この記事では、映画『背徳の王宮』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『背徳の王宮』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『背徳の王宮』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0043226
製作年 | 2015年 |
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上映時間 | 130分 |
ジャンル | 官能エンターテインメント 歴史ドラマ |
監督 | ミン・ギュドン |
キャスト | チュ・ジフン キム・ガンウ イム・ジヨン チャ・ジヨン |
製作国 | 韓国 |
映画『背徳の王宮』の登場人物(キャスト)
- ヨンサングン(キム・ガンウ)
- 朝鮮の第10代国王。怒りに任せて権力を振りかざし、圧政を強いている。無慈悲で冷酷な人物。
- イム・スンジェ(チュ・ジフン)
- ヨンサングンに支えている。権力欲があり、ヨンサングンを裏で操ることを画策している。
- ダニ(イム・ジヨン)
- 美女。父は官僚だったが、逆賊として処刑されており、ヨンサングンに強い恨みを抱いている。
- ソル・チュンメ(イ・ユヨン)
- 芸妓の女性。宮廷でのし上がるために裏で手を回したりと計算高い人物。
映画『背徳の王宮』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『背徳の王宮』のあらすじ【起】
第10代国王のヨンサングンが即位してから10年が経った1504年の朝鮮では、重臣のイム・サホンとその息子のイム・スンジェが国王に接見し、ヨンサングンの生母の死について話し始めた。ヨンサングンの生母は、亡き国王の二番目の妻だったが、横暴な性格だったため宮廷から追放され毒殺刑になっていた。
真相を聞いたヨンサングンは激怒し、父の側室だった2名を殺害した。生母を殺した張本人だとして祖母も殺し、その後も生母の追放に関与したものを次々と処刑した。さらに既に死んでいる者も墓を掘り起こして晒し首にし、粛清は200名以上にもなった。
大粛清の後、ヨンサングンは幻覚と不眠に襲われ、精神を病んでいった。スンジェはヨンサングンを裏で操作しようと目論んでおり、ヨンサングンに国中の美女を集めて楽しむことを勧めた。ヨンサングンは、それを聞き入れて国中の美女を集めることを命じた。
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映画『背徳の王宮』のあらすじ【承】
スンジェは訪れた街で美女に出会い、ヨンサングンの理想の女性に違いないと考えたが、女は最下層の身分であったため、スンジェは彼女のもとを去った。スンジェはかつて父を裏切った貴族の娘を差し出すようにと言ったが、その娘と先ほどの美女が入れ替わっており、スンジェは身分が低い美女を貴族の娘ジョンファとして宮廷へ連れ帰った。
国中から集められた女性の中には、ヨンサングンの寵姫が送り込んだ芸妓チュンメもいた。集められた女性は様々な教育を受けたが、頭角を現したのはジョンファとチュンメだった。ヨンサングンは政治をほったらかし二人にのめり込んでいった。
少しして、スンジェはジョンファの正体がかつて逆賊として処刑された官僚の娘ダニであることに気づいた。かついてスンジェはダニに恋心を抱いていた。
映画『背徳の王宮』のあらすじ【転】
盛大な宴の最中、ダニはヨンサングンの命を奪うため踊りながら近づいていた。宮廷を見下ろす丘からは、サホンが雇った刺客が弓でヨンサングンを狙っていた。ダニはスンジェによって暗殺に失敗し、刺客もまた失敗し殺害された。
ダニへの想いを再び募らせていたスンジェはダニに無意味な復讐は止めるよう説得した。しかし、ダニには権力力にまみれたスンジェの想いは届かなかった。そして、この二人の会話をチュンメが密かに聞いており、その後ヨンサングンは逆賊の娘である女性たちに自ら父を処刑させた。
女性たちの中から、宮廷に呼ばれる芸妓が選出されることになったが、ジョンファとチュンメは選ばれなかった。チュンメは裏で手を回し、チュンメを選出するように女官に働きかけた。すると、ジョンファとチュンメのどちらかが候補に選ばれることになった。
映画『背徳の王宮』の結末・ラスト(ネタバレ)
ヨンサングンは、ジョンファとチュンメを直接戦わせ、勝者には敗者の首を渡すといった。結果ジョンファが選ばれ、チュンメは命をねらわれたが、スンジェの一言により、ジョンファの下女になることが決まった。
しかし、王宮にはジョンファと入れ替わってチュンメが入った。その時ダニは再度ヨンサングンの暗殺をしようとしていたが、失敗し捕まってしまった。正体がバレてしまい、目の前で亡き父の遺骨を砕かれた。
スンジェはダニを殺すようにめじられたが、ダニを殺したように見せてチュンメにダニを脱出させるよう命じた。スンジェはヨンサングンに刀を向けると、身動きが取れないようにした後大量の豚を入れてヨンサングンを部屋に閉じ込めた。
そして反乱軍が蜂起し、ヨンサングンは王の座を奪われた。1506年、ヨンサングンは流刑になった。ヨンサングンの失脚に貢献した人々は出征した。
映画『背徳の王宮』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
朝鮮王朝時代の歴史を大胆に脚色した本作は、狂気と欲望が渦巻く宮廷の描写が非常に生々しく、映像美も相まって強烈な印象を残しました。特に燕山君の暴君ぶりと、側近イム・スンジェとの共犯関係が物語に深みを与えています。主人公ガヒの復讐劇は予想以上に緻密で、最終的に燕山君を陥れる展開には思わず拍手。大胆な官能描写には驚きましたが、それも権力の腐敗を象徴する重要な演出として機能していました。(20代 男性)
時代劇とエロティシズムが融合した作品として非常に異色ですが、むしろそれが魅力だと感じました。女たちが権力に翻弄されながらも、自らの意志で運命を切り開いていく姿に、女性の強さを見ました。ガヒが燕山君に近づき、最終的に彼を討つ場面は圧巻。暴君の崩壊とともに、支配された女性たちが解放されていく描写にはカタルシスがありました。過激なシーンも多いですが、ただの官能映画とは違う芯のある作品です。(30代 女性)
歴史的背景をベースにしつつも、かなりフィクション性の強い演出で、エンタメとして割り切れば楽しめました。燕山君が絶対的権力を使って宮中を欲望の楽園と化す様子は狂気に満ちており、恐ろしくも目が離せません。ラスト、ガヒの復讐が成功し、燕山君が死を迎えるシーンには一種の達成感すらありました。政治的陰謀と個人的復讐劇が見事に絡み合っていて、ストーリーテリングとしては秀逸。(40代 男性)
個人的には、女性の視点から見るとかなり重たいテーマでした。権力によって身体を支配される女性たちの悲劇には胸が締め付けられました。しかしその中でも、ガヒというキャラクターが最後に燕山君を討つという展開に救いがありました。性を通じて支配される立場から、権力を打倒する主体へと変化する彼女の姿に、静かな感動を覚えました。単なる官能映画ではなく、女性の尊厳についても考えさせられる一作です。(50代 女性)
全体としてとても刺激的な映画でした。史実を元にしていながらも、エンターテインメント性を重視した展開で、テンポもよく飽きずに最後まで見られました。とくにガヒと燕山君の緊張感あふれる関係が見どころで、表面的には従順な女性が裏で復讐を計画しているという構図にゾクゾクしました。過激なシーンも多いので好みは分かれると思いますが、陰謀や裏切りが好きな人にはおすすめです。(30代 男性)
歴史を題材にしつつ、宮廷内で繰り広げられる陰謀と欲望の物語が秀逸でした。燕山君の狂気が加速していく描写は恐ろしいながらも圧巻で、まさに暴君。ガヒの計画が少しずつ進んでいく様子も丁寧に描かれており、彼女がただの「誘惑者」ではなく「策士」であることが伝わってきました。映像も美しく、衣装やセットの豪華さが見応えを高めてくれます。(40代 女性)
正直、序盤はエロティックな演出に戸惑いましたが、中盤以降の政治的な駆け引きと復讐劇が面白く、ぐいぐい引き込まれました。権力を振るう燕山君と、それを裏で操る側近たちの姿にはゾッとします。ガヒの真の目的が明かされたとき、「これはただの色仕掛けではない」と納得。人間の欲望と権力欲の危うさを描いた重厚な作品でした。(20代 女性)
映画としての完成度は非常に高いと思います。特に音楽と映像の美しさが印象に残っています。ストーリー自体はフィクション寄りですが、ガヒという女性が暴君に近づき、権力の中心にいる男を倒すという筋書きは見応えがありました。暴力と性がテーマにあるため、鑑賞者を選びますが、考察しがいのある内容で、観た後に何かを語りたくなる作品です。(60代 男性)
歴史的事実とフィクションのバランスが絶妙で、非常に興味深く鑑賞しました。過激な描写は多いですが、それはこの時代の狂気を象徴するためのものであり、決して無意味ではないと感じました。女性の復讐と解放を描いた物語としても評価できます。特に燕山君を討つシーンは、女性たちの連帯と意志が集結した瞬間で、とても力強かったです。(50代 女性)
韓国映画らしい陰影の濃い描写と、大胆なテーマ選びが光る作品でした。暴君の狂気をここまで徹底的に描くのは勇気のいることでしょう。観ていて不快なシーンも多くありましたが、それもまた作品の意図と受け止めました。中でも、燕山君とガヒの関係性は物語の軸として非常に効果的で、彼女の最終的な勝利は観客のカタルシスを誘うものでした。(30代 女性)
映画『背徳の王宮』を見た人におすすめの映画5選
スキャンダル(原題:Untold Scandal)
この映画を一言で表すと?
官能と策略が交錯する、朝鮮王朝版『危険な関係』。
どんな話?
朝鮮王朝末期、色事と策略に長けたプレイボーイが、純真な未亡人を堕とすという賭けに出る。しかし、その裏には複雑な人間関係と心の駆け引きが交錯しており、やがて予想外の結末へと展開していく。美しい映像と緊張感のある心理戦が見どころ。
ここがおすすめ!
『背徳の王宮』同様、時代劇の舞台に官能と裏切りを巧みに織り交ぜた作品です。特に主人公の駆け引きと登場人物の感情の揺らぎが絶妙に描かれており、人間ドラマとしての完成度も高いです。華麗な衣装と美術も必見。
愛の施策(原題:Forbidden Quest)
この映画を一言で表すと?
文官が筆をとったのは、禁じられた「愛」と「官能」のためだった——。
どんな話?
朝鮮時代の真面目な文官が、ふとしたきっかけで官能小説の執筆に目覚め、やがて王の側室との禁断の恋に落ちていく。上流階級の中での抑圧された情熱と表現の自由をテーマにした、ユーモアと官能が共存する異色の時代劇。
ここがおすすめ!
史劇ながらもユーモラスな語り口と、宮中の裏側にある性と愛のタブーに切り込む点で『背徳の王宮』と共通しています。刺激的なテーマを軽妙に、しかし深く描いた脚本が光ります。映像美も素晴らしく、知的な時代劇としても秀逸。
王の男
この映画を一言で表すと?
狂気の王と芸人の出会いが、王宮を揺るがす——!
どんな話?
旅芸人の一座が、権力者・燕山君の目に留まり、王宮に招かれる。彼らの芸が王の心をとらえる一方で、やがて宮廷内の陰謀や人間関係に巻き込まれていく。狂気と芸術、自由と支配がぶつかり合う濃密な人間ドラマ。
ここがおすすめ!
『背徳の王宮』でも描かれた暴君・燕山君が本作にも登場し、彼の狂気がより繊細に、そして人間味を持って描かれています。芸人たちの目線から王宮を描くという新鮮な視点も魅力で、ラストは涙なしには観られません。
ハン・ゴンジュ 17歳の涙
この映画を一言で表すと?
静かに、しかし確実に心をえぐる社会派ヒューマンドラマ。
どんな話?
ある過去を抱えた女子高生ハン・ゴンジュが、転校先の学校で新たな生活を始めようとする。しかし、次第に過去の事件が周囲に知られ始め、彼女の心の傷が暴かれていく。静かな演出の中に強烈な社会批判が込められた作品。
ここがおすすめ!
官能描写を通じて女性の尊厳と抑圧を描いた『背徳の王宮』のテーマに共鳴する作品。暴力や性被害を過激に描くのではなく、繊細に、そして深く掘り下げる姿勢が印象的。観た後に心にずしりと残る名作です。
エロスの誘い(原題:The Concubine)
この映画を一言で表すと?
愛と欲望が交差する、官能と陰謀の宮廷ロマンス。
どんな話?
自由な恋を夢見る女性が、王の側室となることで運命に翻弄されていく。愛、嫉妬、策略が渦巻く宮廷で、彼女は自らの欲望とどう向き合うのか。重厚な人間ドラマと濃密な官能シーンが交錯する。
ここがおすすめ!
『背徳の王宮』のような濃厚な官能美と、宮廷の陰謀劇が融合した作品。愛ゆえの裏切りや嫉妬、野望に満ちた登場人物たちが織り成す緊張感あるドラマが魅力です。映像美や衣装も素晴らしく、没入感の高い一本。
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