映画『平成狸合戦ぽんぽこ』あらすじとネタバレ感想

平成狸合戦ぽんぽこの概要:1994年公開のアニメ映画。制作はスタジオジブリ。監督・脚本は高畑勲。声の出演は野々村真、石田ゆり子、三木のり平、泉谷しげる、林家こぶ平、芦屋雁之助など。

平成狸合戦ぽんぽこ あらすじ

平成狸合戦ぽんぽこ
映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじを紹介します。

舞台は東京の多摩周辺。ここでは人間による住宅化が進み、山や野を切り開き、自然破壊を進める事によって多摩ニュータウンが作られようとしていた。古くからこの森に住んでいたタヌキたちはエサ場が減ってしまい、このままでは生きていけない所まで追い詰められていた。今までは縄張り争いをして喧嘩をしていたタヌキたちも、これを機に団結し、なんとか人間たちの自然破壊を阻止しようと計画をする。

タヌキには「化け学」と呼ばれる変化の術がある。四国や佐渡から化け学の権威である長老たちを呼び寄せると、皆で必死に化け学の訓練を始めるのだった。

人間たちに一矢を報いてやろうと、タヌキたちは「妖怪パレード」を実施に移す。それは化け学の技術を最大限に生かした、一大妖怪変化パレードであった。しかし人間側はそれをタヌキの仕業と信じるどころか、レジャーランドの宣伝の一環であると思い込んでしまう。失意のどん底に陥ったタヌキたちは、それぞれ生きのびる道を探るしかなかった。

化け学を獲得しているものは人間として人間社会に溶け込んで、化け学を獲得していないものはひっそりと都会の影に隠れて生きていった。こうして人間が知らない所で、今でもタヌキたちは生きのびているのだった。

平成狸合戦ぽんぽこ 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1994年
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:ファンタジー、アニメ
  • 監督:高畑勲
  • キャスト:野々村真、石田ゆり子、三木のり平、清川虹子 etc

平成狸合戦ぽんぽこ ネタバレ批評

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』について、感想批評です。※ネタバレあり

前代未聞のタヌキ映画

多摩に住むタヌキたちを主人公にしたアニメが今作「平成狸合戦ぽんぽこ」である。人間が知らない所では、実はタヌキたちは二本足で歩き、言葉を交わし、化け学と呼ばれる術によって変身をしているという設定がまず抜群に面白い。おそらくこういったタヌキたちの面白可笑しい生態を描くだけでも映画は成立したのだろうが、今作は自然破壊を続ける人間とタヌキの戦い(合戦)にスポットが当てられているところが捻りが効いている。

自然破壊の申し子、人間

今作では明らかに人間は悪として描かれている。自然を破壊し、タヌキの住み家を奪い、自分たちはどんどん支配する場所を広げていく。だが始末が悪い事に、人間たちはその行為を悪だとはまったく思っていない。映画内でも、特に極悪人の人間が出て来る訳ではないのだ。彼らは彼らなりの論理によって、自然破壊を進めているだけである。その描き方が、逆にタヌキたちの悲劇性を際立たせていると言えるだろう。罪の意識のない犯罪ほど恐ろしいものはないからだ。

楽しいタヌキ世界

しかし、この映画は決して暗い映画ではない。むしろ楽しい家族向けの映画と言っていいだろう。確かに終盤の展開のもの哀しさは子供向けではないかもしれない。しかし、全編を通してタヌキたちの底抜けの明るさと、楽しい音楽によって救われているのだ。

キツネと違ってのんびりした性格のタヌキたちは、とにかく歌って踊るのが大好きだ。「イヤサッ!」の掛け声から始まる音楽の数々は、見ているこっちまでもがリズムを取りたくなるような楽しさに溢れている。どんなに人間たちから追い立てられても、踊って楽しむ事を忘れないタヌキたちのしたたかな生き方に、私たち人間は逆に学ぶところがあるのかもしれない。

平成狸合戦ぽんぽこ 感想まとめ

タヌキの目線から自然破壊を描いた今作は、思わずハッと反省させられる所も多いだろう。だがそこはしっかりエンタメとして作り上げているのはジブリならではである。タヌキの一挙一動のリアルさも素晴らしいし、妖怪変化の多様さも見ていて楽しい。唯一の難点は、タヌキたちの顔がどれも同じに見えてしまい、キャラクターの差がまったくわからない所だろう。しかし軽妙なナレーションのおかげで、最後まで肩を凝らずに見せ切ってしまうのはうまい。自然破壊が進めば進むほど、ジブリで描かれているような世界が減ってしまうのだ。我々が為すべき事とは何なのだろうか。そんな大事な事を思い出させてくれる、重要な一作である。

Amazon 映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の商品を見てみる