映画『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』あらすじとネタバレ感想

鋼の錬金術師 シャンバラを征く者の概要:荒川弘原作の人気TVアニメ「鋼の錬金術師」2005年の劇場版。1923年のドイツと錬金世界を舞台にエドと弟アルの活躍を描くファンタジー。声の出演は、朴ろ美、釘宮理恵、小栗旬。水島精二監督作品。

鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 あらすじ

鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
映画『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』のあらすじを紹介します。

国家錬金術師のエドワード・エルリック(朴ろ美)は、禁断の魔術を発動させたため、弟アルフォンス(釘宮理恵)の命を危険にさらしてしまう。その代償としてエドは、自らの片腕と足を失い、もう1つの世界に飛ばされてしまう。

<1923年、ドイツ>
ミュンヘン。2年前にこの世界に飛ばされたエドは、花屋の2階で、弟アルとよく似た顔の青年アルフォンス・ハイデリヒ(小栗旬)と一緒に暮らしていた。ハイデリヒは、ロケット研究者。余命わずかだが、心優しい青年。
11月8日、ミュンヘン蜂起の日。ヒトラーが一揆を起こしたとされる日で、街中でナチスを支持する気運が高まりつつあった。”戦争はしてほしくない”と花屋兼エドやハイデリヒの下宿先の大家である、グレイシアは憂う。
エドは、ハイデリヒとカーニバルに出かける途中、馬車でジプシーの女たちと出会う。その中に、千里眼と呼ばれる、人に触れただけで未来や過去を透視できる少女ノーアがいた。エドに触れて、”あなたも故郷がないのね・・。”と言う。
ノーアが売られそうになっているところをエドは助けます。一方、ハイデリヒはロケットの実験が成功。トゥーレ協会のメンバーでハイデリヒらに資金提供を申し出たルドルフ・ヘス(小山力也)など危ない輩が迫っていた。ノーアはエドたちと共に暮らすことに。
エドは、ユダヤ人映画監督フリッツ・ラング(柴田秀勝)と共にドラゴン狩りへ。ドラゴンに襲われ、父ホーエン・ハイム(江原正士)を知る人物らと遭遇。エドは果たして錬金世界に還れるのか?

<錬金世界、アメストリス>
エドの弟アルは、体は取り戻したが記憶を失くしていた。兄との再会を夢みて、錬金術の修行も再開。兄と同じ姿で動くさまはとても愛くるしい。自分の魂の一部を機械に移して、操る術が得意。もう1つの世界(ドイツ)で、シャンバラへの門が開いた。
時を同じくして、錬金世界アメストリスの首都、セントラルでは大地震が起こり、もう1つの世界から大量の兵隊や戦機が転送されてしまう。その危機に、アルは幼馴染で義手・義足の整備士のウィンリィ(豊口めぐみ)と共に駆けつけます。もう1つの世界でのハイデリヒの計らいで、錬金世界に戻ったエド。
エドとアル、そしてウィンリィとの感動の再会をします。だが、その裏のは地下神殿で門の向こう側への扉を開いたためだった。街では兵器vs住民の銃撃戦が激化。エドは、大量の兵器や戦機を元の世界に戻そうと再び戦う!かつて「焔の錬金術師」と呼ばれた軍人のロイ・マスタング(大川透)も北方の極寒地から参戦。
エドは、首都セントラルの危機を救ったのち、もう1つの世界にある門を破壊するために再び転送。兄と別れたくない弟アルも向かう。

1928年11月8日。フューラー(後にアドルフ・ヒトラー)によるミュンヘン一揆は失敗に終わったが、歴史はヒトラーの台頭を許し、ユダヤ人への差別やアウシュビッツの悲劇を招いた。

鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2005年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:アクション、ファンタジー、アニメ
  • 監督:水島精二
  • キャスト:朴路美、釘宮理恵、小栗旬、かとうかずこ etc

鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 ネタバレ批評

映画『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』について、感想批評です。※ネタバレあり

ヒトラーの野望ともう1つの世界を描く、壮大な物語

フューラー(後にアドルフ・ヒトラー)の野望という反戦アニメの側面を持つ本作は、物語や時代設定がとても難解です。しかし、時代背景や人々の奥底にある差別意識の根深さなどがよく描けていて、エドとアル兄弟の錬金世界アメストリスともよく、リンクされていると思います。

音楽との相性もいい。ラルクアンシエルの「リンク」という曲が流れると、懐かしい錬金世界に還ってきたかのような興奮を覚えます。本作の脚本が悪いという意見もあるようですが、並行世界を描く過程で物語や設定が複雑に見えるせいだと思います。1度だけではなく、2度観ることで物語が深く見えますよ。

本作の見どころは、ラストのエドとアル兄弟の再会シーンと門の向こう側で出会った、弟アルに似た青年との関係性です。弟アルに似た青年アルフォンス・ハイデリヒ役で小栗旬が演じている点に注目。優しくエドを見守る兄のような存在です。エドを元の世界に帰すために命を賭けるシーンは必見。

声だけの演技の良さを実感できると思います。小栗旬以外にもゲスト声優はいます。トゥーレ協会の女性会長デートリンデ・エッカルト役をかとうかずこが演じています。ぜひ、かとうかずこにということで、役柄をあて書きしたようですがキャラクターが自己中心的すぎて彼女に合っていません。

悪役の難しさがありますね。本作はやはり、複雑な世界観よりも、音楽の効かせ方や兄弟の再会シーンなどが魅力的で涙腺がゆるくなってしまいます。

ラルクアンシエル×ハガレンは最高の相性!

この原稿を書いている間、ずっとラルクアンシエルの曲を聴いています。「鋼の錬金術師」の壮大な世界とラルクアンシェルの時空を超越したかのような世界観、また雪のイメージが重なります。雪というのは、冬と置き換えてもいいですが、”深い精神性=錬金世界”のイメージ。あくまでも筆者の中の印象ですが各々で違う想像でもいいのです。

結論として、ラルクアンシエルの曲でなければ、「ハガレン」の世界を表現できないと思います。本編で使われている曲はオープニングが「Link」とエンディング曲「Lost heven」。どちらの曲も素晴らしい。曲は”錬金世界”とのリンクに心が震えます。ぜひサントラ盤も併せてお楽しみ下さい。

鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 感想まとめ

原作ファンもTVアニメファンも楽しめる「鋼の錬金術師~シャンバラを往く者」です。ヒトラーの野望と錬金世界という並行世界を描く、アイデアや製作意図が面白い。少し難解な世界観をほぐしてゆけば、良質な反戦アニメだと思います。特にラルクアンシェルの音楽と「ハガレン」世界が上手くマリアージュしていて心地よいことやラストの、エドとアルの再会シーンに涙が止まりません。

エドの”この世界を守る!生きている限り、世界と無関係ではいられない”という言葉や、ユダヤ人映画監督フリッツ・ラングの”私は映画をまた作り続けよう”という思いに心が打たれます。社会状況が大きく変わっていく今こそ、観るべきアニメだと思います。

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