映画『タイムリミット(2003)』の概要:フロリダ州の小島の警察署長が不倫関係の末に殺人事件に巻き込まれ、身の潔白を証明するために奔走するサスペンス映画。『青いドレスの女』のカール・フランクリン監督とデンゼル・ワシントンが再タッグを組んでいる。
映画『タイムリミット』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:サスペンス
監督:カール・フランクリン
キャスト:デンゼル・ワシントン、エヴァ・メンデス、サナ・レイサン、ディーン・ケイン etc
映画『タイムリミット』の登場人物(キャスト)
- マット・ウィットロック(デンゼル・ワシントン)
- フロリダ州の小島で警察署長と務めている。アレックスと別居状態が続いており、アンと不倫関係にある。ふとしたことでアンが重度のガンであることを知り、同情を寄せてしまう。
- アレックス(エヴァ・メンデス)
- マットの妻。しかし、別居しており、離婚の準備を進めている。殺人課の捜査官でもあり、アンとクリスの死亡事件の捜査を担当することになる。
- アン・マレー・ハリソン(サナ・レイサン)
- マットの不倫相手。病院で勤務する夫のクリスがおり、夫から巨額の保険金を掛けられている。ガン治療のためのお金を工面するのに困っている。
映画『タイムリミット』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『タイムリミット』のあらすじ【起】
フロリダの小島で警察署長をするマットはアンからの通報を受けて、アンの家に駆け付ける。マットはそこでアンに誘惑される。実は2人は不倫関係にあったのだ。しかし、マットは途中で部下から呼び出しを受けてしまう。
マットは事務所の金庫に麻薬取引で押収した48万ドルを保管する。そこに別居中のアレックスが自宅の荷物を引き取りに現れるが、マットは鍵を渡すのを渋る。週末にアンの夫のクリスが留守にすることになり、マットはアンとの不倫を楽しむ。アンが病院からの呼び出しを受けたためにマットはそれに同行する。アンは男性の医者から重度のガンで余命幾ばくもないと宣告される。そして医者は高額の治療法を勧める。
アンはクリスが自分に高額の生命保険が掛けられていることを知り、書類をマットに見せる。そしてアンは治療代を確保するために保険証書を高額で売ろうとするが、買い取り会社から断られてしまう。マットの元にアンから離婚手続きのための書類が届けられる。アンは保健の受取人をクリスからマットに書き換え、それをマットに渡す。
映画『タイムリミット』のあらすじ【承】
マットは麻薬取引で押収した金をアンに渡し、2人で逃避行をしようと企てる。しかし、待ち合わせ時間になってもアンが現れず、マットは焦りを募らせる。そして夜中にアンの家に様子を見に行くが、その姿を隣人に目撃されてしまう。
明け方、アンの家が火事で全焼し、現場から2体の焼遺体が発見される。放火殺人が疑われ、殺人課のアレックスが捜査することになる。マットとアレックスはアンの勤め先に行き、不倫していたらしいという情報を得る。2人は続いてアンの主治医に会いに行く。しかし、現れた医者は女性で、アンは健康だったと証言する。マットはこっそり男性医師と面会した部屋に向かうが、そこにいた医師は別人だった。マットは指紋を調べるために部屋にあったペンをもらう。
目撃証言を取るために隣人が警察署に呼ばれて、目撃した侵入者はマットだと言い出す。だが、皆がその話を真に受けなかったためにマットは助かる。しかし今度は、麻薬取締局から証拠の現金を取りに捜査官を派遣するとの連絡があり、マットは窮地に立たされる。
映画『タイムリミット』のあらすじ【転】
アレックスがアンの保険受取人の情報を照会する。アンの家の通話記録が警察署にファックスされてくるが、マットはそれに細工して自分の通話記録を削除する。しかし、マットの仕事用の携帯で連絡していたことがばれてしまうが、検死官がその番号は自分のもので、クリスと連絡していたからだとアレックスに嘘をつく。そこでマットは検死官に全てを打ち明ける。
ペンの指紋から医者役の容疑者が浮上する。ベンは容疑者のクレジットカードの使用記録を入手し、ホテルで使われたことを把握する。警察署に麻薬取締局の捜査官が現金を受け取りに現れる、しかし、マットは現金を届けるために警察署員を派遣したと主張して追い返す。
マットは容疑者のホテルの部屋に侵入し、容疑者と揉み合いになる。そして容疑者はベランダから転落死してしまう。マットは室内で大金の入ったブリーフケースを見付ける。アレックスもホテルに到着するが、マットは非常階段を使って逃げて、何とかアレックスに怪しまれないようにして合流する。そして検死官に連絡をする。
映画『タイムリミット』の結末・ラスト(ネタバレ)
警察署に戻ったマットの元にアンから怯えた声で電話が掛かってくる。アンはクリスと医者役の容疑者に脅されたのだと主張する。火災現場で見付かった遺体は遺体安置所から盗まれたものだった。一方、アレックスは保険会社からアンの保険金の受取人がマットだと知らされる。アレックスはマットを探すが、マットは既に署を抜け出してアンが隠れている廃船に向かっていた。
マットは廃船で待ち伏せしていたクリスと乱闘になる。銃を手にしたアンがクリスを撃ち殺してしまう。アンはマットにも銃を向け、全てが自分の企みだったことを明かす。アンはお金を渡すように求めマットの足を撃つが、その時アレックスが現れてアンを撃ち殺す。
現場に麻薬取締局の捜査官がやって来る。そこに検死官が麻薬取締局の住所を間違えたと言い訳しながらお金を持って現れ、捜査官は渋々引き下がる。マットはアンに対する愛はなく、アレックスを手放したことが間違いだったと詫びる。日常を取り戻したマットは釣りを楽しむ。そこにアレックスが再び同居するために戻って来る。
映画『タイムリミット』の感想・評価・レビュー
地味ながらも小粒で良質のサスペンスを味わえる作品。放火事件の前後で信じていた全てが嘘だったことが暴かれる過程が見事だし、窮地に立たされたマットがその都度どうやって危機を回避するのかと手に汗握らされる。マットへのお咎めがないことで最終的に医師役の容疑者が死亡した原因などがどう説明されたのかなど、気になる点も残るが、娯楽作と割り切って細部にこだわらずに楽しむのが一番だ。(MIHOシネマ編集部)
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