
結論から書きます。
「恋愛裁判」は、恋愛映画ではありません。これは“制度に裁かれる感情”を描いた映画です。
MIHOシネマ編集部の映画専門ライターとして、2026年2月1日に日本で本作を鑑賞しました。
鑑賞後に強く残ったのは、感動よりも言葉にしづらい息苦しさでした。
アイドルの「恋愛禁止ルール」という、日本独自の文化を題材にしながら、本作は誰かを断罪する物語ではありません。
むしろ観る側に、
「自分はこの裁判を、どこから見ていたのか?」
という問いを突きつけてきます。
この記事では、「恋愛裁判」をネタバレ込みで整理しつつ、感想とレビューを交えながら、その“苦しさの正体”を深掘りしていきます。
最初に語りたい見せ所は「裁判が始まる前の沈黙」
本作の最大の特徴は、裁判シーンそのものよりも、
裁判に至るまでの空気にあります。
主人公・山岡真衣は、人気上昇中のアイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」でセンターを務める存在。
しかし、恋愛禁止という暗黙のルールの中で、彼女は“普通の感情”を抑え続けています。
MIHOシネマ編集部として鑑賞していて特に印象的だったのは、
大きな事件が起きる前の、何気ない日常の描写です。
そこに流れる沈黙や視線が、すでに裁判の始まりを予感させていました。
次は、物語の流れをネタバレありで整理します。
「恋愛裁判」のあらすじをネタバレありで解説
物語の主人公・山岡真衣は、人気アイドルグループの中心メンバー。
そんな彼女が、中学時代の同級生・間山敬と偶然再会し、恋に落ちます。
アイドルとしての立場と、ひとりの人間としての感情。
その間で葛藤し続ける真衣でしたが、ある出来事をきっかけに、衝動的な行動を取ってしまいます。
それから8カ月後。
真衣は突然、所属事務所から「恋愛禁止条項」の契約違反として裁判所に呼び出されます。
裁判の場で彼女を追及するのは、
事務所社長・吉田光一、そしてチーフマネージャーの矢吹早耶。
恋愛は“感情”ではなく、“契約違反”として扱われていくのです。
次は、この裁判が象徴するテーマについて掘り下げます。
「恋愛禁止」は誰のためのルールなのか
本作が鋭いのは、
恋愛禁止ルールを単純な善悪で描かない点です。
アイドル本人、事務所、ファン、社会。
それぞれにとっての“正しさ”が、静かにぶつかり合っていきます。
誰もが「守っているつもり」で、誰かを傷つけている。
深田晃司監督らしい冷静な視線は、
観る側に感情移入の逃げ道を与えません。
次は、実際に観て感じた率直な感想をレビューします。
実際に観た感想レビュー|共感できないのに目が離せない
正直に言えば、主人公・真衣の選択に全面的に共感できたわけではありません。
しかし、それでも目が離せなかった。
それは、この映画が
「正しい行動」を描いていないからです。
裁判で語られる言葉は、どれも冷静で理屈が通っています。
だからこそ、感情が置き去りにされる恐怖が際立つ。
この映画は、観客を“裁く側”に立たせる。
その居心地の悪さこそが、本作最大の力だと感じました。
次は、この作品が合う人・合わない人を整理します。
「恋愛裁判」はこんな人におすすめ
- 社会問題を扱った映画が好きな人
- アイドル文化について考えたことがある人
- 答えを提示しない映画に惹かれる人
一方で、次のような人には注意が必要です。
正直、こんな人にはおすすめしない
- スカッとする展開を求めている人
- 明確な正解や救いを期待する人
- 恋愛映画として観たい人
次は、本作が刺さった人におすすめの映画を紹介します。
「恋愛裁判」が刺さった人におすすめの映画3選
LOVE LIFE
この映画を一言で表すと?
日常の中に潜む“言葉にできない断絶”を描く物語。
どんな話?
夫婦関係の中で浮かび上がる、理解し合えなさを静かに描く。
ここがおすすめ!
感情を説明しすぎない描写が「恋愛裁判」と強く共鳴します。
淵に立つ
この映画を一言で表すと?
善意が暴力へ変わる瞬間を見つめる作品。
どんな話?
家族と他者の関係性が崩れていく過程を描いた社会派ドラマ。
ここがおすすめ!
観る側の立場を揺さぶる視点が共通しています。
誰も知らない
この映画を一言で表すと?
社会の“見ないふり”を突きつける映画。
どんな話?
子どもたちが置き去りにされる現実を静かに描写。
ここがおすすめ!
制度と個人のズレを描く点で深く通じ合います。
あなたは、この裁判をどう見ましたか?
「恋愛裁判」は、
観終わったあとに誰かと話したくなる映画です。
あなたは、
・真衣をどう感じたか
・裁判の構図をどう受け止めたか
・自分はどの立場に近かったか
ぜひコメント欄で教えてください。
この映画について、答えのない対話を続けていけたら嬉しいです。



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