この記事では、映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0050841
製作年 | 2020年 |
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上映時間 | 115分 |
ジャンル | ヒューマンドラマ ファンタジー |
監督 | 藤井道人 |
キャスト | 清原果耶 桃井かおり 伊藤健太郎 水野美紀 |
製作国 | 日本 |
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の登場人物(キャスト)
- 大石つばめ(清原果耶)
- 14歳の中学生。隣に住む大学生の亨に恋をしている。もうすぐ妹が生まれるが、両親の幸せそうな姿を素直に喜べないでいる。
- 星ばあ / ほしのとよ(桃井かおり)
- 突如つばめの前に現れた謎の老婆。態度と口は悪いが、温かみがある性格。不思議な力を使える。
- 浅倉亨(伊藤健太郎)
- つばめの家の隣に住む大学生。バンジョーという撥弦楽器を演奏している。家族想いの好青年。つばめを妹のように可愛がっている。
- 牛山武彦(山中崇)
- つばめの書道の先生。つばめに水墨画をすすめる。真面目な性格。
- 笹川誠(醍醐虎汰朗)
- つばめの元彼。やさぐれているが、つばめのことがまだ好き。
- 大石麻子(坂井真紀)
- つばめの育ての母。明るく優しい性格。
- 大石敏雄(吉岡秀隆)
- つばめの父。おおらか。年頃の娘にどう接したらいいか悩んでいる。
- 山上ひばり(水野美紀)
- 有名な水墨画家で、鳥のツバメを書いた絵が代表作。
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』のあらすじ【起】
優しい両親と大きな赤い屋根の家で暮らすつばめ。彼女は隣に住む大学生の亨に恋をしていた。誕生日に勢いで亨の家のポストにバースデーカードを入れてしまうが、彼女はそれを酷く後悔していた。
通っている書道教室の星が見える屋上が、つばめの秘密の居場所。つばめがいつも通り屋上に行くと、知らない老婆がいた。キックボードの乗り方を教えろという老婆は、態度が悪く口調もきつかった。キックボードを乗りこなした姿を後ろ目に見ると、地面の水たまりに反射して、空飛ぶ老婆が見えた。驚き不思議に思うつばめに、「トシ食ったらなんだってできるんだ」と老婆は答える。
老婆を星ばあと呼ぶことにしたつばめ。バースデーカードの事を話すと取ってきてやると言い、翌日、なんと星ばあは本当にバースデーカードを取り戻していた。「時間というのは気持ちよく使え」という星ばあ。
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映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』のあらすじ【承】
いつの間にか自由気ままな星ばあに心を開いていたつばめ。亨の姉が悪い男と付き合っているかもと相談すると、「まずは屋根を見ることから始めなきゃな」と答えた。屋根を見ればどんな人が住んでいるか分かると言う。
つばめは今の母が父の再婚相手で、実の母でないことを星ばあに打ち明ける。翌日、星ばあに誘われて海と水族館へ行く2人。つばめが義理の母・麻子と父の間に子供が生まれることを伝えると、星ばあは「血が繋がってるってそんなに大事なことじゃないぞ」と言う。2人は想い出にお揃いのクラゲのキーホルダーを買った。
星ばあはつばめに、自分にはマコトという孫がいて、水族館で会ったことがあると打ち明ける。かわいい孫と過ごすチャンスを逃したんだと後悔した表情を浮かべた。
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』のあらすじ【転】
つばめは書道の先生・牛山に進められて、水墨画家の山上ひばりの個展を訪れる。ぜひ水墨画に挑戦してみてほしい、と話しかけるひばりの後ろには夫と小さい子供の姿があった。それを見たつばめは個展を飛び出してしまう。ひばりは父の前妻、つばめの実の母だったのだ。
雨が降り出す中、つばめは傘を差さずにびしょ濡れで帰ってきた。心配する両親につばめは実の母に会ってきたことを話し、育ての母・麻子に対し「自分の子供が出来て良かったね」とひどい言葉をぶつける。
その頃、亨はバイク事故にあっていた。大雨の中、姉の彼氏の車をバイクで追いかける途中に事故にあったのだ。亨は、彼氏に殴られ顔にあざを作った姉を街中で見かけていた。
学校帰りのつばめを待ち伏せしていた星ばあに背中を押されて、つばめは亨のお見舞いに行った。亨は、バイク事故に遭わず車を追いかけられていたら、恨みで姉の彼氏を殺すところだったという。「家族悲しませちゃダメだよ」という亨の言葉を聞いて、両親にひどく当たってしまった事をつばめは深く後悔した。病院の前で待っていた星ばあの肩で、つばめは泣き崩れた。
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の結末・ラスト(ネタバレ)
つばめは、亨と仲良くなれた恩返しに星ばあの孫・マコトの家探しを始める。そしてなんと、元彼・笹川の家が探していた家だと突き止めた。つばめは星ばあと一緒に笹川の家を訪れるが、星ばあは孫との再会に怖気づいて遠くから見守ることに。祖母のことは知らないと言い張られる笹川。遠くから笹川を見ていた星ばあは泣き崩れた。笹川の下の名前は「誠」だったのだ。
帰り道、星ばあはつばめに礼を言い「家族は大事にしろ」と言い残し夜道に消えていった。その日以来、星ばあは現れなくなった。
後日、笹川はつばめに会うと一枚の写真を撮りだした。そこには病院のベッドに笑顔で映る星ばあと笹川が写っていた。後から星ばあが実の祖母だったと知ったのだ。星ばあは、入院当初は病院を抜け出していたが、ここ最近は意識がなかった。親戚から連絡をもらった笹川とその母が会いに行った時に、急に目覚めて写真を撮ったという。星ばあは、孫の笹川と娘に再会したその次の日に亡くなった。写真には、つばめと揃いで買ったクラゲのキーホルダーが映っていた。つばめは星ばあの正体を知り、涙をこぼした。
15年後、書道の先生・牛山は水彩画の個展にいた。その中の一つの絵に、星降る夜に屋上で家々の屋根を眺める星ばあとつばめが描かれていた。
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ティーンエイジャーの成長物語と、どこか不思議な交流が心に残る作品でした。清原果耶さん演じるつばめの揺れ動く心や孤独がとてもリアルで、自分の学生時代を思い出しました。星ばあとの出会いはファンタジックだけど、実はとても深く現実的。屋根の上での語らいが象徴的で、最後には涙が自然と流れました。静かな感動がじわじわと広がる、優しい映画です。(20代 男性)
家族との関係に悩む思春期の少女と、不思議な“星ばあ”との交流が、想像以上に心に沁みました。主演の清原果耶さんの透明感ある演技と、桃井かおりさんの圧倒的な存在感が絶妙なバランス。特に星ばあがつばめに寄り添うシーンは、どれも優しくて力強く、人生を見つめ直すきっかけになりました。心が疲れた大人にも刺さる作品だと思います。(30代 女性)
屋根の上での会話、風の音、空の色…五感に訴えてくるような静かな演出が印象的でした。つばめの悩みは等身大で、それをそっと受け止める星ばあの存在がすごく温かい。ファンタジー要素を含みつつも、しっかりと“生きる”ことに向き合った作品だと思いました。心に余裕がない時に観ると、不思議と穏やかな気持ちになれます。(40代 男性)
中学生の娘と一緒に観ましたが、大人の私の方が泣いてしまいました。現実に向き合う勇気、他人との距離、家族への想い…。誰もが抱える小さな苦しみに優しく寄り添ってくれる映画でした。星ばあの正体が明らかになるラストはファンタジーだけど、どこかリアルで、あたたかい涙が流れました。世代問わず観てほしい一作です。(40代 女性)
星ばあとの時間は、まさに“癒し”でした。つばめの心の動きに共感する部分が多く、特に義母への複雑な気持ちはリアルに描かれていたと思います。日常の中にある小さな違和感を、大人になる途中の少女が少しずつ言葉にしていく過程がとても繊細で、観ていて心を打たれました。映像も美しく、心の奥に残る映画です。(20代 女性)
思春期の“もやもや”を、言葉少なに、でも丁寧に表現している作品でした。清原果耶さんのナイーブな演技に心打たれ、星ばあとのやりとりが物語の中心にありつつ、家族との関係の変化にもちゃんと向き合っているのが良かった。青春映画とも、ファンタジーとも言い切れない独自の空気感が心地よかったです。(30代 男性)
映像がとにかく美しい。夕暮れの空、星の見える夜、風に揺れる髪。そのひとつひとつが心を静かに揺さぶってきます。つばめの視点を通して、世界の見え方が少しずつ変わっていく様子に胸が熱くなりました。星ばあが「人生って、ほんとはとっても自由なんだよ」と語るシーンには、思わず涙がこぼれました。(50代 女性)
大人になる手前の、ちょっとした孤独と葛藤を描いた作品。自分にもあった“わかってほしいけど言えない”あの感じを、清原果耶さんが本当にうまく表現していました。星ばあが語る言葉には、人生の先輩としての優しさと強さが詰まっていて、それがこの映画をただの青春映画に終わらせていない。心に響く一本です。(30代 男性)
つばめの表情が、終盤にかけてどんどん変わっていくのが印象的でした。最初はどこか塞ぎこんでいた彼女が、星ばあと過ごす時間の中で笑顔を取り戻していく。屋根の上の空間は、現実から一歩離れた“心の避難場所”のようでした。全体に漂うノスタルジーと、後味の優しさが忘れられません。(20代 女性)
ファンタジーに見せかけて、実はすごく現実的なテーマを扱っていた映画でした。家族の形、自分の居場所、人とのつながり――中学生であるつばめが抱える悩みは、実は大人になっても変わらない。だからこそ、星ばあの言葉が心に刺さる。誰かに「そのままでいい」と言ってもらいたいすべての人におすすめしたいです。(50代 男性)
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』を見た人におすすめの映画5選
リトル・フォレスト
この映画を一言で表すと?
静かな田舎で自分と向き合う、癒しと再生の“食と自然”の物語。
どんな話?
都会での暮らしに疲れた主人公が、故郷の山里に戻り、季節ごとの食材と手作りのごはんに支えられながら、心の整理と再出発のヒントを見つけていく。日常の美しさと自己再生を描いた作品。
ここがおすすめ!
自分の居場所を探し、心のもやもやに向き合うというテーマが、『宇宙でいちばんあかるい屋根』と共通しています。自然の映像美と素朴な料理の数々に癒されたい方にぴったりの一作です。
かもめ食堂
この映画を一言で表すと?
人生の小さな転機を見つける、フィンランドで営む心温まる食堂の物語。
どんな話?
フィンランド・ヘルシンキで日本人女性が開いた食堂に、さまざまな人が集まり、穏やかな時間の中で自分を見つめ直していく。人との出会いと食を通じて、人生の再出発を描く物語。
ここがおすすめ!
穏やかでユーモアもあり、深く心に残る空気感が魅力です。『宇宙でいちばんあかるい屋根』のように“日常の中にある不思議と出会い”を丁寧に描いた映画を探している方におすすめです。
おおかみこどもの雨と雪
この映画を一言で表すと?
母と子の愛と成長を描いた、心優しいファンタジーアニメーション。
どんな話?
“おおかみおとこ”との間に生まれた二人の子どもを育てる母・花。都会を離れ、自然に囲まれた田舎で成長していく子どもたちと、葛藤する母の姿を丁寧に描いた感動作。
ここがおすすめ!
日常に根ざしたファンタジーと、リアルな心情描写が融合している点で『宇宙でいちばんあかるい屋根』と通じるものがあります。子どもから大人まで、やさしい涙を流せる作品です。
しあわせのパン
この映画を一言で表すと?
パンと景色がつなぐ、人の心をやさしくほぐすスローシネマ。
どんな話?
北海道の湖畔に暮らす夫婦が営むパンカフェを舞台に、訪れる人々と静かに心を通わせていく物語。四季折々の風景と、焼きたてのパンの香りが観る人の心を満たしてくれます。
ここがおすすめ!
映像と音、登場人物の静かなやりとりが心地よく、物語に浸るというより“体験する”映画です。思春期の揺れ動く心に寄り添う『宇宙でいちばんあかるい屋根』が好きな方に、静かな癒しを与えてくれます。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする
この映画を一言で表すと?
出会いの奇跡と時間の切なさが交差する、やさしいラブファンタジー。
どんな話?
京都で出会った男女の恋の物語は、実は“時間”を逆行する不思議な設定に支えられていた。限られた時間の中で、本当の意味で“人を大切にする”とは何かを問いかけてくる。
ここがおすすめ!
現実に見えて実はファンタジー、そして大切な人との時間を愛おしく感じさせる演出は、『宇宙でいちばんあかるい屋根』とも共通しています。美しい映像と切ないラストに胸が締め付けられる作品です。
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