映画『パニッシャー(2004)』の概要:ヒーローとは通常「正義の心」を糧に活躍するものだが、このヒーローの動力源は「復讐」。復讐に取り憑かれた男が敵を倒していく、マーベルでも珍しい、ダークヒーローストーリー。
映画『パニッシャー』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ジョナサン・ヘンズリー
キャスト:トム・ジェーン、ジョン・トラヴォルタ、ウィル・パットン、ジョン・ピネット etc
映画『パニッシャー』の登場人物(キャスト)
- フランク・キャッスル(トーマス・ジェーン)
- 数々の事件をこなしてきたベテランFBI捜査官。ある事件でマフィアのボスの息子を殺したことで恨みを買い、家族を殺されてしまう。
- ハワード・セイント(ジョン・トラヴォルタ)
- フランク・キャッスルに息子を殺されたマフィアのボス。フランクの家族を皆殺しにする。
- クエンティン・グラス(ウィル・パットン)
- フランクを追って彼の隠れ家を訪れた男。後にフランクに嵌められることとなる。
- リヴィア・セイント(ローラ・ハリング)
- ハワードの最愛の妻。しかし、本人も知らないところでフランクの罠にはまることとなる。
- ボビー・セイント(ジェームズ・カルピネロ)
- セイントの一人息子。父親に認めてもらうため努力していたが、抗争に巻き込まれ命を落とす。
- ミッキー・デュカ(エディ・ジェイミソン)
- セイントの部下。セイントを裏切りフランク側に就く。
映画『パニッシャー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パニッシャー』のあらすじ【起】
フランクは数々の任務を果たしてきた折り紙つきの実力を持つ捜査官である。彼は現在とあるギャングに潜入捜査を行なっていた。そしてとうとう、彼らが大規模な武器の密輸をする瞬間を突き止めたのだった。彼は事前に仲間に連絡を入れ、自ら仲介人としてその取引に乗り込む。その現場にFBIが乗り込み、フランクはFBIを恐れたふりをしてFBIに向けて発砲した。
そして、それからFBIとギャングの激しい銃撃戦へと雪崩れ込んだ。被害を出しながらも、FBIとフランクは見事その現場を抑えることに成功する。フランクは死体を装いその場から逃げ出してみせた。しかしその争いの中、ファミリーのボスであるセイントの息子、ボビーが殺されてしまったのだ。
ボビーはこの仕事を見事こなしてみせ、最愛の父親に自分の力を認めてもらおうと躍起になっているところだった。自分の息子を殺されるキッカケであるフランクの正体を突き止めたセイントは、彼への復讐を誓う。その頃、フランクはセイントが自分をつけ狙っていることなど梅雨も知らず、任務達成の褒美に家族でバカンスを楽しんでいるところだった。
映画『パニッシャー』のあらすじ【承】
フランクが数少ない休みを楽しんでいたのは、プエルトリコの浜辺だった。最愛の妻や息子、そして更に親戚も含めた大規模なバカンスを楽しんでいるフランクだったが、一人用事があってその場を離れることになる。しかし、フランクが気づかないうちに、そのバカンス地の周りにはセイントの手下達が手配されていた。そしてフランクがその場を離れたその瞬間、手下達は一斉にフランクの家族に襲いかかるのだった。
一般人であるフランクの家族達は、なすすべも無く次々と殺されて行く。何とかその場を抜け出したフランクの妻と息子だったが、最終的に手下が彼等を車で轢き殺し、フランクの家族は全員亡き人となってしまう。戻ったフランクは銃で戦うものの、流石に敵が多く、胸を撃たれてしまった。更に体に油をかけられ火をつけられたフランクは、その場に置き去りにされてしまう。
誰しもが死んだと思ったフランクであったが、丁度そこに呪術師である男が通りかかる。その男は瀕死の状態にあったフランクを見事治してみせるのであった。
映画『パニッシャー』のあらすじ【転】
そして、奇跡的にこの世に生還を果たしたフランクは自分の家族が殺された現場へと舞い戻る。すると、その場には息子が自分にプレゼントしてくれた髑髏のマークがプリントされたTシャツが落ちていた。そのTシャツを拾ったフランクは、自分の家族をこのような目に合わせたセイントへの復讐を誓うのだった。
セイントに復讐を果たすためには、まず相手の内情を知る必要がある。そこでフランクはセイントの部下であるミッキーという男を拉致する。命惜しさにフランク側に寝返ったミッキーは、セイントの金が蓄えられている場所をフランクへと伝えるのだった。そしてフランクはその場所に眠っていたセイントの金、5000万ドルを全てばら撒くのだった。
怒ったセイントは部下を現在フランクが身を寄せている集団の元に送り込んでくる。しかし、その住民達はフランクを庇い、自分達が拷問されてもフランクの居場所をセイント側に吐くことはなかった。フランクはその敵、グラスとセイントの妻であるリヴィアの不貞の証拠をでっち上げる。
映画『パニッシャー』の結末・ラスト(ネタバレ)
フランクの命に従い、ミッキーがセイントにリヴィアとグラスが性関係を持っていることを仄めかした。そしてフランクが作り上げた嘘の証拠を信じたセイントは、二人の関係に対して確信を持つことになる。心からリヴィアを愛していたセイントは、怒り狂い腹心の部下であるグラスを殺してしまう。そして、セイントの事を真に愛していたリヴィアの事も、フランクの策略にハマり殺してしまうのだった。
2人の大切な人間を失ったセイントだったが、これでフランクの復讐が終わるわけではない。セイントは、自らの権力を誇示するためにも大規模なパーティを開いていた。そしてそのパーティにも、フランクの手は伸びていたのであった。事前にその会場に爆弾をいくつも仕掛けていたフランクは、パーティの最中その爆弾を起動させる。そして混乱の中、セイントの関係者を次々と殺していくのだった。
セイントは何とかその場から逃げ出すが、手負いのセイントをフランクは付け狙う。そしてセイントを車に繋ぐと、車を発車させた上で車に乗せていた爆弾を起動させるのだった。復讐の道に踏み込んでしまったフランクは、既にFBI捜査官には戻れない。そこで彼は、世界中の悪に鉄槌を下す「パニッシャー」として生きていく決心をするのだった。
映画『パニッシャー』の感想・評価・レビュー
正義のヒーローとはまた一味違う、マーベルシリーズでも、ウルヴァリン、ゴーストライダーと並び、ダークヒーローにカテゴライズされる存在である。家族を皆殺しにされたという経緯から、パニッシャーとして復讐を行うというのが大きな名目ではあるが、とはいえ、当人も恨みを買ってしまっている部分もあり、復讐には復讐をといった構図になっている。下手な倫理的思考や、正義感を抜きにして観る事をオススメする。けして、スッキリするような内容ではないが、マーベルならではの悲哀と秩序が混ざり合った展開が楽しめるだろう。(男性 30代)
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