の抱擁を交わし、カラバもキリクの恋人として、村に受け入れられたのだった。

映画『キリクと魔女』の感想・評価・レビュー

小さい体でちょこまかと動くキリクが可愛い。急ぐときは足がとてつもなく速く、驚かされることもあった。現実にここまで聡明な子供が生まれたら、ちょっとだけ不気味に感じてしまうかもしれない。
誰もが幸せになる結末で、見終わった後に温かな気持ちになった。男達が死んでなくて本当に良かった。でも、まさか魔女とキリクが恋人になるとは思わなかったので、予想外の結末だった。どんな姿に変わっても息子だと分かる母の愛が素敵だなと思った。(女性 30代)


親日家でもあるフランスの監督ミシェル・オスロの初の長編アニメーション。日本語版では巨匠高畑勲が監督を務めている。
日本の美術や墨絵に強い興味を覚え、日本にも住んでいたことがあるミシェル・オスロならではのストーリー展開と映像になっていると思う。アフリカ版一寸法師と言ったところだが、終盤で魔女に結婚を迫る展開には驚かされた。そこからラストへの流れがとてもロマンティック。そもそも、キリクは本当に人間なのだろうか。実は神じゃないのか。そう思わせるほどの活躍ぶりである。小さい彼が走って飛び跳ねて問題を解決していく様がとても可愛らしく、加えて影絵のような独特な映像によりただの可愛いアニメで終わらず、芸術的な面でも素晴らしい作品。(女性 40代)


生まれた時から言葉が話せて頭のいいキリク。何より自力で生まれてきたことに驚きますが、日本の昔ばなしにもあるようなストーリーは何処か馴染みがあってとても見やすかったです。
村の男たちを食ってしまったとされる魔女のカラバも実は苦しんでいて、彼女を助けたキリクが、カラバと恋に落ちるという設定はなかなかぶっ飛んでいるなと思いましたが、子供向けのストーリーに「変愛」要素を入れてくるのが日本と違うところですね。(女性 30代)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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