監督の実体験を元にした映画『エス』。注目されていた若手監督の染田が犯罪を犯す。そこから人間関係と仕事を失って、「笑わずに生き続けるべきなのか」という葛藤が描かれている。染田が所属していた劇団時代の仲間たちとの群像劇となっている。2024年1月19日(金)からアップリンク吉祥寺にて公開される。
映画『エス』の作品情報
出典:https://s-eiga.com/
- タイトル
- エス
- 原題
- なし
- 製作年
- 2023年
- 日本公開日
- 2024年1月19日(金)
- 上映時間
- 110分
- ジャンル
- ドラマ
- 監督
- 太田真博
- 脚本
- 太田真博
- 製作
- 株式会社上原商店
- 製作総指揮
- 上原拓治
- キャスト
- 松下倖子
青野竜平
後藤龍馬
安部康二郎
向有美
はしもとめい - 製作国
- 日本
- 配給
- 株式会社上原商店
映画『エス』の作品概要
脚本・監督、太田真博の自身の経験を元にした『エス』。
太田は2011年、不正アクセス禁止違反容疑で逮捕された。彼は「演劇的手法が大胆」「独自の会話劇」「新進気鋭の監督」として注目を集めていた時だった。その前年には国際的な映画祭でグランプリを受賞し、まさにメジャーな舞台での活躍が期待されていた時期だった。
そこから犯罪で失ってしまったものや、二度と笑わずに生き続けるべきなのかという葛藤が描かれている。
映画『エス』の予告動画
映画『エス』の登場人物(キャスト)
- 千穂(松下倖子)
- 染田が好きだったが、別の男性と結婚した。
- 高野(青野竜平)
- 染田の新作映画に主演する予定だった俳優。
- 鈴村(後藤龍馬)
- 自称”染田と仲が良い”染田の先輩。
映画『エス』のあらすじ(ネタバレなし)
出典:https://s-eiga.com/
若手映画監督の染田は、若手として注目を浴びながら犯罪を犯して逮捕された。
彼の大学時代の演劇仲間たちは、嘆願書を書くために久々に集まっていた。他には染田の新作映画に出る予定だった崖っぷち俳優の高野、染田との絆が最も深いと勝手に思い込んでいる先輩の鈴村、染田への思いを抱えたまま別の男性と結婚したばかりの千穂も集まった。彼らは、染田を支えたいという同じ思いがあった。
染田は映画監督としての未来と、これまで築いてきた人間関係の多くを失った状況で、どのようにして立ち向かっていくのか…。
映画『エス』のコメント
もういい加減こういうのじゃない映画を撮ったんだろうと思って、でもそれがべらぼうに面白かったら、こいつ全然反省してねーなとか思っちゃうのかな、とか思いながら観たら、やっぱりこういうのか!と、その瞬間から私は、登場人物の一人になった。
1つの出来事を何年も見つめ続けた奴にしか描けないと思う。登場人物は紛れもなくそこに居て、作劇を忘れる。嘘がない。誠実だ。・・・でもそれも、本当に? と疑わしさを漂わすあたりがまた「ちょっと気持ち悪い」エスの作品である。 中村義洋(映画監督)
太田真博は人間を好きすぎる。彼の映画はいつも問いかけてくる。あなたにとって人間とはなんなのか。あなたは人間と何を話し、何を分かち合おうとしているのか。
この「エス」もそうだ。彼の作品独特の、ふざけ合う会話が問いかけてくる。あなたは誰の友達で、誰の他人なのか。考えているうちに映画は終わる。
あんなに難しい問いだったのに、あの独特な会話の中に入ってもう一度考えたいと思っている自分に気づく。 大野敏哉(脚本家)
友人とのスタンスを見失った登場人物たちが、自分の気持ちを探して喋り続ける。
ムダ話の語彙力高めなのに、その力を本題では発揮できないという皮肉に笑い、空回りし続けた先に生まれた熱風に、巻き込まれて泣いてしまった。 高橋泉(脚本家)
膨大な台詞量に圧倒されました。
犯罪を犯してしまった男が所属していた劇団時代の仲間たちの群像劇。仲間たちが、その男を軸に、くりひろげる一見、意味のないような無駄話も、彼らの過ごしてきた空気、時間が垣間見え、映画を支えてる。
人の弱さ、あやうさ、立場、後悔の念、意思、それぞれの感情や行動が、リアルにせまってきて、自分は、この中の誰かかもしれない。そう自問自答した。
友人が捕まったとき、果たして自分は、、、
映画冒頭からぐいぐいと迫ってきて、気付けばエンドロールが。。。没入しました。 前田和紀(映画プロデューサー)
太田監督の持ち味は、すべての役者の機微を的確に撮る事で、まるでその場にいるような臨場感を映画に宿すところにある。
それぞれの本音が伝わるようなこの感覚は何だろうか。
自ら招いた過ちの顛末や周りの人たちと向き合い、過ごした日々がこの映画には映されているのだろう。前に進むためには撮らなくてはいけない映画なのだと。
太田監督にしか描けない境地を是非見てほしい。 有元真一(福井映画祭実行委員会 事務局長)
映画『エス』のまとめ
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監督の実体験を元にした映画『エス』が、2024年1月19日(金)からアップリンク吉祥寺で公開される。
監督太田が不正アクセス禁止違反容疑で逮捕された時に失った人間関係や仕事、「笑わずに生き続けるべきなのか」という葛藤が描かれている。
注目を集めていた若手監督、染田が犯罪を犯す。彼が所属していた演劇の仲間たちや、染田の新作映画に出演予定の崖っぷち俳優、染田の先輩、染田に想いを寄せながらも別の男性と結婚した千穂の群像劇。
劇団に残された仲間たちが、想像や思い込み、妄想を交えながら会話を繰り広げる。人との繋がりを求めながらも傷つけ合う、人間の脆さが感じられる作品である。
以上、映画『エス』のあらすじと作品概要について紹介しました。
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