映画『おいしい生活』あらすじネタバレ結末と感想

おいしい生活の概要:今なお作品数の衰えない現代映画界のシェイクスピアことウディ・アレンによる、2000年のロマンチックなクライム・コメディが今作。義銀行強盗を題材にしながらも、終始笑いの絶えない画面作りは彼のオリジナル脚本作品ならでは。今作から特にコメディ色の強くなったアレン作品に注目です。

おいしい生活 あらすじネタバレ

おいしい生活
映画『おいしい生活』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

おいしい生活 あらすじ【起・承】

かつて銀行強盗を計画するも、全員が同じマスクをかぶったことで誰が誰だかわからなくなり、そのすきに逮捕されるというヘマで服役していたレイは、現在は皿洗いとして安月給に苦しんでいます。

そんな日々に鬱屈した彼は、とある作戦を仲間とフレンチーに持ち掛けます。その計画とは、銀行の二つ隣の店舗を借りて商売をし、商売を隠れ蓑に穴を掘り、地下から銀行に忍び込むというもの。おバカな仲間たちと化粧の濃い若妻はこの話に乗り、さっそく行動に移します。

フレンチーがカモフラージュのために始めた商売はクッキー屋「サンセット・クッキー」。彼女の手作りクッキーは近所でも評判の味だったからです。
レイをはじめとする仲間たちの穴掘りはなかなか進まない中、フレンチーのクッキー屋は評判を呼びます。大行列になった店が切り盛りできず、従妹のメイも雇います。店の人気はどんどん上がり、その裏で穴を掘り続けるレイたちは、地図を逆さに見たりと、てんやわんや。

おいしい生活 あらすじ【転・結】

ついに辿り着いた先は、銀行ではなく服屋。間違ったと焦る彼らに警官が待ち構えていました。しかし彼は、黙っていてやるかわりに仲間に入れろと持ち掛けます。彼が仲間に入れろと言ってきたのは強盗計画ではありません。クッキー屋の商売だったのです。

警官のアドバイスに従いフランチャイズ化したサンセット・クッキーは一年後、目覚ましい成長を遂げていました。すっかり大富豪となったフレンチーは、大富豪の生活に興味を持ちだします。成金である彼らは、上流階級のマナーをことごとく間違え、恥をかいて回ります。

そんな折、スマートな美術商デヴィッドが二人の前に現れます。途端に夢中になるフレンチーでしたが、デヴィッドはフレンチーのことをお金持ちのパトロンくらいにしか見ません。そうとは知らずフレンチーは彼に入れあげ、高価なプレゼントをして、ついには長期の旅行の約束を取り付けるのです。

旅行直前、フレンチーに一本の電話が入ります。会社の経理が不正を働き、会社が倒産したという電話でした。急いで帰ってみると、財産の全ては消え、レイとフレンチーは一文無しになってしまっていたのです。
しかしそうなってやっと、夢から覚めたフレンチー。財産を失って初めて、それでも隣にいてくれるレイへの愛を思い出したのでした。

おいしい生活 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2000年
  • 上映時間:95分
  • ジャンル:コメディ、ラブストーリー
  • 監督:ウディ・アレン
  • キャスト:ウディ・アレン、トレイシー・ウルマン、ヒュー・グラント、エレイン・メイ etc

おいしい生活 批評・レビュー

映画『おいしい生活』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

大量生産コメディ

多作で知られるウディ・アレンなのですが、その作風にはあまり幅がありません。その中でも特に今作は、ただバタバタしているだけで、彼の作品の本来の持ち味である知的さが感じられません。テーマが「下流の幸せ」なので、仕方ないとは思うのですが…。
正直、彼のこの手の作品には飽きがきているな…と思ってしまいました。

また、クライム・コメディと銘打たれているわりには、クライムがほとんどおまけですし、まあくだらない。このシーンを軽んじてしまっているからこそ、全体に漂うチープさが悪く作用してしまっているような気がしました。

上流階級のくだらなさ

とは言っても、ウディ・アレンが得意とする皮肉なテーマはピリリと効いていました。成金としてなりあがったレイとフレンチーの二人が社交界でフィンガーボウルの水を飲むなど恥をさらすシーンも、よくよく考えればそんなルールの何がそんなに重要なのか、レイの台詞から考えてしまいます。
「僕は、やっぱりジャンクフードを食べて安酒をあおって、バクチしたりしたいんだ。」
彼がメイに吐露するシーンでは、幸せとは個々の価値観で決まるということが如実に表れています。庶民である私のような観客からしたら、なんだか安心できるそのようなテーマが、ウディ・アレン作品が愛されるゆえんなのかもしれません。

サンセット・クッキー

今作のタイトルにも挙げられる通り、今作に登場するクッキーがとても美味しそう。このクッキー、日本で売られている小ぶりなものとは少し違い、大ぶりで柔らかい触感のものです。日本でも「ステラおばさんのクッキー」などで、少し前から人気のある、このアメリカンスタイルのクッキー。ぜひ、今作を観ながら食べてみてください。
アメリカでは、コーヒーよりも牛乳を合わせるのがポピュラーだそうです。

おいしい生活 感想まとめ

今作の主人公はいわゆる「下流」で、頭もよくありません。暮らしぶりも良くなければ、美男美女でもありません。ですが、行動がコミカルで憎めなかったり、純粋であったり、バイタリティに溢れていたりして、実にチャーミングです。

今の生活を壊してしまうから、と挑戦をためらいがちなひとに薦めたいウディ・アレン作品。めちゃくちゃやっても、10年後には良い思い出になっているかもしれない、と思わせてくれるパワフルなコメディ映画です。

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