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映画『すばらしき世界(2020)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『すばらしき世界(2020)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『すばらしき世界(2020)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『すばらしき世界(2020)』の結末までのストーリー
  • 『すばらしき世界(2020)』を見た感想・レビュー
  • 『すばらしき世界(2020)』を見た人におすすめの映画5選

映画『すばらしき世界(2020)』の作品情報


出典:https://www.fashion-press.net/news/62363

製作年 2020年
上映時間 126分
ジャンル ドラマ
監督 西川美和
キャスト 役所広司
仲野太賀
六角精児
製作国 日本

映画『すばらしき世界(2020)』の登場人物(キャスト)

三上正夫(役所広司)
元殺人犯。普段は温厚だが、短気で怒りっぽい一面もある。高血圧・心筋梗塞の持病があり、薬を服用している。
津乃田龍太郎(仲野太賀)
TVディレクター。初めは三上を元殺人犯として警戒していたが、徐々に三上の前向きに頑張っている姿に影響される。
松本良介(六角精児)
スーパーの店長。温厚で優しい性格の持ち主だが、あるときは厳しく三上と接する。
井口久俊(北村有起哉)
ケースワーカー。専門的な職務を活かしながら、積極的に三上を支える存在。
下稲葉明雅(白竜)
下稲葉組の組長。三上が収監されている間に、糖尿病が原因で両足が切断されている。
吉澤遥(長澤まさみ)
TVプロデューサー。津乃田の上司。自身の番組のことしか考えず、「元殺人犯」という肩書きをもつ三上を、都合よく利用しようとする。
西尾久美子(安田成美)
三上の元妻。三上が殺人を犯すところを目の前で見ており、三上に下された判決が納得できていない。
庄司勉(橋爪功)
弁護士で三上の身元引受人。妻がいる。持病がある三上を常に気遣い、見守っている。

映画『すばらしき世界(2020)』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『すばらしき世界(2020)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『すばらしき世界(2020)』のあらすじ【起】

元ヤクザの三上正夫は、殺人罪で収監されてから13年後、出所し、身元引受人の庄司夫妻に迎えられる。その頃、TV プロデューサーの吉澤は「前科者の社会復帰」をテーマに、三上を取材するよう、部下の津乃田へ依頼した。

三上は生活保護を申請するため役所へ向かうが、対応に腹を立て、持病のせいで倒れてしまう。

入院した三上のもとへ、津乃田が訪ねてくる。三上は母親探しの協力を条件に、取材依頼を受けた。

そして、退院後、アパートで暮らし始めた。三上は働くことに意欲を持っていたが、主治医からは安静を強いられてしまう。

ある日、下の階の住人が騒がしく、怒りを抑えられなくなった三上は苦情を言いに行き、口喧嘩になる。そこで、13年後の世界は、ヤクザに居場所がないことを知る。

公衆電話を使って、仕事先を探す三上に、ケースワーカーの井口が携帯電話を持つことを勧めた。

失効した免許証を更新するため警察署に向かったが、免許を取り直す必要があると言われ、また怒鳴ってしまう。そこで、元妻の存在を思い出し、彼女が住む団地を訪ねた。彼女は再婚し、苗字も変わり、娘がいることを知った。

映画『すばらしき世界(2020)』を無料視聴できる動画配信サービスと方法については、以下の記事をご覧ください。

映画『すばらしき世界』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
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映画『すばらしき世界(2020)』のあらすじ【承】

その日の帰り、スーパーで万引きを疑われた三上は、声を荒げてしまう。勘違いに申し訳なく思った店長の松本は、「免許が取れたら仕事を紹介する」と伝えた。

しかし、三上は教習所に通うお金がなく、一発勝負で運転免許試験を受けたが、不合格になってしまう。

津乃田と吉澤が、三上を焼肉屋へ誘い、そこで仲良くなった3人は、その帰りにヤクザ風の2人組に脅されている会社員を目撃し、三上は喧嘩を売ってしまう。津乃田と吉澤は、その様子を撮影し始める。空き地に移動したあと、脚立を相手に振りかざす三上を見て、津乃田は怖気づき、撮影を止めようとするが、吉澤は撮るように指示する。

後日TV取材してもらうことを松本に報告するが、反対され、三上はまた腹を立ててしまう。そのため、しばらくの間疎遠になった。

その後、三上は、過去の仲間であった下稲葉へ連絡を取る。すぐに下稲葉の家に向かった三上は、ヤクザは今では口座も作れず、子供も幼稚園に入れないといった現実を知る。

そして、近くで釣りをした帰り、下稲葉の家へ戻ると、そこには複数の警察車両があり、入ることはできなかった。

映画『すばらしき世界(2020)』のあらすじ【転】

三上は津乃田と再会し、三上が子供の頃にいた施設へ向かった。しかし、三上がいた頃の書類はすでに廃棄されており、母親のことは結局分からないままであった。しかし、その悲しみや寂しさを乗り越え、前向きに生きようとする三上の姿を見た津乃田は、三上を題材にした小説を描くと宣言し、三上も受け入れた。

前科者であることを受け入れてくれる職場を井口から紹介され、介護施設の見習いとして時給990円で働くことが決まる。

三上は、スーパーに久しぶりに出向き、松本にも報告する。そこで、教習所の費用分をもらい、働いてから返してくればいいと伝えられた。

そして、教習所へ通い、無事に免許を再取得することができた。

三上のアパートでは就職祝いが行われ、津乃田・松本・庄司夫妻から自転車と、ある言葉が贈られた。それは「逃げは負けじゃない」。三上は「あなたたちの顔に泥を塗らない」と宣言し、新しい日々が始まる。

映画『すばらしき世界(2020)』の結末・ラスト(ネタバレ)

職場では、障害者も働いていた。その中の1人は、花を一生懸命植え、虫が好きな男性だった。

ある日、彼が職員にいじめられているところを目撃した。これまでであれば、物で叩きつけ、声を荒げていた三上だったが、必死に耐え、内心申し訳ない気持ちでいながらも、見なかったフリをした。さらに、職員たちが彼の真似をして、彼のことを非難する場に居合わせたが、注意をすることなく、見逃した。

そして、その帰り、三上は何も知らない彼からコスモスを渡され、しっかり受け取った。帰宅途中、元妻から電話がかかってきて、今度娘と一緒に会う約束をすることができた。

三上はアパートに着き、大雨の中洗濯物を取り込んでいる途中、心臓に痛みが走り、倒れてしまう。その手には彼からもらったコスモスがあった。

三上が亡くなったことを聞いた津乃田は、三上のアパートへ駆けつけた。そこには、同じく連絡を受けたであろう庄司夫妻と松本、そして三上を発見した井口、警察官らがいた。

ようやく普通の幸せを感じられるようになった三上は、帰らぬ人となった。

映画『すばらしき世界(2020)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

元殺人犯・三上を演じる役所広司の圧倒的な存在感に心を持っていかれた。社会に戻ったものの、まっとうに生きようとしても過去と偏見が常に彼の行く手を阻む。その中で、田村夫婦やスタッフたちが少しずつ三上を理解していく過程が温かい。特に自分の母親を探す三上の姿は痛々しくも切実で、人としての尊厳を求めているのが伝わる。最後、彼が涙をこらえながら「俺は普通に生きたいんだ」と叫ぶシーンは胸に刺さった。(20代 男性)


観終わった後、しばらく動けないほど心に残る作品だった。三上が怒りを抑えられずトラブルを起こす場面は、彼の“人としての不器用さ”と“社会の不寛容さ”がぶつかり合う象徴のように感じた。田村夫妻との関係が深まるにつれ、三上が少しずつ変わっていくのが嬉しく、特に田村(仲野太賀)が本気で彼を守ろうとする姿に涙が出た。ラストの静かな道を歩く三上の背中には希望と不安が同居していて、深い余韻を残す。(30代 女性)


役所広司の演技がとにかく圧巻。刑務所帰りの男を“怖い”ではなく“人間”として描いている点が素晴らしい。三上が常に怒りと不安の間で揺れている様子が痛々しく、自分の人生を取り戻そうと必死に足掻く姿に胸が締めつけられた。田村夫妻とのやり取りも温かく、特に妻・子育への感謝を語るシーンは涙が滲んだ。結末は希望もあるが、社会の厳しさが消えないリアルな余韻を残している。(40代 男性)


最初は暴力的で関わりづらい人物に見えた三上が、物語が進むにつれて“ただ愛されたいだけの不器用な男”に見えてくるのが、この作品の魅力だと思う。母親を探す旅は切なく、結局会えなかったという事実が余計に三上の孤独を際立たせる。最後に見せる涙も、ようやく自分の感情を受け止められたようで胸が熱くなった。人間という存在の複雑さを丁寧に描く名作。(50代 女性)


三上の怒りの爆発は恐ろしくもあり、同時に“どうしようもないほど純粋”にも見えた。彼が社会に適応できずに苦しむ様子は、過去の罪だけでなく環境が彼を追い詰めていることを示している。田村が“彼を人として扱おう”とする真っ直ぐさに救われ、夫婦の優しさが物語の唯一の光だった。未来が明るいとは言えないが、ラストの三上の目には確かに希望が宿っていた。(20代 女性)


非常にリアリティのある作品で、再犯率の問題や社会復帰の難しさが強く伝わってきた。三上が怒りを抑えられずに暴走してしまうのも“悪人だから”ではなく、人が生きるための必死の反応として描かれている。母親探しのエピソードは痛切で、受け入れてもらえない現実があまりにも残酷。彼がそれでも前を向こうとする姿は、哀しさと強さを同時に感じさせる。(40代 女性)


田村夫妻と三上の関係性が本当に良かった。特に田村が、仕事としてではなく“友として”三上と向き合い始める瞬間に胸を掴まれた。三上の「普通に生きたい」という願いはあまりにもシンプルなのに、それすら叶わない現実がつらい。母親に会えなかったシーンは涙が止まらなかった。社会の光と影をまっすぐ描いた素晴らしい映画。(30代 男性)


“人は変われるのか”というテーマを真正面から扱いながらも、希望だけでなく苦さも残すバランスが見事。三上の怒りや戸惑いは決して誇張されたものではなく、過去に囚われた人の現実として刺さる。そこに田村夫妻の優しさが加わることで物語に温度が生まれる。ラストの三上の表情は曖昧だが、そこにこそ人間らしさがあると感じた。(60代 男性)


母親探しのくだりがとにかく切なかった。三上が唯一の家族に受け入れてもらえず、ただ“息子として存在したかった”という願いが崩れていく場面は胸が痛む。田村夫妻との関係が深まり、ようやく他者とつながる道が見えてきたところで映画が幕を閉じるのが余韻深い。三上の人生は厳しいが、その一歩に確かな重みがあった。(50代 男性)


この映画は“罪を償い、社会に戻った後の物語”という点が非常に新鮮だった。三上の暴力性は消えないが、それは彼の本質ではなく、環境によって作られた生き方の癖に過ぎないと感じさせる。田村夫妻が彼を人として尊重していく変化が美しく、三上が初めて心を開いた瞬間には涙した。社会の厳しさと、そこにある微かな希望を丁寧に描いた名作。(30代 女性)

映画『すばらしき世界(2020)』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『すばらしき世界(2020)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

万引き家族

この映画を一言で表すと?

“血のつながりを超えた家族の痛みと温もりを描く、心に残る社会派ドラマ。”

どんな話?

貧困の中で生きる一家が万引きをしながら慎ましく暮らしている。ある夜、虐待されている少女を保護するが、その選択が家族の“秘密”を少しずつ炙り出していく。貧困や孤立、社会の冷たさを背景に、人がつながろうとする力を描いた作品で、観る者の価値観を揺さぶる。

ここがおすすめ!

『すばらしき世界』と同様、“社会の隙間で生きる人々”に寄り添った視点が魅力。登場人物の弱さも強さも肯定するような優しい眼差しが光り、観終わったあとに深い余韻が残る。家族の形とは何か、生きるとは何かを静かに問いかけてくる必見の一本。

息もできない

この映画を一言で表すと?

“暴力の中に埋もれた、人間のかすかな希望を照らす傑作ドラマ。”

どんな話?

借金の取り立てを生業とし暴力に染まった男サンフンが、家庭に問題を抱える女子高生ヨニと出会う。二人は互いの傷に触れながら、少しずつ心を開いていく。しかし、暴力に支配された世界は簡単に彼らを許さない。生々しくも切実な人間ドラマが展開する。

ここがおすすめ!

三上と同じく“どうしようもなさ”を抱えた主人公が、人とのつながりによって救いを見出そうとする構図が胸を打つ。暴力的な描写の奥に確かな温もりがあり、感情を揺さぶる力が圧倒的。『すばらしき世界』の“人間の複雑さ”に惹かれた観客にぴったり。

トレーニング デイ

この映画を一言で表すと?

“善悪の境界が揺らぐ、一日で人生が変わるクライムドラマ。”

どんな話?

新人警官ジェイクは、伝説的刑事ホイトの一日同行研修に参加する。しかし、ホイトの捜査は違法スレスレどころか犯罪そのもので、ジェイクは正義と悪の狭間で翻弄されていく。濃密な24時間の中で、二人の価値観がぶつかり合う緊張感ある物語。

ここがおすすめ!

“社会の裏側で生きる男たちの道徳観”というテーマが『すばらしき世界』と通じる。善悪を単純に分けず、人物の内面を深堀りするドラマ性が強く、重い余韻が残る。圧巻の演技と緊迫感に満ちた展開で、観る者をぐいと引き込む。

トウキョウソナタ

この映画を一言で表すと?

“普通の家族が少しずつ壊れていく過程を静かに、鋭く切り取ったドラマ。”

どんな話?

リストラされた父を中心に、平凡な家族の生活が崩れていく。父の秘密、母の孤独、子どもたちの葛藤が少しずつ明らかになり、家族は互いを理解できずに傷つけ合う。しかし、絶望の底に光るわずかな希望が、物語に柔らかい余韻を残す。

ここがおすすめ!

“普通に生きたいのにうまくいかない人々”を繊細に描く点が『すばらしき世界』と響き合う。大きな事件は起きないが、登場人物が抱える不安と痛みがリアルで胸に刺さる。苦しみの中にも救いがあることを静かに伝える名作。

羊の木

この映画を一言で表すと?

“元受刑者が社会でどう生きるかを描く、静かで鋭い群像サスペンス。”

どんな話?

とある港町に、元殺人犯を含む6人の元受刑者が“社会復帰プログラム”として移住してくる。彼らに向けられる偏見、町の不安、そして彼ら自身の葛藤が複雑に絡み合い、少しずつ緊張が高まっていく。誰かが再び罪を犯すのではないかという不穏さが漂う心理劇。

ここがおすすめ!

『すばらしき世界』と同様、社会に戻った“元加害者”がどう見られ、どう生きるかを真正面から描いているのが魅力。善悪の曖昧さ、人間の弱さと強さが丁寧に表現されており、重いテーマを扱いながらも見応えが抜群。深い余韻を残す一本。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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