この記事では、映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0032146
製作年 | 2012年 |
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上映時間 | 92分 |
ジャンル | サスペンス ホラー |
監督 | ジャスティン・ベンソン アーロン・スコット・ムーアヘッド |
キャスト | ピーター・シレラ ヴィニー・カラン ザーン・マクラーノン ビル・オバースト・Jr |
製作国 | アメリカ |
映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』の登場人物(キャスト)
- マイク(ピーター・シレラ)
- クリスを薬物中毒から救い出すため、クリスから送られてきた位置情報をもとにその場を訪れる。クリスとは古くからの友人であり、彼を助けたいと思っている。
- クリス(ヴィニー・カラン)
- マイクの友人であり、薬物に溺れ自暴自棄な生活を送っている。久しぶりに訪ねてきたマイクとの再会に喜ぶが、薬物をやめる気は一切ないようだ。
映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』のあらすじ【起】
マイクは友人のクリスから送られてきた映像と地図を頼りにクリスのもとを訪れていた。クリスは薬物中毒であった。マイクは更正施設に行こうとクリスに言うが、断られる。そこで、マイクは帰るふりをしてクリスにスタンガンを当てると手錠に繋ぐのであった。マイクはクリスの自由を奪うことで、無理矢理麻薬を抜こうと考えていたのだ。
30分後に帰ってくるから少し眠れと言って買い物へ出かける。食料や水分をクリスにすすめるが口にしない。マイクが眠りにつく頃、ヤクをくれと懇願するクリス。気が付くと朝だった。
クリスのもとにビリーが訪ねてくる。クリスはいないとマイクが言うと、また来るといってビリーは去っていく。先月クリスはビリーから麻薬を分けてもらったらしく、それを返すように催促しに来たようであった。
クリスになぜ銃を持っているのかとマイクが聞くと、鳥から身を守るためだという。鳥は薬によって見えているとマイクがいうと、影の男もいるとクリスは言うのであった。
クリスの家の下からいわくありげな写真を発見したマイク。近所の石積みの場所に置き去りにされていたもので、クリスは売ろうと思っていたらしい。
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映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』のあらすじ【承】
夜にかすかな音が聞こえ起きたマイクは大声を出す。窓の外に女の子がいたのだ。クリスは近くの精神疾患患者がよく徘徊していると冷静に答える。
翌朝またビリーが訪ねてくる。薬を返せと言って去っていくビリーの背後から、また新たな客がやってくる。彼の名はチャールズ。ここは先住民の保留地であり、泊まるには部族会議の許可がいるとのことであった。5日間だけ見逃してほしいとマイクはチャールズに小切手を渡す。
マイクが石積みの場所を訪れるとレコードを発見する。導かれるように近くの納屋へ向かうマイク。そこでレコードを再生すると、女の人が襲われているような音声が流れる。
家に帰ったマイクは、どうしてメールを送ってきたのかとクリスに問うが、1年前にカメラもパソコンも売ってしまったので、自分には送りようがないという。
酒を交わしながら昔話に花を咲かせる2人。気が付くと朝だった。マイクの上には写真が置かれていて、マイクが写真の場所を訪れると今度はビデオテープが置かれていた。ビデオテープを再生するとそこにはここ数日のマイクとクリスの映像があった。それはまるで2人のすぐ側で撮影されたような映像であり、2人は気味悪がる。
映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』のあらすじ【転】
クリスのために買い出しに出たマイクは、チャールズに納屋について尋ねると昔フランス人の研究者に貸していたことがあるそうだ。
マイクが家に帰り、クリスから送られてきた映像をもう一度見てみようと再生すると、なんと今さっきのマイクとクリスの様子がパソコンに映し出される。混乱するマイクにクリスは政府の衛生に撮影されているという。
マイクが家を出ようとした時、遠くからビリーに発砲される。間一髪でマイクは弾を避けたが、近くに居た迷子犬のサラは撃たれて死んでしまった。ビリーは警告だと言って去っていく。サラはクリスの生きがいだった。生きがいを失くし、クリスは打ちひしがれている。
マイクはサラの飼い主の家を訪れていた。サラの首輪を渡し、亡くなったことを告げると、入ってお茶でもと誘われる。彼の名はバイロンといい、フランス人だそうだ。先住民の芸術を学ぶためにきたらしい。他にも学生が2人いたそうで、彼らの研究内容はわからなかったが常に喧嘩をしていた。そしてある日森に入ったきり2度と戻ってこなかった。大学に問い合わせたがそんな学生は存在しなかったそうだ。バイロンは物語には必ず始まり、中盤、そして結末が必ずあると語る。
映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
マイクはクリスにサラの飼い主に会ったことを話し、この町に来た者には全てに物語があり、結末が存在する。と言った瞬間、小屋が揺れて音がする。驚くマイク。すると急にパソコンから映像が流れる。今のマイクとクリスだ。すると映像は早送りされ、ビリーたちに襲撃されるマイクたちの映像が映し出されるのであった。
マイクはクリスの手錠を外し、急いで外へ逃げる。車に乗り込むとCDが置かれていた。CDを再生すると、今度は小屋でチャールズたちに襲われ撃ち殺されるマイクとクリスの音声が流れる。
今度は突然目の前の建物の扉が開き、2人は恐れながらも進んだ先でネガを見つけるネガには小屋付近に居るマイクとクリスが写っていた。2人はネガの通りに小屋付近に隠れていた。小屋の中ではビリーたちが薬物でハイになった状態で騒ぎまわっていた。するとビリーたちのもとへチャールズが訪れ、何の躊躇もなく撃ち殺し、小屋に火を着けるのであった。
チャールズが去った途端、薬が燃えてしまうと小屋へ走り出すクリスに、マイクは更正施設へ行こうと言う。幸せな結末だという2人に黒い影が覆いかぶさる。許してくれ、もう1度やり直させてくれと2人は恐怖の表情を浮かべるのであった。
映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ホラー映画のお約束をすべてぶち壊す、まさに“メタホラー”の傑作。序盤の典型的な展開から一転、地下施設が出てくるあたりから一気に頭が混乱しました。監視している組織の存在、怪物のオンパレード、そして神々への供物というラストのスケール感。ホラー好きにはたまらないギミックだらけで、最高でした。(20代 男性)
最初は普通のスラッシャー系かと思いきや、まさかのSF寄り展開にびっくり。ホラー映画のクリシェを揶揄しながらも、愛を感じる構成で、とにかくよくできてる!地下に閉じ込められた怪物たちが一斉に放たれるシーンは圧巻。最後まで飽きさせない構成で、ホラー苦手な私でも楽しめました。(30代 女性)
ホラー映画にありがちな“愚かな若者たちが森で死ぬ”という導入なのに、実はそれが巨大なシステムによって意図的に演出されていた、というアイディアが秀逸。途中からジャンルが崩壊していく感じがクセになる。ホラーというよりはパロディ+哲学的問題提起って感じで、映画好きには刺さると思う。(40代 男性)
序盤はありがちなB級ホラーだと思っていたら、後半は完全に世界の崩壊劇で驚いた。特に、地下施設の全怪物大解放シーンは何回も見返したくなるカオス!結局、儀式の意味や“神”の存在が示されることで、映画自体がジャンルの供物となっているという構造が面白い。頭を使うホラーって感じ。(20代 女性)
ホラーにありがちな“決まり事”を裏で操作する施設職員たちが、とにかくリアルで面白かったです。あれだけ緊張感ある状況なのに、コーヒー片手に談笑してるのが逆に怖い。最後、儀式を拒否して世界を終わらせるという選択が、ある意味希望でもあり、絶望でもある。奥が深い作品でした。(50代 男性)
ホラー映画なのに笑ってしまう。むしろホラーを“ネタ”として捉えた作品なんじゃないかと思うほど、ブラックユーモアが効いてて面白い。最後の“神々の拳”が現れるカットなんて、もうカオスすぎて笑うしかない。けど、よくよく考えると、全部ちゃんと辻褄が合ってるのがすごい。(30代 女性)
終盤に向かうにつれて“これは一体何を観ているんだ?”という感覚になるけど、ちゃんとした目的があるのがいい。ホラーにおける“お約束”って、実は観客の欲望と表裏一体なんだなと気づかされる。怪物たちの種類が多すぎて、マニアは止めながらじっくり見たい映画。(20代 男性)
映像は派手じゃないのに、じわじわくる恐怖と、シュールな設定の面白さが融合していて唯一無二の作品でした。若者たちが死ぬことを“ルール”として消費する社会への皮肉も感じました。ホラーを逆手に取ったエンタメというだけでなく、どこか道徳的な問いかけもある映画です。(40代 女性)
いわゆる“選ばれし5人”が実は儀式のために死ぬ役割だった、という展開は衝撃的。しかも、それを人類存続のためにやってるという倫理的ジレンマ!観客の“誰かが死ぬのを楽しむ視点”にまでメスを入れる内容で、感心しっぱなしでした。ジャンル映画を超えた異色作。(30代 男性)
全体的にはホラーというよりも、ホラーを“客観視”する視点でできた映画。「観客の望む展開」を維持するための儀式、という設定に鳥肌が立ちました。怖さと笑いと哲学が混在していて、観終わった後もしばらく考えてしまう。作り手への愛と皮肉が詰まった一本です。(50代 女性)
映画『キャビン・イン・ザ・ウッズ』を見た人におすすめの映画5選
RESOLUTION(レゾリューション)
この映画を一言で表すと?
ホラーの構造を内側から暴く、知的で不気味な“裏キャビン”。
どんな話?
麻薬中毒の親友を更生させるために山小屋に監禁した男が、奇妙な映像や音声に悩まされていく。徐々に「何かに観られている」ような不気味さが膨らみ、物語は次第に異常な方向へと展開していく。
ここがおすすめ!
『キャビン・イン・ザ・ウッズ』の精神的兄弟作ともいえる作品。ジャンルを解体し、物語そのものに疑問を投げかけるメタ的要素が濃厚。静かに進行する恐怖と知的な仕掛けに、ゾクゾクが止まりません。
THE ENDLESS(ジ・エンドレス)
この映画を一言で表すと?
同じ時間を繰り返す“神の箱庭”を描いた、哲学的SFホラー。
どんな話?
かつて脱出したカルト教団のコミューンに戻った兄弟が、そこに流れる奇妙なルールとループ構造に囚われていく。空に浮かぶ不思議な存在と、時間の異常がもたらす恐怖と美しさが交錯する物語。
ここがおすすめ!
『キャビン・イン・ザ・ウッズ』と同じ監督(ジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッド)による作品で、RESOLUTIONとも世界観がつながっています。不可解な出来事が収束していく構造美にうならされます。
SAW(ソウ)
この映画を一言で表すと?
「選択」を強制する殺人鬼が仕掛ける、心理と倫理の密室劇。
どんな話?
目覚めたら見知らぬ部屋に監禁されていた2人の男。彼らは連続殺人鬼ジグソウが仕掛けた“ゲーム”に巻き込まれ、命をかけた選択を迫られる。謎が謎を呼び、衝撃のラストへ。
ここがおすすめ!
『キャビン・イン・ザ・ウッズ』がホラー構造の神々に翻弄されるなら、『SAW』は倫理的ジレンマと観客の欲望に向き合う作品。密室、仕掛け、衝撃の結末…観る者の理性を試す傑作です。
SCREAM(スクリーム)
この映画を一言で表すと?
ホラーの“ルール”を熟知した殺人鬼が巻き起こす、メタ・スラッシャーの金字塔。
どんな話?
若者たちを襲う仮面の殺人鬼。その正体と目的は?登場人物たちは「ホラー映画のルール」に詳しく、それを逆手にとる展開が観客を裏切り続けるサスペンス・ホラー。
ここがおすすめ!
ホラー映画の“決まり事”を利用しつつ、観客の想像力を超えてくる展開は、『キャビン・イン・ザ・ウッズ』と非常に近い構造です。笑いと怖さの絶妙なバランスもポイント!
マザー!(mother!)
この映画を一言で表すと?
聖書と創造と狂気が交錯する、比喩と寓話の極限ホラー。
どんな話?
田舎の屋敷で静かに暮らす夫婦のもとに、次々と訪問者が現れ、やがて家は混沌の渦へ。妻はすべてを“捧げる”存在として苦しみ、観客もまた試されていく…。
ここがおすすめ!
『キャビン・イン・ザ・ウッズ』同様、ストーリーが徐々に“比喩そのもの”へと転化していく作品。物語の中に入り込んだはずが、いつのまにか神話や寓意に飲み込まれている感覚は、まさに異次元。
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