映画『ウルトラマンゼアス』の概要:ウルトラマンゼアスは、ウルトラマン史上最大のダメキャラである。光線はうまく放てず、極度の潔癖症ゆえに泥の中にも入って行けない。変身して登場するタイミングも間が悪い。しかしながら、コメディに振り切った本作は、変わり種ではありながらも、立派なエンターテイメント作品として仕上がっている。
映画『ウルトラマンゼアス』の作品情報
上映時間:50分
ジャンル:アクション、コメディ、ファンタジー
監督:中島信也
キャスト:鹿賀丈史、関口正晴、石橋貴明、大久保博元 etc
映画『ウルトラマンゼアス』の登場人物(キャスト)
- 朝日勝人(関口正晴)
- Mydoの見習い隊員。ウルトラマンゼアスの正体。潔癖症で、汚れが残っているとゼアスになれない。
- 大河内神平(石橋貴明)
- Mydo隊長。人工知能のミドリにアクセスできる。ミドリの指示を鵜呑みにして失敗することも多い。
- 小中井仏吉(木梨憲武)
- Mydo副隊長。甲高い声で、ひょうきんなキャラクター。
- 星見透(高岡由香)
- Mydo隊員。朝日に好意を持っており、フルートが上手い。
- 武村岩太(大久保博元)
- Mydo隊員。力持ちで、いじめっ子キャラクター。
- 悪神亜久馬(鹿賀丈史)
- ベンゼン星人の正体。「破壊」を至上のものとする美学を持っている。ベンゼン星人が金エネルギーを吸うのに比例して、悪神の身なりも金色に染まっていく。
映画『ウルトラマンゼアス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ウルトラマンゼアス』のあらすじ【起】
ウルトラマン生誕30周年式典が開かれる中、地割れが起き、記念像である金のウルトラマンが地面に吸い込まれてしまう。
朝日勝人は、出光のガソリンスタンドでMydoの見習い隊員として務めている。彼は極度な潔癖症なため、客が捨てて行ったタバコの吸い殻を触れず、あたふたしているところを見られ、先輩隊員たちにバカにされている。
金閣寺の金ぱくが剥がれ、湖は干上がってしまう。異常事態にMydoの隊員たちは、見習い隊員の朝日を残して現場に向かう。Mydoの基地であるガソリンスタンドの看板から、戦闘飛行機のスカイフィッシュが飛び出し、出動する。
現場の湖には悪神もヘリコプターで来て様子を見ている。悪神のヘリコプターが僻地に行くと、前方にウルトラマンゼアスが現れる。光線の練習をしているようだが、下手くそである。ゼアスは手をヘドロについてしまい、滝で手を洗う姿は情けない。
スカイフィッシュは干上がった湖のすき間から地下に潜り、探索していくと怪獣・コッテンポッペを見つける。スカイフィッシュはレーザーで攻撃するも全く歯が立たず、基地に戻る。
映画『ウルトラマンゼアス』のあらすじ【承】
ガソリンスタンドに悪神の車が来る。悪神は前日には着用していなかった金のアクセサリーをしている。悪神が接客する朝日に握手すると、悪神の手袋にはヘドロが付いており、朝日の手は汚れてしまう。朝日が慌てて手を洗う様子は、ウルトラマンゼアスが手を洗う様子と酷似しており、悪神はゼアスが朝日と同一体であることを確認する。
朝日は星見に極度のキレイ好きをとがめられ、「ちょっとの汚れぐらい気にしない男の人が好きです」と言われる。
コッテンポッペによる被害は全世界に拡大し、世界的な問題となっている。被害の共通点から、コッテンポッペが金を喰う怪獣であることが分かる。
大河内隊長は、人工知能のミドリにアクセスし、コッテンポッペの弱点を聞き出す。ミドリによると、コッテンポッペは火に弱いようだ。さっそく大河内隊長はスカイフィッシュを出動させて、コッテンポッペを点火作戦で倒しに行く。しかし、コッテンポッペに火は全く効かず、逆に火を噴かれて隊員たちはやられてしまう。
映画『ウルトラマンゼアス』のあらすじ【転】
野原にたたずむ朝日と星見。星見は朝日を特別にスカイフィッシュに乗せてやり、2人で夜空を飛行していると、朝日が何か光るものに気付く。
スカイフィッシュを降りて様子を見に行くと、ベンゼン星人がコッテンポッペから金エネルギーを受け取っている。コッテンポッペは、ベンゼン星人に金エネルギーを送るために金を食べていたことが判明する。金エネルギーを吸った後のベンゼン星人は、明らかにパワーアップしている。
翌日、ガソリンスタンドに悪神の車が突進してくる。悪神は前日よりも一層身なりを金ぴかにしており、腕力も格段に上がっている。朝日は悪神につるし上げられ、終いには顔にヘドロを塗りたくられて気を失ってしまう。
悪神の車中で、彼がベンゼン星人に変身している様子が映し出され、同一体であることが明らかになる。
朝日が洗顔していると、野原にいた星見と子供たちが何者かにさらわれてしまう。
朝日はゼアスに変身しようとするが、汚れが残っているせいで変身できない。
ミドリによると、ベンゼン星人が地球の深奥部に眠る膨大な金を得るために、ゼアスにスペシュシュラ光線を放たせて地球を核爆発させようと企んでいるようだ。
朝日は星見の「ちょっとの汚れくらい平気な男の人が好きです」という言葉を思い出して奮起し、変身に成功する。
ゼアスが現れたのを見て、大河内は隊員たちとスカイフィッシュを出動させて現場に急ぐ。
映画『ウルトラマンゼアス』の結末・ラスト(ネタバレ)
スカイフィッシュが到着すると、ゼアスはコッテンポッペと対峙している。ゼアスがスペシュシュラ光線を放とうとしているので、スカイフィッシュは光線使用禁止という電子信号をゼアスに送る。
ベンゼン星人はゼアスに光線を放たせる策として、コッテンポッペの足元にヘドロを広げる。ゼアスは光線が放てないので、苦手なヘドロに足を踏み入れて行くが、カラータイマーが赤く点滅し、ヘドロに沈んで行ってしまう。
星見はフルートで「ウルトラマンゼアス」の曲を奏で、子供たちは懸命に「シュワッチ、シュワッチ、がんばれゼアス」という声援を送り続ける。Mydoの隊員たちも加わって必死の声援を送る。
すると、ヘドロの中から復活したゼアスが飛び出してくる。ゼアスはヘドロに臆することはなくなり、コッテンポッペをパンチとキックのコンビネーションで圧倒する。ピンチと見たベンゼン星人が自らも戦闘に参加し、ゼアスは押され気味の展開になる。
しかし、ゼアスはベンゼン星人とコッテンポッペが同時に放ったビームを避け、相打ちを誘う。ゼアスは弱ったベンゼン星人の脳天に、チョップをお見舞いする。ベンゼン星人は必殺のフラッシュビームを放ってくるが、高速回転しながら連続で蹴りを入れるスーパー・ゼアス・キックで返し、ベンゼン星人を宇宙まで吹っ飛ばす。
ゼアスはコッテンポッペを宇宙に運び、スペシュシュラ光線で粉砕する。
平和を取り戻した朝日は、星見や子供たちと再会し、ゼアスの正体を知らない先輩隊員たちにイジられながら日常生活に戻っていく。
映画『ウルトラマンゼアス』の感想・評価・レビュー
人気特撮ドラマ「ウルトラマン」のオリジナル劇場作品。これまでの世界観を一新し、新たなウルトラマンの活躍を描く。
これまでのウルトラマンからテイストを一気に変え、コミカルに描かれている。新たなウルトラマンであるゼアスは未熟なウルトラマンであり失敗ばかりだが、逆に人間味があり等身大のヒーロー像を表現し、かつてのウルトラマン=完全無欠のヒーローと言うイメージを払拭し、共感し応援できるウルトラマンであると言える。(男性 20代)
ウルトラマンシリーズの中でもかなり異色な『ウルトラマンゼアス』。赤が多めのデザインはものすごくかっこいいのですが、ゼアス自体はかなりぽんこつで潔癖症だったり、とにかくヒーローらしからぬ雰囲気でそれもまた大好きでした。子供の頃1番見たウルトラマンかもしれません。
とんねるずが出演していることでお笑い要素もかなり多めで笑えるシーンも多いです。アンディ・フグや角田信郎、そして敵は鹿賀丈史など、ものすごく豪華なキャストをぎゅっと詰め込んでいるのでさくっと楽しめる作品でした。(女性 30代)
とにかく主人公である、朝日勝人、もといウルトラマンゼアスが、歴代ヒーロー史上最も愛らしいキャラクターである。勝人役の関口氏も本来俳優ではないものの、頼りなくも純粋で一所懸命なキャラクターを、快活な「はい!」の返事、表情豊かな自然体の演技で演じ切り、特訓のシーンをはじめとし、ゼアスの一挙一動が他のウルトラマンにはないコミカルな可愛さがあり、ついつい応援したくなる独特な魅力がある。
主人公の乗り越える壁が、潔癖症というのも面白い。(男性 20代)
みんなの感想・レビュー