映画『僕だけがいない街』あらすじネタバレ結末と感想

僕だけがいない街の概要:2016年公開の日本映画。漫画を描きながらアルバイト生活をする主人公・悟は過去に戻り事件や事故をやり直すことの出来るリバイバルの力を持つ。彼が戻った10歳の悟は、当時誘拐され殺された同級生の女子の事件の真相を追究する。

僕だけがいない街 あらすじネタバレ

僕だけがいない街
映画『僕だけがいない街』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

僕だけがいない街 あらすじ【起・承】

デリバリーピザの配達の仕事をしながら、漫画を描き続ける悟(藤原竜也)。
彼には「リバイバル」という力がある。
それは突然数分間前に時間が巻き戻り、そこから何かの違和感を見つけ、その後起きる事故や事件を防ぐというものである。

ある日、悟はピザの配達でバイクに乗り赤信号で止まっていた。
その横断歩道には、小学生が信号待ちをして立っている。
青に変わりバイクを走らせると始まったリバイバル。
向こうから来るトラックの運転手がハンドルに突っ伏し、ブレーキを踏む気配が無く走って来ているのだ。
信号には小学生がいて、このまま行くと轢かれてしまう。
悟はそれに気がつき、この事故を無事に回避することが出来た。
しかし、対向車にぶつかり自分が病院に運ばれてしまう。

目を覚ますと、愛梨(有村架純)がいた。
彼女は同じピザ屋の女の子で、人付き合いが苦手な悟はあまり話したことが無かったが明るくて良い子だった。
彼女はたまたま事件の現場に遭遇し、何故悟があの事故に事前に気がついたのか不思議であった。

退院してアパートに帰ると、北海道の田舎にいるはずの母がいた。
事故にあった息子のことが心配で暫くいるという。
しかし母は息子も世話をするのとは別に、せっかくだから観光も楽しもうという腹であった。

ある日、ショッピングモールに出かけた悟と母親。
そこで悟のリバイバル現象が始まった。
違和感に中々気がつけない悟は、母親に「母さん、どこかに違和感が無いかな?」と尋ねる。
そこで母親は人目を避ける駐車場に、中年の男性が5歳くらいの少女の手を引いている姿を目撃した。
何となくおかしいと見つめる母。
それに気がついたのか、男性は1人で車に乗り込んで立ち去ってしまった。
母は急いで車のナンバーをメモするが間に合わなかった。
このことを悟は知らない。

アパートに1人でいた母が何者かによって刺された。
そこに帰ってきた悟は、犯人らしき人間が走り去るのを夢中で追う。
しかし追いつけず、しかも手は母を抱いたままの血まみれ状態。
アパートに帰宅して遠くからそっと覗くと、パトカーが来ていた。
このままでは疑われると思った悟は、咄嗟に逃げ出した。
少しいったところで見回りの警官に発見され、路地裏に追い詰められた悟。
そこでリバイバル状態になった。

今回時間が戻ったのは、悟が小学生の頃。
自宅には死んだはずの母が、子供の自分に食事を作ってくれていた。
この世界の違和感を探す。
母の刺殺事件の真相と、小学生の頃の自分に関係があるのか?
悟は困惑した。

悟には加代という同級生がいた。
いつも1人でいる友達のいない加代は、誘拐され殺されていたのである。
しかもその容疑者として逮捕されたのが、地元の商店の青年で悟も好きな優しい人だった。
加代がまだ生きていることを確認した悟は、加代を誘拐犯から守ることを決める。
きっと加代が殺されなければ、現代で母が殺されることも無いのではないか?と考えたのだ。

きっかけは悟だった。
加代に友達になって欲しいと声をかけたのだ。
徐々に交流を深めていく中で、悟は加代が母親とその彼氏に虐待を受けている事実を突き止める。
さすがに自分では解決出来ないので、担任・八代先生(及川光博)に相談する。
担任の八代もそのことに気がついていたようで、以前に児童相談所に連絡をしたが来てくれなかったと言う。
改めて今回また連絡してみるとも言ってくれた。

昔加代が死んだ日、この日を何とか無事に過ごそうと悟は自分の誕生日パーティーに誘ってもよいか母に頼んだ。
そして誕生日会の後は、自宅まで母と共に送り届けたのだ。
万事上手くいった。

しかし翌日。
加代の姿は学校には無く心配で見に行った悟は、加代の母親が加代の荷物をゴミに出しているのを目撃する。
事件は起こってしまった。

僕だけがいない街 あらすじ【転・結】

現実に戻って来た悟は、バイト先の愛梨と会う。
愛梨は悟を信用してくれているようで、母殺しの犯人などとは思っていなかった。
そんな愛梨に心癒やされる悟。
しかし犯人の魔の手は愛梨にも迫ってしまう。
家に戻った愛梨は自宅を放火されてしまうのだ。
中に入る悟は愛梨の救出に成功するが、彼女は入院するはめになってしまった。

悟の母親はTV局に務めていた。
しかも報道部だ。
当時母は連続誘拐殺人事件を担当していた。
悟は容疑者の商店の青年はそんなことをしないと庇ったが、大人は誰も信用してくれなかったという過去がある。
悟は母の当時の同僚だった澤田を訪ねることにした。
彼なら何かしっていることがあるかもしれないと思ったからである。
そんな矢先、愛梨が病院を抜け出し悟にコンタクトを取ってきた。
しかし大勢の警官に尾行されていた愛梨は、悟の居場所を教えたようなものだった。
そして悟は御用となってしまう。

その時再びリバイバル状態になった。
またもや小学生、そして加代はまだ生きている。
前回は結局加代を救うことが出来なかった悟は、今回は母親の協力を要請するのではなく友人のケンヤの力を借りることにする。
虐待の事実を知ったケンヤは快諾、悟と共に加代を助け出すことを誓う。

再び誕生会が開催され、悟はケンヤと加代を放置されているバスで匿うことにする。
学校も休ませ、家にも帰らないのに母親は警察に連絡もしない。
このことで児童相談所が動き、加代は施設に行けることに。
誘拐犯からも、母親からも守ったことになった。
だがまだリバイバル状態のままである。
現実世界には戻らない。

悟は何かまだ終わらないものがあるのだと、原因を突き詰める。
そこで悟は担任の八代の行動が怪しいということに気がつき始める。
八代が他の女子を狙っていると確信した悟は、八代に近づいた。
しかしこれこそ、八代の罠。
八代は賢く、的を得ている推理をする悟を殺そうと思っていたのだった。
川で八代に突き落とされた悟。

目が覚めると病院だった。
最初の事故の後のようである。
枕元にいるのは愛梨ではなく、大人になった加代だ。
家には母親もいるという。
未来が変わった。
加代も母も生きているのだ。

ケンヤに会いに行く悟は、人気の漫画家になっている。
ケンヤは弁護士だ。
ケンヤに担任・八代の行方を調べるように頼んだ悟。
八代は現在代議士の娘と結婚し、婿養子に入って名字が変わっていた。

母が見つけたショッピングモールでの違和感。
あの時少女の手を引いていたのが八代だったのだ。
彼の前に立ちはだかった悟。
2人の最終決戦である。

ビルの屋上で八代を責める悟に、「孤独な子供達を救っているのだ」と勝手な理論を押しつける八代。
悟は怒り、八代ともみ合いにある。
その際、八代が用意していたナイフが悟の首を捉えてしまう。
ケンヤにより警察が来て逮捕された八代であった。

数年後
青空の下、ケンヤや誤認逮捕された商店の青年、母親、加代たちが悟の墓前にいる。
花を手向ける彼らは、八代との一件で命を落とした悟を偲ぶのだった。

僕だけがいない街 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2016年
  • 上映時間:120分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー
  • 監督:平川雄一朗
  • キャスト:藤原竜也、有村架純、及川光博、鈴木梨央 etc

僕だけがいない街 批評・レビュー

映画『僕だけがいない街』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

構成力のある脚本

この作品は脚本が良い。
タイムトラベラーを描いているのだが、突然どこかへ戻ると言うより違和感を探すというリアリティーさが面白いのだ。

藤原くん演じる漫画家を目指すアルバイトの青年が、色んな違和感をもとに過去に帰り事件や事故を防ごうとする。
ある日母親が刺殺され、幼少期の頃まで戻ると言う斬新なアイデア。
人生を丸々失敗してしまった男子が、昔に戻り親に虐待されている同級生を助けるところから始まる。
しかし失敗してはまた殺され、また戻りの繰返し。

やがて見えてくるラストはやはりという感じであるが、そこは脚本が良かったので許すことができる。
本当は大どんでん返しのようなものがあると、サスペンスとしても上質であったがそこが勿体無い。
そのまま教師が犯人だとは何ともありがちでそこだけ残念であった。

藤原くんの抑えた演技

藤原くんの出ている映画はどれも舞台演技で大袈裟な演技が多い。
上手いのだがそのオーバーリアクションに映画の内容が頭に入ってこないこともあったりする。
しかし本作はかなり抑えた演技で作品に溶け込んでいる。
彼の実力だろう。

有村架純との掛け合いも自然で、彼だけが目立っているということもなくすんなり作品に入り込める。
特に透明度のある彼女がふんわりと彼の演技を包み込んで中和させている、そんなギブアンドテイクな感じが見ていても入り込みやすい。

僕だけがいない街 感想まとめ

見終わった後にごまかされる映画だ。
恐らく内容は科学的に矛盾点や、シナリオ的に不十分な箇所もあるのかもしれない。
しかしこの時間軸の移動は想像を超えるリアリティーがある。

従来の作品の時間移動はもう少しSF要素が伴い、事件を描くには難しい。
現実的なサスペンス性を追求するのにはファンタジー感も邪魔をしてどっちつかずになり得ることもあるのだ。

だがその否定的な雰囲気を一気に壊し、上質なサスペンスを作り込んだこの脚本はかなりクオリティーが高い。
ただ娯楽作品として純粋に楽しむことが出来た作品である。

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