映画『紳士協定』あらすじネタバレ結末と感想

紳士協定の概要:1947年のアメリカ映画。人種問題を題材にするのがタブーとされた中で、初めてユダヤ人の差別問題を取り上げた問題作である。アカデミー賞作品賞を受賞したことで話題になった映画。

紳士協定 あらすじネタバレ

紳士協定
映画『紳士協定』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

紳士協定 あらすじ【起・承】

有名なライターであるフィリップ(グレゴリー・ペック)はカリフォルニアからニューヨークへ引っ越してきた。
妻とは死別し、現在は心臓の持病を抱える母親と息子のトミーと三人暮らしだ。
ニューヨークで有名雑誌編集長のミニフィーから、反ユダヤ主義についての記事を書いたらどうかと訪ねられる。
これはミニフィーの姪・キャシーの案であった。

何度か会ううちにフィリップとキャシーは惹かれて合う。
しかし書こうと思えば思うほど、フィリップには反ユダヤ主義を記事にするのが難しかった。
彼自身が人種差別というものをしない人間だったのである。
友人でユダヤ人のデヴィッドがいるため彼に話を聞こうとも思ったが、フィリップは良いことを思いついた。
自分がユダヤ人の振りをして相手の反応を見ることだった。

彼がユダヤ人であるという噂はたちまち広がった。
するとどうだろう。
母親の心臓医は急に態度を変え、息子は学校でいじめに遭う始末。

紳士協定 あらすじ【転・結】

フィリップの秘密を知っているのはキャシーと家族、ミニフィーだけだった。
ある日同僚のアンのパーティーで、フィリップはキャシーのプロポーズをした。
キャシーは姉にフィリップを会わせるため、姉が住むコネチカット州へ。

しかしハネムーンでも差別を受けるなどを経験。
このことでキャシーとフィリップにも溝が出来ていく。
ユダヤ人差別問題はフィリップが思っていた以上に深刻だったのだ。

フィルが経験した全てのことが記事になった。
そして発表された。
この記事は内容的に非常に優れていると評価され、フィリップが実はユダヤ人では無かったと明かされた。
するとフィリップに対する態度はころっと変わった。

キャシーは差別を受けたことで真剣に差別について考えるようになり、フィリップのことを思う。
デヴィッドに本当の気持ちを話し、フィリップとやり直すようにアドバイスをもらった。
二人はもう1度最初からやり直すことを決め、デヴィッドもまた人生をやり直そうと決めたのだった。

紳士協定 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1947年
  • 上映時間:118分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:エリア・カザン
  • キャスト:グレゴリー・ペック、ドロシー・マクガイア、ジョン・ガーフィールド、セレステ・ホルム etc

紳士協定 批評・レビュー

映画『紳士協定』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

社会派問題作

この映画は堅い。
社会派問題作と呼ばれている映画は数多くあるが、これほど印象深い作品は無いかもしれない。
ただ人種差別を描いただけではない。
自分がユダヤ人を装い、実際に受けた差別やいじめを記事にするという壮絶なもの。

人間の本当の怖さを表現した作品である。
人種を聞いただけで今まで仲良くしていた人間までもが変わってしまう。
ここ日本でも小さなものから差別が生まれることもある。
昔は日本にも部落など存在していた。

しかしアメリカだからこそ人種差別というものがわかりやすい国だったのだろう。
様々な国の人間が共存しているからこそだ。
差別してバランスを保ち、差別していることで優越感に浸り自分を保つ。
何と浅ましい存在だろうか。
人間の恐怖と現実の厳しさを冷静な着眼点で描いたアメリカの魅力的作品である。

グレゴリー・ペックの名演技

本作品の魅力は俳優にもある。
グレゴリー・ペックは当時誰もが好きだといっても過言では無い俳優であった。
彼の演技力は素晴らしく、特に本作品ではシリアスで難しい役柄に挑戦した。
難しい題材を扱う上で、役柄の性格をきちんと把握した彼だからこそ誰もが納得する説得力がある。
彼の演技を観るためだけでも大いに価値がある映画だ。

日本人にはわからない文化

日本では基本的には多民族国家ではないし、無宗教者も多い。
その中で民主主義も確立されている。
生きていく上で他国よりも条件が良い国である。
ここに暮らす自分たちから観ると正直理解するのに難しい作品である。
しかし何かを伝えるのが芸術作品の良さでもある。
このような作品を世に出せたら良いと思う。

紳士協定 感想まとめ

映画が好きな人の中で観るべき映画と、観ても良い映画がある。
本作品は観るべき映画だ。
映画というものは社会性や流行をそのまま映し出す。
それを後で観て忘れない、というのも映画の良さなのだ。

誰かから聞くよりも当時の様子を実際に目で見た方は絶対に良い。
人種差別は人が生きている限り無くならない。
しかしリアルに感じることは中々無いのではないか。
作品として知識を残すということも映画の役割。
このような作品こそ映画で観るべきである。

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