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映画『ソリス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ソリス』の概要:小惑星アテン2024にて資源採掘を行っていた際、ガス爆発が発生。工学技術者であった主人公はたった1人命からがら脱出したが、緊急避難船も爆発の被害にて制御不能となっていた。船が太陽へと進む中、主人公は生き残る術を模索し足掻き続ける。

映画『ソリス』の作品情報

ソリス

製作年:2018年
上映時間:92分
ジャンル:SF、アクション、アドベンチャー
監督:カール・ストラシー
キャスト:スティーヴン・オッグ、アリス・ロウ etc

映画『ソリス』の登場人物(キャスト)

トロイ・ホロウェイ(スティーヴン・オッグ)
オービス社の資源採掘員及び工学技術者。アテン2024の採掘現場にて保全作業を担当していた。カペラ2号にて脱出し唯一の生存者となる。絶望しながらも、ロバーツ船長に励まされ生き残ろうと足掻く。
ロバーツ船長(アリス・ロウ)
ハトル18号のクルーであったが、船長が事故にて死亡したため、船長代理となる。トロイの生存を確認し、的確な指示をして生き延びる方法を模索。基地の管制室との通信を復活させ、トロイの妻と連絡が取れるよう手配していた。
リズ・ホロウェイ(ケイト・クーガン)
トロイの妻。トロイのとの間に男の子を儲け育てている。地球にて夫の帰りを待っている。通信回復にて夫へと声をかけ、生きる希望を与える。

映画『ソリス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ソリス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ソリス』のあらすじ【起】

小惑星アテン2024の資源採掘現場にてガス爆発事故が発生。命からがら緊急避難船カペラ2号で脱出したオービス社採掘員のトロイ・ホロウェイだったが、爆発の衝撃により宇宙船は大破。避難船も被害に遭い自己診断システムもPSIも救出要請ビーコンも故障し制御不能状態であった。幸い通信機器も兼ねたスタッドバンドが使えそうであったため、救出要請のビーコンを起動させた。

すると、彼らを支援していたハトル18号のロバーツ船長から応答がある。トロイは事故の経緯と状況報告を行った。カペラ2号は現在、制御不能で漂流している。使える機能は通信システムと冷却装置、生命維持システムだけで生存者もトロイ1人だけであった。修理するにしても残された僅かな電力だけでは何もできない。

ロバーツ船長はトロイの健康状態をチェック。ハトル18号には船長を含めクルーが4人しかおらず、アテン2024で発生した爆発によって飛来した欠片が通信器を直撃。本来、いたはずの船長がそちらへ修理に向かってしまったため、残されたロバーツは船長代理としてトロイとの通信を行っていた。ロバーツ船長はトロイのスタッドバンドのビーコンを検出、位置を特定したが、カペラ2号が太陽へと向かっていることが判明してしまう。

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映画『ソリス』のあらすじ【承】

カペラ2号の状態を把握したロバーツ船長。残り時間が70分ほどしかないだろうと即座に計算し、救出へ向かうことを決断。ハトル18号の現在位置から救出へ向かったとして、時間は75分。5分の誤差はあるものの、ロバーツ船長はギリギリ間に合うと考えている様子だった。

しばらくして、カペラ2号の室温がマイナス10度以下を示す。極寒の室内と太陽熱との温度差により窓にヒビが入る。ロバーツ船長からは冷却装置を停止し装備されている宇宙服を着用しろと命令されたが、トロイはなかなか動こうとはしない。彼はしきりに基地の管制室と連絡を取りたがっていたが、管制室との通信が回復するまでは生き延びなければ意味がない。トロイは仕方なく命令に従うことにした。

操舵室から移動して冷却装置の停止を行う。ところがその時、宇宙を浮遊する隕石の欠片群がカペラ2号を襲う。衝撃の中、トロイは手に酷い傷を負いながら冷却装置を停止させた。操舵室へ戻り状況を確認。衝撃により胸部に小さな金属片が突き刺さっている。トロイはどうにか傷の手当てを行ったが、そこへ更に大きな隕石の欠片が直撃。カペラ2号は衝撃により進行スピードを速めた上、1分間に70回転するというトラブルに見舞われてしまう。

トロイは遠心力による加重に耐えつつ、どうにか改善策を見出すも反対側から進行していた隕石の欠片と衝突。これが運良く回転を止め、進行スピードも抑えてくれるのだった。

映画『ソリス』のあらすじ【転】

衝撃に次ぐ衝撃にて意識を失っていたトロイ。どうにか命拾いしロバーツ船長へも生存報告をした。現時点での予測では、カペラ2号は約40分で燃え尽きるらしい。隕石群が直撃したことで酸素タンクに不備が発生し、残りの酸素も減っている。予備を含めても30分しかもたない。ハトル18号が合流できる時間は約35分後。今の気圧を保ち、宇宙服を着用後にカペラ2号から飛び出せば助かる可能性がある。だが、太陽熱にて窓のヒビが進んでいる。管制室との通信回復には、合流時間と同じくらいの時間がかかるとのことだった。

トロイは死を覚悟し妻リズと連絡を取りたいと望んだが、難しいかもしれない。しかしその時、カペラ2号内に不気味な音が響く。様子を窺ったトロイだったが、突如船内に激しい衝撃が発生。彼は急いで宇宙服を着用し、難から逃れた。

どうやら再び、隕石の欠片とぶつかったようだ。そのせいでカペラ2号は破損し、酸素も二酸化炭素も窒素もすべて船外へと吐き出されてしまった。更にシステムがロックして酸素の供給が止まったらしく、手動では解除できないらしい。宇宙服の残存機能ではとても救出までの時間を耐えることができないため、外に出て修理し船内の気圧を下げるしか生き延びる方法がない。だが、命綱もない状況で船外へ出るにはあまりに危険。更に太陽に近づいている今、太陽光に晒されたら数分で死に至る。どちらにしろ、助かる見込みはほとんどない。

トロイはロバーツ船長に引き返すよう頼んだが、ロバーツ曰くトロイ救出は会社の意向でもあるらしい。唯一の生存者がいるのといないのとでは、会社の未来が大きく変わる。だが、ロバーツはそれだけで助けに行くわけではないと言い募った。
死を目前にしたトロイは、ロバーツ船長との通信をしばらく絶つと告げる。船内には相変わらず不気味な音が響いていた。ふと、彼は開発サンプルの電磁石グリップの存在を思い出す。トロイはそれを両手に装着し、船外での修理を行うことにした。

映画『ソリス』の結末・ラスト(ネタバレ)

回転の分析とガイドをロバーツに頼み、いざ船外へ。太陽のせいで体調にも異変が発生する中、太陽光を避けつつ日陰での作業を続ける。宇宙服の酸素も残り少なく、通信にも弊害が出る。小惑星の爆発による破片群も迫っていた。必死に修理を続けるトロイだったが、破片が宇宙服を傷つけ酸素の減りが早まる。太陽光が彼を照らす中、作業が終了。トロイは急いで船内へ戻ろうとしたが、酸素不足により意識が朦朧としてくる。彼はどうにか船内へ戻り酸素供給の接続を行う。一瞬、意識が途切れたものの接続は完了し、船内の気圧も戻った。

太陽が近づいている。ここまできてとうとう、偏光パネルが故障。トロイは窓から差し込んだ太陽光を目にしてしまい、両目を焼かれてしまう。ハトル18号がようやくカペラ2号を捕捉。ロバーツはどうにか間に合ったのだ。ハトル18号は巨大な偏光システムを保持している。ロバーツ船長は必死にトロイを励まし続けた。トロイは助かる可能性を見出し、正面で待つハトル18号を通じて管制室と連絡を取ることができた。

リズの声を耳にしたトロイは脱出する決意を固める。途端、カペラ2号の窓が粉々に割れる。家に帰ると告げた彼の意識は、そこで途切れるのだった。

映画『ソリス』の感想・評価・レビュー

全編、唯一生き残った主人公のみが出続けるという一人芝居的な作品。だが、今作はNASAの技術者と天文物理学者がスペシャルサンクスにクレジットされていることから、非常に説得力がありリアルを追求して制作されている。

主人公の隣には同僚の遺体がいるだけで、他には声しか出演しない。切羽詰まった状況で生存確率も低い中、主人公は絶望し妻と連絡を取ることをしきりに求める。不安を解消したいが故の発言なのだろうと思う。SF映画というと派手な演出をイメージしてしまうが、今作は意外と地味。地味ながらもリアルなので、やや退屈する箇所もあるが、緊迫感は凄まじくハラハラする場面も多い。そんな意欲的な作品。(MIHOシネマ編集部)


登場人物が1人だけの今作。宇宙空間で遭難してしまい、交信が途絶えてしまったという展開は最悪すぎますよね。しかも、機体は太陽に向かっていて、乗っているのは自分一人。孤独すぎて精神的に参ってしまいそうです。
始まりは面白そうな雰囲気だったのに、物語が進むにつれてかなりヤバい展開になってきて、最終的にはまさかの丸投げ。
観客に期待させておいて、見終わった時に何も残らない作品ってそうはありませんよね。ある意味貴重な作品なので、興味があるマニアックな方は鑑賞してみてください。(女性 30代)

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