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映画『サウンド・オブ・サイレンス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『サウンド・オブ・サイレンス』の概要:感謝祭を翌日に控えたNY。精神科医のネイサンは元同僚のルイスに「緊急」だと呼び出され、統合失調症を抱えた少女・エリザベスの診断を頼まれる。彼女には深い秘密があり、そしてそれを「誰にも教えない」と言うが、その言葉が意味するものは果たして……。

映画『サウンド・オブ・サイレンス』の作品情報

サウンド・オブ・サイレンス

製作年:2001年
上映時間:114分
ジャンル:サスペンス
監督:ゲイリー・フレダー
キャスト:マイケル・ダグラス、ショーン・ビーン、ブリタニー・マーフィ、スカイ・マッコール・バートシアク etc

映画『サウンド・オブ・サイレンス』の登場人物(キャスト)

ネイサン・コンラッド(マイケル・ダグラス)
裕福層専門の精神科医。ある日、元同僚のルイスに重度の統合失調症や多重人格等の精神疾患を患う少女・エリザベスを観て欲しいと頼まれる。初めは拒否したものの、彼女と接したことで妻と娘が事件に巻き込まれてしまうこととなる。
パトリック・バリー・コスター(ショーン・ビーン)
強盗団のリーダーで、10年前に1000万の価値があるダイアを銀行から盗み出すが仲間の裏切りにより偽物にすり替えられる。以降、ダイアを探し、その秘密の鍵を握るエリザベスから情報を得ようとする。
エリザベス・バロウズ(ブリタニー・マーフィ)
重度の統合失調症、他精神の病を多く抱えた少女。面談したネイサンに「秘密は教えてあげない」と意味深な言葉を残し、それが重要なキーワードとなってくる。
ジェシー・コンラッド(スカイ・マッコール・バートシアク)
ネイサンの愛娘。パトリック一味に誘拐されてしまうが、父に似て頭の回転は良く、囚われの身ながらあれこれと機転を利かした方法で危機を乗り越えようとする、強い意志を持つ。
アギー・コンラッド(ファムケ・ヤンセン)
ネイサンの妻。片足を怪我しており、今はベッドに寝た切りの状態。
サンドラ・キャシディ(ジェニファー・エスポジート)
殺人課の女刑事。立て続けに起きる水死体の事件について追う内、パトリック一味の企みと結びつくことになる。
ルイス・サックス(オリヴァー・プラット)
ネイサンの元同僚の医師で、自分よりも優れているからという理由でエリザベスの診断を彼に任せる。ある意味、ネイサンを巻き込んだといっても過言ではない人物。

映画『サウンド・オブ・サイレンス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サウンド・オブ・サイレンス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サウンド・オブ・サイレンス』のあらすじ【起】

突如銀行に押し入った強盗団。それは5人の男達。男の内の1人、パトリックは金庫から赤いダイアを盗み出し、仲間達と分かれ逃走し、乗ってきた車を爆発させた。それから、パトリックはダイアを確認するが、それは偽物とすり替えられていたことに気付いた。

事件から10年後、感謝祭の前日。裕福な患者専門の精神科医ネイサンは、元同僚であるルイスから「緊急」とのお達しで病院に呼び出される。聞くところによると、金持ちの娘ではないが、その少女が男性看護師を切りつけ111針も縫う事態になったらしい。少女は8歳の頃に父が地下鉄で轢き殺されるのを目にしてから、心的外傷により何年も入退院を繰り返し、複数の精神疾患を患っていた。少女は現在18歳で、医師として優れたネイサンに頼るより他ないのだという。ネイサンは妻・アビーと、娘・ジェシーと感謝祭を祝うつもりだったため、何故今でないといけないのかと拒むのだが、今晩でないと少女は施設へ送られ一生出てこられなくなるそうだ。結局、5分だけで良いからと少女に会うことになるネイサン。

少女の名はエリザベス。もう何日も、眠らず食べずの生活を続けている。エリザベスと面会するが何も語ることのない彼女に、ネイサンは部屋を去ろうとする。すると、エリザベスが突然「狙いは奴らと同じ」と意味深な言葉を吐く。どういうことなのかネイサンが尋ねても「言うもんですか、誰にも絶対に」と、そこから先は何も言わない。同時期、付近の川では水死体が連続して上がっていた。その時に見つかったのはまだ若い女性・サラの遺体であった。そして、女刑事・キャシディがこの事件を担当することとなる。

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映画『サウンド・オブ・サイレンス』のあらすじ【承】

そして、翌日の感謝祭の日。ジェシーの姿がどこにも見当たらない。前の晩、あんなにも感謝祭のパレードを楽しみにして筈だが――家中探すと、ドアチェーンが切られており、マンションの廊下にジェシーの靴下が片方だけ落ちていた。警察に電話しようとすると、回線がジャックされており例のパトリックが電話に応じてきた。ジェシーは彼らに誘拐されており、パトリックは警察や誰にも話さないことを前提に、ある要件を突きつける。それはパトリックが昨晩診た少女、エリザベスのことだった。エリザベスはある6桁の数字を記憶しており、それを夕方の5時までに聞き出せというものだった。そして、その数字が何なのかは教えてくれない。ネイサンは足を怪我して動けないアギーを残し、メモを残し病院へと急ぐ。

病院に着くなり、ネイサンはエリザベスのカルテを調べる。エリザベスは統合失調症を演じており、そのせいで医者は診断に混乱しているとネイサンは推測する。しかし、心的外傷は本物であり、それは父の死と何かに狙われていると思い込んでいることから来るものだろうとルイスに話す。10年間、施設に入っていたのは外に出て誰かに捕まるのを恐れているからに違いない、と決断を下す。

誰にも頼ることもできず、犯人グループから常に監視の目が置かれたネイサンは、再びエリザベスと対峙する。娘の玩具を差し出しながら彼女との距離を縮めることを試みる。エリザベスはサリーという名の人形を気に入り、手にする。そして、何とかその数字を聞き出そうとするが、結局エリザベスがヒステリーを起こし聞けずじまいに終わる。

一方、水死体の事件について追っていたキャシディは死体の身元に関する情報を得る。その素性は、前科のある男であった。男の正体は冒頭で銀行を襲ったうちの1人である。キャシディは、強盗団の生き残りとサラの遺体について捜査を続ける。

映画『サウンド・オブ・サイレンス』のあらすじ【転】

ネイサンは再度、エリザベスとの接触を図る。そして、ジェシーが誘拐されていることを打ち明け、エリザベスの力が必要であることも話す。ネイサンはエリザベスに、過去の自分を思い出し、向かい合うことを説得する。そして、彼女の父親が死んだ時のことも恐れずに思い出すよう話す。彼女の知る番号とは、電話番号なのか、住所なのか、登録番号なのか、暗号か、場所なのか――問い詰めるネイサンにも、全て違う、と否定するエリザベス。エリザベスは再び情緒を取り乱し、「パパを虐めないで」とネイサンに飛び掛かる。やがて、彼女は「私、怖いの」と涙を浮かべ、ネイサンはそんなエリザベスを抱き締める。

エリザベスがあと少しで数字に関する事柄と父との最後の記憶を思い出せる手前まで来た時、実はルイスも愛人をパトリック達に人質に取られていたことが判明する。そして、結果としてネイサンを巻き込む形になってしまったのだった。そこへ、例の水死体事件を追うキャシディ刑事が姿を見せる。キャシディはルイスにサラの女性の写真を見せ、彼女がこの病院の研修医であり、ルイスの直属の部下だったことを問い詰める。しかし、彼も動向を見張られているゆえ白を切るしかない。キャシディはルイスが1週間前にサラとデートしていたことを知っており、更に彼女はもう死んでいることを告げる。絶望するルイスにキャシディは強盗団の写真を見せ、サラと繋がりがある人物はどれなのか問い詰める。

アビーとジェシーに危機が迫る中、ネイサンはエリザベスを連れ、父を亡くした時の記憶を辿るよう、その場所へと向かう。その時、父は誰かに追われていた――エリザベスの手を引き、地下鉄へと入る。当時のトラウマに怯えながらも、ネイサンに手を轢かれながら地下鉄へと降りて行くエリザベス。歩きながら、父とパトリック達から必死に逃げたことを思い出していき、エリザベスは人形と共に身を隠すよう言われる。柱の影から、父がパトリック達と口論している姿を見る。パトリックらは父を蹴りながら「どこだ、どこだ、どこにある!」と何度も繰り返したと言う。やがて、エリザベスの父は地下鉄に突き落とされた。誰からも助けられないままに――そして、ネイサンはパトリック達が何を狙っていたのか問う。それは、エリザベスが持っていた人形だった。人形の中に、例のダイアが隠してあったのだ。そして、エリザベスの回想の末に墓地へと発つ。同時にパトリック達も墓地へと向かう。

映画『サウンド・オブ・サイレンス』の結末・ラスト(ネタバレ)

ネイサンが墓地に着くと、パトリック達も到着していた。そして、数字を聞き出すパトリック。エリザベスはおもむろに硝子の破片に、埃の上から数字を書き記した。数字の正体は、墓に記されていた番号であった。パトリック達はその番号の続きを知りたがっていたのだ。

やがて、エリザベスは少しずつ情景を思い出し、番号の続きを書き始める。続く番号は棺の番号であった。そして、棺の中に父の遺体と共に人形を入れて貰ったらしい。数字を知ったパトリックは棺の場所を探し、蓋を開くが人形は入っていなかった。激怒したパトリックは騙されたと思いエリザベスを殺そうとするが、ネイサンは彼女の数字が逆だったのではないかと言う。何故なら彼女は硝子に数字を右から左から書いていた、彼の言うよう鏡に映したよう反転文字になっていた。それを聞き、もう1度だけチャンスを与えるパトリック。一方、ルイスを通じ真相に辿り着いたキャシディも応援を要請し墓地へと向かっていた。

再びその番号の棺を開くと、棺の中にはぼろぼろの人形が入っていた。そして、人形の中には目的のダイアが入っていたが、パトリックはネイサンの始末を言いつける。そこへキャシディが辿り着くが、パトリックと撃ち合いになりキャシディは被弾し倒れる。その隙にネイサンはパトリックに奇襲をかけ、銃を奪い形勢逆転する。ネイサンはパトリックに銃を向けながら、このダイアのためだけに人生を賭ける価値はあったのかと問いただす。パトリックは「俺の10年間だ。その価値はあった」と不敵に笑い、ネイサンは「なら拾ってこい」と、そのダイアを谷底へ放り投げ、パトリックを突き落とす。更にはクレーンを操作しロックを外し、崩壊して迫ってくる土に押し潰される。皮肉にも、その姿は列車に追われ逃げ続けたエリザベスの父の最期とよく似ていた。

ジェシーは無事解放され、その場へやってきたアビーと再会し、ネイサン一家は抱擁する。一方、撃たれたキャシディも負傷しながら一命を取り留めており無事であった。そして、エリザベスも無事に保護され、ジェシーの命を救った恩人として彼女の手を握り締めるのであった。

映画『サウンド・オブ・サイレンス』の感想・評価・レビュー

月並みな感想であるが、主演のマイケル・ダグラス含め出演陣が豪華なのが凄い。そして、何より悪役を演じさせたら右に出る者はいないショーン・ビーンの存在感と、若い頃のブリタニー・マーフィの病んだ薄幸な雰囲気も良い。若くして亡くなってしまったのが勿体ない女優だ。十分楽しめる作品なのだが、主人公・ネイサンは精神科医という設定を活かして、もっと敵側を心理戦で煽るとか、知的な方法で追い詰めたりする展開等も見たかったかも……。(MIHOシネマ編集部)


本作は、精神科医のネイサンが統合失調症患者の少女エリザベスの秘密に迫る、A・クラヴァンの『秘密の友人』原作のサスペンス作品。
ネイサンの娘が誘拐されて、いくつもの事件や家族まで巻き込まれていく臨場感にハラハラした。
少女2人の演技が素晴らしく、序盤から一気に引き込まれてとても良かった。
しかし、2人とも若くして亡くなられているのには驚いた。
細かい設定が時折引っかかるが、気にしなければ楽しめる観やすい作品だと思う。(女性 20代)


精神科医の役はマイケル・ダグラスでも出来そうだけど、精神病患者の振りをする女性はブリタニー・マーフィーによく合っている役だと思いました。マイケルが診察の時以外は精神科医らしさがあまりなかったのがこの作品の残念なところです。
ストーリーがしっかりしていて、サスペンス要素も満載です。分かりにくいところはないですが、あまり捻った内容でもないので出演者が豪華な割に印象に残りにくい映画です。(女性 30代)


マイケル・ダグラスが大好きな私。最近はイケメンで女好きなおじいちゃんの役だったり、明るめな作品に登場することも多いですが、若い頃から彼はシリアスな演技も、時には悪役もこなす素晴らしい役者だと思います。今作で演じた精神科医がとても良かったです。エリザベスの変化や謎に寄り添い、突き止めていく展開はハラハラドキドキしながら見ることが出来ました。
ショーン・ビーンは頭はキレるのになんだか上手くいかない傲慢な悪役が本当に似合います。(女性 30代)


精神疾患で入院中の少女からある重要な数字を聞き出すために、担当医師の子どもを誘拐し脅迫するサスペンス。子どもが重要な内容を知っていて、誘拐されるストーリーは良くありますが、ターゲットが医者という設定はあまり見たことがなかったので新鮮でした。数字に隠された意味が終盤になってわかってきます。どれだけ重要な数字なのかと思いきや、思いのほか探し求めていたものの価値が理解できず弱い感じがしました。
ラストで、誘拐された女の子と、父親を亡くした少女が手をつなぐシーンが印象的でした。(女性 40代)

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