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映画『ニュー・シネマ・パラダイス』あらすじとネタバレ感想

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の概要:「ニュー・シネマ・パラダイス」(原題:Nuovo Cinema Paradiso)は、1988年のイタリア映画。監督は「教授と呼ばれた男」でデビューし、2作目の本作がアカデミー外国語映画賞の受賞となったジュゼッペ・トルナトーレ。主演のトト(少年時代)にサルヴァトーレ・カシオ。青年時代にはマルコ・レオナルディ。中年期にはジャック・ペランという三人の俳優が、一人の主人公のそれぞれの時代を担っている。映画技師のアルフレード役には「地下鉄のザジ」、「追想」などの名優フィリップ・ノワレ。音楽には名匠エンニオ・モリコーネ。

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映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 作品情報

ニュー・シネマ・パラダイス

  • 製作年:1989年
  • 上映時間:124分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
  • キャスト:フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、マルコ・レオナルディ etc

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 評価

  • 点数:100点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のあらすじを紹介します。

ローマ在住の映画監督であるサルヴァトーレ(ジャック・ペラン)は、故郷の映画館に勤めていた元映画技師のアルフレードが死んだという、母からの連絡が留守中にあったと聞かされる。幼い頃、母と妹の三人暮らしだったサルヴァトーレ(サルヴァトーレ・カシオ)はトトと呼ばれ、彼は地元の映画館パラダイス座に忍び込んでは、上映前の映画をチェックする司祭の検閲を覗き見ていた。当時は刺激が強いとされていたキスシーンを、司祭の独断でカットされてから上映されており、おかげで村人はドラマを盛り上げる演出のキスシーンを見ることができなかった。映写技師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)は頻繁に映写室にやってくるようになったトトを追い返そうとするが、やがて二人の間に友情が芽生え、トトは映写室でカットされたフィルムを宝物のように集めていた。そんなある日、映画を観られなかった客へ深夜の広場で上映中、不慮に事故により上映中のフィルムに火がつき、パラダイス座は炎に包まれアルフレードは火傷のため失明してしまう。村人たちが唯一の娯楽を失い失意に暮れる中、やがてパラダイス座はサッカーくじ成金の善意から立派に再建された。映写技師が不在だったが、アルフレードから技術を教わっていたトトが子供ながらに映写技師になった。新しいパラダイスは最新の映写機が導入され、フィルムも不燃性になっていた。やがて青年になったトト(マリオ・レオナルディ)は、銀行家の娘エレナ(アニェーゼ・ナーノ)と恋に落ち幸せなひとときを過ごすが、二人の仲は彼女の父親に認められず、トトは徴兵され兵役のため村を離れる。数年後村に戻ったトトがアルフレードの許を訪ねたとき、彼は殻に閉じこもるような暮らしの中にいた。アルフレードはトトに村から出て行くように進言し、トトはその忠告通りひとりローマへ旅立つ。彼が故郷の町を離れて30年の年月が流れていた。葬儀に出席するため村に戻ってきたトト(サルヴァトーレ)はアルフレードの棺を見送る中、廃館になったパラダイスの前で懐かしい面々との再開を果たす。そしてエレナとも再開を果たしたサルヴァトーレは取り戻せない日々の憂いを覚える。数日後パラダイスの解体に立ち会った村人の想いを背に、サルヴァトーレはローマへと帰って行った。そしてローマの映画館に彼が持ち込んだアルフレードの形見のフィルムから、幼い日のトトが集めたキスシーンがスクリーンに映し出されていた。

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映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

映画が娯楽の王様だった時代のファンタジー

戦後の復興期に、映画と音楽がどれほど娯楽として重宝されたかは計り知れない。テレビが発達してもテレビでも様々な映画が放映されるようになったが、それまでは映画館は正しく娯楽の中心であり、町の発展も映画館を取り巻くように賑わっていた。私事ながら自分の近所には、西田敏行主演の松竹映画「虹を掴む男」のモデルになった映画館があり、山田洋次監督、西田敏行、倍賞千恵子、田中裕子、吉岡秀隆など多くの役者がロケに訪れ、作品中にも本作の「ニュー・シネマ・パラダイス」が上映されていた事が印象深く残っている。その映画館は普段はポルノばかりで、夏休みやゴールデンウィークには子供向けの作品がたまに上映されるという、廃館寸前の寂れた映画館だったのだが、運良く山田洋次監督の眼に叶い映画の舞台になり再建され、古い佇まいに手を加えられながらも、片田舎でコミュニティセンターとして現在に至っている。自分が幼い頃には日活の青春映画や時代劇、時折洋画もリバイバルで上映されており、商売をしていた当家には宣伝用のポスターも貼られ、そのお礼として無料の入場券をいただきよく友人たちと通ったものだ。テレビとは違う大画面に魅せられて土日の観客は相当多かった記憶もあるのだが、やがてテレビ番組の充実に相俟って、ロードショーが上映されない片田舎の映画館は殆ど廃館の憂き目にあった。そういった自らの記憶とも重なるような本作は、何度観ても幼い頃の記憶が甦り、ノスタルジーに浸れる感動の一本になってしまった。

古き良き時代を背景にした傑作ドラマ

片田舎の映画館で働くアルフレードはいつしか映画の中で人生というものを知り、トトはそのアルフレードに影響され育ち、やがて自ら映画人として成功を収めるプロセスだが、田舎に埋没して行くトトの将来を案じ、ローマに行く事を勧めるアルフレードの親心に心を打たれる。それぞれに事情は違うだろうが、自分が生きてきたような人生を歩ませるような事を望まず、新しい世界で自分の人生を歩む事を望むというのは老人には辛い選択だろう。しかしアルフレードは変わりゆく時代にトトと出逢い、ささやかながら想い出を残せたという部分で自ら思うほど不幸ではなかった。今の情報化社会から考えれば、都会にばかり向かうというのは賢い選択とは言い切れない部分もあるが、当時の時代背景からは田舎で埋もれてしまうというのは、若者の選択としては有り得なかったのだろう。恋に破れ、戦争で傷ついて帰って来たトトに対し、自らは失明しながらも「お前は盲目だ」と説き伏せ、自分のように埋もれさせまいとするアルフレードの想いが痛いほど伝わってくる。小さなドラマの中に内包するささやかな人生ドラマが情緒的に描かれた、古き良き時代を背景にした人情ドラマの傑作である。


「映画に対する愛」を肌で感じることができる映画です。
そして、なんといっても音楽が素晴らしいです。正解的にも有名な曲で、テレビでもよく耳にしますが、その度に物語の結末を思い出して泣いてしまいます。
カットされたフィルムが繋ぎ合わされて流れる映像も素晴らしいです。イタリアの風景と言葉の響きが、当時の雰囲気をそのまま伝えていて、どこか素朴な温かみを感じます。
映画が好きな人の、心の琴線に触れる物語です。(女性 40代)


歳を重ねた大人にこそ観て欲しいです。
私が初めて観たのは、10代の頃。名作だからという理由で観たけれど、そのときの感想はあまり覚えていません。30代後半になりもう一度観たとき、「なんて良い映画だろう!」と感動しました。

映画が大好きな少年トトが、目をキラキラさせてスクリーンを見つめる表情はとても可愛らしく、それを見守るアルフレードとの世代を超えた友情には、心が温かくなります。幼い頃のピュアな情熱は大人になるにつれ薄れていくように思えるけれど、ふとしたきっかけでよみがえり、一瞬にして心を満たしてくれる。人生って悪くないなあと思わせてくれる作品です。(女性 40代)


「ノスタルジーに惑わされるな」というセリフが今でも忘れられない。ノスタルジーを全力で表現している映画なのに、真逆のメッセージが心に凄く刺さった。途中、何に泣いてるのか分からないけど涙が出た。

エンニオ・モリコーネの音楽は何故こんなにも美しいのか。「愛のテーマ」に乗せてスクリーンに映し出される映画のキスシーンの数々は、切り取られた青春を見ているみたいに熱い気持ちにさせられる。また年月を経て観たい作品だ。(女性 20代)


少年ココが成長し、アルフレードとの交流を通して大人になるまでを描いた名作。そして、見る年代によって様々な感想を抱ける素晴らしい映画。

もう少し若かった頃は主人公ココの視点をメインに視聴していた。アルフレードが良かれと思ってやったことに、理解は示しきれなかった。それから数年後再びの視聴。以前よりアルフレードの父親がわりとして若者の背中を押してあげたい気持ちが少し分かるようにもなった。また歳をとった時には、さらに別の視点から理解が深まるのだろう。

こんな映画はなかなかない。(男性 30代)


ミニシアター界の一世を風靡した作品。舞台となる村に漂う雰囲気は、そこが異国にも関わらずどこか懐かしさを感じさせる。登場人物達に悪人はおらず、皆がそれぞれの善意で行動する。そして映画や映画館が好きな人の琴線に触れる映画館そのものを中心としたストーリー。これ以上ないほど作品に合った音楽。ファンも多く良い作品であることは間違いない。しかし誤解を恐れずに言えば、ノスタルジーに惑わされるなという話でありつつ、どこか人を酔わすところがある感じが少し苦手だったりもする。それでも観ずにはいられない一本。(男性 40代)

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』 まとめ

ジュゼッペ・トルナトーレ監督は、本作を含め「マレーナ」や「シチリア! シチリア! 」など故郷を描いた作品が多く、その小さな社会を背景にした人情話は名人芸と言えるだろう。老人と少年の物語という設定は、スタンダードながら素直に感動へと誘い込まれるマジックであり、時代を巧みに切り取る演出も非の打ち所がない。日本でも単館上映としてロングラン記録を打ち立てた本作だが、映像を見事に昇華させた名匠エンニオ・モリコーネの音楽も、映像とオーバーラップするようなハーモニーで感動を増加させる。多くの著名ミュージシャンが本作のテーマをカバーしてるところからも、その影響力は計り知れない。想い出というものの大切さが身に染みてくる名画である。

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