この記事では、映画『デーモン・インサイド』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『デーモン・インサイド』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『デーモン・インサイド』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0039039
製作年 | 2018年 |
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上映時間 | 99分 |
ジャンル | ホラー |
監督 | コリン・ミニハン |
キャスト | ハンナ・エミリー・アンダーソン ブリタニー・アレン マーサ・マックアイサック ジョーイ・クライン |
製作国 | カナダ |
映画『デーモン・インサイド』の登場人物(キャスト)
- ジュールス(ブリタニー・アレン)
- レズビアンの恋人・ジャッキーと共に、ジャッキーの祖父が所有していたという別荘地へ遊びに来た女性。森の緑に囲まれ美しい湖を望む別荘地の環境に、ここに永住してもいいと考える。
- ジャッキー / メーガン(ハンナ・エミリー・アンダーソン)
- 恋人のジュールスと共に、祖父が所有していた別荘へ遊びに来た女性。10代の頃に知り合いだったサラという女性と遭遇し、サラがジャッキーを「メーガン」と呼んだことで、ジュールスは不信感を抱く。
- サラ(マーサ・マックアイサック)
- ジャッキーと10代の頃に知り合いだったという女性。ジャッキーたちのいる別荘地とは、湖を挟んで反対側に位置する一軒家に住んでいる。ジャッキーのことを見て、名前を「メーガン」と呼ぶ。
映画『デーモン・インサイド』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『デーモン・インサイド』のあらすじ【起】
レズビアンのカップル・ジュールスとジャッキーは、ジャッキーの祖父が所有していたという、森の中に建つ別荘へと旅行に出かける。別荘に初めて来たジュールスは、目の前に湖の広がる美しい景色に心を奪われ、ここに永住したいくらいだとジャッキーに語る。
その夜何者かが車で別荘の前にやって来て、ジュールスは不審者ではないかと警戒するが、ジャッキーは玄関を開けて謎の訪問者を出迎える。ドアの外にいたのはサラという女性で、ジャッキーのことを「メーガン」と呼び、ジャッキーもサラのことを知っていた。
サラは別荘に珍しく明かりがついていたことから、泥棒が入ったのではないかと確認に来たとジャッキーに語る。ジュールスはジャッキーが偽名を使っていたことで、不信感に襲われ始める。ジャッキーはメーガンという自分の名前が嫌いで、レズをカミングアウトした時に名前を変えたのだとジュールスに打ち明ける。
しかしジュールスはジャッキーのことが気にかかり、翌日ジャッキーが町へ買い出しに行った後、湖の反対側にあるサラの家まで、ボートを漕いでいく。
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映画『デーモン・インサイド』のあらすじ【承】
ジュールスを出迎えたサラは、10代の頃にメーガン=ジャッキーと、ジェニーという女子との3人で、よく湖畔で遊んでいたと語る。そしてジェニーは若い頃に事故で死んでいて、メーガンもそのことを知っているはずなのに、ジュールスに話していなかったことに驚く。
ジュールスが戻って来たジャッキーにそのことを問いただすと、ジャッキーとジェニーの2人が湖畔で泳いでいる時に、ジェニーの足がつって溺れてしまい、そのまま死亡したとのことだった。
死んだジェニーと2人きりだったため、ジャッキーがジェニーを殺したのではないかと疑いをかけられたが、無実が証明されたとジャッキーは語る。しかしジュールスが、今夜の夕食にサラと夫のダニエルを招待したと告げると、ジャッキーは湖畔を見降ろす崖の上にジュールスを連れて行き、ジュールスを崖下に突き落とす。
ジャッキーは一度別荘に戻り、ジュールスが落ちる時に引っ張られて破れた上着を暖炉で燃やすと、崖の下へと戻ってジュールスの死体を確認しようとする。しかし血まみれで倒れていたはずのジュールスは、どこかに姿を消していた。
映画『デーモン・インサイド』のあらすじ【転】
ジュールスはジャッキーが自分を殺そうとしていることに気付き、傷ついた体で必死に森の中を逃げ回っていた。そこにジャッキーが猟銃を持って現れ、ジュールスを別荘へと連れ戻す。
ジャッキーはジュールスの前にもエリカという女性と交際していて、その女性を殺害して保険金を入手した過去があった。10代の頃に死んだジェニーも、ジャッキーの仕業だったのだ。
ジュールスのケガの治療をして、バスルームで血を洗い流したあと、ジャッキーはジュールスに、何事もなかったようにサラとダニエルを迎えるよう命令する。言う通りにしないと夕食に来たサラを刺し殺すと脅され、ジュールスはやむなくジャッキーに従うことにする。
その夜夕食に来たサラに、ジュールスは隙を見てジャッキーの正体を告げようとするが、それに気付いたジャッキーはサラとダニエルを容赦なく殺害する。
映画『デーモン・インサイド』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌日ジャッキーはジュールスを車に乗せて、森の中で始末しようと試みるが、ジュールスはジャッキーが打っていたインスリンの注射を密かに持ち出していて、ジャッキーの首筋に突き刺す。
過度なインスリン接種によりジャッキーは気を失い、ジュールスはジャッキーをその場に残して車で別荘地から立ち去ろうとするが、不安を覚えて森の中に戻ると、ジャッキーは姿を消していた。
ジュールスは別荘に入り、ジャッキーと勝負をつける決意をする。ジュールスは猟銃を持ってジャッキーを追い詰めるものの、ジャッキーも必死に反撃し、ジュールスを気絶させた上で、再び崖下へ突き落す。
しかし別荘に戻ったジャッキーは、パソコンにジュールスが残した動画があるのを発見する。その動画でジュールスは、インスリンの中に漂白剤を混ぜていたと告げる。そうと知らずに注射をしていたジャッキーは脳卒中を起こし、森の中で死亡する。その頃、崖下で死んだかと思われたジュールスが、密かに息を吹き返していた。
映画『デーモン・インサイド』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
信頼していたパートナーが突如として殺人鬼へと豹変する展開に、心底ゾッとしました。ジャッキーがユールを突き落とすシーンは完全に不意打ちで、背筋が凍りました。美しい自然と静かな湖畔のロケーションが、かえって恐怖を際立たせていて、まさに“サイコサスペンスの理想形”。愛情と殺意が交差する緊張感に、最後まで息が詰まるようでした。(20代 男性)
最初はLGBTQカップルの美しいバカンス映画かと思いきや、途中から一気に狂気のサイコホラーに突入。ジャッキーの冷徹さと暴力性には震えました。サバイバルものとしての要素もあり、ユールの反撃と再起の過程は胸が熱くなりました。とくにラスト、ユールが毒を逆に使って復讐を果たす場面はカタルシスがあり、女性の強さを実感しました。(30代 女性)
予告編のイメージよりも遥かに重く、精神的にくる映画でした。ジャッキーが過去にも何人も殺していたと判明するくだりは鳥肌もので、愛の裏側に潜む狂気がリアルに描かれていたと思います。音楽の使い方や静寂の演出が絶妙で、声を荒げず淡々と人を殺す姿が怖すぎる。ラストのユールの決断も“生きる意志”が強く伝わってきて、深く印象に残りました。(40代 男性)
静かな始まりとは裏腹に、観終わったあとも心に暗い影を残すような衝撃作でした。ジャッキーが心の奥底に潜ませていた「愛ではない何か」が、じわじわと表に出てくる過程が恐ろしくも魅力的。ユールが逃げ、戦い、最終的に勝利するまでの過程も説得力があり、単なる犠牲者で終わらなかったのが良かったです。女性同士の関係性が鍵となる稀有なスリラー。(50代 女性)
登場人物がほぼ2人だけでここまで深いドラマと緊迫感を描けるのかと感心しました。会話の間や表情の変化だけで“何かおかしい”と観客に感じさせる演出が非常にうまく、ジャッキーの豹変には本気で驚きました。ユールのサバイバルスキルが高すぎるとも感じましたが、だからこそジャッキーに対して勝利できたのは爽快。静かで凄惨な一作でした。(60代 男性)
この映画は“信頼”が崩れたときの恐怖を徹底的に描いた作品だと思います。まさかパートナーが、そして愛していた相手が冷血な殺人鬼だったなんて…!ジャッキーがすべて計画していたと知ったときの絶望感が凄まじかった。対するユールが心身ともに追い詰められながらも生き延び、最後に自分でケリをつける展開が非常に良かったです。(20代 女性)
冒頭の穏やかな雰囲気が、終盤にかけてどんどん不穏な空気に包まれていく構成が秀逸でした。映像は美しくても、中身はとことん狂気。ジャッキーの狂った理屈が妙に筋が通っているようで怖かったです。ユールがラストに取った行動には心から拍手。これは女性が女性を殺す物語であると同時に、自分自身と戦う物語でもあったと思います。(30代 男性)
最初は「またありがちなサイコスリラーかな」と思いながら観ていたのですが、予想を遥かに超える完成度でした。舞台が山小屋と湖という閉鎖空間であることで、逃げ場のない恐怖がより強調されていました。ジャッキーが自分の殺人を“生き残るため”と言い訳する姿に、人間の自己正当化の怖さを見ました。テーマ的にもかなり考えさせられる映画です。(40代 女性)
狂気と静寂が共存する映画。特に印象的だったのは、ジャッキーが過去の犯行を語るシーンの淡々とした語り口。怒鳴るでもなく、哀しみをにじませるでもなく、本当に“日常会話”のように話す。そこに底知れぬ恐怖がありました。ユールがどん底から這い上がり、最後には生き延びるために毒を使うくだりは、単なるリベンジ以上の意味を持っていました。(50代 男性)
LGBTQテーマを背景にしながらも、それを売りにせず、純粋にスリラーとして完成度が高いところが素晴らしいです。ジャッキーは怪物だけど、完全な狂人というよりは“歪んだ価値観に基づいて理屈が通っている”のがまた怖い。ユールの視点で物語を追うことで、観る側も裏切られたような気持ちになり、最後まで感情移入できました。(60代 女性)
映画『デーモン・インサイド』を見た人におすすめの映画5選
ゴーン・ガール
この映画を一言で表すと?
「愛と嘘が絡み合う、結婚の“本性”を暴く心理サスペンス」
どんな話?
結婚5年目の記念日に妻が失踪。夫に疑いの目が向けられる中、メディアが加熱し、物語は思わぬ方向へ。実はすべて妻による恐ろしい策略だった…。愛情と支配、欺瞞の裏に潜む闇を描いた衝撃作。
ここがおすすめ!
『デーモン・インサイド』と同様、“信じていたパートナーが恐るべき存在だった”という構図が共通。ミステリー要素と心理戦の緻密さに唸らされる、デヴィッド・フィンチャーの傑作スリラーです。
ザ・インビジブル・マン(2020)
この映画を一言で表すと?
「見えない恐怖が、心と体を追い詰めるリアルサスペンス」
どんな話?
DVから逃げた女性の前に、死んだはずの元恋人の“存在”が見えない形で迫る…。テクノロジーを使って透明化した彼は、彼女の生活を少しずつ破壊していく。精神的・物理的サバイバルの物語。
ここがおすすめ!
女性が孤立しながらも、理不尽な暴力に立ち向かう姿は『デーモン・インサイド』とも通じる部分が多く、見応えあり。サスペンスとホラーの絶妙なバランスも魅力の一本です。
イレイザーヘッド(Erasing Eden)
この映画を一言で表すと?
「人生をリセットしたい女が見た、愛と自由の真実」
どんな話?
結婚式前夜、主人公のエデンは突然の不安に襲われ、婚約者のもとを逃げ出す。薬物のせいで記憶も曖昧な彼女は、LAの街を彷徨いながら、自分が本当に望む人生を探していくことになる。
ここがおすすめ!
“自分を信じられない恐怖”と“逃げ場のない状況”が描かれる点で、『デーモン・インサイド』に通じる心理的サスペンスが魅力。無名作ながら非常に深く、静かに刺さる作品です。
ハネムーン(Honeymoon)
この映画を一言で表すと?
「愛していたはずの人が、別人に変わっていく戦慄」
どんな話?
新婚旅行で森のコテージを訪れたカップル。ある夜、妻が奇妙な行動を取り始める。彼女の記憶と人格が徐々に変化していく中、夫は次第に恐ろしい真実へと辿り着く──愛と恐怖が交錯する異色ホラー。
ここがおすすめ!
「一緒にいたはずの人が“別の存在”になっていく」感覚が『デーモン・インサイド』と酷似。静かな導入からじわじわと狂気に堕ちていく展開は、じっくりと恐怖を味わいたい人に最適です。
ジェラルドのゲーム(Gerald’s Game)
この映画を一言で表すと?
「愛のゲームが命を賭けたサバイバルに変わる密室スリラー」
どんな話?
夫婦関係を取り戻すために訪れた山荘で、手錠をかけられたまま夫が急死。妻はそのままベッドに拘束され、誰も助けに来ない状況の中で極限状態に追い込まれていく。スティーヴン・キング原作。
ここがおすすめ!
限られた空間でのサバイバル、過去のトラウマとの対峙、愛が狂気へと変わる怖さ…『デーモン・インサイド』と重なるテーマが詰まった作品。心理描写が秀逸な密室劇です。
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